2009年10月31日

北海道日本ハムvs巨人 日本シリーズ ダルビッシュ登板について

北海道日本ハムのエース、ダルビッシュが日本シリーズ第2戦に先発する可能性が出てきた、とのこと。
スポーツ各紙が報じている。

エース抜きだとチーム防御率が3.65から3.97まで跳ね上がってしまう上に先発の頭数が足りない。
今季5勝8敗、防御率5.32と不調のままシーズンを終えたスウィーニーまで使わざるを得ない日本ハム投手陣にとっては、朗報だろう。

このままスウィーニーを登板させれば、昨年クライマックスシリーズ西武戦での3回7失点の大炎上を再現する危惧が相当ある。

9月20日以来の登板、しかも故障明けとはいえ、言うまでもなく持っている実力や実績は最高レベルであり、否が応でも期待値は高まる上に、大黒柱が帰ってきたという安堵感と実質的な戦力アップは、チームに明るい展望をもたらす。

願ったり叶ったりといえよう。

ただし、完治しているのならの話だ。

ダルビッシュは、岩隈が満身創痍ながらクライマックスシリーズ第2ステージの最終戦に志願登板し、願いむなしく敗退した後に悔し涙にくれる姿を見て、これぞエースと感銘したとのこと。

これに自身を照らし合わせて、「よし、自分も」と、癒えぬ体に鞭打っての強行出場であるなら、一抹の不安がよぎる。

まだ23歳、前途洋々たる未来を確約されている、原監督言うところの「日本のエース」。

ありあまる才能を持ちながら、故障を十分に直さずに無理してプレーを続けることにより、それを活かすことなく球界を去っていったスーパースター候補達の悲しい前例は、枚挙にいとまがない。

腱が切れても、手術により受傷前のパフォーマンスを再現可能にするほど進歩したスポーツ医学でも、傷んだ箇所を治癒することなく継続使用することにより出来上がった古傷は直しにくく、だましだましのプレーを余儀なくされ、その質を落とすケースも多いと聞く。

日本シリーズで、巨人打線に相対する彼の雄姿は、プロ野球ファンとして是非見てみたい。

しかし、近い将来に見れるはずの、完成形のピッチングに影を落とす可能性があるのなら、本人のみならず首脳陣も自重してほしい。

本人は投げたいに決まっている。
チームも投げてほしいに決まっている。
そのための1年間だったのだから。

そんなことは承知の上で書いたエントリーです。

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posted by Mirimpa |11:45 | 日本シリーズ 2009 | コメント(9) | トラックバック(0)
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2009年10月30日

北海道日本ハムvs巨人 日本シリーズ Preview 2 フォアボールとエラー

前回攻撃に目を向けたので、今日は両チームの投手と守備を見てみたい。

日本ハムの投手陣は、チーム防御率3.65、被安打1229(うちホームラン127本)、与四死球519、総失点550。
数字以上に抑えている印象があるのは、堅守あってのことか。

先発の柱は、なんといっても3年連続で防御率1点台のダルビッシュ。
ほとんどの部門でチーム1の成績を残しているが、ことしは休みがちでこのシリーズの出場も微妙とのこと。

もし強行出場ということになっても、過去2度のシリーズのように第1戦と第5戦をきっちり賄うという主戦の役割は果たせないだろう。
エース抜きで臨んだ楽天とのクライマックスシリーズは、地元の大声援とスレッジの大爆発により勝利したが、巨人相手の日本シリーズであることを考えると、余りに痛い。

初戦の先発は武田勝か。
チーム2人目の規定投球回数達成者であり、自身初の2ケタ勝利を手にした技巧派サウスポー。
過去ポストシーズンでは、6試合に先発し2勝3敗と負け越しており、序盤での炎上が目に付く。
先日の楽天戦でも6回1/3を5失点と、本来の調子が出ていないことと、左打者に弱いことが気掛かりだが、得意とする本拠地球場で結果を残したいところだ。

2戦以降は楽天戦同様、夏以降頭角を現した糸数、今年本格的に復活を果した八木、かつての巨人キラー藤井、スウィーニーで廻すと思われるが、糸数以外は制球を乱すことが多く、相手打線を完全制圧することは想像しにくい。
後半は継投が予想される。

後を受けるブルペンには、右腕が金森、江尻、菊池の3枚、左が宮西と林の2枚が控えている。
バラエティに富んだ中継ぎ陣だが、左打者中心の巨人打線とあって、楽天戦で出来の良くなかった宮西が重要なポイントを握る。

クローザーは、パリーグナンバーワン、無敗の武田久。
サイドスローかと見まごうばかりの低いリリースポイントから、そのままの低い球道でアウトローに投げ込む、見事なコントロール。
60回投げて打たれたホームランは1本、四死球も少なく安心してみていられる投手だ。

対する巨人は、チーム防御率2.94、被安打1187(うちホームラン123本)、与四死球421、総失点493と、数字上は全て日本ハムを凌駕する。

グライシンガーの欠場により、先発は中日戦同様、ゴンザレス、オビスポ、高橋、東野、内海の5人で廻していくことになるだろう。

この投手陣も、15勝でエースに昇格したゴンザレス、急成長したオビスポという頼みの両外国陣が露呈した経験不足に加え、投げてみなければわからない日本人投手達で構成されており、死角のすくない今季の巨人にとって、最大のウィークポイントだ。
一昨年の交流戦のように、日本ハム打線のしつこさの前に根負けしてビッグイニングを作られ、早々に試合を決められてしまうことが懸念される。

中継ぎは充実している。
特にクライマックスシリーズ中日戦の山口はベストと言ってよい状態であり、最後の最後に原監督の要求に応えた越智と、左右の両輪を担う。
間隔を取って起用すれば結果を出すベテラン豊田に、ギリギリ間に合った左腕金刃も好調で、こちらも多士済々。

抑えのクルーンは、荒れ球と精神的もろさが指摘されるが、夏場以降は、ほっといても見せ球になる速球に見切りをつけ、150キロ近いカットボールでカウントを取りフォークで打ち取る投球パターンに変えてから安定した。

守備については、12球団一の守備率.990、最少を誇る55失策の日本ハムが、守備率.985、パリーグでは最下位にあたる84失策の巨人を圧倒している。

特に、荒木と井端ほど派手ではないため目立たないが、田中と金子の二遊間と進境著しい糸井で構成するセンターラインは堅実かつ広い守備範囲で投手を支える。
高橋と小野野の両サイドも共に守備率第1位と破綻なく守り、稲葉と森本の両翼も俊足強肩と穴がない。

唯一の弱点は、鶴岡と大野がマスクをかぶる捕手陣の盗塁阻止率の低さ。
特に鶴岡は、昨年の.296から更に数字を落とす.238。
この数字は決して強肩とは呼ばれない阿部の.325より大幅に劣る、プロ1軍としては最低に近いレベル。
大野も.270と決して阻止率は高くなく、1点勝負の終盤必ず出てくる、巨人の最終兵器である鈴木の足は脅威になろう。

巨人の84個の失策の42%を占めるのが、19個のショート坂本、10個のサード小笠原、6個のレフトラミレス。
日本ハムの最多エラーが9個の田中であることを考えると、いかにも多い。

坂本は難しいゴロを素晴らしいフットワークで捌くかと思うと、イージーバウンドで、信じられないエラー連発。
去年よりプレーが軽い。

ラミレスは、数字に表れないエラーも数多くあり、巨人守備陣最大の弱点。
むしろDHで打撃に専念できる札幌を歓迎しているだろう。

小笠原は、1塁だと無失策なのだが…

エラーはするが与四死球が少ない巨人と、与四死球は多いがエラーは少ない日本ハム。

巨人打線がフォアボールを絡めてランナーを貯めて、まとめて柵越えで掃除するか、日本ハムが連打に相手エラーを交えて、ビッグイニングを作るのか。

「試合を決める1点は、エラーとフォアボールから。」
解説者の決まり文句通りの展開が起こりそうだ。

但し、初戦はコントロールの良い武田勝が投げ、ラミレスは守備につかない。
両チームとも弱点を露呈しにくい戦いになる。

巨人の三遊間の守備、鈴木の足に特に注目している。

posted by Mirimpa |18:59 | 日本シリーズ 2009 | コメント(7) | トラックバック(0)
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2009年10月28日

日本シリーズの思い出

日本シリーズ最初の生観戦は、父親に手を取られて初めて訪れた東京スタジアム。
1970年、巨人V6の年のロッテ戦だった。

サンフランシスコのキャンドルスティックパークを模して設計された、こち亀でも紹介された最新鋭の「光の球場」。

しかし実体は、今の東京ドームを2回り小さくした箱庭のようなグラウンドの周辺を、僅か500人ばかりのオヤジ達が、敵味方なく容赦のないヤジを飛ばしつつビール片手に占拠する、女子供は近寄れない魔窟であり、やけに広くて見やすい椅子の中で、YGマークの帽子を目深に被り、おっかなびっくり観戦していた記憶がある。

試合は、この年.269と不振をかこった長嶋の独壇場で、あのオヤジ達ですら、ヤジを忘れて拍手喝采。
特に決勝弾になった2発目のホームランは、目の覚めるようなライナーが、あっという間に場外に消え去ったように記憶している。
(実際はレフトスタンド最上段だったとのこと。子供の頃の記憶はあてになりませんね。)

帰りの地下鉄で、生粋の巨人ファンである父親が興奮冷めやらぬのか、上ずった声で自分に語りかけた言葉が今も残る。

「日本一を決める試合で、あれだけ活躍する長嶋は、やはり日本一だ。」

今年の日本シリーズ第3戦のチケットが、手元にある。
一昨年は、名古屋に出場権が移って、チケットが空手形になった。
去年は、親に似て野球好きな子供に強奪されたため、ラミレスのサヨナラホームランを生で見損なった。

今年一緒に行く人は、密かに決めている。

80過ぎのジイ様と50近い中年男。
お互い背格好は変わり、今は自分の肩までしかない父親との道行きになるが、川崎、神宮、後楽園と球場巡りをしたあの頃と、気持ちはすこしも変わらない。

おとうさんと お手てつないで スタジアム。

自分の野球とのつながりの原点だ。

posted by Mirimpa |12:22 | 戯れ言 | コメント(4) | トラックバック(0)
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2009年10月27日

北海道日本ハムvs巨人 日本シリーズ Preview 1 9人の打者と8人の野手

2009年の日本シリーズは、両リーグの王者である北海道日本ハムと巨人という、今望み得る最高のカードが実現した。

今年は西暦奇数年ということで、初戦はパリーグチームの本拠地で開催されるため、10月31日(土)激闘の火蓋を切るのは、日本ハムの聖地、札幌ドームとなる。
同時に札幌での試合は、指名打者制度が採用される。

日本ハム、巨人ともに、投打にリーグトップクラスの数字を残しているが、1度に全部取り上げるともの凄く長くなるし疲れるので、ここではともに看板である攻撃力をピックアップする。

日本ハムは、チーム打率.278(1位)、総得点689(1位)、ホームラン112本(5位)、犠打168個(1位)、盗塁数105個(3位)、四死球534個(3位)、長打率.417と出塁率.343を足したOPSは.760で1位。

対する巨人は、チーム打率.275(1位)、総得点650(1位)、ホームラン182本(1位)、犠打114個(4位)、盗塁数84個(2位)、四死球437個(5位)、長打率.437と出塁率.329を足したOPSは.766でこれも1位。

どちらも強力な打線を持っており、主要な部門ではリーグでも抜きん出ているが、内容には明確な違いがある。

同じ試合数をこなし、ホームランで70本も劣る日本ハムが取った点では39点も上回っていることだ。

シングルヒットの数はほぼ拮抗しているが、日本ハムの2塁打と3塁打の総数は317本で、巨人の245本を圧倒しており、四死球の数も100個近く多い。

打ったが最後ホームに無条件で帰り、走者なしから再開するホームランと違い、これらの特徴は塁上に走者が残ることだ。

どこよりも多く塁上にランナーを出した状態でのプレーを継続し、巨人を上回る犠打、盗塁や数字に表れない進塁打を絡め、一つでもホームに近い塁に進める。

これにより、投手は気持ちを切り替える暇なく、神経を使うセットポジションを要求され続けることにより早く消耗し、更に打者優位の状況ができあがる。
結果、巨人の5人を上回る6人の60打点以上の打者が誕生した。

球場のサイズにあった、常に先の塁を意識した攻撃の継続、それを大黒柱の稲葉ですら常に実践すること。
これが日本ハムの野球だ。

対する巨人だが、これも一筋縄ではいかない脅威の攻撃力を誇る。

1番坂本18本、3番小笠原と4番ラミレスがそれぞれ31本、5番亀井25本、7番阿部32本と、本当にどこからでもホームランが飛び出す。
特に3番4番の破壊力は凄まじく、3割30本100打点をマークした打者は、今年両リーグを通じてもこの2人しかいない。

この中軸に、チーム得点王の1番坂本、チームホームラン王の7番阿部が前後を固め、松本、亀井、谷がしつこく巧みに繋ぐ打線は、息が抜けない。
なにしろ、繋ぐ選手といいながらも皆.290以上の打力を持っている打線である。
続く古城もシーズンは.251ながら、クライマックスシリーズでは攻守に味のあるプレーによりMVP級の活躍。
決めることも可能な打力を持った繋ぎ役を適所に配することにより、かつて散見された重量打線ゆえのもろさが消えた。

野手の単純な打力だけで比較すると、明らかに巨人に分がある。

しかし、日本ハムには、9人の打者を使うDH制度をフル活用した、チーム3位の.304、5位の66打点の金子が、打線の最大の分断点である9番と1番の溝を埋めることにより完全に繋がった、巨人を上回る得点力の元となる輪の打線がある。

今年ブレイクした3割打者糸井を中心とした下位打線と、森本の復調により全く穴がなくなった上位打線をジョイントする、投手がこの打順に入り一休みを与儀なくされる巨人打線にはない、強力な武器だ。

8人の野手+投手と9人の打者では、どうしたって厚みに差がでる。

巨人は、打線に投手が入らないこの最初の2戦に、9番の打順を活かし、シーズン62打点の坂本をポイントゲッターとして機能させる必要がある。
誰を打線に加え、どう並べるのだろうか。

長打力重視で谷レフト、亀井ライト、イスンヨプ1塁にシフトすると、スタメンの打率は.299まで跳ね上がり、リーグの平均数値が.700~.730程度であるOPSは、平均で.850になるが、昨年の西武戦でこの打線を組んで、イスンヨプが全く打てず得点力を大きく落としたことを思えば、小技の効く繋ぎタイプを9番に当てはめる用兵が適当かもしれない。

日本ハムの持つ「9番金子」という打線のアドバンテージに対抗する9人目の打者を見出し、打線の輪を完成することができれば、個々の打力で勝る巨人の優位は揺るがないだろう。

9人で廻すことで活きる日本ハム打線にとって、1番から8番までで勝負する東京ドームでの試合は、余りにも痛く厳しい。

posted by Mirimpa |17:57 | 日本シリーズ 2009 | コメント(6) | トラックバック(0)
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2009年10月26日

北海道日本ハムvs巨人 日本シリーズ Extra Preview 回想

2009年日本選手権シリーズに進出したのは、パリーグ1位の北海道日本ハムファイターズとセリーグ1位の読売ジャイアンツ。

4年連続クライマックスシリーズに駒を進め、そのうち3度勝ち抜いている日本ハムと、リーグを3連覇し、ここ2年連続で中日の挑戦を退けている巨人。
近年それぞれのリーグで抜きん出た成績を残している両チームによる、掛け値なしの日本プロ野球最強決定戦である。

一昨年は巨人、昨年は日本ハムが、クライマックスシリーズで途中敗退し顔が合わなかったため、この両チームの対戦は、まだ日本ハムのチーム名に北海道がついていなかった遥か昔、1981年まで遡る。

当時、どちらの球団も同一球場をフランチャイズにしていたため、日本シリーズは全戦を旧後楽園球場で行うという、最初で最後の特殊開催。

「移動日ってどこに?」というツッコミの元、圧倒的に人気で上回る巨人が事実上全試合ホームで戦っているような不公平感が漂う中で、前期優勝のロッテをプレイオフで退けた日本ハムが序盤、奮闘した。

この年20勝を挙げ、投手タイトルを独占した巨人のエース江川卓を初戦で攻略し、V9を支えた左腕高橋一三の巧投もあり先勝。

第2戦、シーズン15勝無敗の間柴茂有が、終盤のロイホワイトに逆転2ランを喫し、巨人もう1枚の看板、18勝を挙げた西本聖に投げ負けたものの、翌第3戦では、防御率1位の岡部憲章からセーブ王江夏豊へのリレーで、この年11勝と頭角を現した定岡正二に競り勝ち、2勝目。
上々の戦いぶりで、不利な下馬評を覆す勢いを見せた。

しかし第4戦、木田勇の力投で、中盤まで競り合いながら7回、エラーをきっかけに、原辰徳の3ランを含む3発で決定的な6点を奪われ、2勝2敗に。
この試合で巨人に余裕を与えたことで、シリーズの流れは一変した。

雨天順延を挟んだ第5戦では、再び西本のシュートにダブルプレーの山を築き、13安打を放ちながら、大差の完封負け。
追い込まれた第6戦も、中止のため中3日での登板が可能になった江川を相手に序盤から5対0と突き放されては勝機もなく、2度目の完投勝利を許し、敗退が決まった。

絶頂期を迎えた江川が初戦・4戦・6戦に先発し、2完投勝利で大黒柱としての存在を見せ付ければ、その江川を差し置いての沢村賞獲得で物議を醸した西本も、2戦・5戦の合計失点を1に抑え、2つの完投勝利を挙げる1歩も譲らない熱投を展開し、実力を証明し、シリーズMVPに輝いた。

2人で2勝ずつ、それも全部完投。
チーム内で稀代のライバル関係を築いた江川と西本の意地の張り合いに、日本ハムの勢いやベテランの味が吹き飛ばされた日本シリーズだったのだろう。

しかし、自分の中では、江夏、高橋一三という伝説の世界(失礼!)のプレイヤーと、江川、西本、原という新時代を担う選手達が一瞬相見えた、御伽噺のような不思議とギラギラしない戦いとして記憶に残っている。
原辰徳23歳、まだルーキーだった年のことである。

あれから28年、後楽園球場はすでになく、時の新人王は監督として大舞台に臨み、東京ローカルと揶揄されたチームは、本拠地を移した北海道でフランチャイズプレイヤーを輩出し、パリーグの雄として迎え撃つ。

札幌と東京、2つのドームが時を隔てた両者の激闘を見届け、新たな歴史を刻む。

さあ、究極のポストシーズンゲーム、日本シリーズの始まりだ。

posted by Mirimpa |08:30 | 日本シリーズ 2009 | コメント(2) | トラックバック(1)
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2009年10月25日

クライマックスシリーズ 雑感 テストマッチ

昨日、両リーグのクライマックスシリーズの第4戦が行われ、シーズン首位通過の北海道日本ハムと巨人が日本シリーズに駒を進めた。

クライマックスシリーズ出場権を得られる3位の座を逃した6チームに加え、第1ステージの仙台と名古屋で激闘を繰り広げた4チームも、厳しいサバイバル戦のさなか次々と脱落し、来期の準備に入っている。

1番最後まで本気の戦いに身を置ける幸せな2チームによる、最も幸せな野球選手達を決める頂上決戦。
楽しみに待ちたい。

クライマックスシリーズに入り、中日の落合監督が、さかんに「このシリーズは勝ちと負けしかない」と発言していたように思う。

現行のシステム上では、首位チームから30ゲーム離されようが、勝率が4割程度だろうが、リーグで3位に入り、クライマっクスシリーズを勝ち抜けば、日本シリーズ出場権が与えられる。
そして、そこで4勝すれば誰憚ることなき日本シリーズチャンピオンだ。

特に第1ステージは、全3試合での2勝勝ち抜きという超短期戦であり、流れの奪い合いをすることもなく、あっという間にケリがついてしまう危険性のある、まさに勝つか負けるかだけのデンジャラスな戦いだ。
3位に対する2位のメリットも、首位チームほどには与えられていないため、パリーグのプレイオフ時代を含め、3回に1度は番狂わせが起きている。

クライマックスシリーズに望む2位球団の将として、落合監督の発言は、いたって正しい。

もちろん第2ステージも、日本シリーズ出場がかかる以上、「勝つか、負けるか」度は、更に上がって当然とも思う。

ただし、第2ステージは、リーグ代表決定戦の側面もある。

その年で最も強くしかも優秀なチームを、日本シリーズに6球団を代表して送り込むための評価試合。

ペナントレースを制したチャンピオンチームが、第1ステージを勝ち上がり試合勘と勢いを携えて意気揚々と乗り込んでくる挑戦者を、地力のみで受け止めて跳ね返し、日本シリーズに出るに相応しいチームであることを周知させるためのテストマッチ。

だから、挑戦者が勝ち上がるのなら、自分達がリーグ代表に相応しいことを証明するために、シーズン優勝できなかったことが何かの間違いであることを示すために、チャンピオンを一方的に倒すくらいの力を満場に見せて欲しい。
それでこそ、日本シリーズも、更に輝きを増す。

その意味で、各リーグ王者が、その力を示威しつつ、勝ち上がったチームを圧倒したこの2年と、中日が巨人をスイープし完膚なきまでに叩きのめした一昨年は、良いシリーズだったと思う。

落合監督には、「勝つだけでは足りない。これは、巨人をワンサイドで叩き、中日がセリーグ代表に相応しいことを示すための戦いだ。」くらいのことを、言う気概を見せて欲しかったといったら、欲張りか。

posted by Mirimpa |19:45 | プロ野球 2009 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年10月24日

巨人vs中日 Review Final Game 強さの証明

セリーグクライマックスシリーズ第2ステージ第4戦
巨人8-2中日(巨人4勝1敗 日本シリーズ進出決定)

シリーズで戦う日本ハムについてはこちら。

巨人が、大技小技を交えた序盤からの猛攻で中日を寄せ付けず、2年連続での日本シリーズ進出を決めた。
チームならびにファンの皆さん、おめでとうございます。

この3試合の展開とは打って変わった序盤からの戦いだった。

すでに、試合勘や初戦を取った勢いというアドバンテージを手放した上に、先発の両輪であるチェンと吉見を中4日で投入するという勝負手が連敗という最悪の形で結実した中日には、これも中4日の中田の好投以外なんら勝機のない試合。

その立ち上がりを容赦なく攻める巨人打線と、更にその火勢を激化させる自らのエラーによりあっさり2点を失い、中日の勝機は霧散した。

3回の試合を決定づけた猛攻は、今年の巨人の強さを如実に示し、守る中日ナインの目から希望を奪うに十分なもの。

それまで執拗な谷繁のインコース攻めに手を焼きながら、その球を狙い打って三遊間を破り、次の1点をチームに呼び込んだラミレスのタイムリーにより3対0でなお、無死1・2塁。
全ての球を打ち込まれ陥落寸前の中田と、それを呆然としつつ取り囲む野手陣に、初回先制打を放ち一気呵成に攻め込んでくるはずの5番亀井が見せたものは、更に絶望の淵へと追い込むセーフティバント。

持てる気力を皆放出してしまったかのような中田の投じた抜け殻のような真ん中高目のスライダーを、谷がレフトスタンドにきっちり運び去ったのは、必然の結末だった。

5回、不慣れな1塁守備で犯した亀井のミスと、目測を誤り1点を献上した松本の拙守により中日に期せずして訪れた1死満塁の大チャンスも、昨日のビデオを見るような森野、ブランコ連続三振で終結。
しかも、これまで2度続けて打ち込まれた越智をなおマウンドに送り、ついに結果を出させて、日本シリーズに向けて自信を植え付けた原采配のおまけつき。

以後、最終回の立浪の現役最後の打席まで淡々と進めた試合運びは、まさに王者の強さの証明。
セリーグを記録的な勝ち星を重ね勝ち抜いたチームが、試合勘の不安などものともせず、従来の凄みにうまさと抜け目なさを加え、チームを完成させた。

何の不安もなく、厚みを増した戦力を前面に押し出して臨めるこの日本シリーズは、王座奪還のまたとないチャンスだろう。
強い日本ハムを相手に、更なる強さの奥行きを見せて欲しい。

中日の落合監督が言い放った「見くびるな」発言の裏にあるものを注目したシリーズだったが、良好なコンディションにチームを仕上げるにとどまり、巨人との根本的な違いである野球の質の向上までは手がけられず、去年より差を広げられた印象のうちに巨人の軍門に下ったことは、重く受け止めるべきだろう。
今日も「巨人との差はない。今年は力がなかった。」という意味不明なコメントを残したようだが、こんな負け惜しみにしか聞こえないシーズンの総括しか残せないものだろうか。

今日の亀井、第2戦で、やはり阿部の勝ち越しホームランによりできた中日守備陣の落胆による一瞬の隙をついて敢行した古城のドラッグバントは、本来挑戦者の中日が仕掛けていくべきもの。

来シーズン、更に完成に向かうであろう王者を追いかけることは、並大抵の作業ではない。
「アライバ」と「100打点コンビ」以外のオプションと、野球の違いを見つめる謙虚さが不可欠だろう。


立浪選手と井上選手。
引退興行ではなく、チームに不可欠な戦力としてこのシリーズに参加したことに、強烈な矜持を感じます。

お疲れ様でした。

posted by Mirimpa |21:49 | クライマックスシリーズ セ 2009 | コメント(5) | トラックバック(0)
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2009年10月24日

北海道日本ハムvs東北楽天 Review Final Game 惜別のスレッジハンマー

パリーグクライマックスシリーズ第2ステージ第4戦
北海道日本ハム9-4東北楽天(日本ハム4勝1敗 日本シリーズ進出決定)

巨人、中日を撃破、はこちらです。

日本ハムが、粘る楽天を終盤突き放し、日本シリーズへの切符を手にした。
チームならびにファンの皆さん、おめでとうございます。

初戦、逆転サヨナラ満塁ホームランで早々に楽天に引導を渡したスレッジが、最終回に2点を追う選手達の士気を鼓舞するための用兵だったのか、楽天野村監督の最後の勝負手であるリリーフ岩隈を完膚なきまでに打ち砕き、チームをこの4年間で3度目の日本シリーズに導いた。

試合は、試合開始早々日本ハムが主導権を握り、楽天の反撃で接戦になった中盤でも危なげなくリードを保ち、好投した青山が力尽きた後に駒が底をつきた楽天ブルペン陣を、効率良く攻めて勝ちきる王者のゲーム運び。

序盤の3回を完璧に抑えた先発投手藤井が4回3点を献上し、試合の緊迫度が高まった中盤は、江尻、林、金森のバラエティに富んだ3投手が相手打線の目先を変え集中打を許さずに自分の仕事を果たした。

打線も、シーズンの鬱憤を晴らすような森本の4安打、シリーズMVPを獲得したスレッジの3安打5打点を筆頭に、14安打と額面通り打ちまくり、有効にホームランを絡めた9得点。

昨年、投手と守備ではリーグトップの成績ながら、打撃部門最下位で西武に粉砕されたチームが、今年は投手と守備でリーグ1位と最高の状態を保ちながら、チーム打率.278、総得点689と昨年の.255、総得点533から大幅にレベルアップした打線が強力に援護。
第1ステージでソフトバンクを圧倒し、実戦感覚と勢いを携えて乗り込んできた楽天を、ダルビッシュがいない状況で見事に勝ちきった円熟のパリーグチャンピオン。
巨人との頂上決戦が楽しみだ。

楽天は、大逆転で落とした初戦と、それの背景にあった救援陣の不安という弱点を埋められないチームとしての層の薄さにより、以降は勝機を見つけることができず、仙台に帰ることはかなわなかった。

野村監督が采配を思う存分振るおうにも、球団創設5年でファームを含めチームとしての厚みがないため主力に頼らざるを得ない状況下で、リーグ2位は立派。
しかし、今のチームを維持するだけでは、来期更なる飛躍を遂げるのは難しい。
野村監督が育てた選手達、鉄平、草野、永井らに続く人材を更に輩出し、王者日本ハム、来期に雪辱を期す西武と覇権を争う新生楽天を見てみたい。

岩隈投手、WBCから長い1年本当にお疲れ様でした。
その涙を来シーズンは歓喜のものに。

田中投手、一皮むけた大人のピッチングを見せてもらいました。
来シーズンは、最多勝に挑戦ですね。

野村監督、あのボヤキにはちょっとした違和感がありますが、4年間でここまでチームをつれてきた手腕はお見事でした。
お疲れ様でした。

posted by Mirimpa |19:51 | クライマックスシリーズ パ 2009 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年10月24日

巨人vs中日 Review Game3 戦力の厚み

セリーグクライマックスシリーズ第2ステージ第3戦
巨人5-4中日(巨人3勝1敗)

試合をひっくり返し、自軍を日本シリーズに大きく近づけたのは、8回2死から飛び出した代打脇谷のライトオーバーの2塁打。
2007年9月26日の天王山で、朝倉から放った決勝2ランを彷彿とさせる、再び中日に引導を渡す値千金の一打だった。

試合は終始中日ペース。
またしても初回に全てを出し尽くしたような森野の先制2ラン。
荒木の、卓越した運動能力を遺憾なく発揮したホームへのスーパースライディングと、1度は巨人への流れを阻止した素晴らしい横っ飛び。
先発吉見も、アンチドーピング騒動の渦中でしかも中4日で苦手の巨人戦という逆境のさなか、中盤まで粘りのピッチングでリードを守り続ける。
(出場の是非は、NPB医事委員会の結論を待ちますが、この試合で見せた彼の精神力は賞賛に値します。)

ブランコの、悪夢の7連続三振から脱出したラッキーヒットも出て、8回表まで巨人にリードを与えることなく試合を進める理想的展開だった。

悔やまれるのは3回1死2・3塁で森野とブランコがあっさり連続三振で、巨人高橋を叩ききれなかったこと。
4回と6回も好機を潰し、リードを広げ巨人の戦意を削ぐことができなかったことが、その後の反撃を呼びこんだ。

第1ステージヤクルト戦でも書いたが、シーズン中から今年の中日は、先制しながら取るべきチャンスに追加点を取れず、後半試合を縺れさせるケースが多い。
そこに、抜け目なくつけこんだ巨人には、何度も煮え湯を飲まされており、このシリーズでも15得点、5ホームランで、巨人の13得点、3ホームランを上回りながら、ここまで3試合を終え1勝2敗。
野球の違いが顕著に現れている。

巨人は、相変わらずベンチスタートの選手のモチベーションが高いのか、しっかりした準備が出来ているため、少ない出場機会で結果を残し、戦力に厚みを持たせている。
昨日の大道、今日の脇谷、8回を味のあるピッチングで抑え反撃を呼んだ豊田、このシリーズではスタメンながら通常は同じ立場である古城。
原監督の分け隔てない実力本位の起用と、首脳陣の綿密な意思疎通による的確な1軍と2軍の入れ替えが、良好かつ熾烈な競争をもたらし、成果に繋がっている。

巨人より1名多い10人の投手をベンチ登録しながら、フル活用することなく、結果的に浅尾と心中してしまった中日ベンチとは対照的だ。

亀井の、もう1度打つのが難しいバックスピンの打球を一瞬の躊躇ではじいた井端は、能力的には充分に捌けただろうが、それまでの素晴らしい守備を考えれば責められない。
しかし、最終回の反撃での粘りとは無縁の三振はいただけなく、ひっくり返されると反発力をなくす、これも今季のチームの特徴を体現してしまった。

2007年のこの舞台でのスイープを糧にし、巨人は2年かけて様々なオプションを持ち、戦力の厚みを誇るチームに変貌したが、対する中日は相変わらず投打ともに、何人かの選手は入れ替わったものの、スタメンだけの弾力性の弱い戦いに終始しており、試合巧者の看板も錆びかけつつある。

レギュラーの競争なき固定化は、決してチーム力の向上をもたらさないことに心を砕くべきであろう。

posted by Mirimpa |10:56 | クライマックスシリーズ セ 2009 | コメント(4) | トラックバック(0)
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2009年10月23日

北海道日本ハムvs東北楽天 Review Game2 確たる違い

パリーグクライマックスシリーズ第2ステージ第2戦
北海道日本ハム3-1東北楽天(日本ハム3勝)

セリーグの「巨人覚醒」はこちら。

日本ハムが、相手エース岩隈を相手に数少ないチャンスをきっちり活かし、難しいゲームを勝ち取り、日本シリーズ出場に王手をかけた。

楽天は、糸数、宮西、武田久を攻め続け、6度にわたりスコアリングポジションに走者を送りながら、タイムリーが出ず、セギノールのホームランによる1点しか取れない消化不良の攻撃に終始した。

特に初回1死1・2塁、3回2死2塁、7回2死1・2塁と全て当っている鉄平がお膳立てしたチャンスにことごとく凡退と、4番山崎がブレーキ。
ソフトバンク戦と昨日の初戦、鉄平が歩かされた後に全て結果を出していただけに、特に7回の打席は注目したが、力んだのか、甘い初球スライダーを見逃し、2-2後の真ん中速球を打ち損ねた。

後続の打者も、これまでその打棒でチームを牽引した4番打者に結果が出ない時こそ、奮起すべき場面なのに、8回の無死満塁では誰一人満足な打球を飛ばせない始末。
先頭打者として出塁したセギノールに、廻るかどうかもわからない次の打席に期待したのか、代走を出さない野村監督の消極的ともいえる采配と相まって、同点から逆転への好機を逃した。

日本ハムは、4年連続クライマックスシリーズ第2ステージ出場と短期戦の経験豊富な上に、選手個々が何をすべきか把握の上、きっちりと試合を進めた。

序盤封じられた岩隈を、4回以降は進塁打とバンドで着実にランナーを先に進めることによりプレッシャーをかけ続け、「鉄平敬遠、山崎痛打」の楽天必勝パターンを封じた直後の7回裏、同じ3番打者稲葉敬遠後に、4番高橋がインハイのシュートを詰まらせつつレフトへ運ぶ技ありの一打で、ついに相手エースを沈めた。

投手陣も再三のピンチにも落ち着いており、冷静に破綻なく盛り立てる守備陣をバックに、最後の1本を許さない勝負強いピッチングを見せた。
特に無死満塁で登板した金森の力感は見事で、伸び盛りの力を遺憾なく発揮している。

日本ハムがここ一番での勝負強さで楽天の勢いを完全に止めた試合だが、このしたたかさを身に付けるまでには、2007年の日本シリーズでの屈辱の完全試合や、去年のこの舞台でダルビッシュ以外何も通用せず、西武に完膚なきまでに打ちのめされた苦い経験がある。

「選手を教育できない監督だから、解任されて当然」などと責任転嫁とも取れる愚痴を飛ばしてないで、1試合でも多くこの舞台を選手に経験させ、強い楽天の礎を作るのが野村監督の責任である。

posted by Mirimpa |08:58 | クライマックスシリーズ パ 2009 | コメント(2) | トラックバック(0)
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