2010年01月21日
2010浦和レッズの展望 【キリタニ】
2010シーズンの浦和のチーム構成を考える上で、僕が一番懸念していたのは、実は阿部勇樹の離脱であった。 オーストラリア代表のスピラノビッチ加入が決まり、堤俊輔の復調と合わせて、なんとかCBの頭数が揃ったようにも見える。が、やはり新加入の外国籍選手と、1年を越す長期故障あけの若手では、未知数の要素も多く、チーム構成上の信頼性といった意味で、DFもこなす阿部勇樹の残留は不可欠なものである、と僕は考えていた。 サヌーをアタッカーとして起用するのであれば、期待された即戦力としてのサイドバック獲得はほぼ叶わず、その点で今シーズンの4バックの、攻撃面での進化、急成長は期待しづらいかも知れないが、ひとまずCBについてはこの阿部勇樹の残留によって、ひとつの大きなリスクを封じることができたのではないかと考える。 昨年の浦和は、全34試合で43得点/43失点という結果を残している。 ちなみに2008シーズンは、同じく34試合で50得点/42失点である。(この年はDFの闘莉王がエジミウソンと同じ11得点をあげている) 2010シーズンの浦和、現時点での戦力と予想布陣を見る限りにおいて、僕は6月に2トップの一角を担う、エジミウソンと同等レベルの新外国人ストライカーの加入でもない限り、この43という得点数を大きく伸ばすことは難しいのではないか思っている。しかしその逆に、守備面、失点の数については、今の陣容でも充分に10近く減らす事は可能なはずだ。 仮に得点が43のまま変わらずとも、失点を33程度に持っていくことができれば、得失点差は+10となる。これを尺度に測れば、その時点で昨シーズン4位のサンフレッチェ広島より、得失点においては+1上まわることになる。 DFながら高い得点力を持ち得た闘莉王を失ったいま、チームをさらに1歩進化させよう、前進させようと考えるのならば、その闘莉王の影を追う、不足を埋める補完的な施策に留まるのではなく、僕は少し先の将来を見据えながら、スピードとゲームメイク重視の、思い切ったDFラインの再構築にトライすべきなのではないかと考える。 終盤に散見された最終ラインでのイージーなミスを減らすこと…そのミス量産の主因ともなっていた夏場・ゲーム終盤の運動量の低下に一定の歯止めをかけ、中盤のポゼッション状況における危ういボール回しやポジショニングを是正してゆくことができるならば、失点は減らせる。即ち、チーム全体としての高いDFラインへの対応力を、さらにもう1歩高めることができるならば、「ゲームを支配しながら能動的に戦う」というスタイルとコンセプトを維持しながら、易々と後ずさりするのではない攻撃的な守備強化を為す事はできるのだ。 やはりキイとなるものは、 「さらなるポゼッションの強化」と、その為の「高いDFラインの熟成」 であり、さらに当てずっぽうにでも、もう少し具体的に言うならば、チーム全体の2~3%程度のボールポゼッション率の向上、そしてそれを支える2~3%程度の運動量の底上げ。さらにそれにプラスして、最終ラインのスピード対応能力の強化(人選も含む)と、パス・フィード精度の向上が求められる。 それが、現状僕の考え得る2010年浦和レッズの一番現実的な強化の方向性であり、また2011年からはじまると期待する、Jリーグの覇権を争う「黄金期」へ向けての、着実な基礎固めの要点となるだろう。 戦力構成自体のバランスでいえば、僕はこの2010シーズンに対してもネガティブな印象を持っている。これは現体制というよりも、旧体制の負の遺産を未だ引きずり続けていると見るのが妥当な評価なのだろうが、2列目のアタッカーにばかり頭数がごちゃついていて、トップはエジミウソンが負傷離脱でもしたら、目を覆うしかない状況に陥る。また現状両サイドバックは質・量ともにまったく不満。CBも未知数である。 しかしそれでも、若手の底上げもあり、いずれ高給のスター選手、ベテラン選手たちへの人件費を仕分けし、それを本当に必要な方向、価値ある方向へと差し向けることができるならば、その瞬間チームは一気に変わる。変われるはずである。僕はそれを具体的に、2011シーズンと予想するが、今年はそこに繋げるための「ステップ」の年になればそれで良いと思っている。そんな実感さえ共有できるならば、ファンやサポーターの多くも、きっと一緒になって支えてくれることだろう。 2009年、あれは浦和vs鹿島の最終節だっただろうか? 小笠原満男に激しいチャージを受けながら、原口元気がそれを弾き飛ばして前進するシーンがあった。昨シーズン、トップリーグの厳しい洗礼を受け、苦闘し、ある意味では傷つきながらも、それでも試合に出続ける中で…我慢して起用され続けた中で、彼は強くなった、進化を続けていたのだ。開花の時期はまだもう少し先のことなのだろうが、僕はこの1シーンに、18歳の若者の成長の証を、まざまざと見せ付けられた気がした。 苦しかったが、この1年には確かな意義があったのだ…と。 次回は攻撃面について考察してみたい。 その中で、具体的な目標設定についても言及できればと考えている。 ※関連エントリー 犬飼会長の激怒と正義について 浦和レッズ再建案 低迷の原因とGMについて 浦和レッズの今と前半戦MVP Jリーグ改革 最後に言っておきたいこと 脱・日本代表のススメ 思い出の曲No.18 Tom Waits Innocent when you dream
posted by キリタニ |11:09 |
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posted by キリタニ | 2010-01-21 11:32
2010浦和レッズの展望 【キリタニ】
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>昨シーズン、トップリーグの厳しい洗礼を受け、苦闘し、ある意味では傷つきながらも、それでも試合に出続ける中で…我慢して起用され続けた中で、彼は強くなった、進化を続けていたのだ。
今年も宜しくお願いしますね^^
私は、昨シーズン原口選手の起用方を見て、フィンケ監督と日本人監督の差を見せ付けられた気がします。結局は育成なんて監督の「強い信念」一つにかかっていたりするのかなぁと、ね。
若い選手を育てるには、その選手が大成すると信じた瞬間を忘れないで欲しいですね。時に結果を出しては喜び、結果を残せないことで苦悩する。そんなジレンマを抱え続けながら、どれだけ使い続けることができるのか。信頼関係を築けるか。最後はそれ次第だったりします。
だから、監督自身が自らの首を賭けてまで、信頼して使えないのなら、ハッキリとその時点で(しかもなるべく早くに)選手本人やクラブフロントとの話し合いが必要です。
Jでは移籍やレンタルの制度が、ようやくまともに機能するようになってきました。勿論、人生には失敗が付き物の為、それでも成功しない選手もいますが。
レンタルで実戦経験を積み、逞しく成長している選手たちが結構増えた事は、単純に嬉しく思うのです。
今季は昨年J2で結果を出した選手達が、J1に上がってきました。そういう選手たちがどれだけ成長したのか注目したいですね。
もし数年先に原口選手が素晴らしい選手となり、日本サッカー界を引っ張っていくほどの存在になっていたとしたら…。昨年、フィンケ監督と共に歩んだ一年は、彼の人生の中で凄く大切な財産となっていることでしょうね。
日本人監督にも、これからの若い選手に大きなきっかけを与えることの出来る、そんなある意味で頑固な、周りの声に耳を傾けることなく己の信じた道を行く監督、出てきて欲しいな。とおもうのです。
その為には選手達だけでなく、まずは数多くの指導者の皆様方が海外に出て経験を積むことが大切だと思いますが…。
posted by キリタニさんへ | 2010-01-21 16:03
2010浦和レッズの展望 【キリタニ】
コメント投稿者ID :
広島と引き分けたようですね。
http://twitter.com/antoni_gaudi
レッズのゴールを決めた“ジュニーニョ”タイプの新外国人…誰でしょう。ファイサル?サヌー?
こうして自分の目の前に起きた出来事を、
主観に差はあれど共有できる。便利な世の中です。
引き分けにホッとしてしまうのがちょっと悔しいですが。
posted by J | 2010-01-21 17:47
2010浦和レッズの展望 【キリタニ】
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>昨シーズン、トップリーグの厳しい洗礼を受け、苦闘し、ある意味では傷つきながらも、それでも試合に出続ける中で…我慢して起用され続けた中で、彼は強くなった、進化を続けていたのだ。
一方宇佐美は・・・
posted by dh | 2010-01-21 18:31
2010浦和レッズの展望 【キリタニ】
コメント投稿者ID :
こんばんわ。
>(この年はDFの闘莉王がエジミウソンと同じ11得点をあげている)
トゥーさん、そんなに取ってたんだ・・・、凄えな。
>スピードとゲームメイク重視の、思い切ったDFラインの再構築にトライすべきなのではないか
同感です。新しい浦和の最終ラインを見てみたいですね。
ただ、来季に関しては、どこかで落ち着かせる場所もつくらなければ、90分のゲームを勝ちきれないケースも出てきそうですね。
ウチの庭にオラニエの花が咲きましたので、また観に来てくださいね。
http://roofguardian.blog9.fc2.com/blog-entry-16.html
posted by プーアール | 2010-01-22 00:50
皆さんへ
コメント投稿者ID :
キリタニさんへ さんへ
>今年も宜しくお願いしますね^^
こちらこそ今年もよろしくお願いいたします…って、誰なんだよ、アンタ^^;
>私は、昨シーズン原口選手の起用方を見て、フィンケ監督と日本人監督の差を見せ付けられた気がします。結局は育成なんて監督の「強い信念」一つにかかっていたりするのかなぁと、ね。
僕も見ていて痛々しく感じるぐらいのことが何度もあって、フィンケさんスゲーなぁ…という気持ちと同時に、原口も根性あるなー、立派だな…と思って見ていました。
昨年二人が見せてくれた、その強い意志と気持ち…は、並大抵のものではなかったと思います。だからこそ、小笠原をぶっ飛ばした原口を見たとき、なんだか急に泣けてきたのです;;
今年もまたヨロシクね^^
J さんへ
> レッズのゴールを決めた“ジュニーニョ”タイプの新外国人…誰でしょう。ファイサル?サヌー?
きっとどちらかでしょうね。
次回書く予定なのですが、僕はサヌーに、ジュニーニョとまではゆかなくても、レナチーニョのようなタレントを期待しているんだけど、どうなんでしょうかネ。
とにかく浦和フィンケ体制のアフリカ路線は非常に興味深い試みであり、トライだと思って見守っています。ここを開拓できれば、Jリーグは絶対に面白くなります。
dhさんへ
>一方宇佐美は・・・
移籍制度の国際基準化と25人枠により、今後はレンタルなどを通じてJ2で一旗上げJ1へ…といった自然なステップアップのルートが踏み固められてゆくはずです。
フィンケは確かに我慢しましたし、それは尊い選択であったと思いますが、今のガンバの立場で、西野さんにフィンケと同じことをしろ…といってもそれは非常に厳しいことなんでしょうね^^;
宇佐美くんのような17、18歳のタレントが、ガンバの将来への期待を背負いながら、ひとまずJ2でデビューして、年間40試合フルで経験を積めるような環境。今後は、そんな環境が自然に、問題なく育まれるJリーグになってゆくことを期待したいです。
プーアール氏へ
>>寵愛するV.ボメルが娘婿であるといったおよそ役に立たない情報は知っておりますが
…し、知らなかった。っていうことは、VボメがVマルの娘にアフターピッチでチョメチョメしてる…ということなのか?
俺がVマルならVボメを殴るっ。ごめんなさい、するまで殴る。それなのにVマルって奴は…;;
なんだかVマル、応援したくなってきた。
ところでまたトラバにトライしてみて。俺が試してみたら、全然問題なかったヨ。アクセス数上がっててスゲー!と思った。土曜日の更新、楽しみにしていますネ^^
posted by キリタニ | 2010-01-22 12:33
2010浦和レッズの展望 【キリタニ】
コメント投稿者ID :
>>寵愛するV.ボメルが娘婿であるといったおよそ役に立たない情報は知っておりますが
↑これ、キリタニトラップとして仕掛けた一文ナリ。
フッフッフッ。やっぱり突っ込まんではいられなかったようだナ。
スナイデルもこんなに簡単に引っ掛かってくれたらな~。^^
V.マルすごいだろ~。ってか、オラニエ恐るべしでしょ。
全国の娘を持つ父親層をとりこむかもしれんな・・・。
今、トラバしてみました。
また、夜にでも。
posted by プーアール | 2010-01-22 12:56
プー氏へ
コメント投稿者ID :
>↑これ、キリタニトラップとして仕掛けた一文ナリ。
これはしたり;;
俺、禁断シリーズに目がないんだよな…。つーか、これ禁断じゃないのか…うん、違うな。
しかし、赤いヒラヒラを目の前にチラつかされたトロ(闘牛)のように、我を忘れて突っ込んじゃったな。熱いな、俺。
>今、トラバしてみました。
うん。そして見事弾きかえされた模様…。
なんでなんだろうね。どうしてかね^^;
posted by キリタニ | 2010-01-22 13:07
2010浦和レッズの展望 【キリタニ】
コメント投稿者ID :
>>今、トラバしてみました。
>うん。そして見事弾きかえされた模様…。
>なんでなんだろうね。どうしてかね^^;
た、高さが足りないのか?
でも、オレ、森本ぐらいのタッパはあるゾ・・・。
そ、そうか、スピードか。
多摩川ルーレット決めるのに、5秒かかるもんな・・・。
あるいは品格か・・・、スポナビに友愛されて・・・るの・・・か。
おやすみなさい・・・。
posted by プーアール | 2010-01-23 00:06
プー氏へ
コメント投稿者ID :
>た、高さが足りないのか?
でも、オレ、森本ぐらいのタッパはあるゾ・・・。
そ、そうか、スピードか。多摩川ルーレット決めるのに、5秒かかるもんな・・・。
マジでそんなにあるのかっ!?
「あたしゃも少し背が欲しい~」ってぐらいの君でいて欲しかったな…;;それじゃ玉川カルテットか^^;
一度トラバ受け付けられているのにね。どうしてかな。まあ諦めずにまたトライしてみて。こっちはいつでも歓迎だから。
さっきMXテレビ見たら石川直もう普通に走れてるね。良かった、本当に間にあって^^
posted by キリタニ | 2010-01-23 00:24
2010浦和レッズの展望 【キリタニ】
コメント投稿者ID :
キリタニさん、こんにちは。あきら@です。またお邪魔します。
新しい浦和レッズに変わろうとしているシーズン。今年はもしかしたら、去年以上にもどかしさを感じるシーズンになるかもしれない。そんな覚悟はしています。
闘莉王が抜けたことで、守備も攻撃も「困ったときは、良くも悪くも闘莉王頼み」はできなくなります。彼には本当に感謝しています。06年の優勝も07年のアジア制覇も、彼抜きにはなかったでしょう。
でも、その低いラインと、動かない守備のサッカーの限界が見えてきて。
キリタニさんのおっしゃるように、「スピードとゲームメイク重視の、思い切ったDFラインの再構築」や「ポゼッション」を重んじたサッカーにしていかなければならないし、春から夏にかけて見えた、そのサッカーが楽しみでした。
あの弱小の頃、降格の頃に比べたら、多少のことなら我慢します。勝っても負けても、楽しみが感じられる試合になってくれれば、そう思っています。
若手選手達。トップチームでの試合を本格的に体感したのは、実質去年が初でした。ほとんどは苦い経験だったと思いますが、それが今年の開幕前に活きるのではないか、そう思っています。
各クラブ、始動ですね。年度末が片付いたら、またスタジアムに行くのが待ち遠しいです。
忙しい季節ですが、キリタニさんもお体大切になさってください。お互いの始動に備えましょう。
posted by あきら@ | 2010-01-23 23:49
2010浦和レッズの展望 【キリタニ】
コメント投稿者ID :
こんばんわ。
男子を尻目に、女子はメキメキと世界での評価を上げてますね。『目標は世界のBEST4』なんて大風呂敷をひろげられたとしても、こちらは説得力がありそうです。
デンマークについての記事もさっきアップしましたので、また覗いてください。
http://roofguardian.blog9.fc2.com/blog-entry-14.html
さて、精度の悪いクロスじゃなくて、トラバも上げてみますね。
posted by プーアール | 2010-01-25 00:58
あきら@さん、プーアールさんへ
コメント投稿者ID :
あきらさん
>闘莉王が抜けたことで、守備も攻撃も「困ったときは、良くも悪くも闘莉王頼み」はできなくなります。彼には本当に感謝しています。06年の優勝も07年のアジア制覇も、彼抜きにはなかったでしょう。
浦和の良い時代は彼の活躍抜きには語れませんね。僕は昨シーズンから闘莉王は移籍させるべきタイミングなのではないかと思ってきましたが、それは好き嫌いではなく、フィンケのサッカーとクラブ改革の為に必要だと考えたから。彼も自分を曲げる人間ではないでしょうし、この離別は双方にとって致し方の無い状況だったのだと思います。
これによって名古屋戦は相当厳しくなりそうですが^^;
>若手選手達。トップチームでの試合を本格的に体感したのは、実質去年が初でした。ほとんどは苦い経験だったと思いますが、それが今年の開幕前に活きるのではないか、そう思っています。
高橋峻に右SB取って欲しいですね。そして左も若手が奪い取って欲しい。2011年以降は若手にとってもこんなチャンスはなかなか巡って来ないだろうと思います。
その上で次エントリーにも書きましたが、ACL圏を確保してくれればと考えています。今年もまたよろしくお願いします^^
プーアールさんへ
すごいペースで更新していますね。
アクセスも伸びてるし、順調そうでなによりです。
やっぱりトラバははじき返されているみたいだね。プー氏にも2010J順位予想して欲しいから、なんとかトラバってもらいたいと思うのだけれど。次回はこっちから仕掛けてみよう。
posted by キリタニ | 2010-01-27 08:43
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