2008年05月06日

フッキとニッポンの限界

僕は悔しかった。

それはフッキの強引さゆえの失敗が…ではなく、それに対する我々ニッポン人の評価が…である。

“なんでパスを出さないの?”
“どうして一人でやろうとするの?”
“確率の低いシュートを、なんで、どうして、打ってしまうの?”

僕が彼であれば、そんな批判にいちいちにこう答えるだろう。

“やってみたかったから”
そうして、
“きっとやれる…と思ったから!”

自分の限界はどこにあるのだろうか?
それが判れば、きっと判断はたやすいし、今より賢いプレーができるだろう。
けれどもその限界を認め、限定された可能性の中に、彼が自分のプレーを探し始めたとしたらどうだろうか…?きっと僕はこの21歳の若者にこんなにもトキメクことはもはやないだろう。

若き日のエジムンドも、ロマーリオもアドリアーノも、常に限界のその先の…プレーを捜し求めていたストライカー達であった。そして今それを、僕たちはニッポンで、Jリーグで、見ているのである。結果、彼がどれほどの到達点に辿り着くのかは僕には判らない…。中東の果てでただ金の為にそのポテンシャルを燻らせたまま終わるのかも知れないし、もしかしたら欧州に渡り、メッシやテベスのようなタレントたちとバロンドールを争う選手にまで上り詰めるのかも知れない…。それはまったく判らない。が、その2つの可能性の均衡の中で、21歳の若さにして、このニッポンでそのプレーを披露してくれた選手は、このフッキが初めてである…と、僕はそれだけは断言できる。彼に訪れる未来が、そのどちらであったとしても、僕はまったく驚かない。
そしてその未来が、より実りあるモノになるように、

『パスじゃない。一人で行け。シュートまで行ける。できるっ。やれるよっ!』

そうTVの前で一人呟きながら、今彼のプレーを見ている。

ジョージ・ベスト、マラドーナ、エリック・カントナ、そしてエトオ、ルーニー…。飛びぬけた次元を有するタレントたちが、いつも少々クレイジーであることは世界の常識からすれば“当たり前”のことなのかも知れない。そして僕は、なぜかそんな彼らの物語が“嫌い”ではないのだ。アルシンド、ストイチコフ、ストイコビッチ、エムボマ、ウェズレイ、エメルソン…Jリーグにおいても、こうして光り輝いたタレントたちは、僕らの“規準”からみれば、多少なりともクレイジーな気質…を持ち合わせていた筈である。
僕はそれも含めて、今このフッキのプレーを愉しんでいる。プレーにしろ、キャラクターにしろ、その突き抜けたスケールであり、クラスを味わっているのだ。


東京ヴェルディVS横浜マリノス。
前半42分頃のプレーである。

1点のリードを得た前半残り3分ほどの時間帯。バイタルの少し手前の、状況的に可能性の見えない局面から、フッキは強引にゴールへ向かって左足を振りぬいた…。フッキであれば20回に1度は“入る”局面である。が、日本人であれば100回に1度しか“入らない”局面である。

その瞬間、スカパー解説の原博実さんであったと思うが、残念そうな声をあげた。そうだ。いつものあれ“なぜ、確率の低いシュートを打ってしまうのか…”というあの嘆きである。

100歩譲って、0-1のビハインドの局面、前半残り3分の局面でのその“嘆き”であれば、僕も甘んじて聞き流したい…と思う。けれども1点リードして、残り3分。ゲームは終始マリノスのポゼッションに押し込まれているし、展開が開けていた局面ではない。少々強引であろうとも

“シュートで終わる”

そのシチュエーションに、僕はあれ以上正しい選択など無かったと思っている。
そしてこれこそがニッポンの問題であり、大きな“壁”なのだな…と改めて思う。

ストライカーが育たない…という。
そしてニッポン人はシュートを打たない…という。だから敵にとって“怖く”無いのだ…と。

大きな森を仰いで、僕らはつねにそう嘆くが、一つ一つの木を見ながら、果たしてそんな“嘆き”に正しく向き合ってきたのだろうか…。日本を代表する元ストライカーのそんな言葉を聞いて、僕は小さくない焦燥と不安に苛まれたりもする…。

そして改めてフッキに、そしてニッポンのストライカーたちに、心の底からこう叫びたい。

やれる。きっとやれる。
パスじゃない、シュートまで行ける!…と。

そして、何度でも、失敗していいんだ…それがサッカーなんだ…と。


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posted by 桐谷 |06:19 | Jリーグ | コメント(25) | トラックバック(0)
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2008年03月07日

【Jリーグ】 2008シーズン 展望

ベッケンバウアーの言うように、常に勝者こそが強者である…という認識が素直に受け入れられれば何の問題もないのだが、2006WCアルゼンチンがベスト8で姿を消したように、或いは2004ユーロにおいてチェコやポルトガルがギリシャに敗れたように、必ずしも強いチーム、良いチームが勝つとは限らないのが、サッカーの現実である…と僕は思っている。

ただし、最後の勝負を決するアヤの部分までは読みきれないが、リーグ戦であれば優勝争いに足る地力を有したチームか、或いはそうでないのかはおおまかに予測が可能である。よってここでは優勝争いに足る地力を有したチームと、その可能性が見込めるもう1つのグループについて、おおざっぱな予測を記しておきたい。

多くのメディアでも4強…と言われるように、実質的には鹿島アントラーズ、浦和レッズ、ガンバ大阪、そして川崎フロンターレの4チームが主役になってくるのだと思う。

そしてその中で、僕から見て“堅い”と思われるのは、大きな主力の入れ替えが無く、チームスタイルも確立されている鹿島アントラーズとガンバ大阪である。どちらも派手さはないが非常に手堅い補強ができたと考えるし、チーム戦術が隅々にまでしっかりと浸透しているのが伺われる。今後鹿島も小笠原満男や本山雅志の代表召集が考えられ、また両チームともACL等でコンディション的に追い込まれる部分もでてくると思うが、厚い選手層と経験値の蓄積でこの2チームならば乗り越えられるのではないかと僕は思っている。要するにこの2チームは大崩れなく、優勝争いに絡んでくるだろう…という予想である。

難しいのは川崎フロンターレの捉え方で、突き抜けるポテンシャルも有しながら、3人の優れたアタッカーを共存させることによる弊害…ディフェンス面のバランスには少なからずリスクを抱えている部分もあるだろう。若い頃のエジムンドに引けを取らない才能と破天荒なキャラクターを思い起こさせるフッキという強烈な個性がどうチームに溶け込めるか?そしてジュニーニョはそんな中どれだけ大人に徹しきれるか…が、このチームの浮沈の鍵になるものと考える。さらに井川祐輔、我那覇和樹、養父雄仁、そして黒津勝など、優れた質の高いバックアッパーに恵まれながらも、やはり他の3チームに比べればややボリュームの面で劣る事実は否めない。チーム得点80を超えるような超攻撃布陣の爆発も考えられるが、同じかそれ以上に失点を増やしチームバランスを欠いてしまう危惧も感じる。幸いにしてJ序盤の対戦表を見れば、川崎にとっては恵まれた組み合わせが用意されているようだし、第10節の鹿島戦までにチームバランスを整え、大きな取りこぼしなく自信を蓄積してゆく事ができれば、僕はこの川崎フロンターレを優勝候補の一番手に挙げてみたい…と考える。関塚隆監督にとっては、まさに勝負の1年である。僕は今年のJ1は、この川崎フロンターレを中心に観戦してゆきたいと思っている。

心配なのが浦和である。攻撃の柱、2人の助っ人を欠いてのスタート。そしてワシントンはもう帰ってこないし、ポンテのケガも彼の年齢を考えれば完全復帰に至るかどうか微妙なところではないだろうか?勿論期待度としては彼らに劣らないだけの補強を済ませはしたが、実際に新加入の選手達が働いてくれるかどうかはまだ未知数である。エジミウソンは高いモチベーションを持ってオジェックの指揮の下1年間頑張りきれるかどうか、そして高原直泰をフランクフルトはなぜこんなにも簡単に手放してしまったのだろうか…。昨年の浦和の攻撃を見れば、この二人にワシントン、ポンテ並みの働きを期待せねばならない。目標がACLとJの2冠…と明確である為に、Jの序盤で大きく躓けば思わぬ不振もあるかも知れない。昨年も、そして一昨年も、一年間決して良い状態をキープできていた訳ではないが、土壇場での精神力と勝負強さ、そしてサポーターの絶大な支えによって取りこぼし無く闘えた…。今年同じことが可能であるならば、その時本当の意味で、浦和は日本を代表するビッククラブとして認知されるのだと思う。Jリーググローバル化の一つのモデルケースとして、浦和にはぜひ世界のビッグクラブへの道を挫折することなく駆け上がっていって欲しいと願う。

これに続くのは昨年同様、清水エスパルス、柏レイソルの両チームになるだろうと考えている。どちらもやはり助っ人のデキがチームの浮沈を握るだろう。柏はポポのデキとフランサのモチベーション次第によっては、4強の一角を食うポテンシャルを有していると考えるし、清水もアウレリオの成否如何によって上位にも下位にもブレる可能性がある。Jリーグは2人の優良な助っ人が揃えばまず下位に沈むことはないし、3人揃えばどのチームにも優勝の芽はある。やはりそれだけ、ブラジルのセカンドクラスと日本選手の実力差は未だ大きいと言えるだろう。

今シーズン僕が一番期待していたのはジュビロ磐田なのだが、この開幕を目前に控えての前田遼一の半月版のケガは本当に残念だ。内山篤監督はFC東京の城福浩氏と並んで、僕が今最も期待している日本人若手指導者の一人で、彼は磐田伝統のパスサッカーに、運動量とスピードという要素を加えて、今新時代の磐田のサッカーを芽吹かせようとしている。大きな才能に恵まれながらも、これまでいまひとつ型を破りきれなかった成岡翔、カレン・ロバート、そして犬塚友輔、船谷圭祐達の覚醒が、優秀な助っ人選手の不在を補いきれるかどうか…が、ポイントになってくるのだと思うが、内山篤という大きな可能性を秘めた指導者を失わない為にも、彼らの成長とチームの良積を期待したい。

そして城福浩監督のFC東京は、今年一年は地ならし、チームの土台作りの時期なのだと思う。できることならば若手選手の成長を確認しながら、サポーターには長い目でこの城福体制を見守り、育んでいって欲しいと願う。FC東京というクラブは、やはり浦和に続き、また追い越してゆくべきクラブなのだと思う。それを考えるとき、未来志向の長期的展望にたったチーム作りに“今”着手してゆくべきなのだと思う。その牽引者として、城福監督は最適のタレントなのだと僕は考える。羽生直剛を良い手本にして、新時代の東京のサッカーを創り上げて欲しい。またその創造する過程を共に愉しめるFC東京サポーターの皆さんが、僕には非常に羨ましくもある。

明日のJリーグ開幕。
各チームにとって、そしてサポーターの皆さんにとって、共にサッカーに集う者として素晴らしい幕開けの1日となる事を心から祈っています。


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2008年03月06日

【Jリーグ】今シーズン期待する4人の若手

僕はサッカー観戦において、若い選手たちのポテンシャル、可能性とそのミライを予測するのをひとつの愉しみとしている。優勝予想などその他の分野における自身の先見性にはまったく自信が無いのだが、若手選手の将来性…という部分については、自分自身の眼力や評価を他の誰よりも信頼していたりする。もしサッカーの仕事に携われるものとすれば、スカウトをやりたかったな…などと思ったりもするのだが、今回はフル代表のスカウトになった気分で、すでにビッグネームとなった柏木陽介や内田篤人に続く、2010年の日本代表、南アフリカのピッチへ是非送り込みたい4人の若手選手を記しておきたい。

一人目はジュビロ磐田、上田康太選手である。

ピッチ上要求されるあらゆるプレーを器用にこなし、高い技術を持ちながら決してそれをひけらかす事をせず、ベンチの期待に忠実に応えられる知性も備えている。またテクニシャンに有りがちなディフェンス面でのサボり癖や淡白さもなく、よく走り頑張れるという献身も兼ね備えている。ポジションはトップとセンターバック以外は全てこなせるのだろうが、あの左足のキックの精度を見るにつけ、代表視点で言わせてもらえば、ぜひ全盛期の村井慎二を超えるような左サイド・ウイングバックを目指して欲しいと思うのだが、今年のチーム事情はどうなのだろうか?内山篤という新世代の優れた指導者に恵まれ、今年一年どう成長し自分のポテンシャルを発揮できるか…楽しみに見守ってゆきたい。

そして二人目はジェフ千葉、青木孝太選手。

羽生直剛や山岸智の移籍、さらに家長昭博の痛ましい故障もあり、所属チームでも、また五輪代表においてもその活躍が大いに期待される左利きのアタッカーである。
Jの大舞台で、彼ほど一対一で仕掛けること、勝負してゴールへ向かうこと…を躊躇無くトライできている若手は他にいないように思う。とにかく勝気の塊、チャレンジする魂を有したストライカーであり、ゴールセンスにも非凡なものがある。またシュートチャンスに慌てず自分の間(ま)でGKとの駆け引きに興じる落ち着きや遊び心も持っている。きっとボールを持つこと、運ぶことに関しては絶対の自信を有しているのだろう。チームでスタメンを確保しさえすれば、一気にフル代表、そして日本を代表するスター選手への道が開けてゆくのではないだろうか…と僕は思っている。

三人目はアルビレックス新潟、田中亜土夢選手。

昨年のU-20WCで最も輝いていた選手である。柏木陽介や上田康太のように、日本にも上手くて、走れて、そして頑張れる新時代のMFが続々誕生してきている。田中亜土夢は彼らと並んで、これまでのただ上手いだけのひ弱な日本人MF、ゲームメイカー像を打ち破る、新世代の旗手であると僕は思っている。
きっと反町監督も大きな期待を持って見守っているタレントなのだろう。Wユース後の大きな故障は、本人やチームのみならず、代表にとっても大きな喪失であったように思う。誰よりもプレーに“気持ち”を見せてくれる選手であるし、自分のポジション・役割をしっかりこなしながら、よく走ってスペースを突き、ゴールへの高い意欲も持ち合わせている。小柄ながら、きっちりと体を張った守備ができるし、攻守に渡って献身的な動きを厭わない。もしオシムが五輪代表の監督であったならば、誰よりも目をかけてしごき上げたのがこの田中亜土夢だっただろうと僕は思う。このケガに挫けず、なんとかトップフォームを取り戻してスタメンの座を奪い取って欲しい。そして新潟の中心選手として、このチームを日本のトップクラブへ導いて欲しいと期待している。

そして最後はセレッソ大阪、香川真司選手である。

常日頃J2の試合を見ている人たちにとっては、何を今更…というタレントである。
昨年初めて彼のプレーを見て、僕は大きな衝撃を受けた。そして日本代表において、柏木陽介と香川真司の時代が、もう間もなく訪れるだろうと予感している。五輪代表にも召集されたという事で、今年は飛躍の年となることだろう。日本人のドリブラーで、僕はここまでその魅力に惹きつけられた選手はこれまで居なかったように思う。願わくば、今年一年もう少しフィジカルを磨いて、このスピードに、強さ、逞しさの要素をさらに加え、守備でもしっかり貢献できる選手になって欲しい。当たり負けしないプロの身体を築いた上で、チームで、そして北京五輪のピッチで、その潜在能力を余すところ無く発揮して欲しい。ケガさえなければ彼はJリーグに留まるタレントではないだろう。ここでの一年、二年は彼の将来にとって非常に大切な時期である。セレッソという素晴らしいチーム、そしてクルピという名将から多くを学んで、J1昇格という目標達成と共に、今年一年を、去年に引き続きさらなる飛躍の年として欲しい。

この4人にとどまらず、浦和の細貝萌をはじめ、ガンバ大阪の倉田秋、横浜マリノスの金井貢史、ジュビロ磐田の山崎亮平、そしてジェフ千葉の米倉恒貴、東京ヴェルディの河野広貴など、キッカケさえ掴めば、一気にJリーグのスターダムにのし上がってこられるだけの眩いポテンシャルを備えた若手たちが、Jにはまだたくさん居る。この一年が、彼らにとって実り多き年となる事を祈っている。

明日はJ1優勝争いについて、かんたんに展望してみたいと思っている。


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2008年01月26日

オールスター 日韓戦プランへの疑義

『オールスターは何かを変えなければと考えている。Jリーグ対Kリーグという案が挙がっている』

これが今回報道された鬼武チェアマンの発言であるが、オールスター改革の必然性に言及された事は個人的にはポジティブに受け取っているが、そのカタチがJリーグ対Kリーグ…というものになるとすれば、そこには大きな疑問を感じざるを得ない。

それが衰退著しいKリーグへの利敵行為となる…等の議論に与する気はないのだが、そこにJリーグ…いや、厳しいスケジュールの中、選手を供給するJクラブ側の、現状より“better”である…という要素が何も見当たらないのである。

鬼武氏はまた一方でこうも言っているという。

『日本で開催できない年があることは困る。その辺の問題について、Kリーグ側、JOMOさんと話し合っています…』

例えKリーグが開催権を持ち得ないとしても、韓国内放映権料や国内冠スポンサーの獲得などで充分にペイする案件であるかも知れないが、Jリーグオールスターを存続する意義とメリット、そして“何のための、誰のための”Jリーグオールスターなのか…?という本質的な筋道を、ここでもう一度、Jリーグ、チェアマンには根本から再考して欲しいと個人的には思っている。


これは単純にJリーグ収益のための催しなのか?
それともファン・サポーターへの感謝祭としてのイベントなのか?
或いは今後のJリーグアジア展開への一つの布石として活用することを企図しているのか?
それとも、ただ惰性のみで既定の契約期間を全うすべく立ち振る舞っているだけなのか?

それぞれコンセプトによって、その改革への方向性は自ずと定まってくるのではないだろうか?逆に言えばそのコンセプト、プライオリティが明確に定まらない限り、その開催意義やイベント成果といったものは、どこまでもいっても、どう趣向を凝らそうとも見えてこないものではないか…と考える。

JFA批判はありとあらゆる場所で論議され、提唱されてもいるが、このJリーグの運営や在り方…というものに対しての疑問を僕はあまり聞いた事が無い。僕自身はJFAとともに、このJリーグの在り方についても、多くの改善の余地があるものと考える。代表戦があれだけ効率的に収益を上げる一方で、Jリーグがそうならないのは、何よりも運営戦略・広告戦略(広告会社)の力不足であると思っているし、JFAとの均衡を欠いた馴れ合いや、J各チームとのこれも違った意味の均衡を欠いた主従の構図がその弊害となっているものと考える。

いずれアジア人枠も含めて、再度J改革私案を2、3まとめてみたいが、その前に、まずは本日の岡田JAPANの船出についての見解をこの週末にアップできればと思っている。


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posted by 桐谷 |10:22 | Jリーグ | トラックバック(0)
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2008年01月17日

坂本将貴の移籍とアルビレックス新潟

桐谷 様

いつもブログ拝見させて頂いてます。
前に坂本將貴のブログについてメールしたアルビサポです。

今回のジェフ、そして坂本選手の件は大変残念でなりません。
当然、決めたのは彼本人であって、それについてサポがどうこういう事はできないかもしれません。しかしやはり今回の件については、様々な人が悲しみ、そしてその裏返しの言葉を沢山言っています。

当然そういう自分も色々な思いがあり、悲しみや悔しさで一杯です。
なぜこの様な結果になったのか?
自分達の思いは届かなかったのか?
ジェフへの思いが断ち切れなかったのか?
思えばきりがありません。

ただ言える事は、心にポッカリ穴があくって事がこういう事かってわかりました。サポと選手とは永遠の片思いだって事がわかりました。…これは自分と一緒に彼を応援してきた仲間と話をした結論(思い)です。

なぜこのメールを書こうと思ったかというと、桐谷さんが彼を愛しているという事、そしてブログ上でひょっとしたら考えや思いを語られるかもと思ったからです。今日現在でまだこの件については触れられていなかったので、思い切ってメールをだしてみました。

この件については情報も限られます。当事者でもありません。思いは沢山ありますが、それを今言葉にしても虚しいだけです。
ジェフに対しても、坂本に対しても、そして我々サポや当然アルビフロントに対しても…。

これから始まるシーズン…。これまで以上にアルビを愛し声を出し続けます。
適切な言葉ではないかもしれませんが、ニイガタを出て行った事を後悔させる程にサポートし、そして結果がでればと思います。

最後に結論はどうあれ新潟を出て行く際に、文字では無く本人の言葉が聞きたかった!!
仮にアルビフロントにその場を断られたとしても…。方法はいくらでもあると思います。それがホントに寂しくそして悲しいです。

長文そして勝手な思いを書き綴ってしましい大変失礼しました。
これからもブログを見させて頂きます。

                        石山チャリ団より


以上が、アルビレックス新潟と坂本将貴をこよなく愛した、ある新潟サポーターの方からのメールである。

以前『坂本将貴のゴール』というエントリーについて感想をいただき、坂本がオシムジャパンに選出された時、そして新潟がJを制した時には、一緒に喜び合おうね…と約束させていただいた方である。

選手の“移籍”とは、恋愛の関係とよく似ている…と僕も思っていて、誰かが誰かを好きな理由…など、傍からは完全に理解する事も、共感し得ることも不可能なように、僕自身それに傍から正誤の評価を差し挟めるような性質のものだとは思わない。当人のキャリアアップやステップアップ、他のプロスポーツ選手と比べても短く、限られた労働対価の獲得機会の中で、無駄なく最大限のメリットを享受しようという試みも、なんら否定されるべきものではないと思う。

そして今回のケースにしても、その内側で何があったのかは僕にも知る術はない。シーズンオフになって突然降って湧いた話なのか…或いはシーズン中にジェフ側の“アマル更迭”の規定路線に沿って密かに進められていたものなのか…も分からない。または終盤戦にたて続いた、ゲームにおける“途中交代”が、彼と鈴木淳監督の間に、何らかの行き違いや負の作用を及ぼしてしまっていたのかも知れない。きっと理由はひとつではないだろう。そして彼なりのやむを得ない事情があった事も、きっと確かなのだろう…と思う。

ただ、それら一切合財を部外者として“無知”と認めたうえで言わせてもらうならば、僕が彼の立場であれば、何があってもこの選択だけはできなかったように思う。それは、たとえオシムが速やかに“全快”したとしても、岡田武史さんを押しやって、今、日本代表の監督に就任してもらうべきだ…と思わないのと同じ理由である。そしてオシムとは違い、彼は自分自身で新潟にお世話になる…という決断を、たった一年前にしたばかりであるのだから…。

ただ一言だけ彼の立場をフォローさせてもらえば、この移籍は彼にとっても決して“有利”なものでも“得”なものでもなかっただろう…という事である。だからこそまたアルビサポーターには受け入れがたいものなのかも知れないが、だからこそまた僕は一坂本将貴ファンとして、これからもピッチ上の彼を、どのチームに在籍しようと追い続けてゆこうと思っている。

今、アルビサポーターの皆さんにお願いしたい事は、今年必ず優勝争いに加わって欲しい…という事である。そしてビッグスワンにおいて、ジェフと坂本将貴のその鼓膜をぶち破るほどのブーイングで彼らを迎え、必ず打ち破って欲しい…という事である。

熱いJリーグを、そして2008年アルビレックス新潟の熱い戦いを、僕は心から期待し見守ってゆきたいと思っている。


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posted by 桐谷 |10:28 | Jリーグ | トラックバック(0)
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2008年01月07日

天皇杯とコメント欄の廃止について

今年の天皇杯は準決勝2試合と決勝の3試合のみのTV観戦となった。

3試合の内容を通して印象に残ったのは鹿島の強さと広島の奮闘、そして来期のJ1優勝争いを展望する上での川崎フロンターレの充実ぶり…で、ここでは天皇杯そのものよりも、来期のこの3チームについての私見をまとめてみたい。

2007シーズン後半の鹿島の快進撃を、僕は完全に見逃してしまっていたクチなのだと思うのだが、それでも最終盤に積み重ねた連勝の2、3のゲームを通して、セリエAを見るような彼らのコレクティブな守備と、速攻と遅攻を見事に使い分けた“メリハリある”攻撃…の在り様を垣間見、その時点で一番強いチームである事はハッキリと自覚していた。
また華やかなゴールラッシュこそなかったものの、シーズン後半の田代有三の安定感は確かなもので、その心身の充実ぶりから、遅かれ早かれ代表のターゲットマンの地位を前田遼一と競う存在として、そのプレーには個人的に注目してきた。
少し前のヴェルディの例もあり、この時期のチーム状態で来期のそれを計れるものとは決して思わないが、マルキーニョスとダニーロの残留も決まり、前線とディフェンス面に多少の補強が可能ならば、この鹿島であれば来期も大崩れ無く、ACLとJ1の優勝争いに充実したチーム状態で臨めるのではないかと考える。
J1後半戦、そして天皇杯、途中出場で地味にボールキープに貢献したダニーロの献身とプロとしての姿勢を心から賞賛したいと思う。そのプレーの端々に彼の持つ“クラス”はしっかりと息づいていたし、順化さえすれば彼のスキルと経験は、このチームにさらに磐石な“安定”を齎す強力な武器になるものと考える。


また広島のこの天皇杯における健闘も心から讃えたい。そしてJ2降格という事態にも、ペトロビッチ留任を決定した広島フロントの勇気にも、その優れた見識とスピリットを感じる。
このベースを失わない事…それが今後10年20年の広島にとって、非常に大きな財産になるものと僕は思う。ただし、J2に行けばJ1以上に攻めあぐねる局面は幾度もあるだろう。J1とはまた一味違う“リアル”がそこには在る。そこでACにおけるオシムジャパンのように、最終局面で行き詰まらない為には何が必要だろうか?どんな道具とアイディアがその局面に役立つのだろうか?僕であれば、ワシントンは無理でも甲府で出番の無かったラドンチッチのような武器を、或いは駒野友一を失うのであればそこで一人で勝負できる横浜FCカタタウのような武器を備えたいと思うが、果たして広島はどうするのだろうか?
来期は甲府と共に彼らのJ2における挑戦を追ってみたいと思っている。


そして川崎フロンターレ。
この天皇杯準決勝、鹿島アントラーズと繰り広げた死闘は、今年の日本のサッカー界で最もハイレベルな一戦であったように思う。この一年、非常に良い補強をし、またバックアップの養成に努めて、厳しいスケジュールの中、確かな自力を磨いてきた成果が、今やっと現われ始めてきている。
来期はフッキの加入により、関塚隆のこれまでとは少し異なるマネージメント能力、監督としてさらにステップアップしてゆく為の“度量”のようなものが試される事になると思うが、彼だからこそ、ここを難なく乗り越えて欲しい。川崎フロンターレを本当のビッククラブにまで導いて欲しいし、またその“先”を期待せずにはいられない…。

来期のJ1、どのチームのサッカーが一番楽しみか…と問われれば、僕ならば迷い無く『川崎フロンターレ』と答えるが、果たして世の中の評価はどうなのだろう?

いずれ、J1の2008展望やストーブリーグにおける評価などもまとめてみたいと思っているが、その前にまずは新しい動きのあった『アジア枠』について再度私見をまとめてみたいと思っている。

今年一年が日本のサッカー界にとって、そして皆様にとって、良い一年になることをお祈りしております。


*追記
コメント欄廃止の事情については『追記』にて触れさせていただきます。(右下の続きを読む…をクリック)


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【キリタニ100法】ニッポンの未来を築く100の立法

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posted by 桐谷 |11:28 | Jリーグ | トラックバック(0)
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2007年12月19日

J総括、そしてMVPは… 

【Jリーグ/来期への課題】

鹿島アントラーズの偉大な功績にケチをつける意図などまったくないが、もしACLが無ければ、A3が無ければ、度重なる代表召集がなければ、そしてベストメンバー規定というものに縛られなければ…もしかしたら優勝チームは変わっていたのかも知れない。サッカー先進国であれば世界各地どのリーグ覇者も、大陸王者決定戦の苛酷なスケジュールに苛まれる事は自明ではある。が、リーグ王者の栄冠は、常に極力公平な条件の下に競われるよう施策し、その阻害要因を日程上、そして規約上、排する努力を積み重ねてゆくのがリーグの勤めであり、またステータス向上への重要な条件であると考える。

浦和レッズがACLを制したことにより、来期は鹿島アントラーズ、ガンバ大阪がACLグループリーグの苛酷な日程をこなす事になる訳だが、両チームのスケジュールに関しては、今からでも最大限配慮した日程上の調整を期待したい。

またJリーグからのACL出場チームへのサポートは、原則として『出場手当て』と『賞金』という、シンプルな形に仕切りなおした方がお互いの為ではないだろうか。少なくともチームにとっては、自主的にそれを活用し、チーム運営に役立てられる方が、そのメリットは大きいのではないかと考える。

またA3に関しては、その存在意義を根本から検証するべきであると考えるし、トトにしても、J各クラブから見た、そして日程面の拘束性とそれに対する対価…から見たメリット・デメリットを再度熟慮し、これがサッカー界の将来に本当に寄与するものかどうか…あらゆる方面から再検証されることを強く望みたい。


【Jリーグ総括】

鹿島アントラーズの劇的な優勝、そして浦和レッズのACL制覇により、記憶に残る、そしてとても実のある2007シーズンであったと思う。ガンバ大阪の挫折、そして清水エスパルス、アルビレックス新潟の確かな成長への足取りと、サンフレッチェ広島、ヴァンフォーレ甲府という、ある意味崇高なる“理想に殉じた”クラブたちの降格。
サッカーの夢と現実を浮き彫りにした、ドラマチックな物語とその帰結であったように思う。
今期の優勝争いに、このストーブリーグを活発に動いている柏レイソルがどう絡むか、そしてあの若き日のエジムンドを彷彿させるフッキというタレントを得て、川崎フロンターレがどのような変貌を遂げるか…。来期の開幕が今から非常に待ち遠しい。


【MVP】

勿論ポンテの活躍に異論を差し挟む余地などまるでないが、各クラブ、各選手達が“優勝”という栄冠を最大の目標と定めてこのシーズンを戦ってきた以上、最優秀選手とは、その栄誉を手中にしたチームから選出されるべきものである…と個人的には考えている。
帰国後の小笠原満男の存在感は攻守にわたり本当に際立っていた。そして本山雅志も自分を追い込みながら、一年間コンスタントに苛酷な攻守の役割を全うしていたと思う。すべての選手の総力を結集し、勝ち取った優勝であるからこそ、また非常に価値あるものであったと思うが、そんな中で誰か一人にMVPを与えるとするならば、僕の中では岩政大樹がその栄誉に一番相応しいのではないかと思う。
決して器用ではないこの泥臭いディフェンダーは、その体を張った一対一の強さにさらに磨きをかけながら、カードを減らし、フィードミスを減らし、チームを力強く鼓舞し、そして誰よりも率先してひたむきにシーズンを戦い通してきた。選出された代表でも、きっと秋田豊のように我慢を強いられる戦いが待ち受けていると思うが、彼の来期への、そして中澤祐二、闘莉王への挑戦を、心から期待して見守りたいと思う。


【ベスト11】

最後に私的ベスト11を名前だけ付記して終わらせていただきます。
選手、スタッフ、サポーター、そしてスタジアムその他でボランティア活動に尽力してくださった皆さん、一年間本当にお疲れ様でした。

また来年も、サッカーに熱く燃え、この“私達のJリーグ”を力強く盛り上げてゆきましょう。


GK 都築 龍太
DF 岩政 大樹
DF 田中 マルクス闘莉王
DF 阿部 勇樹
DF 市川 大祐
MF ポンテ
MF 鈴木 啓太
MF 中村 憲剛
MF マルシオ リシャルデス
MF 小笠原 満男
FW ジュニーニョ


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2007年10月15日

オシムの浦和選手召集とナビスコ準決勝

ACL出場の浦和の過密スケジュールに対する配慮を口にしていたオシムであったが、意外にも…というかやはり浦和の所属選手、坪井慶介、阿部勇樹、鈴木啓太を召集した。

これは同じくJ優勝を争いながら、浦和がすでに破れたナビスコカップを戦うガンバ大阪との均衡、日程的バランスを考えた上でのオシムなりのフェアネスなのだと考えるが、であれば、個人的にはガンバの選手も呼ばない…という選択もあってよかったのではないかと考える。

この時期のエジプトとの親善試合にタイトなスケジュールを割くくらいならば、来年から始まるWC予選前に2日でも3日でも合宿のための日程を融通して欲しい。アジアカップにおいて“真剣勝負”の刺激と興奮をたっぷりと味わった後でもあるし、JFAや広告会社にとって、興業的旨みもさほど期待できないだろう…。現実と実利に根ざした“強化と収益”の健全なバランスを踏まえた代表スケジュールにJFAも切り替えるべき時期がきているのだと考える。


必要か不必要かの議論が別れるナビスコカップであるが、13日に行われた準決勝2ndレグの鹿島VSガンバ大阪、川崎VS横浜FMの2つの試合は、気迫と緊迫感に満ちたとても素晴らしい内容のゲームだった。

同時進行のこのゲームを、僕はザッピングしながらおもに川崎VS横浜FM戦を中心にTV観戦したが、ACLを落とした川崎の初タイトルに賭ける強い意気込みと情熱がひしひしと伝わってきた。

特に川崎2点目の中村憲剛⇒鄭大世のゴールは、今年度のベストゴールを競う高いレベルのもので、鄭を信じて強いパスを通した中村の判断力と、左後方からのそのシュート性の強いボールを、右足で一発で止めた鄭のトラップからシュートの流れは、Jのレベルを一歩踏み越えたクオリティを有していた。

この半年間の鄭大世の成長には目を見張るものがあった。最早彼はブラジル人助っ人の面々と並んで、実力的にJを代表するストライカーのひとりとなりつつつあるように思う。日本代表でこの鄭大世のプレーを見られない事を少々残念に思うとともに、更に成長を続け、今後もJリーグを舞台に活躍を続けていって欲しいと願う。


ピクシーが日本に帰ってくるかも知れない。これは名古屋サポーターばかりでなく、この国のすべてのサッカーファンにとって歓迎すべき出来事であるだろう。

以前川淵さんはオシムではなくこのピクシーを代表監督に据えたかったのだ…という噂もちらほら聞こえてきていたが、亀田家の狂騒を例に出すまでもなく、日本代表監督の資格を得るためにはJ(日本)でその実力を証明することが不可欠である。その実力の実証のないまま、人気だけで世界と対峙するなど、下劣なメディアに情報操作されたエンターテイメントの世界でなら通用するかも知れないが、厳正なるスポーツの世界では通用しない。ピクシーにはその正道を歩んで、いずれ日本代表監督候補の一人に数えられるようなJでの成功を期待したい。


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