2007年11月08日

【ACL決勝】 対セパハン 1stレグ 戦評

ここ最近のJリーグを見ていても、直近のACLを見ても、浦和の疲労困憊ぶりには痛々しいほどのものがある。

この試合も、中盤のプレスで浦和らしい圧力ある守備と高い位置からのサイドアタックが展開できたのは前半の早い時間帯のみで、あとは最終ラインでなんとか踏みとどまる…という長い長い時間が続いた。

万全の状態の浦和であれば、あのピッチ状況でもなんとか中盤を形成してDFラインを押し上げることもできたと思うが、攻守の切り替えにスピードとメリハリがなく、下手に繋いでそこからまた二重三重に攻め込まれる展開が繰り返された。よく1-1で終われたな…というのが試合後の正直な感想である。そして良くぞ引き分けという結果を持ち帰ったと、選手達の踏ん張りを心から賞賛したい。

ケガ人もあり採用した4バックだったのだろうが、あの低いDFラインで度々相手FWにスピードで振り切られるネネの対応には、見ていて本当にヒヤヒヤさせられた。

またこの試合においては往年のボバンのようなゲームコントロールの冴えを見せたナビドキアのバイタルへの出入りに対応できずに、繰り返し数的不利を強いられた後半開始早々の2列目3列目選手へのマークのルーズさも、1失点で切り抜けられた事を、むしろ“幸運”であったと理解せねばならない大きな失態であったように思う。ハーフタイムに選手交代もあり、ホームで1点のビハインドの状況から当然遮二無二仕掛けてくるタイミングであった筈だ。まずは基本マンマークで相手の動きを捕まえてからゲームに入るぐらいの慎重さが求められた状況であったように思う。

この試合ではセパハンというチームの良い面が強調されたように思うが、大人びたメンタリティと勝利に対する徹底したリアリズムを持つ非常に中東らしいチームであり、また逆に言えばその域を出ないチームとも言える。サウジの上位3チーム辺りに比べれば決して創造的なサッカーとは言えない。
さらに言えば、城南はJリーグへ入れば必ず浦和やガンバと優勝争いを展開するチームだと思うが、このセパハンにその実力はない。

そのような相手に対して、どれだけ注意深く“美”や“創造性”という価値観に囚われることなく、0-0を追及してゆけるのか…それはもしかしたら2-0や3-0で美しく勝利する以上に、日本サッカーにとって意義深い挑戦になるのかも知れない。僕は浦和であればそれができると思っているし、そんな試合になることを密かに期待していたりもする。


常にベストメンバーで戦い、すべての大会で勝利する。
故障の頻発や疲労によるパフォーマンスの低下は当然の事で、そんな中でも勝ち抜いてゆくチームこそが真のチャンピオンである…。

もしかしたらそれがオジェックのサッカー哲学なのかもしれないし、彼の考える勝者のメンタリティーなのかも知れない。酷な事は充分承知の上で、厳しい日程の中、選手達にはあとひと踏ん張りを期待したい。そしてその結果を受けて、来年こそは、日程も含めて日本全体でACLを戦うチームをサポートする体制をぜひ再構築して欲しいし、浦和のアジア制覇をその契機としてほしい。


ヴェルディのラモスやビスマルクにリフティングで遊ばれていた時代の浦和、オジェックで持ち直し原さんとア・デモスでJ2をくぐらねばならなかった浦和、土橋のVゴールでJ1への復帰を果たした浦和、そしてオフトに導かれ本当の意味でやっとスタートラインにつき、ここまでやって来る事ができた浦和。

2007年11月14日が、そんな浦和レッズの新しい歴史の記念日になることを心から願っている。


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posted by 桐谷 |08:41 | ACL&CWC | コメント(3) | トラックバック(2)
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posted by 桐谷 | 2007-11-08 10:10

【ACL決勝】 対セパハン 1stレグ 戦評【キリタニ】

はじめまして。

昨日は新宿の外れのスポーツバーで声援を送りました。
私がバックネット裏にいた頃の悔しさを思い出し、試合途中ながら目頭が熱くなりました。
よくぞここまで来たなと思います。

あの頃に入団した岡野やノブが頑張ってくれているのも本当に感慨深いです。

桐谷さんのご意見にもあったのですが、私は個人的にオジェックの哲学を支持しています。
これから浦和レッズが、ビッグチームとしての歴史を刻んで行くにあたり、今目の前にある壁は乗り越えなければいけないものです。
微力ながら、遠くから魂込めてエールを送り続けたいと思います。



それにしてもポンテは巧い。
たまらん。

posted by t-j | 2007-11-08 12:10

t-jさんへ

ACLもJリーグもいよいよ大詰めですね。川崎戦どのようなメンバーで臨むか興味深いですが、t-jさんも言うようにやはりオジェックはこれまでの自身の哲学を貫くものと思います。
ポンテの今年の活躍は素晴らしいものがありましたね。まだ早いですがJのMVPはポンテになるべきだろう…とそんな気がしています。

とにかく14日、浦和のアジア制覇を期待して一緒に見守りましょう。

posted by 桐谷 | 2007-11-10 08:37

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