2006年02月12日

陸上界のヨン様

東京国際マラソンに行きました。優勝は、エチオピアのトロッサ選手。強風の中、2時間8分台の記録は立派です。昨年の5月にエチオピアに取材に行ったとき、実際に練習を見た選手のひとりです。元々は、テクモという日本の実業団にいた選手ですが、そこで学んだ練習方法と、エチオピアの練習環境の融合が花を咲かせました。4月のロンドンマラソンで世界最高を狙うゲブレセラシエ選手を筆頭に、エチオピア勢男子マラソンの逆襲があるかもしれません・・・2位には、カネボウの高岡選手が入りました。ちょっとスパートが早かったかも(瀬古さん談)という反省はありますが、常に2時間10分を切ってくる安定性は抜群。もうすぐ東京に拠点を移すカネボウチームですが、高岡選手の健在ぶりは、若手にも刺激になったことでしょう。

さて、話題は変わります。レース中の国立競技場内監督ルームで、バルセロナ五輪男子マラソン金メダリストである、韓国の超有名人、黄(ファン)ヨンチョさんから声をかけられ、いろいろと意見交換をしました。彼は現在、韓国でマラソンチームを率いる傍ら、オリンピック委員会、陸上競技連盟、大学の教授など、さまざまな肩書きを持って活動しています。今回も、5位になった金選手を連れてきていました。

日本のマラソンから多くのことを学びたいという、真摯な姿勢のファンさん。彼の現役時代のトレーニング内容を聞いてビックリしました。バルセロナ五輪当時の練習量は1週間に350キロ。月間にすると、なんと1400キロです。この練習量は、監督から与えられたメニューではなくて、監督の意見に反し、自ら課した練習量だったそうです。また、一度に走った最高の距離は70キロ。しかも相当なスピードで走りきったそうで、「あまりに苦しくて、伴走する車に身を投げ、本当に死のうと思った」そうです。正に想像を絶する壮絶なトレーニング。森下選手を振り切ったモンジュイックの丘。金メダルの秘密を垣間見たような気がしました。

ファンさんは現在、トップランナーだけでなく、韓国でも大変なブームになっているランニングブーム、つまり市民ランナーの動向にも着目しています。大学で、博士論文を書くために、日本の市民ランナー大会の事情を教えてほしいといわれ、ちょっと驚きました。まだ、37歳という年齢ですが、地位も名誉も富も、すべて得た偉大なランナーの考え方に関心しました。これからも交流を続けていこうと思います。

 



posted by kin_tetsuhiko |19:37 | コメント | コメント(0) | トラックバック(0)
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