2009年04月30日

ジェフ千葉の今と未来 

いろいろとせわしない日々を過ごしているうちに、世の中はゴールデンウィークを迎え、新型インフルエンザはパンデミック一歩手前の状況にまで突入してしまった訳だが、政治も人生も、そしてサッカーにおいても、適時やるべきことを為す…というのが一番大切な事で、その時期を見誤ったり、その支払うべきリスクを適正に判断できなかったり、或いは見たく無いものは見ないふりをしてみたり…、振り返り、あとになって考えれば、そういう状況判断の甘さや選択ミスが、いつまでもその後のミライに暗い影を落としてしまうことを、僕たちは手痛い経験から学ばなければならないのだと思う。

第7節、ジェフ千葉vs浦和レッズの試合は、そういう意味でひとつの鮮やかな対比を見せられた試合であった。明るい陽光が差し始めた浦和と、重苦しい黒い雲に覆われた千葉…という対比である。

見ようによってはジェフの善戦にも見える。が、またもうひとつの異なる視点から見れば、たった4本のシュートしか撃つ事のできなかった攻撃力不足の現状も露呈している訳で、僕の正直な感想を言えば、それはただガードを固めて前へ前へと足を進め、頭を下げ腰を引いたまま、時折大振りのラッキーパンチに賭けるだけの、勝ちきれない、平凡なボクサーのそれに良く似ていたように思う。その頑張りと意欲は十分に認めるが、その戦いの内容に、強い敵を打ち負かすだけの戦略性や論理性を見出す事はできなかった。

前半45分は機能していた前からのプレスは、現状では彼らにとってのたったひとつの光明である。坂本將貴の積極的なラインコントロールも手伝ってか、今シーズン見た試合のどれよりも良い滑り出しのようにも見えた。しかし、問題なのはボールを奪ってからの事態であり、浦和の切り替えの早さもあり、組み立てるリスクを避けてただ前へ蹴りこんでしまう。もちろん浦和もジェフの強烈なプレスの前に中盤で多くのボールロストを繰り返していたのだが、このボールロストの在り方には、如実に現状のサッカーの“質”が現れていたように僕は思う。要するに、ジェフのボールの失い方には“実り”の期待が持てないのだ。

確かにそれによってリスクは減じられる。1-0でリードしている後半の状況であれば、一番正しい選択であると僕は思う。しかし、結果的にはそんな淡白なボールの失い方と、全力の前からのプレスによって、自らで疲弊し消耗して、さらに攻撃への活力を失っているようにも見える。

後半の浦和は、前半のボランチへの厳しいマークに苦しんだことを受けて、前線の選手のビルドアップへの顔出しによって、スムーズに本来のポゼッションサッカーを展開しはじめた。それによってまた、前半の疲れの見えるジェフは為す術なく浦和にゲームを支配された。強い浦和に、全力でぶつかった前半の“抵抗”は見事だったと思うが、これを90分やりきるスタミナを保持する事は容易ではなく、またこれからの季節を考えれば、今の戦いぶりは相当に危うい…と、僕自身は思っている。

以前書いた僕のジェフ千葉への苦言が、僕の意図とは少し異なる取り上げ方で引用されている…という記事をメールで紹介していただいた。読んでみると確かに僕の意思とは少し異なるのかも知れない。書き手として、他者にこれを公開した時点で、読者のその解釈のあり方にまで注文をつけるのは僭越であると思うので、ここでそれに対して反論したり、弁明したりすることはしないが、僕は僕の立場や視点から、今後も応援しているクラブのひとつであるジェフ千葉に対して、自分の思うところを誤解を恐れることなく、ありのままに書き綴ってゆきたいと思っている。他者からみれば少し評価が厳しすぎるのかも知れないし、尊大な物言いに映るのかも知れない。が、それが僕からジェフへの、ある意味での愛情表現の仕方なのだ。

僕は今ミラー監督を変えるべき…とは思っていない。同時にこのサッカーに輝かしいミライがあるとも思ってはいないが、今は輝かしいミライを追い求めて立ち振る舞うような状況ではなく、現状でできる最善の策を、決断し、行動すべき状況なのだと思う。輝かしいミライについては、ひとまずの結果が出てから、クラブ・選手・地域・サポーターが一つになって十分に議論して方向性を打ち出せばよい。それはこれを乗り越えた先の話である。

いま願っていることは2つだけである。

ますばプレッシャーのないところで良いから、もう少しペースダウンしてボールを持てる時間を作って欲しい…ということである。このサッカーでは夏場は乗り切れない。頑張る気持ちは尊いし、それを失ってはいいけないが、またそれだけで勝負してゆけるというものではない。90分の戦いに、ペース配分とメリハリは絶対に必要である。そしてもうひとつ、夏までに必ず点の取れるストライカーを獲得すべきである。そうすれば腰の引けた大振りのパンチであっても、今よりは遥かにマシな確率で、相手の急所を捉える事もあるだろう。

そしてそのために、今いるメンバーで、1つの勝ち点に執着して、気持ちをきらずに全力で戦っていって欲しい。とても厳しい道のりであると思う。だからこそまた諦めずに、最後まで戦おうとする強い意志を貫いて、頑張って欲しいと心から願っている。

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はじめての朗報 ~新型インフルエンザ~  

posted by 桐谷 |12:06 | ジェフ千葉 | コメント(9) | トラックバック(0)
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posted by 桐谷 | 2009-04-30 12:16

ジェフ千葉の今と未来 【キリタニ】

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千葉と繋がるかどうか分かりませんが。
ミラー監督が知識を積んできたプレミアリーグは、一つ一つのプレーの力強さこそが最大の長所です。パス一つにしても、バチン!ビシッ!DFのチャージ・タックルもドン!バキッ!と、TV画面を通しても音が入ってくるような(聞こえるのはサポーターの観戦の仕方次第ですが)。

昨年ミラー監督就任後、前線の巻に当てて、深井と矢澤が絡んでいく攻撃を浸透させて何とか残留を勝ち取ったジェフ。攻め方としてはプレミアの王道ですが、いかんせん対応しやすい戦術であるのも確か。
これをステップアップさせるには個人の技術(主に巻)と連動した動きの質の向上が必要になるでしょう。それが叶わなければ巻に替わる外国人FWを獲得するか。もしくは違うタイプとしてターゲットになれるFWをもう一枚並べるか。ヨンセンが千葉に行ったら…とも考えましたが。

後方に良い補強をしても、前線で停滞してしまってはチームとして結果を残すのは難しいかもしれませんね。
でもプレミア色が全面に出るジェフというのも期待しています。広島の様な個々のアイディアと創造性で崩すとは違った、単純なパスのスピードと体を張った連携でゴールをこじ開ける攻撃を見せられれば、Jの中で異色な存在になれるかも。

posted by コディーノ | 2009-05-01 09:24

ジェフ千葉の今と未来 【キリタニ】

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 おっしゃるとおりです。ホントに昨シーズンからの心配事がまともに当たってて私も非常に悲しいです。
 スーパーなFW1人ぐらいじゃどうにもなりませんね~今の状況は…

posted by ペン太郎 | 2009-05-03 11:52

ジェフ千葉の今と未来 【キリタニ】

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【キリさまへ】
上記の対戦では、
フィンケ監督の構想は、チームがポゼッションしてる時に、どういうアイディアで相手守備を崩し得点するかという流れ。チームが主導権を握ることを前提で、横パスに縦パス交えスピードの緩急も使い、選手間の連動連携でゴールをコジアケるチームをつくってきたと思われます。オシムさんもこのスタンスでチーム作りの途中だったような・・・。

ミラー監督は、相手チームがボールホルダーの前提で、激しいプレスをかけボール奪取し早い攻撃狙いでしょうか?短期でチームを強くするときに用いるって聞くけど、ボールを失ったときの切り替えや自分達の攻撃の形が創造的でない分、
>結果的にはそんな淡白なボールの失い方と、全力の前からのプレスによって、自らで疲弊し消耗して、さらに攻撃への活力を失っているようにも見える。
となってしまうのでしょう。岡田氏がこれだったと思います。日本代表の場合は、そこから現状に幸運にも進化している段階でしょうか。(この過程については見解の相違あるかもで省きます)
でも今季の千葉にここまでの発展は望まない、時間をかけチームをつくっていって欲しい。ただ近々にこれだけはやってくれ!と桐谷さんは仰ってるのかしらと、今日考えました。

ここ1週間は、スタジアム連チャン観戦とチャンピオンズリーグ・セミファイナルと仕事で、フラフラでした。
新型インフルエンザの警告ありがとうございました。ホケホケ~と過ごしてる私の知らない間に、世の中は・・・びっくりです。弱毒性であったとしても、ほとんどの人が免疫を持ってないので感染速度と広がりは大変なことになるらしいですね。SARSのときも海外行っちゃって、機内でせきが止まらない人や具合が悪い人がいてコワい思いしたので、5月下旬のイタリア行きも残念ながら延期です:;)
何の予定もなくなったかわいそうなオ・ン・ナですぅ。
また、ブログで痛くない程度に遊んでくださいませ=^エ^=

posted by チャアヤ | 2009-05-03 23:30

皆さんへ

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僕はミラーさんのサッカーを、

手堅く古臭いイングランドサッカー

と表現しました。

これは決して古いか新しいか…の“是非”が、論点ではなく、80年代、90年代の一時期のイングランドのサッカーを明確にイメージして指摘した言葉なのですが、ここ1、2試合のジェフのそれは、磐田あたりと対戦していた頃のそれと比べれば、だいぶビルドアップの意識も高まり、サイドの高い位置にまでボールを持ち込めるようになってきたように思います。

要するに現在のプレミアのように、良い意味で前進しつつあるし、その意識が見えてきた。これがミラーさんの意志なのか、選手達の判断なのか、僕には判りませんが、変化が見えてきたことは確か…。しかし、ここがサッカーの悩ましいところなのですが、だからといってこの変化が勝ち点に結びつくかどうかは判らない。行き過ぎれば、自ら墓穴を掘ることもあるでしょう。

そういう意味でミラーさんは、昨季から一貫してリアリストであり続けた訳で、ジェフがミラーさんを選んだのであれば、彼の哲学、方向性のサッカーの中で、必要な人材を用意してやるのがスジだったように思います。

そういう意味では、ジェフフロントが求めたサッカーと、ミラーさんの哲学では、そもそもその方向性が異なるのかも知れない。

そしてそれはミラーさんの責任ではない。僕は昨年の快進撃の最中にも、このミラーさんの哲学だけは、そのサッカーから感じていました。

浦和のような戦力を有するクラブであれば、彼もオジェックのように一定の成功を収められる人なのかも知れない。けれどもジェフレベルの戦力で、何かをクリエイトできる人ではないだろう。僕はそこに疑問を感じていましたし、未だ感じている。ジェフがジェフで在り続ける限り、このサッカーの先に輝かしい未来の展望は開けないだろうと。

しかしジェフはすでに選択した訳ですし、シーズンは始まった訳ですので、振り出しに戻すにはリスクが大きすぎる。であれば、このサッカーでも得点してくれる特別な力を持ったストライカーが必要なのではないか?と、それが、昨年の終わりからの一貫した僕の主張です。

>でもプレミア色が全面に出るジェフというのも期待しています。

僕もリーグ全体がひとつのサッカーに収斂されてゆくのは存外健康的な事ではない…と思っています。現在のプレミア的、しかもアーセナル的だったり、リバプール的であったりするのであれば悪くは無いのですが、80年代や90年代のイングランド弱小チーム的では困るし、それをジェフがやる必要はないかな…と思っています。

そういう意味ではここ最近の少し変化の見え始めたジェフに期待してみたいと思っています。願わくば、0-1になってから捨て身で前へ出るのではなく、0-0の中から勝負どころを見出して、メリハリをつけてトライしてゆくサッカーを期待したいと思います。

posted by 桐谷 | 2009-05-04 08:27

ジェフ千葉の今と未来 【キリタニ】

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反論や弁明をしないんじゃなかったんですか?

posted by ロバ | 2009-05-04 16:49

ジェフ千葉の今と未来 【キリタニ】

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反論や弁明ではない。

posted by ミミ | 2009-05-06 12:34

気迫

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桐谷さん、こんにちは。

本文とは関係ないコメントで申し訳ありませんが、ちょっとだけ。第9節、第10節と心臓に悪い試合を続けて生観戦してきました。けっして美しくはないけれど、最後の最後まで諦めない選手の気迫が呼び込んだ勝利だと思います。こういう試合を見せられたら、またスタジアムまで足を運びたくなっちゃうじゃないですか。おかげで今年の我が家の"レッズ関連出費"は早くも去年を超えそうな勢いです。(^。^;

posted by すっぴん | 2009-05-06 22:09

すっぴんさんへ

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本当に興奮させられる試合でしたね。
終了間際の2得点には、浦和のDNAを感じさせられました。

セルヒオのポッチャリおなかで押し込んだゴールも、撥ね返りを右足で振り抜きにいってたまたま当ったゴールであり、ただ漫然とあそこに立っていただけだとしたら、きっとゴールへ吸い込まれることはなかったのだと思います。

僕はああいうゴールが好きなんです。オシャレなヒールや、バイシクルなんかよりも。

>おかげで今年の我が家の"レッズ関連出費"は早くも去年を超えそうな勢いです。(^。^;

そうでしょうね。けれども楽しめる時にお金は使うものです。楽しめなくなってからでは、お金なんて持っていてもあまり意味はないですからネ^^;

願わくばすっぴんさんたちが投下してくれたお金が、レッズの良き未来の為に大切に使われることを期待したいですね。もう二度とドブに放り投げるような金の使い方で、あなたたちの愛情を無駄にして欲しくないと切に願っております。


posted by 桐谷 | 2009-05-07 11:58

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