2007年07月13日
年をとって切実に思うことがある。
それは、失敗できるって素晴らしいな…という事である。
今充分に年をとって、自分の人生を振り返えると、失敗し切れなかった自分の過去を少なからず悔やんでみたりする。
ずっと僕は何かをやらかしてみたかったのだろう…。
彼らの戦う姿を見て、成功も失敗も知らずに今こうして満ち足りた小さな幸福の中に暮らしている僕は、ほんとうに今更ながら…そんなふうに思った。
サッカーには0-0の構えがある。
そしてそれは1-0の構えや、2-0の構えと同じものではない。ワンマッチ・ノックアウトのトーナメントであれば尚更である。2-0で残り20分であれば、さらに尚更である。
刻々と移り行く試合状況へ対応し切れなかった。攻撃を捨ててでもゴール前を固めて、そこから時間を消費するボールキープやリスクを限定したカウンターに結び付けられなかった。
彼らの世界へ続く道のりにたった一つ欠けていた最後のピース…それがこの成熟した状況判断であり、それを育む高いレベルでの国際経験であったのかも知れない。そしてこれは彼らの問題ではない。この国、日本の今後の大きな課題である。
彼らは十分な実力を有していた。
それをもう一歩高い舞台へ導けなかったこの悔恨は、僕らみんなが分け合って未来へと進んでゆくべきものであるように思う。
林彰洋はもっとフィードと判断力を磨かなければならない。一刻も早く高いレベルの環境に身を投じて欲しい。
内田篤人は、軽い守備を改めねばならない。さらに強い体を作って今後10年日本の右サイドを担っていかなければならない。
安田理大は、プレーの選択をもっともっと学ばなければならない。そしてその中で、大胆さを失わないプレイヤーであり続けて欲しい。
福元洋平は、大舞台で自身の実力を余すことなく発揮できる精神力を磨いて欲しい。この悔しさを糧にして、さらに自身の力を高めていって欲しい。
槙野智章は、一刻も早くチームでポジションを取らなければならない。
梅崎司は、とにかく運動量である。そしてその質を高めてゆかなければならない。
田中亜土夢は、チームで不動のスタメンの座を確立しなければならない。その上でパス精度、クロス精度をさらに磨かなければならない。
柏木陽介は、一刻も早くフル代表でポジションを勝ち取らなければならない。
青山隼は、更に強く、そしてズルく、プレーを磨いて、チームにポジションを得なければならない。
河原和寿は、このひたむきさを忘れずあらゆるプレーの精度を高めていかなければならない。
森島康仁は、全てにおいてあとツーランクプレーの質をアップさせなければならない。
そしてこの国に住むその他すべてのU-20選手達…彼らに追いつき追い越さねばならない。
来年にはA代表のピッチで脚光を浴びる選手がいるかも知れない。そしてなかには、あと2~3年でプレーヤーとしての生命を終える選手もいることだろう。だからこそ今を精一杯生きて欲しいと思う。そしてプレーできる事の喜びを忘れず、それを全身で力いっぱい味わって欲しいと心から願っている。
最後に、
楽しいサッカーを本当にありがとう。
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posted by 桐谷 |00:00 |
2007 U-20WCカナダ |
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2007年07月09日
この試合の最大のタスクは“負けずにGL1位突破”を果たし、移動なしに決勝トーナメント初戦を戦う権利を得ること。
そしてその上で出来得るならば、恥ずかしい試合をしないこと。
この対ナイジェリア戦における結果と内容は、見事にその二つの要素を兼ね備えた、文句のつけようのない出来映えであったと思う。
引き分けで良い試合を、優勝候補相手に怯むことなく立ち向かい、時にリスクを背負いながらも前へ出て勝ちに行った。この選手達に満ち溢れた自信と闘争心の表れは、スタジアムやTVでそれを観戦した者に、サッカーの興奮と感動を余すところ無く伝えきれたのではないだろうか。
押し込まれた時間帯の濃度が濃く、また集中していた為に、若干押され気味の印象を持つ方も当然居られるだろうが、決定機の数を数えればほぼ互角、内容的にも勝負はどちらに転んでもおかしくないものであったように思う。
この1試合においてナイジェリアの今現在の力を単純に推し量る事は危険だが、少なくとも今回優勝候補と言われるこのナイジェリア相手に“勝ち負け”できる内容を示した…。これは今後の日本サッカー界にとって非常に大きな財産となる事だろう。
依然突破とクロス精度に冴えを見せる梅崎司をはじめ、この試合における藤田征也と森重真人の闘志とその頑張りには幾度も胸を打たれた。
ナイジェリアの球際の強さ…を時に凌駕する小柄な日本選手達の球際の執念とその気迫には心からの拍手を送りたい。
ここまで逞しいU20日本代表の姿を見たのはこれが始めてのことである。レフェリーを時に熱くさせるほどの強かなゲーム運びと巧妙な駆け引き…これまでのU20の枠を大きく踏み越えるその成熟した姿は、この国の新たなステージの幕開けを予感させるものであった。
このレベルの相手に、大きなサイドチェンジなく狭い局面での打開をごり押ししてはいけない…。
敵がDFラインを上げてきた時間帯において、前線からのチェイシングを片時も怠ってはならない…。(この試合において河原和寿の存在の大きさを痛感した筈である)
そして、DFラインから“繋ぐ意識”はそれ自体をアイデンティティとして大切にしていかなければならないが、ハイプレスに窮した時間帯には『如何に安全に相手にボールを預けるか』というリアリズムに根ざした視点で、大人びたゲーム運びをする事ができれば、彼らはこの大会において更なる“何か”を成し得るのかも知れない。
近いようでいて実は遠い世界。
遠いように見えて実は近いのかもしれない世界。
この混濁した意識と感情の中で、僕は今世界を間近に感じ始めている。
今彼らが与えてくれたこの世界へと通じるリアリティある夢物語を、心躍らせながら、最後までじっくりと見守ってゆきたいと思う。
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posted by 桐谷 |00:00 |
2007 U-20WCカナダ |
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2007年07月07日
中盤のプレスの希薄なスコットランドに完勝した時点で、これで浮かれていたらコスタリカ戦では痛い目に合うだろう…と考えていたが、多少押され気味ながらも拮抗した紙一重の展開の中から勝利を掴み取った。
この階級の相手にほぼ互角の内容で戦える現U20日本代表の自力は、決勝トーナメント進出に相応しいものであるだろうし、トーナメント表を見渡せばもう一歩前へ踏み出すチャンスも決して小さくはない。
ナイジェリア戦で一息抜けるのは他のグループリーグを戦う相手に対して非常に大きなアドバンテージであるし、コスタリカ戦最終盤のバタバタの時間帯における守備ブロックの在り方とそこから“繋いで”時間を消費してゆくボールキープのコンセンサスをしっかりと確認した上で、決勝トーナメントへの戦いに備えて欲しいと願う。
負傷のためかやや存在感に欠ける柏木陽介に変わり、梅崎司や田中亜土夢がその能力を存分に発揮している。守備では槙野智章と青山隼の頑張りもこの結果に大きな影響を与えている。そして本番に向けてここまでチーム力をアップさせた吉田監督の手腕にも高い評価が成されてしかるべきだろう。
この後の“結果”がどうあれ、日本代表のサッカーとして誇れる“内容”を世界に示すことができた。一時的な“結果”に囚われることなく、愚直にそれを追求してゆくことが、いずれこの国の地に足つけた自力となり他国からの確固たる評価となってゆくだろう。
コスタリカの攻守の切り替えの素早さ、そして前でボールを奪う…という闘志の猛々しさ、U20日本代表にはこの2つの要素をしっかりと彼らから学び、糧にして、これからの試合に臨んで欲しい。
そして今後、梅崎司の自由はどんどん制約されることだろう。内田篤人と柏木陽介の復調に期待して、彼らの戦いを見守ってゆきたい。
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posted by 桐谷 |00:00 |
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