2008年10月29日
日本シリーズの話も延ばし延ばしで3回目。(過去1回目・2回目はこちら)
ぼちぼちネタ切れだが、ここでは過去触れていない走塁にスポットを当ててみる。
チーム盗塁数は西武107個に対して巨人78個、個人で見ても巨人は鈴木の30個以外は坂本の10個が目立つ程度で、西武の片岡50個、栗山17個、中島25個というラインナップ1番から3番までの3人が抜きん出ており、この部門では大きく優位に立つ。
西武サイドは3人の内ひとりでも出塁すれば、常に盗塁やエンドランの機会をうかがい、巨人の捕手鶴岡にプレッシャーをかけ続けたい。
阿部の捕手としての出場が絶望的な中、クライマックスシリーズで期待を上回る働きを見せた鶴岡だが、中日が井端の足の故障の影響でほとんど動けなかった中でも、決勝のランナーが2塁にいる場面で振り逃げを許したり、荒木に楽々2盗塁されるなど、機動力への対応には疑問符がつくため、この圧力は試合の主導権を握るため大きな意味を持つからだ。
反面、この3人でチームの全盗塁の86%を占めており、あと走れるのがシーズン4盗塁の佐藤くらいという極端な走力分布で、特に1・2戦の東京ドームでの試合では指名打者を使えないことからも、中軸から下位打線にかけては攻撃が単調になる嫌いがあるため、上位打線がスピーディな攻撃でチーム全体に活力を与えたい。
CS対日本ハム第4戦の初回、ヒットの片岡が盗塁し、栗山が送って中島タイムリーで瞬く間に先取点と主導権を奪ったように、である。
巨人は、走りの主役鈴木が回復しているかどうかが最大のポイントだが、7番の坂本以外にも、亀井7個、谷5個、寺内6個、脇谷4個、古城6個とクリーンアップを囲む1番、2番、6番の選手が少ない試合出場の中で皆良く走っており、打線トータルでの走力はむしろ西武を上回る。
背景にあるのは今季の原監督の指揮で、中日戦で記憶に新しい、1点ビハインド、無死1・2塁打者小笠原で敢行したダブルスチールに代表される、動いて局面を打破しようという意図に基づく作戦が多く、ルンバ采配と野村監督に揶揄されても、その姿勢は一貫しており、このシリーズでも重要な場面でランナーを動かしてくることは想像に難くない。
主軸の長打力やチームのホームラン数がクローズアップされがちな今回の日本シリーズだが、前回書いたエラーや四死球に加え、盗塁や次の塁への意欲等走りあいが試合を分けることになるかもしれない。
とりわけ、得点圏打率が.382、そうでない時が.265という不思議なトップバッター片岡を巨人バッテリーが封じるか、出すかに注目したい。
第1戦の1回表、シリーズのヤマ場がいきなり訪れる。
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2008年10月28日
Preivew 1の続きです。
今季パリーグのクライマックスシリーズ第2ステージ第3戦のこと。
2回表日本ハムが2死3塁と先制点のチャンスを迎え、指名打者のボッツが打席に入った。
このピンチも、西武先発の帆足がタイミングを外して、ボテボテのサードゴロに打ち取ってピンチ脱出、と思ったら中村が1塁に悪送球。
打者走者の足を考えたら、何でそんなに焦って投げるのか、というプレーで、やらずもがなの1点が日本ハムに入った。
前日ダルビッシュが完封した余波にそのまま乗りたい日本ハムに、絶対与えてはいけない先取点。
続く3回、明らかに制球が甘くなった帆足が、相手打線につかまり4失点、試合は大きく日本ハムに傾いた。
それでも懸命に追いかける西武に巡ってきた5回無死1・3塁、佐藤の痛烈な3塁線を小谷野がスーパープレーで1塁に刺し、失点を最小限に留め、日本ハムがそのまま押し切った。
守備力の差が如実に出た試合である。
その後の2試合で、西武が初戦を思い出したように打棒炸裂し、無事に日本シリーズ出場権を得たが、相手にシリーズ自体の流れを渡しかねないゲームだった。
ペナントレースでの失策数は、チームトータルで巨人が83個、西武が98個、守備率はセリーグ5位の.985とパリーグ最下位の.982で、両チームとも決して褒められたものではないが、坂本の後半戦での成長と鈴木や亀井が入ってからの右中間の充実に比べ、中村の相変わらずの拙守を見せられると、巨人の方が致命的なミスもなく無難な守りを見せている。(その意味で鈴木の出場の可否は、今シリーズを占う大きなファクターだ。)
阿部が抜けた捕手の懸念についても、鶴岡がキャッチングに多少の問題を抱えながらも、リードについては遜色なくこなしており、さほど表面化していないことも大きい。
昨今のプロ野球、特に短期決戦では、無死1塁から強打でチャンス拡大を図るより、送ってワンヒットで1点、という作戦が多い。
これは、言い換えれば打撃への信頼感の問題でもあるのだが、この両チームについては、犠打が巨人リーグ最小、西武5位と連打やホームランを期待する作戦が目立っており、事実それによりそれぞれリーグ最大の得点を記録している。
そして、連打で埋まった塁を更に埋め、致命的な大量点へと誘うのが、四死球とエラーだ。
ただでさえ、四死球535個を出し、楽天と僅差でリーグ最多を争う西武は、417個でリーグ最小の巨人に対して分が悪い。
前述の中村に加え、最強の強肩を誇りながら、失策と捕逸13を数え、これまたリーグ最多の捕手細川と、西武には守りの不安要素が点在している。
今年になり安定感が増してきたと言われる二遊間を中心に、アウトにできる範囲は堅実にアウトを重ねていかないと、小さな綻びから巨大な亀裂を作り出される危惧が、巨人打線にはある。
中日に強烈なダメージを与えた第2戦の小笠原のグランドスラム、第3戦のイスンヨプの逆転3ランの前に、2度とも名手井端のフィルダースチョイスまがいのプレーがあり、打者走者を生かしたことを忘れてはいけない。
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2008年10月27日
セントラル・パシフィックともにリーグチャンピオンが順当にクライマックスシリーズを勝ち上がり、真の日本一をかけた戦いが11月1日に火蓋を切る。
西武ライオンズ誕生以来、この2チームが相見えるのは1983年の初対戦から数えて6度目。
戦績は西武が3勝2敗と、頭ひとつリードしているが、最近2回のシリーズでは連敗しており、1980年台の西武王国に何度挑戦しても跳ね返される巨人、という図式ではなくなっている。
直近の2002年では、両チームともペナントレースを圧倒的な強さで勝ち抜き、現巨人監督の原辰徳とヘッドコーチの伊原春樹が両軍の新人監督として指揮をとるシリーズとして話題を集めた。
しかし、初戦で伊原監督が先発投手の松坂を7番に起用するという奇策に出たが見事失敗、守っても清水の2ラン、清原のレフト後方の壁にぶつける特大2ランと、松坂のセットポジションからの制球が甘くなったところを痛打され一方的に敗れたことが大きく響き、以後の3試合も全てワンサイドの展開で屈辱のスイープを喫している。
1990年に、野球観が変わる程こてんぱんにやられた4連敗の意趣返しをした格好の巨人だが、この優勝の後は阪神や中日の後塵を拝し続け、昨年はリーグを制覇しながらクライマックスシリーズで中日に3連敗し出場権を逃しており、日本シリーズ出場は6年振りとなる。
久しぶりの伝統チーム同士の戦いとあって、有利不利を占う前哨戦も盛り上がりを見せているが、最大のポイントは、どちらもこれほどの強打のチームとシーズン中に当ったことがないという点だろう。
交流戦で4試合戦っているとはいうものの、当時の巨人は整備不良の大型車といった状態で、今のチームとは別物と言ってよい。
常に打力で優位に立つことを前提にゲームを進めてきた両軍にとって自分と同等、もしくは上位の打撃力をもつ相手との戦い方は未知数であるだけに、投手の出来、コンディションの差により、一方的な戦いになる可能性も強い。
その意味で、先発投手の踏ん張りは無論重要だが、このシリーズでは、それをフォローする中継ぎ陣がどれだけ流れを分断できるかの方に、大きなウェイトがかってくる。
西武は涌井、石井、帆足、岸の4人、巨人はグライシンガー、上原、高橋、内海の4人が主戦の先発投手になると思われる。
双方とも右2名、左2名のバランスの取れた投手陣であり、力量も十分に備えているが、相手を一試合完全に制圧するダルビッシュの域にはない。
これらの投手が、遅かれ早かれ相手打線に捕まった時、どちらのブルペンが連打の波を止め、大量点を防ぐことができるかにより試合の勝敗、シリーズの趨勢が決まるだろう。
西武の岡本、大沼、小野寺、星野。
巨人の山口、越智、西村、東野。
印象的には巨人の若手投手陣の力感と勢いを上位に感じるが、では巨人が有利かといえば、ここでクローザーの存在がクローズアップされ話は変わってくる。
両軍ともにだが、特に巨人の場合、勝利に向かい試合を何とか纏め上げても、最後に全て水泡に帰すことがある。
結局あのクルーンの精神状態次第ということになり、同点もしくは1点差での登板では後ろに山口か東野を準備しなければならず、必然的にセットアッパーが手薄になる可能性があるということだ。
西武はもつれた展開に持ち込み、勝機を見出したい。
守備や走力、ベンチワーク等については、次回以降に書きます。
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2008年10月26日
セリーグのクライマックスシリーズ第2ステージは中日を巨人が破り、日本シリーズ出場権を手にした。
チームならびにファンの皆さん、おめでとうございます。
この日は、スタジアムで観戦したが、生観戦のメリットのひとつが同じ視点から全てを見続けることが出来るというもので、イニングインターバルのピッチャーの投球練習の内容や、回ごとの球筋の推移など、テレビではほとんどお目にかかれないものが見れる。
中日チェンは、試合前の練習時から、右打者の外角高目に外れる抜け球が多く、いつにもまして制球に不安があった。
荒木にとっては普通のプレーだと思うが、先頭打者の亀井のピッチャー返しの打球がセーフになっていたら初回で崩れていただろう。
先制点を取られた4回は、ベンチ前でのキャッチボールから更に抜け球が増えており、小笠原にそのボールでぶつけてピンチを広げ、2死後谷に痛打された。
これは低めに抑えの利いた速球で、打った谷が素晴らしかったと思うが、次の坂本に打たれた初球のストレートは谷繁らしくないリードで、最初の打席で、その球をファウルとはいえレフト線に痛烈な打球を放っていたことを考えれば、先取点後の押せ押せの展開で投げる球ではなかった。
和田の好返球で3点目は阻止したものの痛い追加点で、この後中日は、この2点を追いかけるために四苦八苦することになる。
巨人高橋は、右打者のインコース速球に威力があり、気合の入ったナイスピッチング。
6回あたりからやや球が上ずり始めたが、この回ウッズに超特大ソロを浴びたものの、7回1死3塁も谷繁を速球で押し続けた後のシンカーという冷静な組み立てでショートゴロ、平田は年季の違いで打ち取り、リードを死守した。
中日は8回、明らかに疲れの見える山口を攻め、1死1・3塁でウッズという願ってもない展開に持ち込んだが、場内悲鳴とため息の大合唱を呼んだライトへの特大ファウルの後、越智の直球に押され犠牲フライの同点どまりで、勝機を逃した。
結局初戦の巨人と同じく1度もリードすることなく、最後はラミレスの勝負強さと、落合監督の試合を諦めたような投手交代により、すんなり巨人の軍門に下った。
初戦巨人に覆いかぶさっていた中日コンプレックスは、この日までにかなり払拭されており、短期決戦の経験や粘り、井端や荒木を中心にした守備力で対抗した中日を、チームトータルでの力量、コンディションの良さで上回り押し切った形だ。
コンディションや選手層の厚さの差は明白で、腰痛に加え前日の死球退場にもかかわらず強行出場した中村も明らかに動きが悪く、取るべき打球を何本も抜かれたのに対し、小笠原に代わった寺内は、直後3塁線の打球を見事に刺し、打ってはラミレスの決勝2ランを呼び込む2ベース。
鈴木故障も亀井がMVP級の活躍、阿部不在を忘れさせた鶴岡の攻守での奮闘等挙げればきりがなく、原監督が今季掲げたテーマである若手の底上げが、最後に大きくものを言った。
シーズンの集大成であるこの時期に、望める最高の形でチームを完成させた巨人に対し、おそらくこの後何試合やっても満身創痍の中日に勝ち目はなく、力関係の確定とともに、セントラルリーグの2008年はこの日決着した。
来期は、固定化したレギュラー野手陣の高齢化が進む中、一段の活性が中日の課題になる。
更に難題を抱える阪神とともに、ここ数年常にセリーグをリードした2チームが過渡期に入りつつあることを再認識したクライマックスシリーズだった。
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2008年10月25日
昨日のアクセス数が20,936件と突如跳ね上がり、デイリーランキングで3位!に入ってしまいました。
快挙です。
こんなつたないブログをご覧頂き、ありがとうございます。
そこで、調子に乗って、この前代未聞の空中戦シリーズで飛び出した13本のホームランを全て振り返ってみたいと思います。
まず3発出た第1戦から。(号数はこの2ndステージのみのカウント)
①イビョンギュ1号ソロ 1回表 左中間 対グライシンガー
低めの球をうまくすくったシリーズ1号は、先頭打者ホームランで、このシリーズの展開を暗示したかのような一打。
ドームラン1号でもあったような…
②タイロンウッズ1号ソロ 1回表 ライト 対グライシンガー
北京オリンピックのソフトボール決勝で、日本のエース上野由岐子投手からアメリカの主砲クリストル・ブストスが放ったライトへの一撃を彷彿とさせる1発。
③谷1号ソロ 4回裏 レフト 対山本昌
0-2からストライクを取りにきたカウントボールを狙い打った技ありのバッティング。
勝負師だなぁ。
続いて第2戦。6発乱れ飛びです。
④森野1号ソロ 1回表 ライト 対上原
簡単に2死を取り、調子の良さから軽率に放った上原のカットボールをしっかり叩いた、インコース打ちの森野の面目躍如たる一打。
⑤小笠原1号2ラン 1回裏 右中間 対朝倉
フォークを2つ空振りした後の高目つり球を上から押さえ込んだ見事な一撃で、このシリーズ初めて巨人にリードをもたらした価値あるホームラン。
⑥小笠原2号満塁 2回裏 ライト 対朝倉
これは打つだろうな、という雰囲気の中、打つべくして打った試合を決めるホームラン。
ドームラン2号で、他のスタジアムなら走者一掃のツーベース。
⑦平田1号ソロ 3回表 センター右 対上原
上原の外角球を腰をすえて運んだ会心の一打。
大器開花の記念弾になりそうな気がする。
⑧ラミレス1号2ラン 4回裏 左中間 対小笠原
アウトコース高目を左中間に叩き込むスラッガーのホームラン。
最近あのコースはセンター方向へ打っていたが、打ち合いに触発されたのかのような力強さがあった。
⑨イスンヨプ1号ソロ 7回裏 センター左 対小笠原
チームの勢いに乗ったかのように突如飛び出した踏み込み充分の一打。
踵に体重が乗ってしまう悪癖も出ず、昨日の逆転弾につながったシリーズの流れにとって重要な一撃だった。
それでは昨日の第3戦。4発出ました。戦評はこちら。
⑩鶴岡1号ソロ 3回裏 バックスクリーン 対川上
このシリーズで出た最も意外(失礼!)はホームラン。
川上が投じたのも軽率な1球だったが、それでもバックスクリーンに打ち返した打者に賞賛を送りたい。
⑪和田1号2ラン 4回表 ライト 対内海
西武時代の全盛期の飛距離と瞬発力を思い起こさせる、インパクトに全エネルギーをぶつける和田らしい打球。
⑫イスンヨプ2号3ラン 6回裏 センター左 対川上
谷繁に、打たれた瞬間片ひざを着かせた素晴らしいバッティング。
失投ではなく、相手バッテリーの意向どおりの球をものの見事に打ち返した、今シリーズ中でも白眉のホームラン。
⑬タイロンウッズ2号ソロ 8回表 ライト 対豊田
東京ドームなら片手でも打てると豪語したとおりの豪打。
芯を食った時に飛び去る打球は戦慄の一語につきる。
ドームラン3号。
こうしてみると、引っ張った打球は13本中5本にすぎず、両軍とも狭いドームを利用して、外の球を逆らわずに反対方向に打ち込んでいるのがわかります。
打撃技術の向上には目を見張りますが、やはりこの球場の狭さも大きなファクターであり、引き続き、投手受難は避けられないでしょう。
落合監督のシリーズプランを崩したのはイスンヨプのホームランでしたが、忘れてはいけないのは、第2戦の小笠原のグランドスラムと同様、その前に亀井や木村がしっかり舞台を作っていること。
最も効果的なホームランは連打の仕上げの大掃除であり、和田の2ラン以外は全てソロの中日は、1本の差以上に巨人に水をあけれているのが実情です。
それを打破するには、まず1・2番の出塁です。
平田の先発もありではないでしょうか。
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2008年10月24日
巨人と中日の第3戦は、またしても5時間近い総力戦での死闘の末ドロー。
最終的に勝ち数が並んだ場合、ペナント上位チームが日本シリーズに進むというクライマックスシリーズの取り決めにより、巨人にとって勝ちに等しい引き分けである。
首位チームの持つアドバンテージは大きく、中日が勝ち上がるためには、今後3試合を2勝1引き分け以上が求められる。
第2戦で覚悟の負けゲームを作った落合監督にとっては、どうしても勝たねばならないゲームで、実際4回まではそのゲームプラン通りに進んでいたが、6回に飛び出したイスンヨプの信じがたいホームランにより全てが暗転した。
シドニーオリンピックの銅メダルマッチで、松坂から同じコースを左中間に運んだ決勝打を彷彿させる見事なバッティングで、ストライクコースとはいえ、川上も外角低めのフォークをあそこまで飛ばされたのは初めてだろう。
余りに鮮烈な1発で見過ごしがちだが、足の故障ゆえか無死2・3塁での脇谷の三遊間のゴロを、1歩余分なステップを踏み1塁で生かした井端のプレーも大きく、結果的に5番打者に打順が回ることになった。
中日も、ウッズのこれまた驚異の弾丸ライナーのホームランや谷繁の読み勝ちの同点タイムリーにより追いつき勝利への執念を見せたが、総じて打線が湿っている上にデッドボールの影響があるのか全く振れていないイビョンギュにことごとくチャンスが回る巡り合わせで勝ちきることができなかった。
今期の悪癖を今夜も披露した内海、ついにあっさり替えられるクローザーに成り下がったクルーン、攻守に全く精彩を欠く高橋由伸、中日の影に怯えた采配等不安要素はいくらでもあるのに、今期実にうまく機能した亀井、木村、脇谷ら日替わりスタメン組が今夜も働き、若きブルペン陣の奮闘もあいまって王手をかけた巨人が大きく優位に立った。
明日先発のチェンは球の勢いで押すタイプで、まだ谷繁の細密なリードに応えられるほどのコントロールは持ち合わせていないため、中日は早めの援護で楽に投げられる環境を作りたい。
逆に高橋が中盤まで粘り、よりチェンにプレッシャーをかけ続けることができれば、個々の打撃スキルとコンディションに勝る巨人が日本シリーズの切符を手にすることになるだろう。
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2008年10月24日
巨人が、最も得意な形で中日投手陣を粉砕し、昨年からのクライマックスシリーズの連敗を4で止めた。
これで巨人の2勝1敗、今日の試合がこのシリーズの焦点になる。
もっともこの日は、第1ステージでフルセット戦った中日にとって、第6戦とともに先発投手に悩む日で、相手クリーンアップの揃い踏みによる大敗にも、落合監督は、上げた3投手の見極めに使えたからよし、程度の認識かもしれない。
今日からの、表3枚の先発で一気に決める腹だろう。
その意味で、重要なのが谷繁の新鮮なデータの蓄積。
敵軍の弾雨の中、何を見出したかによりその様相は大きく変わる。
大胆さと繊細さ。
演繹の組み立てと、帰納からの筋立て。
正統と異端。
そして幻惑。
この捕手の持つ多彩なオプションを先発の川上が正確に体現して、目覚めたかに見える巨人打線を今1度安静にできるかにより、昨日の試合の意味合いが決定する。
巨人は、気持ちよく勝利して、何はともあれ頭一つ抜け出した。
鈴木の不在を忘れさせた亀井の躍動、上原の良さをつぶさなかった鶴岡、イスンヨプのレフトへのホームラン、東野の力感。
膝の伸びきった溜めのないスウィングながら、初ヒットを記録した高橋も好材料のひとつかもしれない。
中日打線が今ひとつなので、内海、高橋の両サウスポーが試合を壊さずに中盤まで持たせることが出来れば、早期決着もありうる。
試合自体は2回で決まってしまう大味なものだったが、その中で巨人亀井が光った。
先制された直後の初球打ちもさることながら、2回木村の3遊間のゴロでの1塁走者としてのスタートの早さと瞬発力。
この試合、大胆なシフトと名人級のグラブ捌きで3本のヒットをアウトに変えた井端ですら判断を狂わせるスピードで、結果オールセーフを招いた素晴らしい走塁だった。
小笠原の満塁ホームランの呼び水になったこのプレイは昨年までの巨人にはまず見られなかった。
むしろ中日の十八番を奪われた形であり、落合監督はこのようなプレイの方が不気味に思うのではないか。
それにしても、テレビ解説の横浜工藤は、おしゃべりが過ぎる感はあるが、物凄い観察眼と洞察力。
それを、来期も戦う同一リーグのライバルの情報なのに、平然と披露。
ラジオ解説のヤクルト石川が、当らず触らずに終始したのとは好対照で、本職の解説者が霞む深みがあった。
45歳現役、恐るべし。
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2008年10月23日
西武ライオンズが日本シリーズ出場権を獲得した。
チームならびにファンの皆さん、おめでとうございます。
とはいいつつ…
3回途中までチャンネルを切り替えながら、巨人vs中日の初戦と交互に見ていたが、過去1戦から4戦でお馴染みのワンサイドになりかけたあの押し出しを機に、イニングインターバルにちょこっと覗く程度になってしまったため、中盤以降の試合の詳細はわからない。
それにしても、負ければおしまいの試合で、あのおっとりした采配。
捕手や野手陣もピンチだというのに誰もグリンに近寄らないし、どこからも1点の重みが感じられなかった。
加えて、またしてもポストシーズンで完全試合を食らうのか、というほどの昨年から何も変わらぬ貧打線。
昨年までの2年連続パリーグチャンピオンは、接戦に持ち込み看板である試合巧者振りを発揮したかったようだが、そのための術もなく、もろくも崩れ去った。
ダルビッシュと稲葉に頼りすぎ。
シーズン3位も、むべなるかな。
対する西武は、負けたとはいえ第3戦途中よりダルビッシュ後遺症から徐々に抜け出し、猛打で相手先発を早々に粉砕した。
ブラゼルとGG佐藤抜きでこの破壊力は、相手投手という相対的要素もあるが、さすが首位通過チームの看板で、初戦おっかなびっくりながらも勝ち、昨日の快投につなげた涌井や、今期最高の投球を見せた石井等、先発陣も予想を上回る力投を見せた。
反面、先制された試合での反発力のなさや、岸、帆足の序盤での炎上、最大の弱点である守備力等、これからの日本シリーズに課題も残る。
新制度のプレイオフが始まって5年、名称も変わり、激しい順位争いをもたらしたパリーグのクライマックスシリーズだが、前回ふれたように近年個々の試合内容の乏しさに拍車がかかっている。
昨年から今年にかけて、1点差の試合がひとつもなく、今年に限っては逆転勝ちも皆無のワンサイドゲームオンパレード。
2006年のソフトバンク斉藤vs西武松坂、斉藤vs日本ハム八木の息詰まる投げ合いの末の1-0を懐かしみ、要求するのは欲張りだろうか。
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2008年10月22日
パリーグ西武のめった打ち優勝については、こちら。
9回で4時間をこえる1点を争う好ゲームだったが、先取点を粘り強く守りきる中日らしい試合運びで、1度もリードを許さず先勝し、形の上では1勝1敗のタイになった。
5回の坂本のフィルダースチョイスを誘った1塁走者の荒木の素晴らしいスタートや、8回1死満塁のピンチで井端が前進守備から6-6-3で完成させた超絶併殺プレーなど、打てなくてもチームに貢献する術を知る中日ナインの総合力での勝利。
加えて、クルーンから9回に決勝打を放ったのは、10月4日の決勝ホームランに続いて、またも中村。
チームとしては昨年のクライマックスシリーズの3タテの記憶を、クローザーのクルーンには痛打の記憶を、今一度その胸に刻み込ませる大きな勝ち星になった。
敗れた巨人だが、投の大黒柱グライシンガーの乱調や1人相撲にもかかわらず接戦に持ち込み、初戦から地に足のついた試合ができたのは大きい。
4番ラミレスの安定感もさることながら、谷の2死からの同点ホームランが特に目を引いた。
ラミレス、イスンヨプを難なく打ち取った山本のアウトローを2球じっくり見送って、次のカウントボールをきっちり狙い打った見事なホームランで、落合監督に早めの継投を決断させ、余分に投手を使わせる結果になった。
先発の早めの降板で2回投げた巨人の山口にも言えることだが、6連戦なので、今後にどんな影響が出てくるか。
打線を分断していた森野・中村と小笠原・イスンヨプのどちらが先に眠りから醒めるかがポイントと感じていたが、中村がこれ以上ない形で結果を出し、巨人の2人は目覚める気配を見せていない。
更に、ふくらはぎの痙攣で退場した鈴木が欠場ということになれば、巨人は捕手の阿部に続き守備の要と、攻撃の有効なオプションを同時に失うことになる。
勝負はこれからだが、ドームの風は少しばかり中日よりに吹き始めたのかもしれない。
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2008年10月22日
またしても、序盤にゲームの趨勢が決まるワンサイドゲーム。
このシリーズはここまでの4試合全て、4回までに勝利チームが4点以上の得点を挙げ、敗者側は無得点という余りにも味気ない展開が続いている。
オリックスと日本ハムで行われた第1ステージについても、第2戦の中盤で一瞬だけ1点差になったが、基本的には両ゲームとも一方的な内容だっただけに余計その感が強い。
特に日本ハム梨田監督に思うことだが、余りに手をこまねいた采配ぶりではないだろうか。
大宮の初戦のグリンは4回途中、昨日のスウィーニーは遅くとも2回に投手交代をすることにより、試合の流れを切るチャンスはあったと思うのだが、続投で被害拡大、戦意喪失…
穿った見方かもしれないが、シリーズの流れと最終的な勝利のみに心を砕いて、個々の試合に対するプランが単調になっているように見える。
ゲームに入って、中盤までリードしたら、勝ちパターンのブルペン陣を投入して勝ちきるが、序盤で先発投手が炎上したら、もう打つ手なし。
開始早々もう劣勢、という状況下でも、中盤まで試合を壊さずに作る投手を用意することも重要なゲームプランだと思うが、それらしい動きは皆無に近い。
捨てゲームを有効に配置して、結果として日本シリーズの切符を取れば、チームとしてはOKかもしれないが、お金を払って見に行った客はたまらない。
純粋にCSというビッグイベントの空気に浸り、野球を楽しみたいというお客さんは、当然面白くもなんともないし、応援団にしたって、どちらかのサイドは、意気消沈しに行くだけ。
プロ野球は、スポーツであると同時に、客が見に来てくれることを前提に成り立つ興業であることも厳然たる事実だ。
そのお客さんに対する最高のサービスこそ、個々の熱気ある試合が積み重なった末の劇的なシリーズ展開だと思う。
さすがに、今日はゲームを捨てることはできないだろうから、せめて今までの分まで、必死や一丸といった言葉が浮かぶような戦いを見せてもらいたい。
その上で、明日ダルビッシュ対西武打線の最終決着、というドラマが見れるなら、望外の喜びである。
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