2008年03月17日

浦和のオジェック解任と川崎フロンターレの混迷

たった2節を終えた時点での監督解任…とも言えるかも知れないが、勝ち点6の喪失以上にその内容の絶望的な“貧しさ”に浦和サポーターも大きな失望を感じていたことだろう。それを踏まえれば、オジェック解任は“この時点”でのベストな選択であるとは思うが、元はといえば昨シーズンACL制覇直後の、余りにも間の悪いオジェックとの契約延長が、そもそも浦和フロントの最大の“過ち”であったのだと僕は考えている。

藤口光紀社長は解任の最も大きな理由を『選手が踊っていない…』と表現された。まったくその通りであると思う。が、それは何も今に始まったことではない。昨シーズン終盤、ACLを制した直後から、すでに選手たちは“踊っていなかった”。にも関わらず、なぜオジェック体制を維持してしまったのか…?やはりそれはオジェックとの“契約”が足枷になり、正当な判断力の妨げになったのだと僕は思う。

そしてそれだけに限らず、彼らは新戦力の補強に関しても少々焦り過ぎ、フライングし過ぎて、本当に必要な選手の獲得を見送らざるを得なかった。今更ながらそれが、柏木陽介であり、そしてフッキであったのではないかと僕は思っている。さらに言えば、オジェックの手腕を見極めながら、ワシントンの残留と天秤に掛けて見守る…という手段もまたあったのだろうと思う。それが叶わなかったのも、繰り返しになるがやはりオジェックの求めるタイミングで安易に契約締結に臨んでしまった浦和フロントの甘さ…にあったのだと思う。

きっと賢明な浦和サポーターたちは、この間のフロントの失策についても重々承知だと思う。オジェックとは実質何年契約であり、この契約破棄に関して浦和レッズの支出がどれだけの金額に上るのか?そしてそれは誰の責任において為され、その責任者はファンやサポーターに対してどのような言葉や行動でその責任を負うのか…?そして今後の運営方針において、今回のそれをどう教訓として活かしてゆくのか…?非常に厳しい在り方かもしれないが、浦和が真に市民クラブとして、サポーターの為のクラブとして在り続けたいと願うのならば、僕はそこを詳らかにするべきであると思うし、またサポーターはそれを要求してゆくべきだと思う。それは単に“辞めろ・辞めない”の話ではない。共にクラブのミライを共有し創造してゆく者として当然の、責任と義務の話であると思う。

エンゲルス体制となっても当面は苦しい時期が続くだろう。まずはこのチームの根幹であったダイナミズム溢れる前からの守備を取り戻さねばならないし、ボール奪取後の預けどころを工面しなければならない。エジミウソンがどこまで対応し得るか…にもよるが、一夜にして再生するような明るい展望は今の状況からは望めないだろう。
根本的にはやはりチームとしての“創造的”なスタイルを確立することが求められるのだと思う。今年一年でそれは無理でも、根本的に追い求めるべきは卓越した“個”の前に、やはり卓越した“組織”なのだと思う。10年20年のスパンで常勝を目指すのならば、来期からでもそれに取り組んでいかなければならないのではないだろうか?


また同じように開幕から大きく躓いてしまった川崎フロンターレであるが、やはりここが関塚隆の正念場であると思う。フッキを乗りこなし得るのか?或いは得ないのか?

今フッキを捨てれば、少なくとも昨年並みには立ち回れる事だろう。が、そこに落ち着いてしまっては、僕は川崎の優勝は無いもの…と思っている。そして現状は、フッキ以上にジュニーニョの弊害が出てしまっている…とも思っている。結果には結びついていないが、フッキという選手は良くも悪くもフッキであり続けている。しかしそれがジュニーニョのプライドには許容できない“存在感”であり“光”を放っているのだと思う。僕ならばフッキに自由を与えて、そのスペースを阻害しない戦術で周りを走らせたいと思うが、昨シーズンの戦い方に川崎が帰結してしまうのであれば、フッキをひとつ下げてその大きすぎる翼に縛りをかけながら懐柔するのもひとつの手法なのかも知れない。そしてやはりフッキを捨ててしまうのであれば、僕はある意味で小さくは無い失望を関塚監督に感じてしまう事になるだろう。そうならない事を祈っているし、浦和の状況とは違いこの川崎に関しては、一夜明けたらすべてが一変するだけのポテンシャルを秘めていると考える。

ただし中村憲剛を抑えられた時のビルドアップ…という面で、何か手を打たなければならない状況にあることは間違いない。3トップを捨てるのが最も手っ取り早いだろうが、或いは片翼を捨てる…という選択もあるのかも知れない。攻撃は最大の防御…である限り、攻撃が流れ出せば守備の問題も遅からず解消に向かうだろう。初戦は確かにチグハグだったが、神戸との試合は現状のチーム完成度における明らかな力負けである。今一番強いチームが鹿島であるならば、現状それに続くのは神戸と名古屋であると僕は思っている。そしてそれらをまとめてひっくり返す力を保持するチームがあるとすれば、それは川崎フロンターレである。その思いにやはり変わりは無い。


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posted by 桐谷 |10:58 | 浦和レッズ | トラックバック(1)
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