2009年10月24日

巨人vs中日 Review Final Game 強さの証明

セリーグクライマックスシリーズ第2ステージ第4戦
巨人8-2中日(巨人4勝1敗 日本シリーズ進出決定)

シリーズで戦う日本ハムについてはこちら。

巨人が、大技小技を交えた序盤からの猛攻で中日を寄せ付けず、2年連続での日本シリーズ進出を決めた。
チームならびにファンの皆さん、おめでとうございます。

この3試合の展開とは打って変わった序盤からの戦いだった。

すでに、試合勘や初戦を取った勢いというアドバンテージを手放した上に、先発の両輪であるチェンと吉見を中4日で投入するという勝負手が連敗という最悪の形で結実した中日には、これも中4日の中田の好投以外なんら勝機のない試合。

その立ち上がりを容赦なく攻める巨人打線と、更にその火勢を激化させる自らのエラーによりあっさり2点を失い、中日の勝機は霧散した。

3回の試合を決定づけた猛攻は、今年の巨人の強さを如実に示し、守る中日ナインの目から希望を奪うに十分なもの。

それまで執拗な谷繁のインコース攻めに手を焼きながら、その球を狙い打って三遊間を破り、次の1点をチームに呼び込んだラミレスのタイムリーにより3対0でなお、無死1・2塁。
全ての球を打ち込まれ陥落寸前の中田と、それを呆然としつつ取り囲む野手陣に、初回先制打を放ち一気呵成に攻め込んでくるはずの5番亀井が見せたものは、更に絶望の淵へと追い込むセーフティバント。

持てる気力を皆放出してしまったかのような中田の投じた抜け殻のような真ん中高目のスライダーを、谷がレフトスタンドにきっちり運び去ったのは、必然の結末だった。

5回、不慣れな1塁守備で犯した亀井のミスと、目測を誤り1点を献上した松本の拙守により中日に期せずして訪れた1死満塁の大チャンスも、昨日のビデオを見るような森野、ブランコ連続三振で終結。
しかも、これまで2度続けて打ち込まれた越智をなおマウンドに送り、ついに結果を出させて、日本シリーズに向けて自信を植え付けた原采配のおまけつき。

以後、最終回の立浪の現役最後の打席まで淡々と進めた試合運びは、まさに王者の強さの証明。
セリーグを記録的な勝ち星を重ね勝ち抜いたチームが、試合勘の不安などものともせず、従来の凄みにうまさと抜け目なさを加え、チームを完成させた。

何の不安もなく、厚みを増した戦力を前面に押し出して臨めるこの日本シリーズは、王座奪還のまたとないチャンスだろう。
強い日本ハムを相手に、更なる強さの奥行きを見せて欲しい。

中日の落合監督が言い放った「見くびるな」発言の裏にあるものを注目したシリーズだったが、良好なコンディションにチームを仕上げるにとどまり、巨人との根本的な違いである野球の質の向上までは手がけられず、去年より差を広げられた印象のうちに巨人の軍門に下ったことは、重く受け止めるべきだろう。
今日も「巨人との差はない。今年は力がなかった。」という意味不明なコメントを残したようだが、こんな負け惜しみにしか聞こえないシーズンの総括しか残せないものだろうか。

今日の亀井、第2戦で、やはり阿部の勝ち越しホームランによりできた中日守備陣の落胆による一瞬の隙をついて敢行した古城のドラッグバントは、本来挑戦者の中日が仕掛けていくべきもの。

来シーズン、更に完成に向かうであろう王者を追いかけることは、並大抵の作業ではない。
「アライバ」と「100打点コンビ」以外のオプションと、野球の違いを見つめる謙虚さが不可欠だろう。


立浪選手と井上選手。
引退興行ではなく、チームに不可欠な戦力としてこのシリーズに参加したことに、強烈な矜持を感じます。

お疲れ様でした。

posted by Mirimpa |21:49 | クライマックスシリーズ セ 2009 | コメント(5) | トラックバック(0)
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2009年10月24日

巨人vs中日 Review Game3 戦力の厚み

セリーグクライマックスシリーズ第2ステージ第3戦
巨人5-4中日(巨人3勝1敗)

試合をひっくり返し、自軍を日本シリーズに大きく近づけたのは、8回2死から飛び出した代打脇谷のライトオーバーの2塁打。
2007年9月26日の天王山で、朝倉から放った決勝2ランを彷彿とさせる、再び中日に引導を渡す値千金の一打だった。

試合は終始中日ペース。
またしても初回に全てを出し尽くしたような森野の先制2ラン。
荒木の、卓越した運動能力を遺憾なく発揮したホームへのスーパースライディングと、1度は巨人への流れを阻止した素晴らしい横っ飛び。
先発吉見も、アンチドーピング騒動の渦中でしかも中4日で苦手の巨人戦という逆境のさなか、中盤まで粘りのピッチングでリードを守り続ける。
(出場の是非は、NPB医事委員会の結論を待ちますが、この試合で見せた彼の精神力は賞賛に値します。)

ブランコの、悪夢の7連続三振から脱出したラッキーヒットも出て、8回表まで巨人にリードを与えることなく試合を進める理想的展開だった。

悔やまれるのは3回1死2・3塁で森野とブランコがあっさり連続三振で、巨人高橋を叩ききれなかったこと。
4回と6回も好機を潰し、リードを広げ巨人の戦意を削ぐことができなかったことが、その後の反撃を呼びこんだ。

第1ステージヤクルト戦でも書いたが、シーズン中から今年の中日は、先制しながら取るべきチャンスに追加点を取れず、後半試合を縺れさせるケースが多い。
そこに、抜け目なくつけこんだ巨人には、何度も煮え湯を飲まされており、このシリーズでも15得点、5ホームランで、巨人の13得点、3ホームランを上回りながら、ここまで3試合を終え1勝2敗。
野球の違いが顕著に現れている。

巨人は、相変わらずベンチスタートの選手のモチベーションが高いのか、しっかりした準備が出来ているため、少ない出場機会で結果を残し、戦力に厚みを持たせている。
昨日の大道、今日の脇谷、8回を味のあるピッチングで抑え反撃を呼んだ豊田、このシリーズではスタメンながら通常は同じ立場である古城。
原監督の分け隔てない実力本位の起用と、首脳陣の綿密な意思疎通による的確な1軍と2軍の入れ替えが、良好かつ熾烈な競争をもたらし、成果に繋がっている。

巨人より1名多い10人の投手をベンチ登録しながら、フル活用することなく、結果的に浅尾と心中してしまった中日ベンチとは対照的だ。

亀井の、もう1度打つのが難しいバックスピンの打球を一瞬の躊躇ではじいた井端は、能力的には充分に捌けただろうが、それまでの素晴らしい守備を考えれば責められない。
しかし、最終回の反撃での粘りとは無縁の三振はいただけなく、ひっくり返されると反発力をなくす、これも今季のチームの特徴を体現してしまった。

2007年のこの舞台でのスイープを糧にし、巨人は2年かけて様々なオプションを持ち、戦力の厚みを誇るチームに変貌したが、対する中日は相変わらず投打ともに、何人かの選手は入れ替わったものの、スタメンだけの弾力性の弱い戦いに終始しており、試合巧者の看板も錆びかけつつある。

レギュラーの競争なき固定化は、決してチーム力の向上をもたらさないことに心を砕くべきであろう。

posted by Mirimpa |10:56 | クライマックスシリーズ セ 2009 | コメント(4) | トラックバック(0)
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2009年10月23日

巨人vs中日 Review Game2 中日の思惑を砕いた足と粘り

セリーグクライマックスシリーズ第2ステージ第2戦
巨人6-4中日(巨人2勝1敗)

「日本ハム王手!」はこちら。


ゴンザレスの出鼻をくじき、最高の形で初戦を狙い通り取って、巨人が試合勘やら実戦感覚を取り戻す前にチェンで連勝し、更に敵が混乱や焦りを増幅させている間に、吉見で大勢を決める。
2007年の再現を狙った中日落合監督の思惑は、目を冷ました巨人打線により、2戦目にして修正を与儀なくされそうだ。

打線の覚醒は、積極的な走塁と、スタミナに不安がある上に初の中4日のチェンが最も嫌がるであろう各打者の打席での粘りで自ら呼び込んだものであり、ただ打つだけではない今年のチームの特性を遺憾なく発揮した。

初回、1点差に追いつくタイムリーで出塁した小笠原が、亀井のライト前ヒットで躊躇なく3塁を陥れたベースランニングと、それに呼応して2塁に進塁した亀井が全てのはじまり。

それまでの2イニングも各21球ずつ投げさせ、同点に追いついた3回には先頭打者坂本が、初回の初球ヒッティングから打って変わって10球粘り、続く松本は12球を投げさせた挙句のセンター前ヒット。
前回の休養十分のヤクルト戦でも、前半から飛ばしたために6回頃にはバテが見え始た、しかも中4日で不安一杯のチェンは、ここで既に青息吐息で、谷の打球を井端が刺せなければ、この回で完全に潰れていた。

続く4回の攻撃も輪をかけていやらしく、阿部のドームを有効利用した勝ち越しホームランでショックのチェンに追い打ちをかける、古城のドラッグバントとオビスポの結果オーライのプッシュバント。

とどめは、前の打席で殊勲甲の松本に代打大道を告げた原監督のアグレッシブなタクト。
大道の打球が森野のダイブをかい潜り、勝負の趨勢は見えた。

昨年同じ展開で浅倉で一拍置いたら、そのまま土俵外まで押し出された苦い経験からか、中4日のチェンという勝負手を打った落合監督だが、結果は最悪。
しかも4回とはいえ88球投げ、相手のいいようにやられた左腕は体力と精神力ともにダメージを受け、最終戦まで縺れても有効な戦力にはなりにくいだろう。

打線も、初戦のゴンザレスと同様の、崩れそうなオビスポを一気に攻略できなかったため、2回以降は荒れ球に業を煮やしたのか、ボールに手を出し、6回の和田までノーヒットと、みすみす立ち直りを許してしまった。

昨日の野本を彷彿とさせる藤井の1発により、ワンサイドでの負けは免れたが、初戦で活躍したブランコと野本を完全に封じられており、井端や森野も初回の集中力が嘘のような打席が続き、荒木はデッドボールの影響が懸念される等、今日以降に不安は尽きない。

なんで中日スポーツが発信元で、このタイミングで出るかという、自身のドーピングについての事情聴取報道の中、これも中4日の吉見が、ヤクルト戦で見せたような粘りのマウンドを展開し、本調子に近づきつつある巨人打線を封じ込めない限り厳しいゲームになるだろう。

それにしても、荒れ球が持ち味とはいえ、オビスポの4イニングでの3死球はいただけない。
ブランコに至っては、マイケルの危険球に続いて2試合連続である。

去年、チェンと西武の星野から小笠原が同じ箇所に死球を受け、以後充分なパフォーマンスが出来ず、敗北の遠因になったことを思えば、巨人には当てないインコース攻めを見せて欲しい。

posted by Mirimpa |08:55 | クライマックスシリーズ セ 2009 | コメント(2) | トラックバック(0)
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2009年10月22日

巨人vs中日 Review Game1 不沈艦沈む

セリーグクライマックスシリーズ第2ステージ第1戦
中日7-2巨人(1勝1敗(アドバンテージ含む))

パリーグの劇的な幕切れになった初戦はこちら。

中日が、巨人との実戦感覚の差をついて、苦手ゴンザレスから勝ち星を奪うという、このシリーズ最初にして最大の課題を見事クリアして、日本シリーズへの道を大きく広げた。

5点を奪い試合を早々に決めた初回の先制攻撃は、鮮烈にして見事。
6番野本のスリーランまでの5安打は、全てファーストスイングだが、比較的厳しいファーストストライクは皆が見送り、甘く入ってきたカウントボールをミスショットすることなく痛打した一連の攻撃には、高い集中力が見られた。

特に森野の先制タイムリーは、唯一追い込まれながらも粘り強くライトへ運んだものであり、第1ステージにおいて自分で切断していた後続への良い流れを導いた価値あるものだった。

ブランコはヤクルトとの3戦目から、それまでの空を打つような大振りを改めており、この近いポイントで小さく叩くバッティングを継続したことにより速球をシャープに弾き返したことが、大量点への呼び水となり、次打席で巨人バッテリーにスライダー攻めを与儀なくさせた。
ダメ押しホームランの遠因である。

野本は6番打者として最も価値のある仕事、大掃除をこれ以上ない形で遂行し、巨人を戦意を完膚なきまでに粉砕した。
ヤクルトとの大一番でつけた自信をそのまま出し、中日の1年を通じての課題であったこの打順で機能したことは、今後にむけて非常に大きい。

先発の小笠原は、初球を投じる時点で既に大きなプレゼントを背負っていたこともあり、落ち着いた緩急の効いたピッチングで無難に5回を1失点で抑え、大役を果した。
2007年の第1戦を彷彿とさせるこの投球は、巨人にいやな記憶を呼び覚まし、ただの1敗以上の心理的圧迫を加えるに充分だ。

巨人は実戦感覚の問題だけなのか、小笠原と古城以外打線が総じて振りが鈍く、12を数えるポップフライが象徴するように、投球への力負けが目立つ。

9月の圧倒的な強さを支えた谷と阿部が下降線を辿り、亀井は故障上がりで不安一杯の状態、坂本と松本は軽く谷繁に牛耳られまだシリーズに入れていない。
頼みの小笠原、ラミレスを活かすためにも、この5人のうち最低3人は目を醒ます必要があるだろう。

ゴンザレスは、ことごとく甘くなったカウントボールを痛打され5回で事実上KO。
1球ごとに甘くなるスライダーを運ばれたブランコへの被弾は、その最たるもので、緊張下で尚、結果を出さなければならない短期戦の難しさゆえか。

巨人に1勝のアドバンテージがあり、引き分けも巨人の勝ちに等しいというレギュレーション下、しかも全試合空中戦のメッカである東京ドームで開催される以上、あくまで中日はタイに追いついただけで、圧倒的に有利になったわけではない。

今日の第2戦で、引き続き巨人打線を沈黙させ更に焦りを煽ることにより、初めて主導権を握ることができる。
昨年も先勝したものの、先発の谷間となった第2戦で浅倉が2回6失点と大炎上し、巨人に流れを手渡し敗れ去った苦い経験がある。

チェンと吉見を中4日で投入し、相手が寝ている間に、早々の決着を図るのだろうか。
ただしこのオプションは、外すとただの1敗ではすまない大打撃なので、乗るかそるかの大博打という一面もある。
勝負師で鳴る落合監督の一手に注目したい。

巨人の先発であろう、経験の少ないオビスポのピッチングも、非常に大きなウェイトを占める。
特に初回、好調を持続している井端の打席次第で序盤でつかまるか、ある程度試合を作れるかが決まると思う。

チケットはあるが、仕事で行けないだろうな…

posted by Mirimpa |08:42 | クライマックスシリーズ セ 2009 | コメント(1) | トラックバック(0)
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2009年10月20日

巨人vs中日 Preview 展望

明日21日(水)より、東京ドームにてセリーグ1位の巨人と2位中日によるクライマックスシリーズ第2ステージの戦いが火蓋を切る。
セリーグがこの制度を取り入れて以来、3年連続して両チームがこの舞台に駒を進め激闘を繰り広げることとなった。

過去は1勝1敗。
2007年は第1ステージで阪神をスイープした中日が、これも3連勝で巨人を倒し、シーズンの雪辱を遂げた。
ルールが変わった昨年は、首位チームをアドバンテージを活かした巨人が、阪神を大逆転したシーズンそのままの勢いで、2勝1敗1引分で前年の借りを返している。

ヤクルトとの第1ステージの総力戦を何とか切り抜け実戦感覚をいち早く取り戻した中日が、シーズン3連覇をぶっちぎりで果した王者巨人にどう挑むのかが焦点になる。

シーズンでの対戦成績は、19もの貯金を作った中日を、なお12ゲーム離した巨人が16勝8敗と圧倒している。
総試合数24を8回の3ゲームシリーズで戦った両者だが、意外にも勝ち越しはお互い4回ずつ。
但し内容には差があり、巨人の4度の勝ち越しは全て3連勝であり、対する中日の勝ち越しは優勝決定後の消化試合を含めて4度とも2勝1敗。
ブランコの爆発ともに急上昇した交流戦後の7月に4勝2敗と差を詰めた時以外は、極論すると今季の中日は巨人にやられっぱなしなのだ。

では、どこでこれだけの差がでるのか。

総得点は巨人104点、中日90点、防御率は3.70と4.07、チーム打率は.267と.254、盗塁数は11と8、ホームランは32本と25本。
各部門とも僅かずつ巨人が上回っているが、完全に圧倒されているというほどの差ではない。
試合内容だって、16敗のうち12は2点差以内。
但し、併殺打の数は巨人14に対して中日21、エラー数にいたっては5対15と明確な差があるが…

拮抗しながら、僅差での勝負がほとんど巨人に転がったしまった理由は3つ。

ひとつは、巨人の4番打者、ラミレス。
対中日の打率が.462、10ホームラン、25打点。
しかも、チェンから3本、吉見からも1本としっかり敵の両輪を叩いている。
ブランコの.289、7ホームラン、18打点だって中日打線の中にあって最も際立った数字だが、それも霞むほどの猛打。
他の打者には谷の.375や坂本の.297が目立つ程度で、良く抑えているだけに特に目立つ。

ふたつめは、巨人の主戦投手であるゴンザレスの存在。
15勝2敗、防御2.11と素晴らしいシーズンを送った日本球界6年目の右腕は、中日戦でも5試合に先発し4勝無敗、防御率1.46と寄せ付けなかった。
チェンとの直接対決も4試合で3勝と圧倒。
これも、他の先発投手は中日打線がそこそこ攻略しただけに、際立つ数字だ。

みっつめは、上の2つの理由により、中日の先発2本柱、チェンと吉見が勝てなかったこと。
チェンのシーズン成績は8勝4敗、防御率1.54、被本塁打10だが、対巨人ではチーム最多の8試合に先発し、1勝3敗、防御率2.91、被本塁打も7本。
最多勝の吉見も3試合で1勝2敗、防御率3.86、ホームランもトータルの10本のうち5本を巨人戦で喫している。

2人のシーズン成績から巨人戦を除外すると、チェンは防御率0.89(!!)、7勝1敗、吉見も1.76、15勝5敗まで跳ね上がることを考えれば、いかに2人にとって巨人、とりわけラミレスとゴンザレスが厚い壁になっているかがわかる。

勝負に直結するブルペンについては、中日の浅尾が2.16、4ホールド1セーブと抑えているが、反面クローザーの岩瀬が、亀井に打たれたサヨナラ3ランを含め5.68と不安定さを露呈している。
対する巨人でも、クルーンが7試合無失点7セーブと傑出しているが、セットアッパーの両輪、越智と山口がそれぞれ3.68と3.09と打ち込まれており、それぞれに一抹の不安を抱えながらの対決になり、どちらのチームにとっても大きなアドバンテージにはならないだろう。

巨人は初戦にゴンザレスが先発し、中日のチェン、吉見は3戦目以降の先発で、逆に言えば、分の悪い直接対決はない。
しかも、シーズン中のように間をおいての3連戦ではなく、休みなしの6連戦。

初戦で実戦感覚という唯一のアドバンテージを活かして、ゴンザレスを倒し、第3戦のチェン、第4戦の吉見が勝ちきり、第2戦か第5戦を質量ともに上回る投手陣の総力戦で取る。
そのためシリーズを通してラミレスを、ある程度封じ込める。
中日の日本シリーズへの道は、どれだけ細くてもこれに尽きると思う。
最終戦まで縺れれば、総合力に勝る巨人に転がるような気がしているので。

ラミレス相手になるとムキになり、インコースばかりを攻める嫌いがある捕手谷繁が、初戦を任されるであろう小笠原(山井かも?)と、どれだけ軌道修正した攻めを見せられるのか。

.304、.307とそれぞれ高打率をマークしながら、足で巨人を崩せていない井端と荒木がどう掻き回して、.337の森野、4番ブランコの100打点コンビにつなぐことができるのか。

13打数8安打、.538と巨人投手陣をカモにする立浪が、果たして今一度ナゴヤドームに凱旋できるのか。

個人的には、一番の鍵だと思っている巨人のコンディションと合わせて、ワクワクしながら最高の鬩ぎ合いを見守りたい。

posted by Mirimpa |12:56 | クライマックスシリーズ セ 2009 | コメント(1) | トラックバック(0)
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2009年10月20日

中日vs東京ヤクルト Review Game3 兵なき総力戦

セリーグクライマックスシリーズ 第1ステージ 第3戦
中日7-4東京ヤクルト(中日2勝1敗 第2ステージ進出)

元々の戦力が欠けている上に、インフルエンザでこの試合を賄うべき2投手と捕手まで失ったことは余りに痛く、この上ない形で初戦を取ったアドバンテージを活かすことなく、ヤクルトの今シーズンが終わった。

8回の反撃も、デントナに代走を送り勝負をかけながら、ガイエルが歩かされ志田に回った段階で兵糧切れ、勝負ありの感があった。
選手としては、現有戦力で精一杯戦った結果であり後悔は無いと思う。

しかし、ベンチがこの試合が今シーズンの総決算であり全てであると腹を括り、乾坤一擲の用兵を振るったかというと、疑問がある。

ライト野本の好返球で、絶好の同点機を阻止された直後の投手交代、そして松井が2球で無死1・3塁のピンチを招いた時、藤井が凡退した1死後に谷繁を打席に迎えた時、高田監督には他の選択肢はなかったか。

自分達が取れなかった1点を、相手が今にも手にしようとする、試合の展開を決めかねない非常に重要なポイント。
8回の五十嵐の体たらくを見ると、誰でも一緒だったかという思いもあるが、テレビの解説者が言っていたように、後先の順番を考慮から外して、敬遠を交えて最高のピッチャーから出すなりの防戦があったように思う。

先発の由規の4回96球のグダグダ投球は論外として、ブルペン陣が好調とはいえない状態なりに毎回の失点機を防いでいたことと、打線が終盤に最終決戦に相応しい意地と執念を見せただけに、この回のベンチの選択は、第2戦の「打者館山のまま」と並び、残念である。

中日の東京ドームへの3年連続の進出については、戦力的にもコンディションの面からも順当とはいえ、第1ステージで躓くことは許されない状態に自らを追い込み、しかも初戦を落としながら、過去1度しかない逆転での第2ステージ進出を決めるあたり、さすがに地力のあるチーム。

試合については、猛打で打ち勝った印象が強いが、井端を筆頭に、第2戦で交代で入った直後、ガイエルのライトオーバーの2塁打を短打で止めた平田や、この試合の野本に代表される堅守で相手の攻撃を凌いだことが直後の効果的な加点に繋がっている。
セットアッパーとクローザーにシーズン中同様の不安が現実となり噴出したが、守備から入るというチームの野球ができているのは心強い。

ただし、16安打、6四死球、8回まで毎回スコアリングポジションにランナーを送りワンサイドで勝つべき試合に、14残塁で7得点。
初戦と第2戦でも9回先頭打者が出塁しながら、ホームに生還したのは僅か3回という効率の悪さは引きずったままであり、攻守ともにヤクルトより遥かに手ごわい巨人をアドバンテージ付きで相手にする以上、更なる得点への貪欲さとプレーの精度を高め、相手が戦意を喪失する程のいやらしい試合運びをしないと、2007年の再現は相当難しいだろう。

posted by Mirimpa |08:37 | クライマックスシリーズ セ 2009 | コメント(5) | トラックバック(0)
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2009年10月18日

中日vs東京ヤクルト Review Game1・2 決勝点は7回に

昨日セリーグクライマックスシリーズ第1ステージ初戦のエントリーを書き終わった途端に全部が消えて、自分の意欲も消えうせたため今日2試合分まとめて書きます。
という訳で長くなります。
すみません。

初戦は7回表、5番打者デントナの左中間への逆転2ランホームランにより3対2でヤクルトが先勝した。

第2戦は7回裏、2番打者荒木のセンター前タイムリーにより3対2で中日がタイに追いついた。

以上が2試合の要約であるが、初戦を見て感じたのは、両チームの先発ピッチャーの投手としての気持ちの違い。

ヤクルト石川は、本来の変化球の精密なコントロールに欠けたが、決して気持ちを切らずに幾多のピンチを丁寧かつ粘り強い投球で凌ぎきり、味方の反撃を待った。
一方の中日先発のチェンは、それまで1安打8三振と完封ペースで相手打線を制圧しながら、自軍がダメ押し点の好期を逸した直後の7回、青木の巧打で失点すると、そのショックが尾を引いたのか、2球後に投げそこないのスライダーをデントナに投じ、一遍に試合をひっくり返された。

当日の調子、持っているボールの威力のいずれも石川を上回るチェンだが、結果としては大事な試合での負け投手。
実は今季、このような打たれ方は何度か見られ、シーズン防御率1.54、被打率.193 と傑出した数字をマークしながら、勝ち星は僅か8勝にすぎない。
クライマックスシリーズの初戦に先発する投手が同じようなミスを何度も繰り返しては、勝てる試合も勝てない。

石川の奮投があったにせよ、チャンスがありながら試合を決める追加点を奪えない中日の攻撃陣も大きな敗因のひとつ。
チェンの3塁ゴロでの藤井の無謀な本塁突入や、完全に相手の意表を突き前に転がしさえすればダメ押し点が入るスクイズで、さして難しくもないボールをファウルにし、挙句に次のボールをあっさり見送り三振でチャンスを潰した谷繁。
試合巧者の看板は過去のものになったのだろうか。

中日のこの負けにはもうひとつ、大きな意味がある。
夏場以降ケガ人続きで、阪神に去年のメークミラクル以上のゲーム差をひっくり返されながら、終盤どうにかこうにか持ち直し、命からがらクライマックスシリーズに滑り込んだヤクルトと違い、中日はかなり早い時期に上も下も見えない2位がほぼ決まっており、第2ステージでの巨人への雪辱することを見据えてこのステージに臨んでいる。
当然疲弊しているヤクルトに対し、先発の2本柱、チェンと吉見のどちらかを温存し勝ち抜きたい思惑があったのは想像に難くないが、この敗戦により、ヤクルトへの総力戦を余儀なくされたことである。
巨人にとって、思う壺の展開だろう。

今日の第2戦は、昨日全く良いところがなかった谷繁の名誉挽回の試合になった。
吉見が投げそこないのフォークを相手捕手の川本に逆転ホームランされた直後には、館山の失投のスライダーをきっちり捕えて同点ホームラン。
7回の決勝点も谷繁が低めの変化球をしっかり見極め、館山が四球を嫌って投じた直球系の内角球をおっつけたセンター前ヒットがきっかけ。
低めに集まらない吉見を8回2失点でとどめたリードも特筆もの。
明日の決戦に向けて中日には好材料である。

それにしても同点の7回表、2死2塁で打者館山をそのまま送るヤクルトベンチには疑問がある。
「石川・館山の2本柱以外頼るものなし」という先発投手事情であれば勝ちにいくべき場面ではなかったか。
戦力やチームコンディションが劣る以上、積極的に攻勢をかけ続けるべきであると思う。

去年の「何という井端!」級のキレキレの守備や、鋭い打球を連ねる井端や、今シリーズ初ヒットが対館山初ヒットとなり、決勝タイムリーになった荒木。
ヤクルトを遥かに上回る2本柱以降の投手陣。
そして、突如相手に降りかかったインフルエンザ禍。
高田監督の消極的な采配も輪をかけるような気が…

1勝1敗のタイながら、シーズンの10ゲーム差そのままに中日優位に傾きつつあるセリーグ第1ステージ。
2年目の由規が背負うには重過ぎる役割か、あるいは大成へのステップとなるのか。
どちらにしても、去年の大阪ドーム並みの熱戦を期待したい。

posted by Mirimpa |21:42 | クライマックスシリーズ セ 2009 | コメント(3) | トラックバック(0)
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加