2007年10月04日

【ACL準決勝1st】浦和VS城南 戦評

これまでとは1階級異なる相手に対して、アウェーにおいて限りなく1-0の勝利に近い結果を得られた。これは次戦にとっての大きなアドバンテージである。

ただし、2ndレグ/ホームで0-0の引き分けでも良い状況…というのは、UEFA/CLを見ていても往々にしてホームチームの苦戦を招くシチュエーションでもある。
守りに入ることを恐れて安易に攻め込むのではなく、その都度のボール保持をキチンと攻め切る、厳しい状態からでもフィニッシュまで完結させるシンプルな攻撃を心がけてゲームに臨んでほしい。

この試合においても山田暢久などのプレーに度々見受けられたが、手詰まりになってからの判断の遅い横パスは厳禁である。城南の敵のミスを許さないチームスタイルに付け込む隙を与えてはならない。怖いのは数的不利な状況でのボールロスと11番モタに前を向かれフリーでかき回される展開である。その2点を押さえ込み、走り負けることの無いよう準備を整えて2ndレグに臨めば、決勝進出のチャンスは非常に大きいはずだ。もちろんサポーターの力も欠かせない要素だろう。

この城南戦1stレグ、闘莉王や坪井らの痛々しいまでに疲弊した姿を垣間見て心が痛んだ。
彼らはAC後からほぼ休みの無い状態で、厳しい暑さの中週2回の試合をこなしてきている。さほど力のある相手とは思えない敵アタッカーに不用意に間合いをつめて簡単に振り切られる闘莉王、まったく必要の無いトラップミスで敵にボールを奪われ、足を攣らしながら力なくその背中を追う坪井慶介…好調時の彼らであれば絶対に見ない情景である。

この肉体的な疲労の蓄積によって、ベテランや代表選手達のプレーに、試合全体を通してあと一歩の踏ん張りが効いていない。それに輪をかけて、調子の上がらないワシントンの度重なるボールロスがさらに彼らの体力を蝕んでいる。彼にはもう少し“持つ”工夫と“待つ”工夫でDFラインを引き上げてほしい。サポートの無い状況で苦しいのは判るが、今こそが耐えるべき時なのだと思う。

今後も代表召集を含め週2試合の状況が続いてゆく。
オシムに代表召集の見送り…を打診するか、或いは優勝争いの最中のJで何人かの主力を温存させることができるのか…オジェックやチームスタッフにはとても難しい選択が迫られる。

僕がオシムであれば『アンフェア』との謗りを受けようとも、次戦のエジプト戦に限り浦和選手の召集を見送りたいと思うが、果たしてどうなるのだろうか?オシムの決断と選手達の頑張りを見守りたい。



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posted by 桐谷 |11:40 | 浦和レッズ | コメント(17) | トラックバック(2)
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posted by 桐谷 | 2007-10-04 11:59

Re:【ACL準決勝1st】浦和VS城南 戦評【キリタニ】

緊急事態にでも陥らない限り闘莉王に攻め上がりをある程度自重させ、後は普通に戦えば充分だと思います。

posted by なの。 | 2007-10-04 12:31

Re:【ACL準決勝1st】浦和VS城南 戦評【キリタニ】

レッズの選手を呼ぶかどうかで、オシムの日本サッカーに対する考えがわかる気がします。
親善試合を優先するかCWCの切符を優先するか。
私は後者のほうが今後の日本サッカーにとって有益だと考えますが。

エジプト戦よりも城南戦の方を生放送してほしいです。(レッズファンではありませんが)

それにしても日本サッカー協会は、日本サッカーを強くしたい気があるのかわからない。
ひどい日程ですね。
Jリーグ、ACL、ナビスコ、全部勝った場合の日程を考えて過密かどうか判断してほしい。
疲労してたらベストメンバーで戦えないでしょうに。

posted by ぞう | 2007-10-04 13:22

Re:【ACL準決勝1st】浦和VS城南 戦評【キリタニ】

欲を言えば、2-1で終わって欲しかった。ただあの試合で見られた選手たちの消耗度をみると彼らにそこまで望むの酷かなと思いますが…

他のブログの戦評もいくつか見てみましたが、「大きなアドバンテージ」という言葉が多いですね。私はアウェイ2ゴールの引き分けが、果たして本当に「アドバンテージ」となったのか少々疑問に感じています。それが優位となるのは、ホームで「結果としての」引き分け、しかも0-0、1-1の時だけではないのか、と。

1戦目もちょっとしたミスから失点してしまったように、次戦で後半30分あたりまで0-0や1-1だと結構厳しいかもしれない。何にせよ、早いうちにゴールを決め、絶えず相手より1点でも多い状態で優位に試合を運びたいですね。1st regが引き分けだけに、スコアが「0-1」や「1-2」でも次負けてしまってはアドバンテージも何もありませんから。

それと「代表辞退」の件ですが、私個人的には「それもありかな」と思います。ただオシム監督、そして協会がそれを認めるかどうかですね。代表の最終ラインはほぼ浦和のメンバーですから、彼らが出ないとなるとここで「テストマッチ」する意味があるのどうか。確かに「これまで試せなかった選手を起用したりするいい機会だ」言われればそうかも知れませんが、AC後、これから代表を熟成させていこうとするこの時期の希少な「テストマッチ」にそれで本当にいいのか。

兎も角「代表辞退」がありとすれば、それに対する協会の対応にも注目したいと思います。これだけ無茶な日程を選手やクラブ・代表に強いておいて、ああった川崎への対応なのですから。「代表辞退」を認めるとなると「リーグ戦>ACL>代表戦(テストマッチ)」といった穿った格付けを協会が認めることになりかねませんし、犬飼氏がいるだけに「なぜ浦和だけ?」といったさらなる反発が起きないとも限りません。(これが私の妄想や杞憂に終われば良いのですが… :-p)

posted by バウワウ | 2007-10-04 13:22

信じたい。

オシムはわかってくれると信じたい。
少なくとも阿部・啓太・闘莉王は呼ばないと信じたい。休ませてあげたい。

posted by カステルス | 2007-10-04 13:37

Re:【ACL準決勝1st】浦和VS城南 戦評

エジプト戦もありますが、
延期になっていた浦和×川崎が、11月11日に決まりましたね。
浦和が決勝に進出した場合、7日に中東で第1戦、中3日で川崎戦、その後中2日でHOMEの第2戦。。
中東勢はリーグ戦を休みにしてACLに望むようですし、こんな過酷な日程で本当に戦い抜けるのだろうか。。

posted by ちの | 2007-10-04 18:52

Re:【ACL準決勝1st】浦和VS城南 戦評

オシムがどうするかは判らないけど、選手の気持ちを尊重したいし、それがベストな判断だと信じます。

つまり、全部出場。

鈴木啓太も闘莉王、他の選手達も休みたいなんて考えていない。頭にあるのは絶対に勝つ。両方獲る。の二つだと思う。

それに、確かに移動距離とか多くの困難に苛まれているのは事実ではあるけれども、果たしてJ2の選手達と比べてどうなのか?という疑問もあります。たぶん限界なんて選手は感じてはいない。
そしてどんな大会も様々な困難を乗り越えて疲労困憊で臨まなくてはならないものだと思います。
ここを乗り越えるとまた一つ選手としてレベルアップできるのではないかと考えてます。

最近巻き起こっているターンオーバーや選手を休ませるという発想が選手の気持ちを飛び越え一人歩きしているのはいかがなものかと思ってます。

川崎問題があったから敏感になるのはわかりますけども・・・。

posted by ちゃんこ | 2007-10-04 19:16

Re:【ACL準決勝1st】浦和VS城南 戦評

>ちゃんこさん
というか、それをしたら選手死にますよ。
ただでさえ、日本のくそ暑い夏場に週2ペースで試合やってたわけですから。
そりゃ、誰だって試合に出たいって言いますよ。でも体は気持ちではカバーできないんですよ。

今バルサでは筋肉系のケガ人が続出してますが、あれだって疲労とかが関係してるんです。

posted by KASHIMA | 2007-10-04 23:20

ぞうさんへ

オシムから『考慮したい』との発言があったようですね。JFAとの意見のすり合わせ等もあるかと思いますが、彼はこのACLで勝つこと、そこで浦和の選手達が得る経験の大きさをよく理解していると僕は思います。

こうして互いの立場を尊重しあえる当たり前の配慮が、今後のスケジュール設定や協会やリーグの在り方にも求められますね。

posted by 桐谷 | 2007-10-05 06:48

バウワウさんへ

>他のブログの戦評もいくつか見てみましたが、「大きなアドバンテージ」という言葉が多いですね。私はアウェイ2ゴールの引き分けが、果たして本当に「アドバンテージ」となったのか少々疑問に感じています。それが優位となるのは、ホームで「結果としての」引き分け、しかも0-0、1-1の時だけではないのか、と。

もちろんそうですよ。しかし試合の結果に勝ち・引き分け・負けの3つがあるとして、3-3以上のスコアの引き分けとなる可能性はどれだけあるでしょうか?勿論ない訳ではありませんが、サッカーの現実においてそのスコアの可能性は決して高くはない。城南の意識としてはアウェーで“勝たなければならない”だと思います。これが0-0の引き分けであれば、同じ引き分けであってもその状況はまったく違うはずですから。
僕は1-0の勝利に限りなく近い結果…と表現しましたが、それが言いすぎだとしても0.5-0ぐらいの価値はある結果だったように思います。

勿論2失点目は残念でしたが、僕はむしろ3つ目の失点がなかった事を幸運だと感じました。

そして代表辞退の考察、特に犬飼氏の立場などとても鋭い分析ですね。ただしACにおいて闘莉王の不在が引いた相手に対して非常に大きな“欠落”であった事を露呈してしまったように、今後のWC予選においても浦和のバックラインが揃わない…という状況に対応しなければならない状況は必ずあるはずです。ここでそのトライが許されるのならば、僕はテストマッチとしてとても意義ある事だと思います。

posted by 桐谷 | 2007-10-05 07:05

カステルスさんへ

ご存知かと思いますが、現在の状況に“理解”を示す意のオシムの発言もあったようです。選手達と共に、浦和やガンバ、ジェフを始めとしたサポーターの方々にも、協会をはじめ僕ら日本代表の試合を楽しむ者たちももっともっと感謝と配慮が必要だと思います。
ACL必ず獲ってくださいね。代表と同じテンションで応援しています。

posted by 桐谷 | 2007-10-05 07:11

ちのさんへ

>エジプト戦もありますが、
延期になっていた浦和×川崎が、11月11日に決まりましたね。

そうなんですよね。ここではまた先般話題になった『ベストメンバー規定』が問われる事になるかも知れません。

そこまでに浦和がJでの優位を磐石なものにしていれば大きな問題とはならないのかも知れませんが、僕の目にはすでに深刻な疲弊が見えてきていますので、今後も厳しい戦いが続いてゆくような気がします…。ここは細貝萌や堀之内聖の頑張りに期待したいですし、小野伸二の欠けた状況で赤星貴文に出場機会を与える事はできないものですかね…。今更日程が変わる事はないでしょうから、若手の台頭とサポーターの情熱でなんとか疲弊した選手達を引っ張っていって欲しいと思います。

posted by 桐谷 | 2007-10-05 07:28

ちゃんこさんへ

きっと“こなす”事はできるんだと思います。ただしそこでベストの“パフォーマンス”を引き出すことはとても難しい。

勿論選手は精一杯頑張るだろうし、目の前の試合には全て出場したいはずです。けれどもそれによって僕らの目には見えない部分で彼らの筋肉や骨に蓄積されるダメージ、運動量とスピードの低下、そしてオーバーワーク症候群罹患のリスクは格段に高まってゆくはずです。

人間は機械でない以上、肉体には自ずと限界はあります。そして最終的にはその肉体的限界のために、試合の中で“無理をしない”精神が息づいてしまうというリスクもある訳です。それはとても危険なことですし、“ベストメンバー規定”よりも遥かに重大なリスクであると思います。

厳しい条件の中ででき得る限り選手にとっての良い環境を整えてあげること…が今一番必要な事だと僕は思います。その為に代表からも協力してあげられる事があるのならば、日本の力を、その総力を結集して、今浦和にACLを獲ってもらいたいと僕は思っています。

posted by 桐谷 | 2007-10-05 07:52

Re:【ACL準決勝1st】浦和VS城南 戦評

桐谷さんお久しぶりです^^

更新が滞っていたので多忙の毎日なのかな?と思っていましたが、ご病気だったとは。
ブログも大切だと思いますが、まずはお体優先に。

さて、オシム監督はエジプト戦に浦和選手を見送るということで一安心です。
その浦和も開催国枠でなくアジア王者として参加して欲しいですね。
層が厚い浦和と言われてますが、中心選手は休みなしのため疲労がかなり蓄積されてます。
幸いリーグでガンバと6ポイント離れている状況で、以前の川崎同様に大幅入れ替えで主力休ませても良いと思うんですが。

posted by エルコンドルパサー | 2007-10-06 10:00

Re:【ACL準決勝1st】浦和VS城南 戦評

たびたび、失礼します。
浦和を応援し、アジア王者になることを期待している者として、桐谷さんの言われることに心情的には同意できます。ただ…

>しかし試合の結果に勝ち・引き分け・負けの3つがあるとして、3-3以上のスコアの引き分けとなる可能性はどれだけあるでしょうか?…(中略)…
僕は1-0の勝利に限りなく近い結果…と表現しましたが、それが言いすぎだとしても0.5-0ぐらいの価値はある結果だったように思います。

繰り返しになるので、これを書こうか止めようかと迷ったのですが(粘着質だとと思われてもしかたがありません…)、私がああ云う書き込みをしたのは、浦和を応援している人が第1戦の結果をあまりに楽観的にみているように感じたからです。

確かに3-3以上のスコアになることはまずないでしょう。次はホームでの試合ですし、浦和が有利なことは疑いようがありません。ですがサッカーの試合において何が起こるか分かりません。3-3はなくとも0-1で負けてしまうということは十分ありえます。その時アウェイの2ゴールは、─いかにそれが1-0の勝利に近くとも─、全く意味を持ちませんし、私が『「結果としての」引き分け』と「結果として」にこだわったのはそういう意味です。

浦和の選手たちは「アウェイ2ゴール」を自信にもちつつも、次戦は必ず勝ちに行くと思いますし、「引き分けでよし」とする選手は誰もいないでしょう。浦和に「アドバンテージ」があるとしたら、スコアではなく選手のその気持ち、それこそそうだと思うのです。

最後に。
桐谷さんをはじめ皆さんがとうに分かっていることを、ながながと書き込んでしまうことになって申し訳ありませんでした。何とぞお許し下さい。

PS:
代表辞退の件は、オシム監督が考慮されるようでなによりです。ただあの監督のことですから、合宿には呼ばなくともエジプト戦メンバーに選ぶことはあるかも知れませんね。:-p

posted by バウワウ | 2007-10-06 14:40

エルコンドルパサーさんへ

>幸いリーグでガンバと6ポイント離れている状況で、以前の川崎同様に大幅入れ替えで主力休ませても良いと思うんですが。

僕も状況次第でそうするべきだと思います。実際大分戦でも坪井と山田の二人が欠場していますし、オジェックは彼のポリシーとしてJや協会を気遣いながらも穏当にそれを取り入れてゆくつもりなのかも知れませんね。結局“規定”などしてもそこに“理”が無ければ本質的に“無意味”なのだと思います。現実に即さないルールはすぐに改正するべきですね。

久しぶりにここでお会いできて嬉しく思います。今後ともよろしく。

posted by 桐谷 | 2007-10-09 08:06

バウワウさんへ

お気持ちよく分かりました。
ホームでの2ndレグ、僕も『こちらが有利だ』の甘い気持ちで臨めば、手痛いシッペ返しを食らうものと思っています。

僕が評価したのは1stレグの結果であり、それによって2戦目が楽になったのだとは思いません。城南は見ても分かるとおりこれまでの対戦相手よりは1ランク強い相手でしたし、Jであれば間違いなく浦和やガンバと優勝を争う実力を有したチームであると思います。そしてそのモチベーション、勝負への執念はJのどのチームよりも高いかも知れない。
どちらにせよ苦戦は免れないでしょう。

あなたのコメントに対する読解力が少し不足していたかも知れません。2ndレグ厳しい試合になる。全てを出し切る心構えが無ければ負けてしまうぞ…という意味で僕はあなたと同じように次戦決して楽な戦いにはならないと考えています。
そしてその試合を浦和には絶対に勝ち抜いて、CWCの舞台まで辿り着いて欲しいと願っています。

一緒に期待して見守りましょう。

posted by 桐谷 | 2007-10-09 08:18

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