2007年03月02日

take any chances

先日、あるプロリーグのトライアウトに参加、というよりも見学にいってきた。
これはこのリーグがドラフトまでに行う数回のトライアウトのうちで一番はじめの1st Round、つまりオープントライアウトで参加条件(年齢ぐらい)をクリアしていればどんな者でも挑戦出来るものだった。

もちろんここで良かった選手は次の2nd Roundのトライアウトに参加出来、ここからは推薦の選手なんかも入ってくる。
その、第1回のトライアウト。
さすがにオープンというだけあってそのレベルの幅は大きかった。しかし、これまでプロというのは一部の閉ざされた世界であったが、こういう裾野を広げようとするリーグがコツコツと始めたことは本当に素晴らしいことであり、こういった事に参加出来る選手は幸せだ。
若い選手はどんどんこういうチャレンジの場に出てきて欲しい。

そんな中、疑問というか「?」を感じた部分もあった。
それは...

関係者がそのトライアウトに出席していない事だった。
もちろん運営のスタッフはいた。しかし関係者と呼ばれるような人はそのくらい。
つまり各チームのスカウティングチームや、コーチングスタッフがいなかったのだ。

ではどうやって選手を評価するのかといえば、リーグに所属する1つのチームのコーチングスタッフとリーグの人間が選手をチェックし、恐らく点数だと思うが、それをつけ、評価していた。
評価の仕方は、最終的にリーグ全体のドラフトからピックされる事を考えれば問題は無いと思う。しかも第一次オープントライアウトである。全国数カ所で、何百人の選手が参加するのだからしょうがない。

しかし、こんな絶好の機会に、しかも比較的近いチームの関係者すら来てなかった。
ひとりのヘッドコーチが顔を出した事を考えても、チーム関係者立ち入り禁止ではない。しかも評価しているのはとあるチームのコーチである。
わざわざオープントライアウトに参加してくれるという事は少なからずプロに憧れ、そのスポーツが彼らにとってただの趣味ではない事は確かである。
そう言った人間が一同に集まるイベントに各関係者が参加していない事はリーグ、そして各チームのやる気をどうも疑ってしまう。

本来プロのスカウティングがどうやっていい選手を探してくるのかと言えば、スカウティングチームスタッフが血眼になって日本中、世界中をかけずり回って探すものだ。
例えばメジャーリーグの各チームが最も力とお金と時間と人材を投資する部門である。何故ならそこから近い未来の球団経営に関わる選手が発掘されるからだ。国中、世界中にスタッフを送り込み、高校、中学、リトルリーグの時代から目をつけ、そして全く目立たないようなチームでプレーする才能がありながらも埋もれている「宝」を見つけるのだ。
自分のいたしがない大学にだっていい選手がいると情報が入れば、地域別スカウトを送り込みレポートを提出させていた。本当にビックリするようなところの選手の情報も持っている。
更にはアカデミーを設立し、なるべく早い段階からいい選手を囲み込み、Pujols見たいな選手を作り出すのだ。

そういう努力を重ねて、始めてスター選手やチームを勝つ為に必要な戦力を生み出すのだ。
どんなところからの情報だって見逃さない。
以前、日本の某球団で仕事をした事があるが、そこのスカウティングチームの人はただのお手伝いの自分にも「肩が良くて、走れる選手がいたら連絡してね」と言われた。
才能はどんなところに落ちているかわからない。全国大会や海外でプレーしていただけの選手が本当に才能があり、チームに必要かを見極めなければいけないのだ。

しかしこのトライアウトはどうだろう。
本来ならかけずり回って、集めなくてはいけない情報が一度で1つの場所でわざわざ向こうから来てみる事が出来る。こんなチャンスをみすみす見逃しているとしか思えない。
新しいリーグで、恐らくスカウティングチームはもちろん、スカウティングに使える資金も確保するのは難しいはずだ、だとしたら尚更この機会を無駄にしてはいけない。

確かに1st Roundのオープントライアウトで、そこから次に進める選手は数名で、更に最後のドラフトにリストされるの一人いたらいい方だと思う。しかもいくら目を付けていても他のチームにピックされる事だって多いに考えられる。というか恐らくそうなる。

しかしその1人の、取れる可能性の無い選手だからといって、その選手とコンタクトを取れるチャンスはその後必ず響いてくる。それだけではない、そこに来て参加した選手全てと繋がれるチャンスだ。各チームは全ての人間に顔を売ったっていいと思う。
スポーツの世界にいる人はよくわかると思うが、スポーツは人と人との繋がりは全てである。
これ無しで、選手のレベルアップ、チームの成功は無い。

たとえ1回目のドラフトでピック出来なかったからとしても、本当に惚れ込んだ選手なら、彼がFAになった時、彼のスタートから見ている事は大きなアドバンテージになる可能性は大だ。
それだけではない。実際にプレーを生で見なければいけない理由。それは数字では絶対に出ないところ。それは彼らのそのスポーツに対する、1つ1つのプレーに対する、そして人間としての"ATTITUDE"、つまり態度や行動、全てに対する姿勢だ。

レベルが上がれば上がる程、そしてプロという世界ではこの部分は数字より大切な事がある。
そしてこれは18歳を超えた選手がプロに入ったからと言って突然身に付くものではない。
いやむしろ、プロになったらちゃんと身につける事は余計難しい。
自分のプレーのレベルを追いつかせる事で精一杯だ。

Helpのプレーが出来るか、絶対に諦めない力。観察力、嗅覚等々。
数字に出ない部分をこのオープントライアウトから発揮出来る人間はきっと多少足りない部分があってもプロでやっていける選手になる可能性を秘めているはずだ。
そしてプロであるからのスター性。数字は波だが、人を引きつける力を持った選手がいる。これも数字では出にくい部分だ。
まだまだ重要な部分があるが、ようするにこういったポイントは実際に生で見たり、その選手と話さなければ絶対に評価する事は不可能だ。

そしてもう1つ。そこから生まれる繋がりだ。
参加した選手の多くはここで駄目でも、その後その種目に関わりを持って行く人が断然多い。コーチになったり、選手を続けたり。
コーチや選手。この世界は小さく、繋がりは強い。どこかにちょっとでもいい選手がいればその日のうちには情報が入ってくるような世界だ。
この繋がりを蟻の巣のように繋げれるチャンスだ。若い資金が大変なリーグ。ここで太くして行くパイプは数年後必ず生きてくる。意外な所から原石の情報が入るかもしれない。例えばバスケットボールだったら、全くの無名高、もっと言えばストリートにからだって這い上がれる選手がいる。
そして選手時代自分が得意だった事や好きなプレーはやはりコーチになっても出てしまうものだ。
ディフェンスが上手く、走れる選手だった人間はきっとコーチになってもそう言うプレーを好むはずだ。
ここでも生で見て、いろんな選手と話すメリットは少なくないはずだ。

オープントライアウトには本当に一握りもないチャンスかもしれない。
しかしスポーツそのものが、そういうものではないだろうか。たった1点、1つのチャンスの為にありとあらゆる可能性を予測し、もの凄い数のパターンを考え出し準備し、それに対して何百回、何千回とトレーニングする。そして何回も何回もトライする。
スカウティングチームがなければ、コーチ自ら、コーチがどうしても無理なら、信頼出来るスタッフ(アシスタントコーチはそういったことの為にいるはずで、だから信頼出来る人を呼んでいる)や知り合いを使ってでも、ビデオを撮り、名刺を配る事だって出来る。

今回のトライアウト、選手が頑張っていただけに、それが本当に残念だった。
チームやリーグのやる気を見せて欲しかった。
トライアウトは形や惰性で行うものではない。本当にリーグの為、そしてそのスポーツの未来の為に必要としている選手を見つけ出す為に行うものでなければいけない。
その為にはリーグやチームがやる気をむき出しにして望む姿勢を見せる必要があるはずだ。

そしてもう1つ。
今回のトライアウトを見に行くにあたって、一般の人も見学可能かリーグに問い合わせてみた。すると問題ないとのこと。
そして会場に行くと、ただ会場に入れてくれただけで、参加者のロスターも何もくれない。
ちょっと待って欲しい、こんな第一次トライアウトを見に来る人間がただのファンの訳が絶対にない。
いろんな人が来る可能性だってある。もしかしたら違うリーグや海外のリーグやその他関係者。
リーグがその種目の拡大や発展を掲げるなら、少なくとも会場に来た人間にはロスターぐらい配ってもいいと思う。
もしかしたらこのトライアウトから漏れたが彼を必要とするチームやリーグがあるかもしれない。
それだけでもそのスポーツの発展に繋がるチャンスをつぶしている事になる。

ロスターを配れない理由として「個人情報」をあげたが、その後知り合いの繋がりでちらっと見せてもらう事が出来たが、出ていた情報は名前、年齢、出身地、国籍、出身校、現所属チームくらいのものである。
プロを目指すものがこれくらいの情報が漏れて困るようなら最初から参加しない方がいい。むしろ選手にとっては多くの人に知ってもらう方が有利ではないだろうか。
これは日本のスポーツにあまりにも「見られる意識」がない事のいい例のような気がした。

たったひとつのトライアウトから日本のスポーツ界のいろんな部分が見れた気がした。
いろいろ言わせてもらったが、一番言える事はこういうチャンスにチャレンジしてくる選手達が本当に素晴らしいという事だ。チャンスの為にチャレンジする。スポーツの一番大事な部分を改めて感じる事が出来た。
そしてそこにかける思いは国やレベルを超えた素晴らしさがある。
だからこそ開催する人間のやる気を見せて欲しかった。

Chances are always everywhere.
We've gotta be ready to take it anytime.
Cuz we just need THE ONE.

SHig

boy, keep ya head up

posted by king206 |01:10 | sports | コメント(2) | トラックバック(0)
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Re:take any chances

本当にその通りだと思う。
スポーツは体を鍛える為とかよく言われるけど、長年している人はよくこういう”精神を鍛える”ものだと。
スポーツが精神を鍛えるものだとすれば、そのtryoutは一種のturning pointであるだろう。
どう転がるかは本人しだいである。

上記の文章を見ていて失くしていた物を再発見下と感じた。それと同時に"はっ”とした。
明日への挑戦、自分自身へのあくなき挑戦から新たな自分と出会う。

気づかせてくれて、ほんとにありがとう。

posted by atsushi | 2007-03-13 12:20

Re:take any chances

コメントありがとうございます。
そんなたいしたメッセージがあって書いた訳ではないのですが、ほんと、彼らの姿勢は安い言葉はいりません。
見ているだけでいろんな事を教えてくれます。

posted by SHig | 2007-04-06 03:06

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