2008年03月20日

【Jリーグ】 浦和エンゲルス2年契約…の違和感

浦和レッズ、ゲルト・エンゲルス新監督へ2年契約提示

というニュースに僕はいささか驚いてしまった。この監督交代を緊急事態における対処の一案と考えていないとすれば、またエンゲルスという人物をそれほどまでに高く評価していたとするなら、なぜブッフバルト後にオジェックという冒険を犯す必要があったのだろうか?

そして彼らにとっての監督交代とは、ただただ面子の挿げ替えのことなのだろうか。そこに自らの、クラブチームたる普遍のアイデンティティとしての、サッカースタイルを審美する視点、哲学といったものは存在しないのだろうか?

オフトと揉めてブッフバルトを招聘する。そのブッフバルトに逃げられるとエンゲルスの頭越しにオジェック招聘を決める。ACLを勝利すればシーズンの天王山を前にそそくさと再契約を締結し、そこから負け続けたことを看過しながらキャンプ・シーズンインを見過ごし、開幕で躓いたところでエンゲルスへの2年契約を提示する…。
この間チームとしてのサッカースタイルの在り方は、両者の間で充分に議論され、明確なコンセンサスが得られ、そしてそれが実践されてきた…と果たして言えるのだろうか?

僕はこの流れやフロントの決断に、クラブとしての、サッカーへ対する哲学としての、何らのメッセージもくみ取る事はできない。それは長期的展望に欠ける結果至上の刹那主義と、損失の限定…という保身と免責にかまけたフロント側の自己弁護の所業にしか映らないのである。
営業面での努力とその成果は賞賛に値するものであることは間違いない。けれども“サッカーの哲学”を同時に持ち合わせた運営であるのかどうか…浦和フロントの一連の行動から、そこがまったく見えてこないのである。

日本代表というクラブチームのチームフロントであるJFAがそうであるように、浦和レッズという日本最高の、アジア最高のクラブチームにして、未だそのような次元でチームを運営しているのだ。このJリーグも確かになりだけは大きくなったが、チーム運営の面において、文化としての成熟度の面においては、まだまだ未熟であると言わざるを得ない。勝ち負けという刹那の視点にプラスして、サッカーの愉しみと味わい、そして未来へのビジョン…という文化としての異なるもうひとつの視座をファンやサポーターに提示する為にも、アジア1のクラブチーム浦和レッズのフロントには“サッカーの哲学”“コンセプト”を明示し、徹底してそれを踏まえたチーム運営…というものを見せて欲しい…と僕は思っている。それはシンプルに言えば、欧州におけるアヤックスや、今のアーセナルのように…という事である。

エンゲルスが負け続ける…2年契約を反故にする。福田正博氏新監督へ!フロントは異例の長期契約を提示…福田体制を全力を挙げてバックアップ。そしてまた…。

そんな茶番劇が繰り返されるようでは、これまで蓄積してきた“富”も、アジアに築き上げた“地盤”や“名声”も、そして何よりもこのチームを強く支え続けてきてくれたサポーターからの“信頼”も、クラブとして失うことになりはしないだろうか?

次の監督を誰にするのか?

問題の本質はそこではない…と僕は思う。

10年後、20年後、いかなるサッカーで、そして誰を相手に、どんなステージで、このチームは戦ってゆくのか?
そのコンセプトこそを、クラブを支えるサポーターや地域と、膝突き合わせた徹底的な議論の元に、定め、共有し、そしてまた明示し、その指針に沿って運営してゆかなければならないのだと僕は思う。そこさえ定まれば、その時々の勝敗や刹那の出来事にいちいち惑う事などないのだ。そしてその為にも、クラブチームにとって大切なのは、その時々の“監督”のはるか前に、GMであり、権力のトップ…である事が明白である筈だ。そしてその権力のトップと、われわれサポーターがシステムによって没交渉のまま放置された今のJクラブチーム、JFAの組織としてのシステムの在り方、それ自体の問題意識が問われないニッポンのサッカー界の認識の在り方には、大いに議論の余地が有るのだと僕は思っている。

いつの日か、理想のクラブ像…というものをこの場で語る機会があればと思っている。

J創設前からの浦和(三菱)ファンだった僕は、やはり今でも浦和の試合だけはすべてTV観戦ながら1試合も欠かさず見続けている。だからこそ、昨今の浦和をとても誇らしく思うと同時に、またこの地位が如何にも危なげで、脆弱なものに見えてしまったりもする。次のJはホームでの新潟戦になるのだろうか?勝ち負けはともかく、サポーターの愛情に背くような試合だけは見せてはならないと思う。何を理由にしようと、それを失った時、浦和レッズはレッズでいられなくなる。この解れ掛けた赤い糸こそが、一番大切なものである事を、決して失ってはならないもの…である事を、選手たちには片時も忘れて欲しくはない。


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posted by 桐谷 |10:59 | 浦和レッズ | トラックバック(1)
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浦和の話しと、大竹の話し。 【Football Odyssey スポナビ分室】

人気ブログ「キリタニブログ」にもトラックバックをしたのですが、まさに同感、わが意を得たり!というところが散見されますので、是非一度このコラムを見てください。 http://www.plus-blog.sportsnavi.com/kiritanishin/article/98 特に、私が共感出来たのは、クラブのアイデンティティ云々と言うところです。 正直、FC東京もここ数年は迷走をし、今は城福さんと言う熱いけどクールで知的な指揮官にチームコンストラクションをお任せしております。 その前、つまり、ハラヒロミ

2008-03-22 02:03 | 続きを読む