2009年07月03日
これまでの日本は、自国開催のそれを除けば、ワールドカップ本大会においては、つねに最底辺の“参加者”のひとつに過ぎなかった。※『岡田ジャパンの可能性』より
もしその位置づけを脱して、今回“参加者”から“挑戦者”への足場を築きたいと思うのであれば、最低でも3試合を4~5点の失点に抑え、さらに攻撃面では3つ目の得点(GL突破33%の確率)を得ることが最低条件になるのではないだろうか。※『岡田ジャパンの可能性 3つ目のゴール』より
では、そのために何が必要なのか?
いまできることとは何だろうか?
結果的にグループリーグ突破ができるのであれば、それに越したことはないが、WCアジア予選突破とWC本大会グループリーグ突破のその間には、カンタンに乗り越えることの出来ない大きな壁が聳えているものと僕は思っている。単に成功か失敗かではなく、その狭間の中で、4年毎の日本が、いまどの位置に在るのかを確認するのは、とても大切な作業であると僕自身は思っている。そしてさらに大切な事は、その舞台で一歩ずつの前進と進化を実現させること。そしてその方向性を決して見失わない事である。
第1ポット:ドイツ、ブラジル、アルゼンチン、フランス、イタリア、イングランド、スペイン、メキシコ
第2ポット:エクアドル、パラグアイ、トーゴ、ガーナ、コートジボワール、アンゴラ、チュニジア、オーストラリア
第3ポット:オランダ、チェコ、ウクライナ、ポルトガル、スイス、ポーランド、クロアチア、スウェーデン
上記は2006年ドイツワールドカップドローにおける第1~第3までのポットのラインナップを記したものである。来るべき2010年南アフリカワールドカップ組み分け予想の一例として参照いただければと思う。日本はモチロン第4ポットという前提である。
第1ポット。
僕はどのチームが出てこようと、まずまともな勝負にはならないものと思っている。アクチュアルタイムが60分あるとすれば、おそらくまるまる30分は自陣ゴールから30Mほどのゾーンを、ひたすら8人~9人で固めなければならない状況に陥るのではないかと考える。このポットとの対戦が何番目にくるかで、その戦い方に変化も生じてこようが、失点をどの程度に抑えられるか…それがテーマとなる一戦である。
そして第2、第3ポット。
ここでくじ運にさえ恵まれれば、期待として第2ポット相手に勝ち点3。第3ポット相手に勝ち点1。という計算や見込みも成り立とうが、どちらにしてもゲーム内容としては、概ね圧される展開が予想されるだろう。
要するに3試合すべてを、自力に勝ると思われる相手を敵に回し、やや圧されぎみの展開の中から、どう勝ち点を拾っていくか、失点を最小限に抑える中で、どのようにして3つ目のゴールに果敢に挑んでいくか…。そんな戦いになるものと予想する。これを突破か敗退か…のどちらかで白黒をつけてしまうのは、いささか乱暴、大雑把過ぎるのではないか?突破か敗退か…の間には、まだまだ何大会か費やして、2つ3つ乗り越えなければならない高いハードル、距離があるのではないか?僕がこれまでに説いてきたことは、そういうことである。
上述したように、多くの時間を自陣奥深くに引きこもらざるを得ない展開がベースとなる。それはこの4年間の日本代表の戦いの中で、あまり経験したことの無い状況である。さらにまた、往々にして前線に間延びしがちな、今の岡田ジャパンの4-2-3-1ベースのフォーメーションは、ここでの戦い方に有効なシステムであるとは僕は思わない。
僕が期待したいのは、ベーシックな4-4-2或いは4-4-1-1であり、後ろ2ラインで跳ね返す手堅いディフェンスシステムの再構築である。それは、つい先日のACLで鹿島アントラーズがFCソウル相手に見せてくれた後半のディフェンスのカタチであり、さらに言えば2002年日韓ワールドカップにおいて、イングランドがアルゼンチンの猛攻に耐え、凌ぎきった、ある意味ベタなディフェンスのカタチである。
自ずから強者に脅え、自らで引きこもる必要などまったくないが、耐えるときは11人でひとつになって耐える覚悟が不可欠だろう。問題はその押し込まれた状態からどうやって得点を狙っていくのか、或いは敵を自陣に押し返す守りのポゼッションを構築してゆくのか…ということである。そこにはボール奪取時の素早く、的確な判断力と、速攻と遅攻の選択に対する、チーム全体としての対応と共通認識が求められる。
ボール奪取後、ただちに前線の起点に預けて速攻のカタチが作れる状況にあるのか?或いは一度サイドに回して敵の圧力を交わし、そこから蹴りこむフェイントを交えながら、ゆっくりと後ろからボールを回す。敵の重心を後方に傾かせながら、場合によってはGKの繋ぎまでをも用いて、守りのポゼッション、敵をひとまず自陣に押し返すポゼッションを構成する。そんなふうに、圧し込まれる試合の中で、こちらの時間をいかに作ってゆけるか?またその中で判断を見誤らず、いくつの速攻のカタチをフィニッシュにまで結び付けられるのか?
実際に得点できる可能性は、間違いなく前者、速攻のカタチに近いものであろう。しかし、機を見ず、見誤り、そればかりを狙っていては、やがてディフェンスがパンクしてしまう。3本以内のパスでフィニッシュまで至れるというボール奪取時における見極め、状況判断。そしてそれが不可能と見なした場合の、両SBのゾーンとGKまでを用いた、後方からの落ち着いたボール回し。ここからの1年で、その2つのオートマティズムをじっくりと煮詰めてゆくべきである。
2010年南アフリカワールドカップ、岡田ジャパンのベースになるのは、僕はそんな戦い方であり、スタイルになるのではないかと思っている。ゲームの序盤や中盤、最終ラインで奪ったボールを、3つ4つゆっくりショートパスで繋いで、前線へ…。そんな余裕のあるスローな攻撃では、まず可能性のあるフィニッシュまで持ち込ませてもらえないだろうと考えている。
ただし、ご存知の通り南半球にある南アは、この時期一年で一番涼しい時期を迎える。首都プレトリアの6、7月の平均気温は18度。これは東京の4月や11月とほぼ同様。まず間違いなく、ハイプレッシャーのレベルの高い戦いが繰り広げられることだろう。日本はそこで如何にして相手の勝ち気を利して戦略を組み立て、またその勝ち気を利して日本のアイデンティティともなりつつあるポゼッションで、相手を消耗させるか?
そこで3つ目のゴール…なのである。
最後、後半残り20分。そこまでしっかりとゲームを支配できたならば、相手の足の止まった状況を見定めて、僕は日本の次のステップの為にも、恐れず、果敢に、全員で、ゴールを勝ち取る意志を持って、前へ出て行って欲しい。
『速く、厚く、ダイレクト』なボール回しで、局面を創り、そしてそれを打破して、遮二無二ゴールを目指して欲しい。そんな時間帯を作り、それをモノにし得た時。その時こそ、WCにおいて日本は真の挑戦者としての地位を得たといえるのだろうと思う。
ウズベキスタン戦後から、絶えず、しつこく、『このチームは変わらなければならない』と言ってきたのは、上記の2つのベースの構築プラス勝負どころでの仕掛け、そしてその為のチームとしてのモデルチェンジを期待してのことである。この思想や前提を踏まえずして、或いは理解してもらえぬままに、ただ即物的にシステムや選手名について論じても、ほとんど意味を為さないことであろうと僕自身は思っている。顔だけ取り替えても、実体はなにひとつ変わることのない、どこかの腐臭のする政党のように。
次回はフォーメーションを含めた速攻と遅攻。攻めのカウンターと守りのポゼッションについて、もう少し具体的に書き記してみたいと思う。
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愛する鴻池先生に捧げる川柳
posted by キリタニ |11:09 |
岡田JAPAN |
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2009年06月29日
ドアホかFIFAランキングをそこまで信仰するんだったらさ、ワールドカップなんて見るなよ。優勝チームもいまからわかっちゃってつまんねーだろうし。ウザイこと言わずに静かにランキングだけ見てろ。こいつは絶対にサッカーやったことない。 /よね
し さん ここの変態管理人がまた偉そうな事を知ったように書いたときはいつでもまた出現してまたコヤツを成敗してくれよー気持ちよかったぞい/しサポーター
消滅宣言したらいきなりバッシングを受け始めたこの『し』とかいう人物 無礼者かもしれないけど論客としてはスゲーやつだな消えられてちょっと残念だな この人とやりあったら管理人も歯が立たないよ無視して正解また『し』が登場したらひとひねりにされるかもよ/ouch!
3つのゴールて、勇気やる気元気じゃないの、/通りすがり
今回僕が非表示にさせてもらったコメントは上記の4つ。それに僕以外の他のコメンテイターさんに対して書かれたもの1つ。計5つです。
これを表示しないことに対して、ここのコメント欄参加者の皆さん、読者の皆さん、いろいろな考えがあるでしょうね。今回はそれも含めて、このコメント欄の今後の方針を書いてみたいと思います。
大体平均すると1つのエントリーに対して20~30近いコメントがあるでしょうか。これが代表戦や代表関連であれば、さらにそれよりも増える傾向があるように思います。またそれにつれて上記のような類のコメントもなぜか増える。これを1つ2つ表示すれば、同人物か、あるいは類は友を呼ぶのか、その後にさらに同様の書き込みが続く傾向にあるように思います。
中には単に無邪気なものから、屈折した感情によるもの、或いは憎しみや利害や報復、いろいろな理由があるのかも知れませんが、今後これらのものは僕自身の価値観において、一切を排除してしまおうかなと思っております。きっと表示の期待を持たせることでまた書き込ませることに繋がるのだろうし、それを表示しなかったことによってまた新たな憎しみの感情呼び起こす。そんな不毛の連鎖は、いまここでキッパリと断ち切るほうが良いのかなと思っています。
自分なりにこれまで努力してきたつもりではあります。なるべく僕個人の意思による統制はしないほうが良いだろう。その方が読んでいただいている方々にとってもオモシロいものになるだろう…と。ところがそこで自分なりの規制を緩めようとすれば緩めようとするほど、上記のような挑発や僕から見れば不愉快なコメントの侵蝕を助長することになり、結局は僕自身のこのコメント欄に関わるモチベーションを低下させる。
それならいっそ僕自身は一切関わる事なしに、すべて開放してしまおうかとも思う。実際に読んでくださっている方々は、いつもこのコメント欄に参加してくださっている方々は、いったいそのどちらを望まれるのか?一度皆さんにお聞きしてみたいとずっと思ってきました。
上記のようなコメントを排除するということは、捉えかたによってはアンフェアな言論統制といえるでしょう。僕自身間違いなく言論統制であり、情報操作なのだと自覚しています。しかし現実の世の中に真の公平などというものが成立しないのと同じように、たとえすべてを開放したとしても、この場に真の公平などといったものが根付く事はないでしょう。むしろそれはある一部の者の意図によってさらに捻じ曲げられ、歪められるものなのかも知れない。そういう意味で、今後もお付き合いいただく方々には、事前にこのコメント欄の、ある意味での排他性と不公平性を承認してもらわなければなりません。
そしてもうひとつ。
言うまでもなく、僕がこのキリタニブログという場で書き綴っている事は、決してサッカーにおける正義や正解ではないのです。ありのままの、僕個人の意思がここに在るだけです。
当然異なる意見もあろうし、反意もあることでしょう。それは当たり前のこと。だからといってどちらかが折れなければならない話でもなく、ここで分かり合わなければならない話でもない。
『おまえは議論から逃げるのか?』
と、よく言われます。
しかし、この場でそれに取り合ったり、反論に対する反論を返してみたところで、何がもたらされるのでしょうか?僕には僕のひとつの揺るがぬ意思や価値観というものがあり、皆さんには皆さんの、それぞれにまた揺るがぬ意思と価値観というものがあるはず。
それはきっとぶつけ合ってみたところで、互いに痛みか憎しみを残すばかりで、なんら生産的な意味や価値などもたらさないものだと僕自身は思っているし、ここでこれまでに、嫌というほど思い知らされてきました。
それを楽しみにしている人々。人と人が傷つけあい罵りあう様を、冷やかしたり、けし掛けたり、愛好する、一部のギャラリーが在ることもよく存じておりますが、僕はコロッセオの見世物になることも、そこで無意味に何ものかと戦わされることも、まったく望んでない。たとえ誰かを剣で一突きにしたつもりになったとして、何の得が、喜びがあるのか?これまで僕は、一度としてそこに快楽や喜びを見出した事はない。にも関わらず、そのことによって向けられた幾つかの憎悪には、未だに苛まれているのかも知れない。そんな不毛さにいい加減辟易しているところです。
これからも僕は、僕自身のサッカーに対する意思や価値観の表明の場としてこれを用い、今後コメント欄においては、親しみの情を示してくださる限られたいくつかのコメント、参加者の皆さんにのみ言葉を投げ返してゆくだけに登場を制限しようと思います。それ以外については、それぞれがそれぞれでご利用いただけることを望みます。サッカーに対する純粋で、真摯な、意思表明である限り、皆さんで自由にご活用いただけるようお願いしたいと思います。
最後に『し』氏へ
俺はやっぱりあんたの言ってること、その要求っておかしいと思っている。
サッカー観がどうだとか、こうだとか、ぜんぜんそれ以前の問題で。
ただし、変態と罵られながらも(残念ながらそこだけは正解…)、なぜあんたのコメントだけは非表示にせず、表示し続けたのか、そのこちらの思いだけはどこかで汲んでもらえればいいなって思う。
俺は人気ブログランキングじゃ1位になれない人間ですが、もし不人気ブログランキングっていうものがあれば、実際勝てると思っているし、王者として君臨できる自信もあります^^;だから嫌われるのは正直仕方ないと思っているし、そう思われるのも至って自然な事なのだと思います。
上にもあげた通り、もしかしたら実際はたった一人なのかも知れないけど、あんたのサポーターと称するものだっている。俺はあんたと関わるつもりなんてまったくないけど、あんたのサッカー論や意見を楽しみにしてる人、共感し、共に語り合いたいと思う人たちもきっと何人かいるんだと思う。
すでにブログやってるんだったら相互リンクしてもらってもいいし、トラックバックで憎たらしい反論を書いてくれてもいい。もしまだならこのスポナビでも、他の場所ででも、面倒くさがらずに自分自身の主張を貫いてくれたらいいなと思っています。とりあえず早く体治して。元気になってからまたご自慢のサッカー観をどこかで披露してください。
じゃあ、そういうことで。
もう来んなよっ^^
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東国原の野望と、とてつもない日本
posted by キリタニ |11:13 |
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2009年06月26日
“日本がグループリーグを突破するためには、少なくとも自力に勝ると思しき相手との3つの試合において、最低でも3つのゴールを上げなければならないのではないかと僕は考えている。ここからの1年でやらなければならないことはたくさんあるが、その中でもっとも難しく困難なことは、その3つのゴールをあげなければならない…という条件をクリアすることなのではないかと僕は思っている。”
前回の文末を僕はこんなふうに結んだ。
GL突破。まずは1勝。本大会での目標は、人それぞれ思うところは様々なのだろうが、僕は何よりもまずこの4年間の日本サッカーの進歩…を、感じられればと思っている。そこに垣間見えるものは何も岡田武史の真価ばかりではないはず。ニッポンサッカーの真の実力、進化というものも、同時に滲み出てくる筈である。
そんな中で、僕なりの視点として、3つ目の得点というものも、そんな進歩のひとつの評価基準になり得るのではないかと考えている。
先のドイツWCオーストラリア戦における日本の先制点、マイアミの奇跡といわれたブラジル戦の決勝点のように、サッカーにはある頻度で事故のような得点が生まれるものである。また2002年の日本vsベルギー戦の鈴木隆行のゴールを例に出すまでもなく、敵のゴール前での失策により転がり込んだゴールというものもある。どんなレベルの戦いであっても3戦270分も戦えば、そんな得点はある程度の確率で1~2点はあるものだ。
1998年フランスワールドカップ 日本、得点1/失点4。
2006年ドイツワールドカップ 日本、得点2/失点7。
ホームで行なわれた2002年日韓ワールドカップを除けば、上記がWCにおける日本代表の得失点の足跡である。おそらくこの2大会であげた3つのゴール、すべて皆さんの記憶にも残っているはずである。そしてGL3戦終わってみれば、どちらも負けるべくして負けたのであり、厳しい現実を突きつけられたことが理解できる筈だ。
が、2006年を例に取るならば、あの柳沢のゴールが決まっていたならばどうだっただろう?あの駒野へのファールにPKが与えられていたとしたならばどうなっていただろう?すべてタラレバに過ぎないが、GL突破は叶わなかったにしろ、GL突破に向けてもう少し前へ踏み出すことができたのではないだろうか?どこかで3点目が入っていたならば、もう1歩の日本の進化を確認することができたのではないだろうか?僕にはそんな気もしていたのだ。
あの2006年当時の日本代表と、今現在の日本代表の実力は、僕はほとんど同程度のものであると思っている。だからこそ、自力でもう1つのゴールを積み上げることによって、僅か一歩でもこの4年の進歩を見せて欲しいと思っているのだ。
1998年フランスWC。2002年日韓WC。そして2006年ドイツWC。
この3つの大会で、48のチームがグループリーグ突破を果たしているが、予選リーグ3戦を戦って、3得点未満で決勝トーナメントに進出したチームはただ1つ。2002年死のグループといわれたF組(アルゼンチン/ナイジェリア/スウェーデン/イングランド)を得点2で勝ち上がったイングランドのみである。そのたった1チームの例外を除けば、それ以外の47チーム、98%のチームは、すべて3つの試合で3つ以上のゴールを上げている。
確率の問題であり、それ自体を根拠というつもりはない。が、グループリーグ突破のためには最低でも3つ目のゴールをあげなければならない…というのはこれを論拠の一部に加えたものである。
それができなければ、たった2%の確率の中でもがき続ける状況に変化はない。日本は変わらず、最底辺の参加者の1つに過ぎない。そしてこれを踏み越えること自体が、ある意味において、これまでの日本を越えることにも繋がるのだ。
1つのゴールは小さな幸運によって齎されるのかも知れない。さらに大きな幸運が訪れるのであれば、2つめのゴールも敵の失策により転がり込むのかもしれない。けれどもそんな幸運は3度は続かないだろう。どこかで3つ目のゴールを、そしてその先のゴールを、自力で奪い取りに行かなければならないのだ。
これまでのWC(2002日韓をのぞく)における日本の戦いぶりは、どこか腰の引けたものであったように僕は思っている。1998フランスと2006ドイツ。状況も選手も異なる二つの大会を同一視することはできないが、互いのその腰の引けた戦いぶりは、1試合1試合のナイーブすぎる勝ち点計算にとらわれすぎてしまったものではなかったのかと僕は思っている。日本らしいサッカーというものがどこかでスポイルされてしまっているのだ。2006ドイツWC初戦、オーストラリア戦の先制後などは、まさにそのナイーブすぎる様があからさまに表出したゲームではなかっただろうか。
グループリーグを必ず突破すること。最低でも勝ち点4。
ある意味でそういう目標やプランニングは、相手あってこそ為しえるものであると僕自身は思っている。組み分けも決まらない今の段階から、それについて考察・議論しあう事に関心はない。が、本大会を一年後に控えた今の状況において、この国が表現したいサッカーというものを改めて確認するためにも、そしてこの4年の進歩を推し量るひとつの手がかり、未来へのメッセージとしても、3つ目の得点を必ず奪い獲るという意志と、この先の遠い目的への道標としての楔は、南アフリカの地に強く、深く、打ち込んで帰って来て欲しいと願っている。
そんな得点というものへ対する強い意志、揺るがぬ信念は、必ず2014年以降の日本の未来とその目的へと繋がるものであろうと僕は思っている。
言うまでもないがただ無闇に攻撃を仕掛けろ…などという安直な話ではない。が、これまでの日本の攻撃では、アウェーのWCグループリーグ突破の分厚い壁を、到底破れはしない…という現実を、今この時期にもう一度強く噛み締めて欲しいということである。そしてその上で、与えられたこの1年間のプランニングに役立て、取り組んで欲しいという話である。
ちなみに…。
WC過去3大会。3得点を挙げたチームのグループリーグ突破確率は33%である。今の日本代表が少なくとも、このハードルを突破することには、大きな意味があるのではないかと僕自身は思っている。
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思い出の曲No.15 Desperado~Eagles~
posted by キリタニ |11:37 |
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2009年06月25日
カカー、C・ロナウドと、レアルマドリーがどういうカラクリで資金を集めているのかは分からないが、欧州サッカー界の経済が全体に萎縮してゆく最中でのこの獲得劇は、あらゆる意味で非常に興味深いところである。ちなみにミランもマンUも、ある意味大助かりであり、これで一息つけた…という部分もあるのではないだろうか。一方のJリーグでは、横浜Fマリノスが土壇場で中村俊輔を獲り逃した…との噂も聞く。どんな要求で機嫌を損ねさせてしまったのか気になるところだが、レプリカユニの売り上げだけを考えてもあの条件は(年棒約1億5千万円)は安いんじゃないかなという気がしないでもない。(2009.06.12)
オーストラリア代表5番ジェイソン・クリナのポジショニング、パスセンス、そして運動量と知性は、いつ見ても感心させられる。13番グレッラのような選手であれば、僕は別に気にはならないし、オーストラリアリーグにも二世候補がゴロゴロ発掘できそうな気はするのだが、クリナのような選手はまず居そうもない。ほとんどが欧州クラブ所属のオーストラリア代表の中で、このクリナは自国のゴールドコーストU所属であるという。ケネディが名古屋へ…という動きがあるようだが、ジェフかFC東京でこのクリナのプレーを見ることはできないものだろうか。(2009.06.18)
やっとJリーグ再開である。この一ヶ月ほんとうに寂しい思いをした。やっぱり週末はチョコパイに柿の種、茶豆の塩茹ででもつまみながら、コーヒー牛乳片手に、Jリーグ各試合を続けざまにがしがし見られる方が楽しい。少し代表の試合にも飽きてきたところだった。今週の目玉は、やはり俊輔復帰がカラ振りに終わった、横浜FMvs浦和レッズだろうか…。俊輔のことは残念だったが、これを楽しみにチケットを購入してくれたファンやサポーターの方々をガッカリさせない試合を見せて欲しいところである。個人的にはTBSが強引にどんな盛り上げを演出するのか楽しみに見守ってみたいと思っている。(2009.06.19)
名古屋グランパスvsジェフ千葉。ジェフにとっては今年最高のパフォーマンスだったのではないかと思う。FC東京戦、サンフレッチェ広島戦と2つ勝利してはいるが、どこか拾った勝ち点3という印象だった。この名古屋戦はプレーの質、ケーム内容ともに名古屋を圧倒した。問題は今後暑い中の連戦においてこの内容を継続できるか…である。ひとまずこの非常に手ごたえのある勝利を喜びたい。一方の名古屋は、アタッキングサードまでのボール運びはさすがに素晴らしいものがあるが、最後の局面で個人個人がバラバラに闘っている。今後も引いてくるチームにはしばらく苦戦するのかも知れない。(2009.06.22)
サンフレッチェ広島vsヴィッセル神戸。
毎度のことながら広島の試合にはヒヤヒヤさせられ通しである。失点はGKだけのせいではないが、もしここに他J1クラブのレギュラークラスが居たら少なくとも1シーズンで失点5は減らせるのではないだろうか…と思う。さらに楢崎正剛や菅野孝憲の日本代表レベルであれば失点10減らすことも可能なのかも知れない。得失点差が10違えば、勝ち点で10違ってもおかしくはない。であるならば最終的に、広島の順位はどれだけ違ってくるだろうか?FWと共につくづくGKとは大切なポジション。勝敗にダイレクトに結びつくポジションなのだと思う。中林の成長に期待したい。(2009.06.24)
~追記~ 2009ACL鹿島アントラーズの終戦
疲れからか、普段のJリーグではなかなか見られないミスが散見された。1点リードしながら、自陣左サイドでのやや強引なドリブル突破から、カウンターを食らって同点にされる。さらに得点にはならなかったとはいえ、前半終了間際のFCソウルのCKで、立て続けにニアで合わせられ冷や汗をかいたのも、らしくないといえばらしくない展開であった。
いつもの鹿島、Jリーグの鹿島ではない雰囲気は、前半の半ば頃から感じてはいたし、特に代表で疲弊していた内田は攻守に精細を欠いていたように思う。ただ一人好調時と変わらぬ動きと、敵の急所をつく鋭いパスを立て続けに前線に通していた小笠原満男が退場になると、あとはひたすら耐える時間が続いた。その中でも時折繰り出すカウンターとセットプレイで、FCソウルのゴールを何度か脅かしたシーンは、状態が良くないながらも奮闘した、彼らの勝利への執念を物語っていたと思う。
激しい当たりにはやさしく、手を使うプレーには厳しかった主審の傾向に、いち早く対応することができなかった部分の甘さ。直接ゴールに結びつく事はなかったとはいえ、あれだけの決定機を与えてしまったという守備の甘さ。そして決め切れなかったチャンスの数々…。大事なところで勝ちきれなかったという事実には、やはり相応の理由があったのだろう。
それらひとつひとつを噛み締めて、学んで、対応して、また来年、さらに逞しくなってこの舞台に立って欲しいと思う。チャンスは必ず巡ってくるはずである。
この悔しさはいつ以来だろう…
と、考えてみたら、昨年の同じく鹿島の、ACLアデレード戦の敗北以来であることに気づいた。その前はオシムさんのACかな…。サッカーを見ていて、悔しくて夜眠れなくなるような事は1年に1度ぐらいのものだが、それだけ熱い試合であったことも確かなのだと思う。あのPK戦、精一杯のゲームを見せてくれた選手たちと、ゴール裏に一塊になって声援を送ったサポーターの皆さんには心からお疲れ様と声をかけたい。
だから、来年こそは、勝手ながらこの僕の悔しさも一緒に晴らしてもらいたい(笑)。この雪辱のためなら、いっそソウルまで乗り込んでやろうかとさえ思っている。
休む間もなくJリーグである。次こそ本当の鹿島を見せてやれ、チンチンにしてやれ…と思いつつ、大分との対戦であることを知り思わず頭を抱えてしまう…。勝負の世界とは、本当に厳しいものである…。
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思い出の曲No.15 Desperado~Eagles~
posted by キリタニ |11:23 |
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2009年06月24日
トルシエジャパンの時代からここ10年間、日本代表は概ねアジアでいえば2位~4位ぐらいの実力であったと思うし、また世界で言えば30位~50位ぐらいの間を行き来していたように思う。
それぞれの時代にもその時々の好不調はあり、ある意味で成功を収めたとされるトルシエの時代であっても、ホームでの2002年WCベスト16の結果と、アウェイでの1999年南米選手権の1分2敗(ボリビア、ペルー、パラグアイ)の、そのどちらの結果を真の実力と見るかによって評価はさまざまなのであろうと思う。僕に言わせれば、トルシエ、ジーコ、オシム、岡田と、それぞれ内容は異なるが、結果的に日本の世界における地位に大きな変動は見られなかった…というのが実感である。
オシム時代に大きな夢と希望の一端をのぞき見せてもらったことは確かだが、それで日本が真に世界のベスト16カ国の仲間入りができるとはまったく思ってはいなかった。特異なオシムの力量によって、世界30位~50位の地位をあと10位押し上げ、世界20位~40位の地固めができればいいな…と思っていた。そうすれば彼の時代に30%~40%の確率でWC本選においてグループリーグ突破の夢に手がかけられるのではないかと。が、それすら大きな運とこれまでにない実を削る努力が必要とされる。世界の中の日本サッカーの地位とは、実際そんなものであろうと思ってきたし、その見立ては今現在も、僕の中ではほとんど揺らいではいない。
岡田ジャパンの現在地を数値で表せば、
アジアで3位
世界で40位
ぐらいの実力であり、ここ10数年の日本代表の歴史からみても概ね平均値か、それよりほんの少し上ぐらいのものなのではなかろうかと思っている。ここ10年で日本の主力選手のクオリティがそれほど上がったとは思わないが、代表レベルの基準でみれば、そのボリュームが豊かになったのは明らかである。それを戦術的にうまく掬い上げられているかどうかといえば、やはり物足りない部分はあるが、それでも内容的には、ジーコ時代のそれよりは理に適った組織的なサッカーをしていると思うし、前へ進んでいるのは確かだと思う。またオシムのそれと比べるのは少し気の毒な話であると思っている。あのような状況で抜擢された中で、それなりにベースの部分は否定せずにある程度繋がりのあるチームを形成してくれた。それについては感謝している。
事前に僕が考えていた岡田武史のサッカー像と、今の日本代表において実践されている岡田ジャパンのサッカーは、僕にとっては大きく異なるものである。フランスWCよりも、札幌よりも、マリノスよりも、僕は今の岡田ジャパンのそれは、より能動的であり挑戦的なサッカーであると思っている。ある意味で岡田監督は僕のそれまでの彼に対する評価を裏切ってくれた。事前の僕の予想を、上回るチーム作りを見せてくれたのである。
しかし今ここでアジアでの戦いを終え、世界との戦いを見据えた場合に、ピッチ上求められる対応は180度異なる…といっても過言ではない。これまでのような統制の取れないバラバラの前線からのプレスは…、個に頼ったポゼッションは…、同じく局面の打開は…、これからの戦いではほとんど意味を為さないだろう。
WC本選ともなれば60%のボール保持を許してくれるチームなどどこにも無く、中村俊輔も遠藤保仁も長谷部誠も中村憲剛も、ただ凡庸な平均値以下の、その他大勢のタレントのうちの一人に過ぎない。中盤への激しいプレスでポゼッションは封じられ、アタッキングサードにおいて今以上に個の無力さを突きつけられ、一対一で為すすべなく置き去りにされるシーンが散見されるだろう。そういう状況の中で果たして何ができるか?チームとして何が為し得るか?が、今後は問われていくのだ。
けれどもまた一方で僕は、中澤祐二、闘莉王の二人のCBが健在であり、これまでよりは一歩引いた中盤でのプレスが息切れせず機能する限りは、ディフェンスに関しては世界のトップ10を除き、本番でも各試合1~2失点程度には抑えられるのではないかと思っている。中澤、闘莉王の二人に関しては、欧州トップリーグのそこそこのチームであれば充分にレギュラーポジションを争える実力を有した選手たちであると思っているし、このレベルでもある程度の放り込みや肉弾戦に対抗し得るものと考える。
問題は、世界のトップ10はさておき、10位~30位ぐらいの相手を敵に回したとき、僕らが思うニッポンらしいスタイル、内容を、どうやってピッチ上に示していくか…である。そしてその為には、最終ラインからのビルドアップとポゼッションというスタイルを、戦術的に捨て去るわけにもまたいかないのだと思っている。だからこそこのチームは、岡田ジャパンに求められるものは、今まで以上に『速く、厚く、ダイレクト』なボール回しであり、その為の人数とアイディアと運動量を尽くした、局面の創り方なのだと僕は考えている。
今現在の個に頼り切ったポゼッションの在り方を、さらに上質で、先進的で、懐深いものとしなければならない。そしてその上で得点する…ということになれば、時間もスペースもないアタッキングゾーンで、どれだけオートマティックに連動しダイレクトに速いパスを繋ぐか…という部分を磨き上げなければならない。
日本がグループリーグを突破するためには、少なくとも自力に勝ると思しき相手との3つの試合において、最低でも3つのゴールを上げなければならないのではないかと僕は考えている。ここからの1年でやらなければならないことはたくさんあるが、その中でもっとも難しく困難なことは、その3つのゴールをあげなければならない…という条件をクリアすることなのではないかと僕は思っている。
では、そのために今何をしなければならないのか?
現状WCグループリーグ突破の20%足らずと思しき可能性を、あと10%、せめて30%にまで引き上げるためにはどうしたら良いのか?次回はそれについて、フォーメーションや人選をも含めた、ある程度具体的な考察をしてみたいと思っている。
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思い出の曲No.15 Desperado~Eagles~
posted by キリタニ |11:24 |
岡田JAPAN |
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2009年06月22日
開幕前のJリーグ順位予想で、僕は今年の横浜Fマリノスについて、優勝争いの次のグループに位置しながらも、山瀬功治の復活次第では台風の目と成り得る存在…と高く評価していたのだが、Jリーグ中断前のジェフ千葉との試合を見て、正直言って深く失望させられた。今年は優勝争いはおろか、残留争いからチームの内紛、もしかしたら突然の監督解任劇まで起こり得るのではないだろうか…。そんな予感さえ抱かせるなんとも心もとない前半最後のジェフとの試合内容であった。
ところが中断明け初戦のこの浦和レッズ戦。あの中断前のテイタラクとは打って変って、浦和にほとんど攻め手を与えず攻守にメリハリある連動を発揮して実力で圧倒する展開。前半30分で浦和の足が止まってからは、もたつくビルドアップに狙いを定めてプレスの網にかけ、ボール奪取からお手本のようなカウンターアタックで幾度となく浦和の高いDFラインの裏を突き、ゴールを脅かし続けた。
浦和のリーグ戦は今年全試合見てきたが、ここまで一方的にやられた試合ははじめてだったように思う。もちろん、浦和自体の動きに少し疲れも見え、褒められたものではなかったとは思うが、この試合に関しては、横浜の見事な2つのラインで構える適正なプレスと、その統制の取れたボール奪取後の速くて厚い攻撃が、浦和のポゼッションサッカーを、実力で粉砕したカタチである。
特に2点目の山瀬功治のゴール。右サイド田中裕介の、ボール奪取から休む間もなくサイドを全速で駆け上がり、そこで引き出したボールを、中央の勢いを止めない絶妙のタイミングのクロスによって得点に結びつけたプレーには、胸が熱くなるほどの感動を覚えた。松田直樹や中澤祐二を中心に、才能と野心あふれる若手たちがこれだけ揃ったチームである。なんとかしてクラブの力で、監督の力で、このチームを強くしていって欲しいし、優勝争いに導いて欲しい。実際それだけのタレントたちであると思うし、山瀬功治、渡邉千真、坂田大輔、狩野健太など、そのまま日本代表に移植しても充分に活躍してくれそうな選手たちである。彼らの才能を活かすも殺すもクラブ次第である。こんなポジションに停滞している責任を、クラブと監督には痛切に感じて欲しい。
皮肉なことに僕はこの試合を見ながら、岡田ジャパン、日本代表の、チームとしてのふたつの顔を同時に見せられている気がした。以前から良い時の横浜Fマリノスのサッカーは、岡田ジャパンのひとつの手本である…と、思ってきた。適正なプレスによる攻撃的な守備と、ムダの無いシンプルな展開による速いカウンター。この2つを同時に機能させ、その上で良い時の浦和レッズのようなポゼッションでのゲームの作り方、落ち着かせ方を実践することができたならば、勝ち負けは別として、南アフリカWCでも日本は恥ずかしくないサッカーができるはずである。
そういう意味でこの日の横浜Fマリノスは改めて良い手本、メッセージを日本代表、岡田監督へ指し示してくれたのではないだろうか。そして同時に、浦和の躓きについてもよく分析してみて欲しい。これは紛れもなくここ最近、数試合の、日本代表の姿である。
中村俊輔の選択については、僕らに見えない部分、知りえない部分での問題や軋轢は必ずあるはずで、そういう表には出てこない真相に対して、僕らそれを遠巻きに見守る側は謙虚でなくてはならないのだと僕は思う。それがどんなものであれ彼のくだした決断である以上、心から祝福して送り出してあげたい。残り少ない選手生活、悔いのない選択ができるよう祈っている。いずれにせよ、今後のマリノスの復調に期待したい。まだシーズンは折り返し地点にも達してはいないのだ。今ならまだ、追いつけるはずだ。
そして改めて思う。
今の代表に山瀬功治、石川直宏のダイナミズムを取り入れてみたらどうだろうか?
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懐かしい悪夢
posted by キリタニ |11:14 |
浦和レッズ |
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2009年06月18日
そもそもが非常に位置づけの難しい試合であったように思う。
果たして岡田監督は、この試合にどのような計算と覚悟で臨んだのか…。勝つことが最優先のテーマだったのか?或いは欧州組みや疲れの出ている主力を休ませサブの選手たちの実力を見極めるための試合だったのか?または本選に向けた強化の第1歩だったのか?
おそらくはそれらすべてであり、同時にそれらすべてでなかったのだと思う。勝ちたい、試したい、経験もさせたい…が、最終的には曖昧に、どっちつかずにその三兎を追ったことによって、そのすべてを取り逃がしてしまった。監督の立場から見れば、そんな厳しい現実を突きつけられたゲームになったように思う。
もし僕が岡田監督の立場であれば、疲れている主力選手たちと、来年の本選に向けてすでに見切りをつけた何人かの選手たちを外して、本田圭祐をチームの軸として帯同させ、柏木陽介(広島)や佐藤寿人(広島)、岩政大樹(鹿島)や小笠原満男(鹿島)、そして石櫃洋祐(神戸)、阿部翔平(名古屋)、小川佳純(名古屋)、前田遼一(磐田)、石川直宏(FC東京)までをウズベキスタン戦後に新たに加えて、
『君らの力でオーストラリアに勝ってみろ』
とピッチへ送り出してみたかったと思う。このチームはいまこそ変革すべきタイミングなのだと僕自身は思っている。
結局は、そんな願望は叶わなかった訳だが、ゲーム自体は、WC本選さながらの緊迫したおもしろい内容だったのではないだろうか。前半40分の闘莉王のゴールにより、今現在のオーストラリアの“本気”を引き出すことができたことは非常に大きな収穫だった。それにより、この90分の限られた時間の中で、0-0、1-0、そして1点ビハインドという、サッカーにおける3つの状況をすべてもらさず経験することができた。これによって、オーストラリアと日本の実力というものが、より明確に把握できたと思うし、このクラスのチームに対する日本の課題と対策が明らかになったように思う。
現状では誰が出ていたとしても、結果自体はさほど変わらなかっただろう。またオーストラリアに関しては、ほとんどが欧州の厳しいシーズンを一年間闘った末に、地球の裏側の南半球に戻ってきた選手たちである。状況としては彼らの方がよりキツかっただろう。その中であれだけしっかりした守備と、変わらぬ強い意志、格の違いを見せ付けられた。日本がこの程度の運動量・戦術遂行レベルである限り、まともな環境で今現在のオーストラリアに勝つのは相当にむずかしい…ということを実感させられたゲームだった。
やはり日本は、走らなければ勝てないのだ。敵より多く、賢く、走れない日本である限り、結果はこんなものだろう。WC本選においても、コンディション調整は大きな課題である。そしてその中で、さらに“賢く”走る術を身につけてゆかなければならない。
岡田ジャパンには2つの要素が足りていない…と、僕は思っている。
守りのポゼッションと攻めのカウンターである。
0-0の状況、味方も敵も動けている時間帯にさほど大きな問題はない。
が、1-0となってからの敵の圧してくる状況にポゼッションで対抗し得ていないのだ。狙いの見えない前方への無理な球出しで、また押し込まれた同じ体制のまま二次、三次攻撃を許してしまう。要するに、カウンター攻撃への体制と共通認識もできていない不利な状況で、拙速に前へ厳しいボールを預けてしまい、自らでまた苦しい状況に埋没してしまうシーンがあまりに多い。そしてまた、そういうボールがたまたま前線に収まった時でも、前の3人の連動性と意識のすり合わせがあまりにも稚拙で、まともなカウンター攻撃としてフィニッシュにまで結びついていない。
両SBのゾーンを充分に使い、連動してサイドからゆっくりボールを前へ進め、まずは敵を自陣に押し返してしまう。さらに的確なポジショニングとサイドチェンジで敵を左右に揺さぶりながら、確率は低くとも最後は強引にフィニッシュまで持ち込んで、ゆっくり帰陣する。これが僕の考える守りのポゼッションである。
それに対して、ある程度リトリートして敵に持たせたボールを、サイドのポジションでしっかりとプレッシャーをかけて、下げさせたところに全力でプレス・ボール奪取に行き、全体で押し上げるのが攻めのカウンターである。そうして奪ったボールを二列目が裏へ飛び出して受ける。さらにそれをFWが内と外から追い越してゆく。僕はそんな攻撃のカタチこそが、日本がWC本選で得点をとる最も可能性の高い攻め方であると思っている。
今の日本には、それができていないのである。そういう攻め方、守り方に対する、意識と取り組みも、未だ見えてきていないように思う。
攻守の切り替えの速さとプレス・ショートカウンター。
これは日本の武器であるとは思うし、岡田ジャパンのサッカーの基準地なのだと思う。それはこれからもベースにしてゆけばいい。しかし、それだけではWC本選での90分×3試合。270分のすべての状況に対応することは不可能である。さらにあと2つの様式、2つの武器が必要なのだと僕は思っている。それが、守りのポゼッションと攻めのカウンターである。それを手に入れて、やっと日本のサッカーはWC本選の、ガチンコのグループリーグ突破争いに、はじめて参加“資格”を得られるのだと思っている。WC本選とは、それぐらい厳しい舞台なのだと僕自身は認識している。その厳しさの一端を、もし僕らがこのゲームから感じとることができたのだとしたら、僕らにとってもこの試合は大きな意味があったのだ。
前線の玉田圭司、岡崎慎司、そして松井大輔の連動性の不足と、崩しの場面での動き出しの遅さ、気の利かなさには幾度となく失望させられたが、この問題とて彼ら固有の問題ではなく、岡田ジャパン始動以来の変わらぬ一貫したチームとしての課題である。アタッキングサードでの仕掛けは、未だ個々のイマジネーションに頼りきりで、チームとしてのオートマティズムに進化が見られない。であれば、やはりそれに相応しい個というものがあるのだと僕は思っている。
フォーメーション、召集メンバー、そして戦い方、チームとしてのスタイル。アジア仕様から世界仕様に向けて、いま躊躇わず舵を切るべきタイミングなのだと僕は思っている。小さな安定など破壊してしまえばいい。新しい可能性にチャレンジする為には、むしろそれは障害である。帰るべき場所はすでに拵えてあるのだから、今はリスクをとってトライすべき状況なのだと思う。日本に守るべきものなど何一つないのだから。
僕はいつだって、小さな成功よりも大きな希望の方がずっと尊いと思っている。
例え叶うことはなくとも、そっちの方がずっと尊い。サッカーが明日死んでしまうのでない限り、日本のサッカーには常にそうあり続けて欲しい。ここからの日本代表の1年を、おもしろくするのも、つまらなくしてしまうのも、その選択にかかっているのだと僕は思う。ここでの敗戦が良い刺激を与えてくれたのだとすれば、寧ろ幸いであったと思っている。
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許すということは、強さの証だ
posted by 桐谷 |11:23 |
2010WCアジア予選 |
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2009年06月12日
Jリーグ若年層プレーヤー改革プロジェクト「JUMP」が今回まとめたベストメンバー規定廃止をも含めた若手育成のための改革案骨子はよく出来たものであると評価したい。その詳細については、またいずれ本文にて取り上げるが、ひとまずこれに携わってくれた上野山信行さんはじめ、原博実さん、佐久間悟さん、そしてJリーグ関係者らの尽力に感謝したい。Jが主体的にこのような取り組みをしてゆくことは素晴らしい事である。今後はこれのプレゼンテーションに注力し、実のある改革案であることを周囲に示していってほしい。(2009.05.20)
ガンバ大阪vs鹿島アントラーズ。
レアンドロの不在は、今後のガンバの得点力に対して大きな影を落とすのではないだろうか。全治6週間ということで、中断期明け後も完全に復調するまでにはしばらく時間がかかることだろう。そんなレアンドロ不在の痛手が大きく響いたゲームだった。鹿島に対しては言う事なし。小笠原が消えても、マルキが消えても、鹿島は鹿島である。その違いこそがその他大勢のクラブの超えられない壁である。宇佐美貴史くんの試合を見たのはこれが3度目だろうか。大成する要素も、或いはそうならない要素も、充分に併せ持つ特別な才能であると思う。今後の成長と進化に期待したい。(2009.05.24)
J1第13節終了までの順位を見渡して、一番意外だったクラブ…ということになるとまずは大分トリニータということになるのだが、もうひとつ。僕にとっては横浜F・マリノスの低迷はまったく予想外だった。これは開幕戦、J2から上がってきたばかりの広島に叩かれた手痛い敗戦も効いていたのかも知れない。つい先日のジェフ戦では、昨年後半の強さが微塵も感じられない内容だった。ブラジル人助っ人はいないとは言え、日本人選手の質という点ではJ1でも上位である。リーグ再会までのこの1か月をどう過ごすか…。フロントにとっても、非常に悩ましい選択なのではないだろうか。(2009.05.26)
CL決勝、FCバルセロナvsマンチェスターU戦。
互いのチーム力については、前半9分バルセロナの先制までのたった9分間の時間帯のほうに、より色濃く反映されていた気がしないでもないが、その後のバルサの、バルサだけの1-0、バルサだけの変わらぬ勝利への様式を、あの大舞台においても垣間見ることができたことに感謝したい。他のどのクラブであっても、残り81分、観る者にあれだけのスペクタクルを提供し得なかっただろう。近年まれに見る素晴らしいCL決勝戦であったように思う。と、同時に、いま一度、チェルシーの健闘を心から讃えたい。(2009.05.28)
大宮アルディージャMF小林慶行が、柏レイソルに期限付き移籍するという。柏レイソルの側に立って考えれば、この時期同じ残留争いを繰り広げるクラブから、よくぞ主力級の選手を獲得できたものだな…と褒め称えたい気持ちもあるが、大宮の側に立って考えれば、チームとして本当にひとつになって闘えているのか…と心配にもなる。偶然にも、昨年シーズン終了後の監督交代について、解せない疑問、後味の悪さを感じさせられた両クラブである。互いに、これが自らで招いたJ1降格の危機であるとすれば、サポーターはやりきれない思いでいっぱいなのだろう。再開後の再起に期待したい。(2009.06.03)
~追記~日本代表vs鹿島アントラーズ 強いのはどっちか?
日本代表とマルキーニョス、ダニーロ、パク・チュホの抜けた鹿島アントラーズ。
国立で10戦したら果たして結果はどんなものになるだろうか?
日本代表というものを根本から思考し、突き詰めてゆくと、いつも僕は最後にそこに辿りついてしまう。日本代表と助っ人のいない鹿島、果たして強いのはどっちなんだ…と。
常日頃Jリーグを見ない人は、当然日本を代表する選手を集めたのだから日本代表が強い…と思うだろう。また常日頃Jリーグを見ている人々は、寄せ集めの日本代表、今の代表であれば、あの鹿島に勝てるとは思えない…と考える人もいるだろう。或いは中立で、実際どっちが強いか分からないが、ここ2戦の代表のドタバタ、意思疎通の無さ、戦術崩壊の無様さを見れば五分五分ぐらいなのかな…と、思われる方もいらっしゃるかも知れない。
では、本当の日本代表ってなんだろう?
マルキーニョス、ダニーロ、パクチュホの変わりに、柳沢敦、遠藤保仁、新井場徹を起用して日本代表とする。もちろん、中澤佑二や長谷部誠がさらに必要だというのであれば、それは戦術的兼ね合いも含めて監督さんの取捨に委ねればよい。当然監督はオリヴェイラさん。代表&鹿島の兼任をお願いし、鹿島のナビスコカップ出場は免除(その間の鹿島の収益減は、補填しなくともグッズ販売やJ観客動員増によって取り戻せるだろう)。真に強いチームというのであればこのカタチも充分に実質的な日本代表たり得ると僕は思う。コンディションも価値観も異なる、世界中に散らばる日本人選手を寄せ集めて、現状これ以上のチームを作るのは容易ではない。
そしてその対極にあるとすれば、人気投票による代表チームづくりのようなものだろうか。日本人なら誰もが知っている日本サッカー界のスター選手をチームの中心に据え、その周りも攻撃的な有名選手を添えて、常に同じ面子で横浜や埼玉に6万人の観衆を集める。もちろん監督自身がサッカー界の超有名人である。メディアの扱いも今のようなものではなく、ACやWC予選ともなれば、お茶の間のワイドショーまでをも席巻する。サッカーファンばかりでなく、広く日本国民全体が日本代表の一挙手一投足に注目する…。再びそんな時代がくるのかどうかは僕には分からないが、JFAの経済にとってはそちらの方がはるかにメリットが大きいだろう。例え毎度のようにWCで苦杯を舐め続けることになろうと。
今の岡田ジャパンというのは、良い意味でも悪い意味でも、強さという点においても人気という点においても、その中間に存在するチーム。所謂、中庸をゆくチームなのだと僕は思う(完全に中間にあるとは思ってはいないが…)。JFAとしてもその辺が一番居心地の良い立ち居地なのかも知れない。まあ、今後経済的に困窮すれば、ますます近視眼的に、人気>強さという価値観にシフトしてゆくものだと僕自身は予想するし現実にその流れにあるものと理解している。
果たして日本代表とは、妥協なく最強を追求すべきものなのか、またはそんな実質と、形式や外形の中和を成すものであるべきか、或いは経済(人気)そのものなのか…。
もしかしたらこのような視点さえ『世間の良識』なるものから、不謹慎、不敬の謗りを受けるものなのかも知れない。が、今一度それぞれがそれぞれに考えてみることもあって良いのかも知れないと、僕自身は思っている。
あっ、そうだ。回答を忘れていた。
日本代表vs鹿島アントラーズ。
僕自身は…。残念ながら、鹿島の方が強いと思っている。
10戦やれば鹿島の4勝3分3敗ぐらいだろうか。戦績は際どいものであったとしても、きっと勝ち越すのは鹿島である…と。彼らは必ず1つ多く勝つのではないか…と。そしてその結果以上に、内容的に悔しい思い…をさせられるのだろうと思う。精神的に、打ち砕かれる部分があるのだと思う。JFAが現代表を本当に強くしたいと思うならば、つまらない外国チームを呼んであぶく銭を稼ぐよりも、僕は鹿島やガンバと試合をさせてもらうことの方が遥かに有益だと思っている。学ぶべきものがあるのだと思っている。
あなたにとっての日本代表ってなんですか?
凝り固まった既成概念を取っ払い、一度心をまっさらにして考えてみるのも良い経験かも知れません。
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高速1000円と定額給付金の欺瞞
posted by 桐谷 |11:09 |
一言コラム |
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2009年06月11日
日本にとってむずかしい試合になるだろうことは理解していた。
ウズベキスタン戦を見れば選手達の疲弊は明らかであるし、あの激戦から中3日、長距離移動をはさんで迎えたゲームである。さらに好調を維持し、これまでチームを牽引してきた、長谷部誠、長友佑都らは居ない。尚且つ、こちらにとってはすでに消化試合である。ここで良い内容を見せろ…というのは、言うは易く行なうは難し…という要求である。また相手のカタールは、後がない勝負がかりの状況でもあったのだから。
“勝つ”という意志とコンセンサスは、終盤の闘莉王の位置取りや大木監督の選手交代からも垣間見ることができたが、逆にそれによって増えたチャンスよりも、敵に与えたチャンス、こちらにとってのピンチの方が目に付いた後半戦でもあった。
今後WCを目指し、さらに強いチームと闘っていくのが前提であるならば、むしろ僕はここでは熱く我武者羅に前へ出るよりも、勝負どころを見極めた上で必要な瞬間にキッチリとカタをつけに行くような冷静沈着な余裕のある戦いぶりも見てみたかったような気もする。多少攻めさせ、ボールを持たせてやることで見えてくる相手の隙。後半29分、同点に追いつかれるまでの1-0の状況、その70分間の攻防に、僕はそんな日本の大人びた知性と、成熟した試合運びを期待していた。残念ながらまだその域には達していないということなのだろう。
またPKについては単純に審判を批判するよりも、安易に手を使いがちなJリーグの常識自体を疑ってみる必要があると僕は常々思っている。これが本番であれば、あの1プレーで4年間の全てをふいにしてしまうかも知れないのだ。
この試合に関しても、良くも悪くも中村俊輔が目立つ試合だったように思う。
遠藤保仁が欠けてさらにチーム全体に縦に急ごうとする意識、前へ速く…という意識がうかがえるなか、中村俊輔が一人噛み合わぬリズムで孤立し、ボールを奪われるシーンが多かったような気がする。本調子で無いのは分かるし、今ひとつ周囲との連携や意志の疎通ができていないのもよく理解できる。けれども今の状況は、彼自身がそのプレーを変え、チームに順応していかなければ改善されないのではないかと僕は思っている。
要するに前で踏ん張る。シンプルにプレーしてリズムを崩さない…ということである。
この試合後半、中村憲剛がボランチの位置に下がり前線に配球したが、やはり僕はそうして中村俊輔のポジションを下げさせない方が、ボールは自然に回るのではないかと思っている。今の俊輔の最大の欠点は、後ろに下がって攻撃をスローダウンさせ、攻守のリズムを停滞させてしまうことである。本来ならば前でタメを作り、中盤と最終ラインを引き上げることで、厚い攻撃を演出してもらいたいのだ。また今の彼は少し押し込まれる展開になると、その位置に埋没してしまう。が、自陣深い位置でディフェンスを頑張ってもらうのならば、何も中村俊輔である必要は無いのだ。
『ジェラードのように…』
という中村憲剛への言葉からも明らかなように、岡田監督の目指すところはリバプールのスタイルに近いのだと思う。サッカー自体の好悪は別として、今後WC本選を目指す上でその志向は悪くないものであると僕は思っている。しかし、本来ならばカイトが入るポジションに、過剰すぎる裁量を与えられ自由奔放に動き回るリケルメが入ったとしたならば、果たしてリバプールのスタイルは成立するのだろうか?岡田イズム・スタイルと、現状の中村俊輔の使われ方を見ていると、僕はその部分にどうしても違和感を感じる。これは両者にとっての損…所謂ミスマッチなのではないだろうかと。ジェラードをやらせるのならば、寧ろ中村憲剛ではなく、中村俊輔なのではないか…と。最もそれがベストとも思わないが、今の中村俊輔の立ち居地よりは、前へという意識を持たせる上でも、遥かにベターなのではないだろうか…と。
次のオーストラリア戦はこのフォーメーションで戦うのだろうが、どちらにせよ僕は、この予選が終わったならば、少々思い切った変革がこのチームには必要なのではないかと思っている。岡田監督にはここで保守的な選択をして欲しくはいなし、またこの時期の変革を躊躇うことで、本選前の土壇場に、チームの根幹を揺るがすようなギャンブルもして欲しくもない。フォーメーションにしても今のカタチが本当に妥当なのかどうか、再考の余地は有るし、さらに主力選手たちといえども、常に厳しい競争にさらされて、その中で勝ち残らなければならないものだと僕は思っている。
今後目指すべき方向性と変革のポイントについては、オーストラリアとの試合の前後に自分なりの私見をまとめてみたいと思っている。今のままでは幸運による結果を残すことはあっても、自力による内容を示すまでには至らないだろう。それでは未来へ繋がる土台を創った…とまでは言えない。僕が望んでいるのは、そんな未来に対する手応えのようなものなのだ。
次回、『岡田ジャパンの可能性』というタイトルで、僕が望む今後のチーム変革の方向性について書き綴ってみたいと思っている。
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もうひとつの殺人
posted by 桐谷 |10:15 |
2010WCアジア予選 |
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2009年06月08日
選手にとって、監督やチームスタッフにとって、サポーターにとって、TVで見守った僕たちサッカーファンにとって、この試合は素晴らしい経験になったと思う。キリンカップのベルギー戦を何十回繰り返すよりも、この一試合には遥かに大きな価値がある。
問題はこの貴重な経験を、それぞれの立場でそれぞれが咀嚼し、しっかりと“これから”に活かしてゆくことができるのかどうか…。何よりもそれが問われているのだと僕は思う。
多くの人に、これだけは確認してもらいたい。このアジアにおいてさえ日本代表はまだスペシャルなチームではない。間違いなく強豪ではある。けれども図抜けた存在でもなければ、真の王者という訳でもない。
日本がもしアジアにおいてそういう存在であったとするならば、この試合UEFAチャンピオンズリーグ・ファイナルにおけるバルセロナのように、日本は鮮やかに勝ちきれたことだろう。日本が真にアジアを越えた…というレベルにまで辿りついていたとするならば、後半あそこまで押し込まれることも、冷や汗をかく事もなかっただろう。
集金目的の親善試合では決して垣間見ることの出来ない“現実”を見せてくれたアウェーのウズベキスタン。僕らがここでちょっとした“真実”に触れることができたのは、彼らが全身全霊をこめて、この日の日本戦に対して“本気”だったからである。
一点先取してその後押し込まれるのはある意味致し方のないこと。互いの置かれた状況を考えても、必然的にそう成りうるゲームであったと思うし、それがサッカーの現実、日本の現実であると僕は思っている。
しかし、蹴ってきたウズベキスタンに対して多少押し込まれるまでは致し方ない部分があるとしても、セカンドボールを拾いきれず、やっと拾ったボールも繋ぐ体制が作れずに、中盤でぽろぽろと相手にプレゼントしてしまっていた部分は、今後の大きな課題である。さらにその頃には既に、蹴られているのではなく、しっかり繋がれながら攻めきられている。中盤でのプレスがまったく機能しない状態に陥っていたのだ。
ポゼッションは日本サッカーの生命線である…と言い、1-0の戦い方といった部分について口を酸っぱくして言及してきたのは、まさにその部分の日本の脆弱性に対する自分なりの危惧であり、危機感からの事である。これを中澤佑二をはじめとする、土壇場での一対一の攻防で凌ぎ切ったのは、確かにこのチームのチカラなのだとは思うが、WC本選に臨むに際し、今のままでは世界の強豪たちに対して、彼らが1-0の状況をモノにし得るとは思えない。ここから何か積み上げられるものがあるとするならば、或いはそれがすべてなのかも知れない…とすら、僕は思っている。
そしてもうひとつ、選手交代の部分について触れておきたい。
僕は監督采配というものは概ね五分五分で当ったり、当らなかったりするものであると理解しているが、その采配がロジカルなものであったか、或いはそうでなかったかについては、常に厳しく検証したい性質の人間である。
14 中村憲剛→ 13 本田圭佑(後半21分)
16 大久保嘉人→ 12 矢野貴章(後半24分)
10 中村俊輔→ 6 阿部勇樹(後半46分)
がこの日の岡田監督の選手交代である。しかし、もし僕が監督であったならばこれを、
10 中村俊輔→ 6 阿部勇樹(後半7分)*遠藤を前へ
15 長友佑都 → 5今野泰幸 (後半17分)*ジェパロフの動向により阿部とポジションチェンジ
16 大久保嘉人→ 12 矢野貴章(後半28分)
と最終的には4-1-4-1で撥ね返し、凌ぎ切るカタチに代えていただろうと思う。
長友佑都にしろ、中村俊輔にしろ、何よりも2枚目のイエローが怖かったし、本調子とはいえない中村俊輔の前へのパスミス、低い位置でのボールロストが、DFラインの押上げの障害となっているように見受けられたからである。(これは勿論全体の問題であり、意志疎通の問題でもある)
そしてさらにいよいよ選手の足が止まり、繋げない…という状況に陥ったら、後はセーフティーに裏へ走る矢野貴章にボールを蹴って、五分五分のボールをキープしてもらい押し上げるしか手がない。後半20分過ぎには、すでにゲームはそういう状況を迎えていたように思う。勿論、選手のコンディション面や内側の様々な事情は知りえないが、今回の試合に限っては、岡田監督の采配がピッチ上苦しんでいた選手たちを適正にサポートしていたようには見受けられなかった。本田圭祐の投入意図も分からなくはないが、あの状況においては無用なギャンブルでなかったかと僕自身は考える。やはりこの部分も苦しい1-0の状況に対する備えと共通認識の不足であり、今後強い相手を想定してゲームプランを考えてゆく中で、対処していかなければならない部分なのではないだろうか。
審判については、僕が知る限り、これが十数年来変わらぬアジアの現実である。もっとも僕は、彼が意図的に日本に不利な笛を吹いていたとも思わない。大久保の得点は副審の旗判定だったのだろうし、長谷部へのレッドは、彼の立ち居地からちょうど死角になっていた部分を憶測で裁いたものだろう。おそらくどちらも誤審には違いないのだろうが、もし本当にウズベキを勝たせたいのであったならば、セットプレー時に狙い澄ましたPKを取るチャンスも何度かあっただろう。
ホーム・アウェイの意識というものは、選手たちばかりでなく、レフェリーによってもその認識や判断基準に大きなブレがあるものである。また厳しく、少々ダーティーなボディコンタクトはまったく取らないが、敵に少し手をかけるそぶりをすると、すぐにカードが出てくる…という基準も、日本を離れると意外に多く目にする印象もある。そういう意味では、Jリーグの基準も少し検証してみるべきなのかも知れない。特に自陣ゴール前セットプレー時、大事なWCの本番で、手痛い痛恨のPKを与えてしまわないように。
当たり前の勝利のように見えて、やはり内部では、肉体的にも精神的にも厳しいWC予選だったのだと思う。これを勝ち取ってくれた選手・スタッフに心から感謝したい。
そしてその中でも、特に岡田武史監督へは、一度訣別さえ宣言した立場である…。いま深々と頭を下げて、ありがとうございましたという感謝の気持ちを表さねばならないと思っている。また隙を見て、いつでも手のひら返してぶっ叩けるように準備をしながら(笑)、今後の強化の行く末を、さらに厳しく見守ってゆきたいと思っている。
皆さんもほんとうにお疲れ様でした。
あと1年、楽しいことも悔しいことも一緒に味わいながら、来年の6月11日を共に迎えることができるよう願っております。
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もうひとつの殺人
posted by 桐谷 |11:22 |
2010WCアジア予選 |
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2009年06月03日
『次期日本代表監督への推薦状』を執筆する前に、その前段としてどうしても書いておかねばならないことがある。それを一言で言い表せば、『脱・日本代表のススメ』ということになる。
2007年のオシムジャパン(13試合)を除けば、ここ数年の代表マッチは概ね年間20試合程度である。
他のサッカー先進国に比べやや過剰すぎるこの試合数が、Jリーグのスケジュールを蝕み、過密日程と暑期からのゲームクオリティの低下、さらには一部の代表選手たちのオーバーワークからくる燃え尽き症候群を生み出す要因となっているのではないかと僕自身は思っている。
年間を通しての不可避な公式戦(WC、WC予選やAC、AC予選)は、およそその半分程度。それについては欧州などと比較しても決して多いわけでは無いのだが、それ以外の試合、所謂親善試合(東アジア選手権も含む)が、他の国に比して圧倒的に多い。
要するにこれは代表利権をめぐる、JFAとJリーグの主従の関係、そのバランスを欠いた力関係に起因するものであると思うが、10数年前であればいざ知らず、今日のJリーグは飛車角落ちで観光がてらにやってくる南米や東欧、アフリカの二流、三流国との試合に比べれば、はるかに質の高い真剣勝負を日々繰り広げている。そのJリーグを中断して、日程を詰めさせて、主力不在のキャンプや調整を強いて、まるで真剣みのないベルギーや、間に合わせのシリアやUAEなどとの親善試合を組む事が、果たして本当にこの国の、日本代表チームの強化に繋がっているだろうか?
いい加減、このあたりで抜本的に見直すべきなのだ。
シーズン中、厳しいスケジュールをおして地球の裏側にまで足を運んでもらい、時差ボケも収まらぬままゲームに臨み、ケガをしないように帰っていただく…。そういう位置づけの親善試合において、本当の意味で日本に勉強させてくれるだけのチカラを有した国は、一体いま、世界にどれだけあるだろうか?またそんなマッチメークが、現実に可能なのだろうか?これまでできてきたと言えるだろうか?
現実的に、ほんとうに日本代表を強くしたいならば、Jリーグに強いクラブを作ることの方が遥かに合理的だろう。バルセロナやマンチェスターUは無理でも、ポルトやリヨンのようなクラブが、或いはベジクタシュやパナシナイコスと互角かそれ以上に戦えるクラブが誕生したならば、日々そんな相手と真剣勝負ができるこの国のサッカー選手たちの自力はどれだけ磨かれるだろうか?
強化の本道として、僕はそちらの方がはるかに意義のある試みだと思うし、合理的な施策であると思う。ムダな代表マッチを削って、外国籍枠をもう少し開放して、それと共に日本人選手のクラブ間の流動性を高める。
そんなさまざまな、積極的なJリーグ強化策の実践によって、J日本人選手の数は900人から600人になるのかも知れないが、その600人のエリートが、今以上に濃い試合経験を積み、厳しい競争にさらされ、ある程度の待遇を維持・提供されるのであれば、僕はそちらの方がこの国のサッカーの強化にとって、代表チームという引き上げられた幕の頂点に君臨する者たちにとって、良い作用を及ぼすものと思っている。
そんな環境を整えてゆくことによって、Jリーグ内の競争をさらに厳しいものとすることによって、無意味な親善試合でムダにJFAを肥えさせ、浪費させ、金権主義の歪な権力構造をさらに強化させることなく、日本のサッカー、そして代表チームを、今以上に成長させてゆくことは、僕は充分に可能であると思っているし、一刻も早くそうなるべきであると考えている。
また、それを成し得るのは、僕ら日本のサッカーファンだけである。僕らのこの国のサッカーに対する、知性と見識こそが問われているのである。
そしてその上で、僕自身は日本代表監督なるものに、もうここから先いたずらにクリエイティブな仕事は期待しないほうが良いのではないかと考えている。
一人の卓越した指導者に、一個のクラブチームのような時間的余裕と試合数を与え、J公式戦を蔑ろにしてまでも、代表チーム一点突破の強化を図る…。そんな牧歌的な時代は、オフトやトルシエやオシムと共に過ごした時間でもう終わりにするべきである。この国のサッカーも過去から見れば充分に成長した。そろそろこれまでとは違う尺度で、日本代表のサッカーというものを考えるべき時期なのではないだろうか。
代表という限られた選手の強化に無駄な時間を割いて、Jリーグのスケジュールを毀損させるぐらいならば、親善試合の数を半分にして、代表監督には短い時間で、ベストではなくともベターなアレンジを施して欲しい。今後の日本代表監督に、僕はクリエイターとしてのトライよりも、むしろ適切な、効率の良いアレンジャーとしての能力を求めるべきなのではないかと思っている。現状のJリーグの良質な部分を掻い摘んで、長い時間を費やすことなく最適なバランスをピッチ上に描き、選手たちのやる気を引き出し得る人物。
近々、『次期日本代表監督への推薦状』において、そんな何人かの日本代表監督候補について、言及してみたいと思っている。
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ニッポンの暗闇と民主主義の成熟
posted by 桐谷 |11:20 |
Jリーグ改革案 |
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2009年06月01日
先日のチリと比べれば、この日のベルギーは相当割り引いて評価しなければならない相手ではなかったかと思う。
出てきた面子そのものを見れば、最強メンバーとは言えぬまでも、それなりに実績ある選手たちが揃っている。が、シーズン終了後、すぐにでも南仏やイビサ島にでもバカンスへ出かけたかっただろう彼らが、WC予選の調整とも言えぬこの時期に、自国協会の金策のために極東アジアの蒸し暑い梅雨時に3日で2試合の日程をこなす…。
これで、全力を出せ…というのは、ハナから無理な話である。
立ち上がりから動きの悪かったベルギーを日本が一方的に攻めて、勝負あったところで少し中だるみして、最後は彼らなりのストレス発散にお付き合いさせられて、幾人かの選手を痛めてしまった。強化試合としてはほぼ無意味な試合。しかしながら、ファンやサポーター、そして何よりも協会を喜ばせた…という一点においては、成功を収めた試合とも言えるのだろう。
試合自体の意義については、ほぼそれで全てである。
選手個々について言えば、この試合は中村憲剛と長谷部誠の二人のMFのパフォーマンスが非常に目立っていたと思う。そして、長友佑都と内田篤人の両サイドバック。この両選手の働きによって、チリ戦とはまた別のサイドから鋭くえぐる攻撃が幾度と無く見られた。しかもこれまでテーマにしてきた低くて速いクロスを得点という結果に結びつけることができたことは、岡田監督と選手たちにとっては、本番前の大きな自信になったのではないだろうか。
今回はそのサイドバックについての考察を少し綴ってみたいのだが、WCアジア予選とWC本選では、当然のことながら相手のレベルやその戦い方は異なるはずである。
順当な組み合わせであれば、日本を除く3つの対戦国の中で、1カ国ぐらいは他のアジア諸国と同じように日本のポゼッションサッカーをリスペクトしたリトリート戦術を用いてくることもあろうが、その他の国々は、勝ち点3を日本戦の絶対のノルマと考え、強引に力でねじ伏せるような戦い方を選択してくるだろう。
問題は、その時日本は本当にポゼッションサッカー、アクションサッカーを貫けるのかどうか?ある程度押し込まれる展開の中で、中盤の攻撃的な選手たちが、前を向いてボールを持ち、その中で厚い攻撃を仕掛けられるのかどうか…ということである。
相手が決まる前から、目標をどうのこうのと設定することはナンセンスだと僕は思うが、相手が決まる前から、どんな戦い方になるか予想するのも同じようにナンセンスである。しかし、世界のサッカーの現実から言えば、WC本選において、日本がその他のアジアの国々と対戦するような一方的に押し込むカタチにはまずならないだろうと考えるのが常道である。むしろその真逆の戦い方、形勢を強いられる時間帯の方が多くなるのではないか…と。
そんな状況において、日本はどう踏みとどまり、どう押し返してゆくか?そしてそんな中で、どうやって得点をあげ、勝ち点3に挑戦してゆくのか?
僕はこれまでのアジアの戦い方とは、また別の方法が求められるのだろうと考えている。おそらく日本が得点するカタチがあるとすれば、それは遅攻ではなく、より速攻に近いものになるだろうと。そしてその中で、少なくとも50%以上のボール支配率に挑戦しなければならない。でなければ、日本ペースの戦いにはならないだろう…と。
その時サイドバックに求められる特性とはなんだろうか?
僕はWC本選においては、少なくとも両サイドのどちらかには、その位置でゲームを組み立てられる阿部勇樹や、或いは阿部翔平のようなタレント。もしくは長谷部誠のような中盤のゲームメイクも充分にこなせる選手を用いた方が良いのではないかと思っている。中村俊輔も遠藤保仁も、間違いなく中盤でキツいマークに苦しむだろう。その時両サイドどちらかの深い位置にボールの預け処、起点ができ、そこから精度の高いフィードで敵DFラインの裏を突くような攻撃をみせつけることができれば、これは相手にとっては非常にやりにくい。
まともに中盤で展開してサイドをえぐろうにも、前線に楔を入れたり、ある程度前でボールをキープできない限りは、サイドバックの攻撃参加を呼び込むことはできない。要するに両サイドに縦に切り込めるスピード型のサイドバックを揃えても、強国相手に押し込まれる展開であれば、その長所を活かしきれずに終わるのではないかということを危惧するのである。であれば、ポゼッションスタイルを補強する意味でも、敵の裏をとる効率の良い得点機会を演出する為にも、左右のサイドバックいずれかには、異なる特色・特性を持ったタレントを添えて、戦い方に幅と柔軟性を持たせるべきなのではないかと考える。
ポゼッションサッカーの肝は両サイドの使い方である…と、僕は思っている。
それはアジアでは問われる事はなかったが、世界と戦う上では欠かせない重要な要素となる。そしてまたいまや日本は、そのポゼッションを捨て去ることはできない。ポゼッションを捨てて、フィジカルと個力に勝る世界の強豪たちに立ち向かってゆく事はできないのだと思う。長友佑都、内田篤人の、そのスピードと破壊力を活かすためにも、サイドバックの布陣については、本選前にいま一度吟味、再構築してみることを希望したい。成功しているチームに手を加えるのはある意味ではリスクであると思うが、本選に向けてもう1歩チームをステップアップさせる為にも、試す価値のあるトライなのではないかと考える。
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思い出の曲No.14 The Scientist ~Coldplay~
posted by 桐谷 |11:30 |
岡田JAPAN |
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2009年05月28日
率直に言って、この主力数名が欠けたチリは、日本とほぼ互角の相手であったと僕は思っている。
今回は日本における親善試合で4-0というスコアで快勝することができたが、これがアウェイのチリであったならば、同じように0-4で惨敗したとしてもなんら不思議は無い。
ほぼ互角と思しき相手にホームとはいえ4-0で勝つ。親善試合ながらもこちら自身ベストとはいえない状態で4-0で勝つ。この事実はやはり岡田ジャパンが、着実に成長、強化されていることの証である。展開については多少ラッキーな部分もあったが、決定機の数からみても2:1ぐらいの内容だった。きっと一年前であれば、こんなゲームにはならなかっただろうし、さらに昨年3月のWCアジア3次予選バーレーン戦のころであれば、ホームとはいえ惨敗を喫していた相手かも知れない。
これによって日本はチリより強い、WC本選でチリと同グループに入ったならラッキーだ…なんて思う人がいたら、それはそれでまた困った問題だとは思うが、1年前の日本代表より今の日本代表は確実に成長している。強くなっている。僕自身はそれが立証されたゲームであったと思っている。
強化試合としては、チリにもう少しハードプレスの時間帯を増やし、本番さながらのステディーなゲーム運びを期待したかったのだが、前半早い時間に先制され、少し大味な展開となってしまったのが残念である。これがWC本選であれば、強固な守りから入り、リスクを限定した中で精度の高いショートカウンターを仕掛けてくるチームなのだと思う。
世界トップ20の強国を除けば、今の日本と本番で対峙する場合、多くの国がそんな戦い方になるのではないかと僕は思っている。つまり日本が本選で迫られるのは、そんな状況において、能動的にこちらから仕掛けてゆき、そこで何が成せるのか…、出し切れるのか…、といったところなのだと。そういう意味では、前半20分以降の流れをあまり過大評価すべき試合ではない…とも思っている。逆に0-1と先にリードを許した展開の方が、得るものはより大きかったのかも知れない。
個別の選手について評価させてもらうならば、僕はこの試合今野泰幸が素晴らしかったと思う。所属クラブでの状況が思わしくない中、不慣れなポジションで、同クラブの若手の体調不良によって、久しぶりに起用されて、あれだけ積極的に動いて、競れて、思い切って前へ出て行ける。昨日の試合は、日本代表における、彼自身の殻をぶち破るような、強い気持ちとその能力を見せ付けたゲームだった。あのような意識こそが、またライバルの闘争心を煽り、このチームをさらに1歩高い次元へと進化させるエネルギーになるのだと思う。
同じように、阿部勇樹も自らの持ち味を存分に発揮してくれた。さらに厳しいプレッシャーの中で、多彩なアイディアを見せ付けてくれた中村憲剛のプレーに強く惹きつけられたし、途中から入って後半20分立ち止まることなくチェイシングを続けてくれた矢野貴章の気迫にも心を揺り動かされるものがあった。要するに現状スタメン未満の位置にいると思しき選手たちが、これだけの能力の高さと充実したメンタル、“本気”を見せてくれた。そこにチームとしての奥行きと確かな手応えが感じられた。
そしてこの試合のMVP。本田圭佑には、厳しいことを言うようだが、攻守の切り替えの部分をさらに意識し、磨いていって欲しい。このチームにおいて、当面中村俊輔と共存するのならば、彼はさらに、チームの、岡田監督の、その要求に応えなければならないのだと思う。その上で、あのギラギラしたエゴイズムを力強く貫いていって欲しい。彼、そして山田直輝、香川真司は、間もなくこのチームの限界を突き破り、穏やかな安定を押しのける存在と成り得るかも知れない。大きな時代の変わり目に、僕らはいま立ち会っているのかも知れない。
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【映画批評】雨あがる ★★★★
posted by 桐谷 |11:16 |
岡田JAPAN |
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2009年05月25日
これまでジェフ千葉の試合を見てきて、当のジェフサポーターの方々がどう感じ、どう捉えているのか僕には分からないが、僕の視点から率直に語れば、13節を終えて勝ち点12という結果でさえ、割と運に恵まれたのではないかと思っている。
FC東京、そして広島戦、勝利をあげた2つのゲームも、僕から見れば、ジェフ自体が良いゲームをした…というよりも、ほぼ相手の自滅に近いような試合だった。これは少し上の、時にその潜在力を充分に発揮しながら、パフォーマンスの安定を得ない大宮や磐田、神戸などの戦いぶりとは明らかに異なる要素である。
前半からオーバーペースで、前からのプレスを非常によく頑張る分だけ、最後はスタミナ切れをおこしてしまう。リードを守ろうとして、消極的になって引いてしまっている…という見方もあるのかも知れないが、僕が見る限り、疲れ果てて、前でプレスに行けなくなるから、最終ラインが下がってしまう。そしてまたマイボールを繋いで展開する余力もオートマティズムも欠いているから、最終的には常に押し込まれてしまう…。そんなところではないかと思っている。
結局失点してしまうのも、運がないから…というよりも、それだけの確率と可能性と機会を、相手に与えてしまっているから。要するに僕が見る限り、手痛い失点や勝ち点の喪失に関しては、ある程度妥当であり、論理的な結果に思えるのだ。
しかし、この横浜Fマリノス戦に関しては、今年はじめてその内容自体で相手を押し込み、上回ったゲームであったように思う。
1点リードした後半、例によって同じように守勢にまわる局面はあったが、そこまでの展開は明らかに千葉が支配し、押し込んだ試合。これまでの運試しのような攻めに比べれば、攻撃もキチンとお膳立てをした上で幾度かの決定機を作り出してみせたし、球際の強さと運動量に加えて、まだ出し手と受け手の関係でしかないながらも、深井正樹、谷澤達也と、巻誠一郎の間には“あうんの呼吸”というものが根付き始めている。運任せではないひとつの鍛錬された得点のカタチを構築できてきたのは、数少ない光明のうちのひとつであると思う。
毎試合見ている訳ではないので、この日の横浜が普段に比してどれだけだらしのないパフォーマンスであったのか?或いは闘えていなかったのか?判然としないが、結果勝ち点1に終わったとはいえ、そこにある程度の内容が備わっていたことは、僕はこれまでにない変化であったように思う。
最近冴えないパフォーマンスの続いていた谷澤の復調。そしてここへ来てやっと枠を捕えはじめた下村東美や中盤の選手たちによるミドルシュート。この試合に関しては、なんとか当たり前のJ1の内容、及第点の与えられる内容が示せていた。ここに適正な補強を、迅速に怠り無く加えてやることによって、夏からは少なくとももう1歩高い次元のサッカーができるようになるのではないか…。それが現実となることを切に願っている。
ジェフの選手たちは己の能力の限界の中で、ここまで常に精一杯のチカラを出して闘ってきたと思っている。このマリノス戦にしろ、彼らがどれだけ球際に気持ちをこめてぶつかっていたか。TV画面を通しても、痛いほど伝わってきた。このJリーグ前半戦の選手たちの奮闘に対して、僕は心から拍手を送りたいと思う。
中盤戦からの課題として、
今の戦力で、前線からのハードプレス一辺倒で、この夏場を乗り切ることはやはり非常に難しいと僕は思う。
明日からポゼッションサッカーを…なんて夢想を、今ここで語る気などサラサラないが、現状の数少ないチャンスを得点に結び付けてくれるストライカーと、可能ならば鹿島のダニーロのような、リードした局面でもしっかりと個の力でボールキープに貢献できるMFがいれば、落とさなくてもすむ幾つかの勝ち点は拾えるのではないかと思う。
またDFラインは全体の問題であり、一人の強い個の補強を加えたところで、また他の別の穴をつかれれば綻びは生じてくる。いまの最大の問題は、失点の数にあるのではなく、得点力不足、得点機会の不足なのだろうと思う。ミラー監督のアプローチが一変するのでない限り、前線の強い個の個人技、得点力に期待する…という方向性が、もっとも合理的、論理的な方向性なのではないかと考える。
○年計画…などという寝言を言っていられる状況でないことは、クラブフロントもよく認識すべきである。シーズン前からすでに動く余力のなかった大分とは話が違うし、この状況は彼らのように、主力選手の大量離脱といった不運に苛まれたものでもない。あらかじめこうなることが予測できていない時点で、見込みが甘すぎたのだ。
まだチャンスは充分に残されている。けれども、その為にも、これ以上の怠慢や失敗は許されない。この状況に際して、まともな危機感を持ち、適切な手当てをして、選手達の尻をさらに力強く叩いてゆかなければならない。
チャンスも充分にあるが、危機もすぐそこで大きな口をあけて待っている。
ここに適切なサポートを加えるのも、見ごろしにするのも彼ら次第である。これまで重ねてきた夥しい散財のつけをよくよく省みると共に、いま必要なものの本質を見誤る事のない選択を期待したい。
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愛する鴻池先生に捧げる川柳
posted by 桐谷 |11:19 |
ジェフ千葉 |
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2009年05月22日
日本代表メンバーは以下の通り。
GK:
楢崎正剛(名古屋)
都築龍太(浦和)
川島永嗣(川崎)
DF:
中澤佑二(横浜FM)
山口智(G大阪)
田中マルクス闘莉王(浦和)
駒野友一(磐田)
今野泰幸(FC東京)
長友佑都(FC東京)
槙野智章(広島)
内田篤人(鹿島)
MF:
中村俊輔(セルティック/スコットランド)
橋本英郎(G大阪)
遠藤保仁(G大阪)
中村憲剛(川崎)
松井大輔(サンテティエンヌ/フランス)
阿部勇樹(浦和)
長谷部誠(ボルフスブルク/ドイツ)
本田圭佑(VVV/オランダ)
香川真司(C大阪)
山田直輝(浦和)
FW:
玉田圭司(名古屋)
大久保嘉人(ボルフスブルク/ドイツ)
矢野貴章(新潟)
岡崎慎司(清水)
興梠慎三(鹿島)
『日本代表への推薦状』という本文を仕上げようと思っていたのだが、時間に追われているうちに岡田監督の発表に先を越されてしまった。この数ヶ月間、岡田監督は関東のみならず地方のスタジアムにまで熱心に足を運ばれていた。その結果は、今後の選出にさらに活かされてゆくのではないかと思っている。まずはWC出場権獲得。その後に代表のマイナーチェンジにトライする展開があるのではないかと思っている。
ざっと選手を見渡すと、やはり山田直輝(浦和)と槙野智章(広島)の選出に目が行くのだろうと思う。槙野智章に関しては、その攻撃力は闘莉王にも引けをとらない卓越した才能も感じるが、ディフェンス面におけるいくつかの要素にまだまだ甘さが目立つ。岡田監督もそれについてはよく把握されているのだと思うし、今回の選出については、まだ期待枠の範疇を出ないのかも知れない。が、山田直輝に関してはある意味当然の選出であり、誰が監督であっても選ばれる選手なのではないかと僕自身は思っている。
山田直輝の素晴らしさは総合力。そのアベレージの高さに加え、この年代にしては飛びぬけた知性と献身をあわせ持つところである。シンプルに言えば、彼は遠藤保仁であり、二川孝広でもある。さらに彼は、球際に気持ちでぶつかれるし、ラストパス、ラストタッチに魂を込められるタレントでもある。18歳にしてすでに遠藤保仁、中村憲剛、そして中村俊輔の強力なライバルであり、間違いなく2010年後の日本代表の核となる選手になるのではないかと僕自身は思っている。
結局書くことのできなかった『日本代表への推薦状』で、僕は5人の選手を岡田監督に推薦させてもらおうと思っていた。それは、
石櫃洋祐(神戸)
阿部翔平(名古屋)
岩下敬輔(清水)
菅野孝憲(柏)
そして石川直宏(FC東京)
である。
結局、彼らの選出は叶わず自分自身の見立ての甘さを露呈してしまったことになるかも知れないが、いずれ彼らが代表に絡んでくることを期待して、これからのJリーグでの活躍を、さらに期待して見守りたいと思う。
今回の26名の選手。よくバランスの取れた、それでいてファン心理をくすぐるうまい選出だと思うが、玉田圭司と興梠慎三のケガの状態が少し気になるところである。事前に渡邉千真の抜擢を予想していたのだが、誰かを選んだ理由と共に、誰かを選ばなかった理由…というのも会見やインタビューから引き出せるのであればぜひ聞いてみて欲しいところである。僕なんかは未だオシムさんに、なぜ鹿島の選手を選ばなかったのか?を聞いてみたくて仕方が無い。
彼らの代わりに…ということであれば佐藤寿人が召集されることになるのだろうが、次世代の台頭、浦和の原口元気や鹿島の大迫勇也、さらに横浜Fマリノス、齋藤学などの成長に期待したい。また岡田監督は最後には闘莉王や中澤佑二を前線に上げることを考えているのだと思うが、僕ならば、このFW5枠の中に巻誠一郎を必ず入れておきたいところである。最後の最後の局面、特にゴール前では技術よりも気持ちが要求されるものであると僕自身は思っている。すでに決まった以上、WCアジア最終予選では彼を必要とするような“状況”にぶち当たらないことを祈るばかりである。
まずはチリ戦の先発メンバー発表を楽しみに待ちたい。
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人類の課題と新型インフルエンザ
posted by 桐谷 |11:36 |
岡田JAPAN |
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