2008年03月07日

【Jリーグ】 2008シーズン 展望

ベッケンバウアーの言うように、常に勝者こそが強者である…という認識が素直に受け入れられれば何の問題もないのだが、2006WCアルゼンチンがベスト8で姿を消したように、或いは2004ユーロにおいてチェコやポルトガルがギリシャに敗れたように、必ずしも強いチーム、良いチームが勝つとは限らないのが、サッカーの現実である…と僕は思っている。

ただし、最後の勝負を決するアヤの部分までは読みきれないが、リーグ戦であれば優勝争いに足る地力を有したチームか、或いはそうでないのかはおおまかに予測が可能である。よってここでは優勝争いに足る地力を有したチームと、その可能性が見込めるもう1つのグループについて、おおざっぱな予測を記しておきたい。

多くのメディアでも4強…と言われるように、実質的には鹿島アントラーズ、浦和レッズ、ガンバ大阪、そして川崎フロンターレの4チームが主役になってくるのだと思う。

そしてその中で、僕から見て“堅い”と思われるのは、大きな主力の入れ替えが無く、チームスタイルも確立されている鹿島アントラーズとガンバ大阪である。どちらも派手さはないが非常に手堅い補強ができたと考えるし、チーム戦術が隅々にまでしっかりと浸透しているのが伺われる。今後鹿島も小笠原満男や本山雅志の代表召集が考えられ、また両チームともACL等でコンディション的に追い込まれる部分もでてくると思うが、厚い選手層と経験値の蓄積でこの2チームならば乗り越えられるのではないかと僕は思っている。要するにこの2チームは大崩れなく、優勝争いに絡んでくるだろう…という予想である。

難しいのは川崎フロンターレの捉え方で、突き抜けるポテンシャルも有しながら、3人の優れたアタッカーを共存させることによる弊害…ディフェンス面のバランスには少なからずリスクを抱えている部分もあるだろう。若い頃のエジムンドに引けを取らない才能と破天荒なキャラクターを思い起こさせるフッキという強烈な個性がどうチームに溶け込めるか?そしてジュニーニョはそんな中どれだけ大人に徹しきれるか…が、このチームの浮沈の鍵になるものと考える。さらに井川祐輔、我那覇和樹、養父雄仁、そして黒津勝など、優れた質の高いバックアッパーに恵まれながらも、やはり他の3チームに比べればややボリュームの面で劣る事実は否めない。チーム得点80を超えるような超攻撃布陣の爆発も考えられるが、同じかそれ以上に失点を増やしチームバランスを欠いてしまう危惧も感じる。幸いにしてJ序盤の対戦表を見れば、川崎にとっては恵まれた組み合わせが用意されているようだし、第10節の鹿島戦までにチームバランスを整え、大きな取りこぼしなく自信を蓄積してゆく事ができれば、僕はこの川崎フロンターレを優勝候補の一番手に挙げてみたい…と考える。関塚隆監督にとっては、まさに勝負の1年である。僕は今年のJ1は、この川崎フロンターレを中心に観戦してゆきたいと思っている。

心配なのが浦和である。攻撃の柱、2人の助っ人を欠いてのスタート。そしてワシントンはもう帰ってこないし、ポンテのケガも彼の年齢を考えれば完全復帰に至るかどうか微妙なところではないだろうか?勿論期待度としては彼らに劣らないだけの補強を済ませはしたが、実際に新加入の選手達が働いてくれるかどうかはまだ未知数である。エジミウソンは高いモチベーションを持ってオジェックの指揮の下1年間頑張りきれるかどうか、そして高原直泰をフランクフルトはなぜこんなにも簡単に手放してしまったのだろうか…。昨年の浦和の攻撃を見れば、この二人にワシントン、ポンテ並みの働きを期待せねばならない。目標がACLとJの2冠…と明確である為に、Jの序盤で大きく躓けば思わぬ不振もあるかも知れない。昨年も、そして一昨年も、一年間決して良い状態をキープできていた訳ではないが、土壇場での精神力と勝負強さ、そしてサポーターの絶大な支えによって取りこぼし無く闘えた…。今年同じことが可能であるならば、その時本当の意味で、浦和は日本を代表するビッククラブとして認知されるのだと思う。Jリーググローバル化の一つのモデルケースとして、浦和にはぜひ世界のビッグクラブへの道を挫折することなく駆け上がっていって欲しいと願う。

これに続くのは昨年同様、清水エスパルス、柏レイソルの両チームになるだろうと考えている。どちらもやはり助っ人のデキがチームの浮沈を握るだろう。柏はポポのデキとフランサのモチベーション次第によっては、4強の一角を食うポテンシャルを有していると考えるし、清水もアウレリオの成否如何によって上位にも下位にもブレる可能性がある。Jリーグは2人の優良な助っ人が揃えばまず下位に沈むことはないし、3人揃えばどのチームにも優勝の芽はある。やはりそれだけ、ブラジルのセカンドクラスと日本選手の実力差は未だ大きいと言えるだろう。

今シーズン僕が一番期待していたのはジュビロ磐田なのだが、この開幕を目前に控えての前田遼一の半月版のケガは本当に残念だ。内山篤監督はFC東京の城福浩氏と並んで、僕が今最も期待している日本人若手指導者の一人で、彼は磐田伝統のパスサッカーに、運動量とスピードという要素を加えて、今新時代の磐田のサッカーを芽吹かせようとしている。大きな才能に恵まれながらも、これまでいまひとつ型を破りきれなかった成岡翔、カレン・ロバート、そして犬塚友輔、船谷圭祐達の覚醒が、優秀な助っ人選手の不在を補いきれるかどうか…が、ポイントになってくるのだと思うが、内山篤という大きな可能性を秘めた指導者を失わない為にも、彼らの成長とチームの良積を期待したい。

そして城福浩監督のFC東京は、今年一年は地ならし、チームの土台作りの時期なのだと思う。できることならば若手選手の成長を確認しながら、サポーターには長い目でこの城福体制を見守り、育んでいって欲しいと願う。FC東京というクラブは、やはり浦和に続き、また追い越してゆくべきクラブなのだと思う。それを考えるとき、未来志向の長期的展望にたったチーム作りに“今”着手してゆくべきなのだと思う。その牽引者として、城福監督は最適のタレントなのだと僕は考える。羽生直剛を良い手本にして、新時代の東京のサッカーを創り上げて欲しい。またその創造する過程を共に愉しめるFC東京サポーターの皆さんが、僕には非常に羨ましくもある。

明日のJリーグ開幕。
各チームにとって、そしてサポーターの皆さんにとって、共にサッカーに集う者として素晴らしい幕開けの1日となる事を心から祈っています。


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posted by 桐谷 |11:18 | Jリーグ | トラックバック(1)
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