2009年11月08日
今年も楽しいポストシーズンを過ごせました。
松井のMLBワールドシリーズMVPまで見ることができたし。
おなか一杯です。
最後に、この1ヶ月の印象に残ったシーンについて。
巨人、亀井。
クライマックスシリーズ第2ステージ対中日の第4戦。
初回の2点に続いてラミレスのタイムリーで1点追加し、3対0。
なお1死1塁2塁の場面。
この試合に勝てば、日本シリーズ進出決定とあって、東京ドームが押せ押せの雰囲気で騒然とする中、青息吐息の中田と1塁の間にポンとセーフティバント。
次の谷の、試合を決める満塁ホームランは、ほぼ必然。
中田は、この内野安打で全ての余力を喪失していた。
昨日の走塁もそうだけど、たまにこの選手は、ぞくっとするプレイを見せる。
3割30本も素晴らしい目標だけど、この手の野球センスも更に磨きをかけてほしい。
日本ハム、稲葉。
日本シリーズ第4戦、0対0の3回表1死1塁2塁で打席に入った初球。
ダブルスチールと思ったら、田中は完全に意表を衝き2塁を陥れたものの、森本がスタートを怠り1塁釘付け。
明らかなボーンヘッドであり、点が入らなければ敵に流れが行きかねない場面。
打席の稲葉はファールで粘り、きわどい球をきっちり選び、当然のようにフォアボールを選ぶ。
森本のミスを帳消しにする出塁で満塁とし、高橋の先制打を呼び込んだ。
これが、つなぎの野球の一端か、と心底感嘆してしまった。
第6戦で攻守に残念なプレーが出てしまったが、場面に応じてすべきプレーを確実にこなすこの選手は、本当に凄い。
日本ハムの強さの源が、ここにあるのだろう。
短期戦ゆえに、そのチーム、その選手の持っているものが、凝縮されてにじみ出て、その機微が微妙に流れを左右するポストシーズンゲームが、大好きです。
また来年、お邪魔させていただければと思っております。
ありがとうございました。
posted by Mirimpa |23:35 |
戯れ言 |
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2009年11月08日
ひとつのプレーを境に、フィールド内が一瞬にして静から動に切り替わり、ダイアモンドを疾駆するランナーの躍動感が、試合を急速に動かす。
積極的な走塁や、ひとつでも先の塁を奪おうとする意欲は、攻撃しているチームに活力と勢いを与え、守っている側に落胆と圧力をもたらす。
しかし、結果が裏目に出た際は、真逆の効果を発揮する諸刃の刃でもある。
日本一の行方が決まった昨日の試合でも、2つの大きなプレーがあった。
2回表、1死からツーベースで出塁した亀井が、続く谷のピッチャーゴロを武田勝が1塁に送球する間に3塁を陥れた走塁がひとつ。
無駄な塁を与えないため、献身的な守備を続ける日本ハム内野陣が僅かに垣間見せた隙を、亀井は逃さなかった。
3塁に走者が進んだ効果は、コントロール抜群の武田であっても現れる。
阿部に投じたスライダーは微妙に高く、タイミングを外し泳ぎながらもバックスクリーン近くまで運ばれ、大きな試合では最大の意味を持つ先取点が巨人に入った。
試合を決定づける2点目となった稲葉のエラーについても、松本の足を気にして焦ったとのコメントにもあるように、足が齎した追加点である。
もちろんそれも、3塁まで全力疾走し、3塁コーチャーの指示だけを頼りに、躊躇なく突入した松本のベースランニングあってのこと。
巨人は最後まで足によるプレッシャーを緩めなかった。
両チームとも、この試合に至るまでに、試合の流れを相手に献上するような走塁を1度ずつ経験している。
日本ハムは、第4戦の勝利により勢いに乗る第5戦、前の回に古城と小笠原のエラーで先制した次の3回の攻撃で、先頭打者として出塁した糸井が初回成功させた盗塁を再び仕掛け、阿部の送球の前にアウトになり追加点のチャンスを潰している。
前の試合で、田中の意表を突く3塁盗塁を機に、一挙に巨人の先発投手高橋を崩して以来、スクイズや代走起用により活発に機能していた機動力は、この後影を潜め、最終戦の9回1死まで、バントで送って、後は打つだけの単調な攻撃に終始し、得点力半減の遠因となった。
対する巨人も、初戦に偽装スクイズという奇策で、相手バッテリーを揺さぶったことに味をしめ、続く第2戦の2回無死1塁の先制機にイスンヨプに単独スチールを命じ、あっさりと刺され、攻撃のリズムを損ないダルビッシュを崩しそこなっている。
しかし巨人はその後も、第5戦8回の鈴木の初球盗塁に代表される足を使ったオプションを捨てずに、相手守備陣に圧力をかけ続けた。
第6戦での2つの走塁は、その継続という意味で象徴的なプレーだ。
巨人を遥かに上回る機動力をシリーズ中盤で駆使しながら、たったひとつの盗塁死で全てを封印し、それにより硬直してしまった感のある日本ハムの攻撃。
継投やバントとともに、走塁が明暗を分けた日本シリーズだった。
posted by Mirimpa |16:12 |
日本シリーズ 2009 |
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2009年11月07日
日本シリーズ第6戦
巨人2-0北海道日本ハム(巨人4勝2敗 優勝決定)
巨人が、日本ハムを4勝2敗で下し、7年振りの日本一に輝いた。
チームならびにファンの皆様、おめでとうございます。
日本ハム打線は、毎回の11安打を放ち、6度得点圏に走者を進めながら、巨人の6投手の粘り強いピッチングと捕手阿部の強気のリードの前にことごとく後続が凡退し、13残塁の完封負けでシリーズを終えた。
特に、リードオフマンの田中が見事な粘りから3本のクリーンヒットで無死から出塁し、3度とも2塁に進みながら、攻撃の核である稲葉が外の球に全く反応できず3三振とブレーキになり打線が分断されたことにより、マイナスの波状効果が広がり、チャンスの場面で各打者から思い切りが欠けたことが悔やまれる。
森本のバント失敗や、東野のアクシデント後緊急登板した内海に対して、初球の狙ってもいないスライダーに手を出して助けたスレッジのバッティングで初回に先制できず、後手に回った感も否めない。
守っても、このシリーズ素晴らしいポジショニングと安定した送球で外野陣を引っ張った稲葉の信じられないエラーにより、どうしても阻止したかった2点目を献上。
序盤は堅実な守備で投手を盛り立てながら、4戦目以降は3試合連続でエラーを犯し、12球団一の守備網にもほころびが出て、巨人に付け込む隙を与えた。
このシリーズを通じて最後の1本が出なかったため、散発の印象を禁じえないが、ペナントレース2点台の防御率を誇る巨人投手陣から6試合で54安打を放った打力は、去年までの貧打線からの長足の底上げを示すもの。
個々の打席でも、打球方向や狙い球に明確な意思を感じさせるものが多く、最多の689得点を叩き出した切れ目のない打線の本領の一端を垣間見ることができた。
万全でない中であれだけのパフォーマンスを見せた金子や、再三のファインプレイを見せた小谷野に代表される守備力も、遥かに巨人を上回る質の高いもの。
その中でも、無駄な塁を与えないため、愚直なまでに励行するバックアップが、とりわけ目を引く。
技術だけでなく、この姿勢を他球団も見習うべきだろう。
いつも全力疾走で守備につく稲葉の背中を見て育った選手達が、着実に力をつけて臨み、僅かに及ばなかった今回の日本シリーズ。
しかし、「つなぎのバッティング」が「決めるバッティング」より劣ったわけではない。
来シーズン、日本ハムがより一層自分達の野球に磨きをかけるとともに、何かをこの敗戦から身につけてこの舞台に戻ることを心待ちにしたい。
巨人打線はシリーズを通じて、中日戦にピークを置いたため下り坂だったのか、決して本調子には見えなかった。
打席での粘りがあるわけでもなく、甘い球を1球で決める集中力にも欠け、ボール球に手を出す。
それでも僅差の競り合いの中で、少ないチャンスを着実に活かし、終わってみれば、日本ハムを下回る50安打で奪った得点は21点で、いつの間にか相手を凌駕していた。
この試合でも、この6試合で最低の6安打ながら、2度の1イニング2本のヒットをいずれも得点に結びつけるそつの無さ。
投手陣も、先発投手東野の負傷退場も、内海が名誉挽回のナイスピッチングで穴埋めし層の厚さを示すとともに、後続のブルペン陣もヒットは許すものの勝負所では球威で相手打線を制し、失点を許さない完封リレー。
充実の救援投手陣は、質量ともに抜きん出ていた。
シリーズ前のエントリーで、巨人には、最強の敵である日本ハムの強さに触発されて、更なる強さの奥行きを見せて欲しいと書いた。
で、6試合を通じて見せてもらったのは、ゲームを勝ちきる力の高さ。
それぞれのジャンルでは日本ハムも高水準で、むしろ巨人を上回るものが多かったが、ベンチワークも含めこれら全てを結集した総合力において、今年の巨人は頭ひとつ抜けていた。
補強に補強を重ね、戦力は日本一と言われながら、同居する脆さゆえ覇権から遠ざかっていたチーム。
それが、育成選手の抜擢や若手の底上げによる選手間競争の激化と、原監督の、その全てを使い切る用兵があいまって、飛躍的に選手層に厚みを増した。
そして勝ちながら勝ち方を学んだチームは、強い精神力としたたかさを身につけ、中日、日本ハムとの戦いを経て完成した。
完調のダルビッシュと巨人打線のぶつかり合いも見たかったが、それは来年のお楽しみか。
日本シリーズ漬けの楽しい1週間が終わり、一抹の寂しさとともに冬が来る。
今終わったばかりなのに、球春の到来が待ち遠しい。
木村選手、引退とのこと。
お疲れ様でした。
第4戦で最後まで引っ込めなかった原監督の采配は、これを踏まえてのものだったのだろうか。
posted by Mirimpa |21:40 |
日本シリーズ 2009 |
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2009年11月07日
先週の土曜日、札幌で開幕した日本シリーズも早一週間が経過し、5試合を戦い、巨人が3勝2敗で日本一に王手をかけた。
今日からは再び、ファイターズの聖地札幌ドームにその舞台を変える。
巨人の多士済々の救援投手陣でも、最も重要な役割を担うのは、あらゆる場面での登板が可能で、安定した力を発揮する左腕山口だ。
その、原監督手持ちの最強カードが、この日本シリーズで期待通りの結果を残していない。
第3戦では、スライダー以外全て右打者の外に抜けてしまう大乱調に加え、けん制悪投というやらずもがなのミスまで引き起こし、危うく逆転のピンチを招いた。
ここから開き直り、高橋をセカンドゴロダブルプレーに切り取り事なきを得たが、第5戦ではその高橋に、絶対ホームランだけは打たれてはいけない同点に追いついた9回という場面で被弾。
またもチームを敗戦の淵に追い込んだ。
前の回を無難に抑え、この回も先頭の稲葉を素晴らしいスライダーの切れで三振に仕留めていたが、2ボールからの甘いカウントボールは、それとは似ても似つかぬものだった。
亀井と阿部の回生のふた振りに助けられ、勝ち投手の権利まで得た強運は相変わらずだが、去年の西武との日本シリーズでもシーズンの疲労から3試合の登板にとどまっており、不安はつきまとう。
それでも、クルーンが僅差での登板で不安定さを露呈し、越智にあっさりと四球を配給する悪癖が出てはいるものの、無失点の豊田を含め勝敗を左右する失点は喫しておらず、第4戦を除きブルペンはなんとか試合を作り続けていると言えるだろう。
対して日本ハムのブルペンは、第2戦以外毎試合痛い失点を重ねている。
初戦は、建山、林、江尻の3人で試合を決定づける追加点を献上。
第3戦では、菊地がピンチを作り、またも江尻が阿部に打たれ、反撃ムードをつぶした。
第4戦では、7点差リードで出て来た右のセットアッパー金森が大炎上し楽勝ムードを吹っ飛ばした上に、寝ていたラミレスを起こすおまけつき。
一昨日の試合でも、8回に建山が軽率なデッドボールで作ったピンチを、林がけん制悪投で広げ、大道には痛恨の同点タイムリー。
クローザーの武田久も甘い制球を突かれ、わずか4球で2本のホームランを献上し、シリーズの焦点になりかねない逆転負け。
宮西以外全ての投手が、傷を負った。
梨田監督の、全ての試合を勝ちに行っているとしか思えない投手起用も、影を落としている。
4戦まで使い続けたゆえ、その宮西を第5戦の重要な場面で使えず、代わりに起用した林も登板過多でキレを失いつつあり、前日火だるまの金森は出番なし。
交代機を微妙に遅らせている上に、投手の選択が首尾一貫していない。
今日の試合でも、気がかりな点だ。
その上、日本ハムバッテリーが、相手の足の切り札である鈴木を全く止められる気配がないため、終盤を僅差で迎えたときの不安は巨人より大きい。
シーズン中同様左投手を攻略できていない巨人打線を、引き続き武田勝が最小失点で凌ぎ、第2戦で捕まえ損ねた東野を打線が序盤から打ち崩し、余裕を持って救援陣につなぎたい。
その意味で、内海、高橋の両左腕は見事に叩いたものの、巨人の右投手を打ちあぐねている日本ハムの打線が、東野にどう立ち向かうかに注目している。
金子の欠場により、打線の機能が低下している現状では、田中、稲葉、スレッジ、糸井の左打線にかかる比重は重い。
特に、インコースを攻められ続けすこし開き気味の稲葉と、変化球攻めにじれ始めているスレッジの奮起が不可欠だ。
posted by Mirimpa |16:02 |
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2009年11月05日
日本シリーズ第5戦
巨人3-2北海道日本ハム(巨人3勝2敗)
2回表、古城と小笠原に出たエラー2つで、日本ハムが先制。
8回裏、デッドボールとけん制悪投に、大道の田中のグラブをかすめるような渋いタイムリーで同点。
お互いに、1点差し上げますとばかりに献上しあった1対1の同点で迎えた最終回。
マウンドに上がったのは、両軍共に最も信頼する救援投手である巨人山口と、日本ハム武田久。
ともにシーズン1.2台の防御率を誇り、1本しかホームランを打たれていない安定感溢れる2人の投手が、9回の表と裏で3本のホームランを喫し、1本多く被弾した武田が今年初めて敗戦投手になり、巨人に日本シリーズ王手がかかった。
日本ハムは、藤井の渾身にして最高のピッチングを活かし、1対0で勝つべき試合だったが、8回に出てきたのは昨日大炎上した金森ではなく、好投した建山。
しかしここで建山がイスンヨプをすんなり追い込みながら、痛恨のデッドボール。
代走鈴木が、その走力と阻止率2割台の日本ハムバッテリーを天秤にかければ当然の選択である盗塁を成功させたものの、坂本がランナーを進めることができず三振した1死2塁で登場したのは、4連投後の宮西ではなく、これも4度目の登板になる林。
無駄なけん制悪投で坂本のミスを帳消しにした林は、大道との一騎打ちにも、フォークを投げきれず根負けして同点。
ミスでもらった点をミスで返せば、勝機も薄れる。
短期戦とはいえ、緊張の連続である日本シリーズでは、過度の登板は禁物。
投げる試合全部で力を出し続けるスーパーリリーバーは存在しにくいこの舞台で、7点差で楽勝のゲームにわざわざ金森を使って深手を負わせ、大事な1点差の勝ちゲームで出せない状態にした上に、負け試合にも宮西を出し続け、肝心な場面で使うことがかなわない投手起用は、やはり疑問だ。
しかも、過去2戦でも球が高く、危うい登板が続いていたクローザー武田久が、生命線であるコントロールが利かず、わずか4球で暗転のサヨナラ負け。
両軍の1番打者が出塁できず、3番打者の内容が悪ければ、そうそう点は入らない。
両先発ピッチャーの好投があいまって、このシリーズでは珍しいロースコアの展開になったが、山口が高橋の1発に被害をとどめたのに対し、日本ハムの3投手は、それぞれのミスによりまたも傷を負った。
ブルペンは満身創痍で、かなり厳しい状態だ。
今後先発としては登板予定のない八木や藤井の投入も、考える時期だろう。
DHが使える本拠地札幌ドームと、エースダルビッシュの登板、糸井、高橋、小谷野が好調維持。
日本ハムに巻き返しに向けた好材料も残っている。
自慢の選手層の厚さと、下位のクリーンアップの爆発により、重苦しい負けゲームから一転し九死に一生の巨人だが、この試合丹念なピッチングで試合を作った大黒柱ゴンザレスの後を受けた残り2試合、先発投手のやり繰りは、そうそう楽な状況ではない。
圧倒的なファンの後押しの元、つなぎの野球を取り戻して中盤までにある程度の点差をつけて、再整備した救援陣に余裕のある状況でリレーすることができれば、最終戦で逆転という去年の西武の再現も実現性を帯びる。
それにしても、野球ファンとしては堪えられない、本当に面白いシリーズになってきた。
フルセットの死闘を期待したい。
posted by Mirimpa |22:23 |
日本シリーズ 2009 |
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2009年11月05日
それぞれのリーグを危なげなく勝ち抜き、クライマックスシリーズでも2位チームの挑戦をあっさり退けたチャンピオン同士の激突になった今年の日本シリーズも、4戦を終えて2勝2敗の互角の展開。
残り3試合の内2つ先に勝った方が日本一という、超短期戦の様相を呈してきた。
勢いがものを言う短期シリーズとはいえ、最長で7試合同じ相手と戦い続けるという、ペナントレースでは経験できないマラソンマッチでもあり、それぞれの長所や弱点がつぶさに出るという点では、地力勝負の側面も否定できない。
巨人の弱点は、特に日本人の先発投手と、ラミレスやコンバートをした選手の守備力。
投手については、補正ができていない。
内海、高橋ともに、序盤に4失点ずつの火だるまで試合を壊したという結果が、残酷なまでに如実にそれを示している。
残り3試合を両外国人と東野で賄うとすると、今年最後の先発登板が序盤ノックアウトで終了という寂しい結果で終わりそうだ。
守備については、昨日の第4戦の7回無死で、田中のライト線スリーベースをあっさり許した亀井に、急造1塁手へのコンバートの弊害が出た。
無死での長打警戒、及び前の打席でもインサイドのボールを1塁線に引っ張りにかかった田中であれば、1塁手としてラインを固める必要があった。
この後、森本のスクイズで致命的な6点目が入り、試合は事実上終わった。
外野での守備力を買ってWBCにまで呼んだ亀井を、経験のないポジションに動かしてディフェンス力を低下させてまで、更なる攻撃力の強化をする必要があるか、疑問がある。
日本ハムへの懸念は、救援投手陣の質と、DHのないセリーグ野球へのもろもろの対応である。
勝ちパターンの宮西、金森、武田久以外の面々が出てきたとき、つまり多少の劣勢や同点での継投で、一気呵成に巨人に打ち込まれ、試合を壊さないかという危惧だが、林は古巣に意地を見せる投球を見せているが、江尻は2度とも重要な場面を鎮められず、菊地も多少不安の残る内容だった。
その上、右で最も信頼している金森が昨日完璧に打ち込まれ、武田も登板した2試合とも、シーズン中より球が高い。
中継ぎの柱を、好調を保つ宮西と、見慣れない横手からの大きなスライダーに交流戦でも巨人打線が戸惑いを見せていた建山で再構成するのも有効だと思う。
DHのない東京ドームでの弊害は、レフトにスレッジが入ることによる守備力の低下と、パリーグを席巻した断点のない打線が組めないことによる得点力の低下。
第3戦で、その両方が出た。
小笠原の勝ち越しツーベースは、森本と糸井なら共に追いついている打球であり、深追いした上に全く追いつかないスレッジの守備力はやはり低い。
その上、金子の負傷欠場により、内野にも不安が浮上している。
打線はやはり1番から6番までが力を結集しないと、まとまった点は取れない。
第3戦ではそれが出来ず、昨日の試合では、高橋と小谷野を中心に見事につながった。
今日の試合も、ポイントは変わらない。
打線の力は、やはり両軍とも相手投手陣の力量を凌駕しており、総じて活発。
日本ハムはこの4試合で39安打、19得点で、巨人が37安打、17得点、ホームランは両軍ともに6本ずつ。
ただし、奪った四死球は12個を選んでいる日本ハムが、巨人の6個を凌駕しており、この粘りが2点の得点差になっている。
幸い、懸念された巨人の3番4番の100打点コンビも昨日の終盤ようやく目を覚ましたようで、得点力が上がる。
これからは、どちらにも目立った逆シリーズ男が出ない本来の打力での勝負になりそうだ。
ダルビッシュの存在が際立つ今後の戦いだが、さすがに完投まで期待するのは酷だろう。
鍵を握る中継ぎ陣は、打線に点在する巨人の主力左打者を封じるために、日本ハムの左投手、4連投の宮西と3試合登板の林への負担が高くなっており疲労が懸念される中、勝勢と劣勢でそれぞれのグループが対応している巨人に、余力という点で分がある。
日本ハムは、投手への負担を減らすために、中盤までにまとまった点を取り、確たる主導権を握ることが勝利への最短ルート。
巨人は総合力で上回りながら、中日とのクライマックスシリーズでは見せなかった隙が随所の表出し、そこを突かれている。
今年やってきた野球を、今一度思い出して実践することが全てだ。
今日のポイントは、中盤でスタミナ切れになる特性を持つ先発藤井が特徴を発揮する前に、日本ハムがリードすること。
初戦で、ヒットは打ちながら捕らえ切れなかった巨人の先発であろうゴンザレスへの、足を絡めた攻めに注目したい。
posted by Mirimpa |12:18 |
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2009年11月04日
日本シリーズ第4戦
北海道日本ハム8-4巨人(2勝2敗)
谷の2塁打と阿部の進塁打で作った2回1死3塁の先制機で、初球のボール気味の外角速球に何となく手を出し、あっさり凡退。
森本の1・2塁間の進塁打狙いのゴロを、フィールダースチョイスまがいのプレーでオールセーフにした3回の守備。
5回挽回のヒットをノーアウトで打ったと思ったら、八木と大道のギリギリのせめぎあいの中、何を思ったか釣り出されて、けん制死。
木村1人でこれだけボーンヘッドを重ねた上、1番2番が3打席まで全部出塁しながら、1度もホームに返せないクリーンアップ。
主審が右バッターのインサイドストレートをストライクに取らないのに、ムキになってそこに投げ続けカウントを悪くして、ストライク欲しさに投じた甘いボールを痛打された先発高橋。
去年の西武との日本シリーズや、今年の交流戦で日本ハムに火だるまにされたことが教訓として活きていない、不甲斐ないピッチングだった。
丁寧かつ大胆に、辛抱強く粘りのピッチングを続けた八木とは対照的である。
巨人にとって今シリーズでもっともストレスがたまる展開の敗戦で、日本シリーズの決着は札幌に持ち越しになる。
日本ハムは、昨日の粘るだけで決め手のない攻撃から打って変わった積極性で高橋を攻略し、序盤のビッグイニングにつなげた。
両軍無得点の3回、1死1塁2塁で打者稲葉の初球に、田中が3塁盗塁。
森本が2塁に走らないミスも稲葉が四球を選び帳消しにすると、4番高橋がつなぎの右打ちを捨ててインコースを思い切り引っ張り、2点を先制した。
小谷野も狙い通りの右打ちで、第2戦に続く1イニング4得点。
その後もスクイズや代走を有効に使い着実に加点する、縦横無尽、梨田監督会心のゲーム展開だろう。
守備でも、稲葉が再三ランナーを釘付けにする好守を見せ、二岡が1塁に高投した際には、捕手鶴岡が進塁を防ぐナイスカバーリング。
この、無駄な塁を与えないため愚直なまでに励行するカバーこそ、日本ハムのディフェンスの真骨頂である。
ただし、金子の欠場が続くショートについては、前述の二岡に続き、代わった飯山もエラーを犯し、巨人の反撃を呼び込んでいる。
隙を作れば一瞬で局面が変わる短期決戦なので、大勝に浮かれることなく、正すところは正す必要がある。
すんなりと試合が終われば、このシリーズで初めて日本ハムが優位に立つかと感じていたが、このエラーをきっかけに、ラミレスが異常なまでの集中力を突如として発揮し、打つべくして打った3ランホームランにより、8回にはセットアッパー金森をノックアウト。
9回も、クローザー武田に2本のヒットを浴びせ、遅まきながらも目を覚ましした巨人の攻撃は、7点差を感じさせない迫力があり、日本ハムの楽勝ムードに水を差し、第5戦にまで影響を与えかねないものだった。
勝ったほうが王手の第5戦、序盤で大量にリードしたら日本ハム、競り合えば巨人に分があると思うが、両軍ともに全員の選手が目を覚ました以上、総力戦は必至。
本当の強さを持っているのはどちらか、はっきり見える戦いになると思う。
それにしても、最後まで汚名返上の活躍は見せられなかったが、木村を最後まで使い切って、腐らせなかった原監督の采配には、うなるものがある。
木村は、きっと胸に秘するものがあるだろう。
明日以降が楽しみだ。
posted by Mirimpa |20:13 |
日本シリーズ 2009 |
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2009年11月04日
日本シリーズ第3戦
巨人7-4北海道日本ハム(巨人2勝1敗)
初戦の水も漏らさぬような緊密感のある戦いから、試合を重ねるにつれて、互いの圧力により徐々に弱点を顕在化させ始めた今年の日本シリーズ。
ついにこの試合で両軍ともに大きな綻びを見せたが、敗れたのは、そこにつけ込めない日本ハムだった。
2回表、初回の稲葉に続いて小谷野が追い打ちのソロホームランをセンター右に打ち込み、続く二岡がセンター前ヒットで続いた、試合の大勢を決めるべき序盤の急所。
元来コントロールが悪い上に、被弾の動揺で更に安定を失っているオビスポに対し、鶴岡がフルカウントからのヒットエンドランで、外角の届きそうもないボールのスライダーにバットを出し、三振ゲッツー。
3回表は、四球2つで貰った2死1塁2塁で、4番高橋が速球に力負けして逸機。
8回表にも、珍しいほど出来の悪い山口の1人相撲にエラーまで加わり、1点を貰いなお無死1塁2塁の同点機で、再び高橋が進塁打狙いを相手バッテリーに逆手に取られてゲッツー。
僅か3度しか作れなかったチャンスを全て潰し、その裏の敵の攻撃でことごとく点を取られれば、流れが相手に傾くのは自明の理だ。
ソロホームラン2発という、らしくない点の取り方ながら、第2戦勝利の勢いそのままに握った主導権は、3回以降1度も自軍に戻らなかった。
糸数のピッチングを見たのは、交流戦で中日に3回足らずで10点取られた試合と、岩隈に投げ勝ったクライマックスシリーズを加え3度目。
9月以降昇り調子との前評判通り、両コーナーに多彩な変化球を投げ分けながらも、勇気を持って各打者の懐を攻める威勢のよいピッチングを展開したが、随所に制球が甘くなり、相手の強力な左打線に痛打された。
特に小笠原の1度は勝ち越しになるホームランは、フェアかファウルか非常に微妙な1塁ゴロの2球後に打たれたもので、不振のさなかで儲け物と開き直って打席に入る打者に対するものとしては、細心さに欠ける投球だった。
その後のベンチの投手起用も、全て裏目。
5回、投手のオビスポに痛烈な3塁ライナーを打たれ、坂本には2ナッシングから、チームとしてこのシリーズ初の四球を与え、松本に変化球攻めを見透かされてレフト前に運ばれた2死1塁2塁。
既に糸数は、交代機に見えた。
しかもバッターボックスには、先ほどホームランで明らかに気分を良くしている小笠原であれば、用意していた左投手林の出番ではなかったか。
次の4番のラミレスが、全く糸数にタイミングが合わない凡退をしていたことや、前回登板の林の出来などから判断したのだろうが、DHのない東京ドームでの試合のため、レフトに森本ではなくスレッジが入っていためぐり合わせの悪さも重なり、梨田監督の思惑は見事に外れた。
8回裏、1点差に追いすがった直後のピンチでも、1点も許さないとばかりに、勝ちパターンの左セットアッパー宮西をワンポイントで投入しながら、谷に対しては金森ではなく、初戦でコントロールミスにより痛恨の追加点を許した江尻を選択。
はたして江尻は、代走鈴木に無警戒で2塁盗塁を許し、谷にストライクが入らず四球で全ての塁が埋まる。
なおも続投指示の選択はまたも外れ、阿部の2点ライト前タイムリーで試合は決まった。
前回のエントリーで書いたが、日本ハムのブルペンは、勝ちパターン以外で出てくる投手に不安がある。
あと2試合、継投を前提に本格化しつつある巨人打線と狭い東京ドームでやりあうにあたって、宮西と金森以外に1人でも多く計算できる投手を作りたいという意図があったことは想像に難くない。
しかし、それでもなお、最善を期してこの1勝に拘るべきだったと思う。
林に目途が立ったものの、7回に3者凡退と好投した菊地を2イニング目まで引っ張っり、四球と内野安打でピンチを作ってからの交代で悪いイメージを残し、江尻はこのシリーズ起用が難しくなった。
戦力発掘の成果より、代償の方が大きかったと見るべきだろう。
巨人は、初回から坂本と松本がファウルで粘るなど、自分達の野球を取り戻そうとする姿勢が見えた1戦。
ソロ3発の後は、日本ハムがこれまで出さなかった四球を着実に点にする抜け目のなさを発揮し、最終回にはこのシリーズ初めて相手を戦意喪失に追い込んでの勝利。
守りの破綻は修正すべきだが、イスンヨプの先発起用が当ったことにより、選手の選択肢が更に広がるなど、明日以降の展望は明るい。
日本ハムは、数字以上に苦しい。
負傷欠場の金子のほかに、スレッジ、糸井、森本のいずれかを落とした上に9番に投手が入る打線で、あと2試合。
田中と稲葉に当りが出ているため、余計つなぎの意識が強すぎて結果を悪くしている高橋の奮起が不可欠で、変化球攻めに対応できず、ボール球に手を出し始めたスレッジも修正の必要がある。
いずれにせよ下位打線の弱体化は避けられない以上、1点を着実の積み重ねるシーズン中の打撃が、より求められる。
ソロホームラン3発の後、むやみに振り回して凡打を重ねたこの試合を繰り返していたら、札幌へ帰ることは叶わないだろう。
それにしても、小笠原の左中間への2点タイムリーは、WBCのキューバ戦で打った、霧の中で相手の落球を誘った先制2点打と良く似通っていた。
WBCではそのまま日本が優勝したが、今回は果して…
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2009年11月03日
近年の両リーグで傑出した成績を残している日本ハムと巨人が、遂に顔を合わせた今年の日本シリーズ。
序盤、1勝1敗のタイで、今日から東京ドームに決戦の舞台を移し、主導権の争奪が始まる。
3時間後にはプレイボールだが、その前に過去2試合を振り返って見たい。
投手については、日本ハムの建山と林、巨人の内海以外は皆結果オーライを含めて、それなりに役割を果たしている。
特に日本ハムの投手陣は、シーズン中1試合あたり3.6個の四死球を与え懸念されていただけに、2試合を無四球で乗り切り、走者を置いての長打という相手打線の特性を出させなかったことは大きい。
勝ちパターンのブルペン陣も好調を維持しており、2戦目の宮西と金森は、上り調子の勢いそのままの、自軍に来ている流れを離さない好投。
反面初戦で、1点差に迫りきっちり抑えたい7回に登板した建山と林が、それぞれ制するべき右の谷、左の阿部に苦もなく打たれ、後を受けた江尻もコントロールミスでイスンヨプにタイムリーを許した。
結果的に試合を決める追加点を奪われたこと以上に、劣勢での継投に不安を残す結果となっている。
巨人は、優位に立った初戦、劣勢の2戦目に登板した2つの継投チームが、それぞれ役割を果たした。
勝ちゲームを勝ちきるグループと、終盤の逆襲を可能にするために点差を広げさせない仕事をまかなうグループ。
この2つの継投パターンを持つチームは強い。
両軍の打力と先発投手との兼ね合いを見たとき、継投にかかる比重は大きく、先発が大破しない限り試合を作れる巨人ブルペンの優位は動かないだろう。
ただし、内海はもう今シリーズでの登板は厳しいのではないか。
7戦まで行くのなら、東野だろう。
守備については、両軍ノーエラーという締まった守りあいを展開しているが、記録に残らないミスは散見されており、致命傷になりかねない。
日本ハムには、初戦の武田のファンブル、2試合続けて許した振り逃げ。
巨人は、相手打者の特性とは間逆の守備体系を敷いてヒットにしてしまっている場面が多い。
スレッジへの攻め方の徹底を含め、この2試合の生きたデータを加え練り直すべきだろう。
坂本のスローイングも不安定。
特に二遊間のゴロを捌いてからのランニングスローでは何度も1塁ベースからそれており、小谷野のゴロをセカンドに投げたのは、この影響もあるのではないか。
ただし、守備範囲の広さは傑出しており、何度もヒットを内野安打止まりにして、相手の進塁を最小限にとどめた。
守備陣トータルとしては、シーズン中よりはるかに堅実で締まっており投手を助けている。
日本ハムの守備力は、さすが12球団ナンバーワン。
特に金子の流れるようなゴロ捌きと強肩、小谷野の3塁線への対応は素晴らしく、1塁高橋の安定も含め内野の充実度は、打てなくても守り勝つというオプションを可能にしている。
ただ、田中の1・2塁間のゴロに対する反応がすこし鈍いような…
前は、もっと守備範囲が広かったような気がする。
打線は、日本ハムが金子以外皆額面通りの力を発揮しているのに対し、巨人打線はまだ本来の姿を見せていない。
早打ちの割に打ち損ないも多く、挙句に粘りなく三振も多い。
結果として、瞬く間の3者凡退が、2試合で9回。
特に1番から3番までは、ヒットは出たものの…という状態であり、右へのヒットが出て一安心のラミレスをはさみ、5番の亀井も凡退の打席での内容が乏しすぎる。
打線は水ものであり、本拠地に戻りどのように変わるかわからないが、今の状態では打ち合いには持ち込めない。
チーム打点王、小笠原の目覚めが不可欠か。
日本ハムもヒットは連ねる割に、決定打が少ない。
第2戦の3回以外は、巨人投手陣の粘りと球の力の前にてこずっているというのが実情だろう。
4番高橋が非常に良い状態にあり、糸井に売り出しの頃の活気が戻りつつある。
やや下降気味の小谷野、つなぎの要である金子の覚醒により、DHで輪の打線が使えない弱みを補っていかないと、この3試合が厳しくなる。
梨田監督が堅実に試合を運んでいるのに対し、2回無死2塁で5番亀井にバントさせながら、続く3回の無死1塁、走者イスンヨプ、9番古城の打席で単独スチールを仕掛けた作戦を含め原監督の采配に疑問がある。
これは、流れを引き寄せるため時折見せる、お得意の奇襲に類する作戦だが、0対0でまだどちらにも流れが行っていない状況では、無理な作戦は往々にして相手に主導権を差し上げる結果になる。
前の回に続き得点圏に走者を送り、ダルビッシュにプレッシャーをかけ続けることを選択したほうが、嫌がられる戦法だったのではないか。
送って1死2塁、初戦決勝打を放った訳のわからない打者坂本、交流戦で痛い目にあった松本を送り出せば十分だったように思う。
この日の巨人は、故障上がりのダルビッシュに対して、バント攻撃を仕掛けるでもなく、球数を放らせるために粘るでもなく、嫌がらせるような作戦は皆無。
手負いの相手だから正面から正攻法で倒せるとでも思ったのか、初戦を取った余裕なのか、何をしてでも勝つという、中日との戦いでは見えた必死さは見えなかった。
きれいに勝つとか、華麗なる奇襲とかは必要ない。
泥臭くてもカッコ悪くても、とにかく先に4勝する。
ベンチ、選手ともに統一された意識の元に総力を結集しないと、去年の二の舞が待っている。
posted by Mirimpa |12:59 |
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2009年11月02日
日本シリーズ第2戦
北海道日本ハム4-2巨人(1勝1敗)
日本ハムのエースダルビッシュが、初戦に続きこの試合で敗れれば崖っぷちというチームの危機に、マウンドに戻ってきた。
現在の体調と可能なパフォーマンス、今後への影響、チームのおかれている状況を鑑みての登板だったのだろう。
個人的には無理してほしくなかったが、何よりも本人の決断であればテレビ桟敷の観客としては見守るしかない。
心配半分、期待半分といったところなのだろう、札幌ドームを埋める観客の異様なまでの大声援の中、試合が始まった。
1番坂本、2番松本と、普段より腰高で、高いリリースポイントから投じる速球で押してツーアウト。
ここで小笠原を迎えると、一転変化球を多投し、インローのボールになるカーブで三振を奪った。
この試合の基調となるピッチングパターンが通用した瞬間だ。
2回以降、浮いていたカーブが低めに集まりだすと、スライダーとの間で緩急をつけ、5回2死満塁で小笠原の初球にこの日1番力のある速球を投げ込むまで、変化球のコンビネーションで幻惑し、巨人打線のスイングに迷いを与えた技巧に溢れたピッチング。
低い重心からの腰の捻転を使わずに、普段7足分ある踏み込みを6足に縮め、後ろから前へのスムーズな体重移動を活かした高い位置からの角度ある投球を選択し、負傷箇所への負担を軽減する工夫。
去年、西武の岸が巨人打線をカーブを主体に封じたビデオを参考に自分なりにアレンジし、滅多に投げない速球を意識させる投球術。
そして、何よりも強い気持ち。
まさに、一世一代のピッチング。
エースが、その能力の高さと気概を十二分に発揮し、チームを強力に後押しした。
打線もその熱投に呼応し、序盤に待望の集中打で内海を一気に崩し、主導権を握った。
6度得点圏にランナーを送りながら、4回の4点以外は活かせなかったことは、初戦に続く反省材料ながら、田中、稲葉、高橋、糸井と低めの球を非常にうまく拾っている上に、2試合で巨人投手陣に297球を投げさせて、5個の四球を選びながら、三振は僅か13個。
打線としての粘り強さが出ている。
勝ちパターンを形成するブルペン陣も、主導権を決して離さないという気迫に満ちたマウンド。
宮西の力感、金森の精度、武田の安定と、それぞれの持ち味がでており、強力打線を寄せ付けなかった。
巨人は、ダルビッシュに気持ち負けしたような内容稀薄な試合運びで、完敗。
2回、無死2塁という先制のチャンスで、亀井が2度送りバントを失敗した挙句、進塁打も打てずボールを振って三振。
3回の無死1塁では、ダルビッシュ与しやすしと見たのか、ベンチがイスンヨプに単独スチールを指示し失敗。
6回には振り逃げでチャンスをもらった亀井が、相手のワイルドピッチの隙に2塁を陥れながら、ベースから足が離れタッチアウトの凡ミス。
1度もゴロで左右を抜かさない素晴らしいエリアカバーリングを見せながら、小谷野の打球の時だけ間に合わない2塁に投げた坂本の判断。
稲葉のホームランの後、大事な2点目を巡る攻防で、追い込んだスレッジに何を思ったかストライクの速球で勝負し、あっさり打たれる内海。
打線の早打ちや淡白さも目立ち、2試合245球の相手投球に対し、奪った四球は0、取られた三振は17個を数え、相手投手を楽に投げさせている。
どれほどの戦力と完成度を持つチームも、粘りはないが隙はあるプレーを続けていたら、勝利は覚束無い。
相手は、強打堅守のパリーグチャンピオンだ。
中継ぎ投手は安定している。
打線も、何はともあれ全員にヒットが出た。
明日からは得意の東京ドームでの試合だ。
今一度、初戦で満ち溢れていた勝利への意志を前面に出したプレーを展開し、原監督言うところの、胸と胸を付き合わせた野球を見せて欲しい。
狭い上にDHのない東京ドームでは、野球が変わる。
レフトに入るだろうスレッジ。
未だ目覚めない金子の打順。
日本ハムの順応力も、試合のポイントになるだろう。
posted by Mirimpa |12:30 |
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