須賀啓太のTriathlonレポート

自業自得、自らペナルティ以上の代償を払ったマレー

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トライアスロンの世界最高峰カテゴリー、世界トライアスロンシリーズ(以下:WTS)の2016シーズン第7戦ハンブルク大会男子のレースが、現地7月16日ドイツのハンブルクで行われた。

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そのレースにおいて、優勝候補の一人であった南アフリカの強豪リチャード・マレーは二つの前代未聞の出来事を起こす。

一つ目はスイムからバイクへのトランジションにおいて、スイムキャップやゴーグル、ウェットスーツを入れるボックスを間違えて隣の選手のボックスに入れたのだ。 これによりマレーは所定の位置に納めなかったとして、ランで10秒のペナルティストップを受けなくてはならなくなる。 トランジションを急ぐあまり、ボックスからアイテムがこぼれてペナルティを受ける事はレースシーンではよくある。しかし、それは自分のボックスでの話。他人のボックスと間違えるというのは前代未聞だ。

二つ目はそのペナルティを受けた後、マレーはペナルティをカウントしていたテクニカルオフィシャル(審判)に向かって挑発的ジェスチャーをしたのだ。これによりマレーは2位入線するも、後にこの行為がアンスポーツマンライクを取られ失格となる。これもまた前代未聞。

マレーは一体なぜ、テクニカルオフィシャルに向かってそのような行為を行ったのか。 ペナルティを受ける際、納得いかない感じで何かを訴えている様子が見られたマレー。 レース後、彼の公式フェイスブックのコメントによると彼はなぜ自分がペナルティを受けなければならなかったのかわからなかったという事だ。

ペナルティを受けなければならない選手ははランのコース中に設置されたペナルティボックスに自分のレースナンバーが表示され、ランのどの周回でもいいので、そこに入ってペナルティを受けなければならない。しかしその時にペナルティの理由を知らされる事は無い。というよりカウントしているテクニカルオフィシャルには説明している余裕も、レース中の選手にはじっくり説明を受ける余裕は無い。選手は皆自分のレースナンバーが表示されたら有無を言わずペナルティを受ける。 また選手は前述のトランジションを急ぐあまりボックスからアイテムがこぼれてペナルティを受ける時は選手自身もそれを認識している事がある。それでもアイテムをボックスに入れな直さないのは次のバイクで集団に入り損ねる事が、ランで10秒のペナルティを負うよりもロスが大きいからだ。

マレーも自身のレースナンバーが表示されている以上、一応ペナルティボックスには入る。しかしマレーは納得がいかなかった。彼はペナルティを受けなければならない見当がつかなかったのだろう。そりゃそうだ。ボックスを隣の選手のと間違えるなど前代未聞。まさか自身がそんなミスを犯しているとは思わなかった。

ボックスを間違えるという前代未聞のミスを自身が犯さなければ、ペナルティを受ける事もなく優勝する可能性もあった。挑発行為をしなければそのまま2位でレースを終えれた。 すべて自業自得。マレーは自ら本来のペナルティ以上の代償を払った。



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須賀 啓太(すが けいた)

フリーのテレビディレクター兼スポーツジャーナリスト。世界トライアスロンシリーズが開始された2009年から「世界トライアスロンシリーズ」や「NTTジャパンカップ」などトライアスロンのテレビ中継に関わり、海外現地取材も経験。また(社)日本トライアスロン連合ともオフィシャル映像撮影等で直に関わりを持つ。自身もエイジグループ(一般部門)での競技経験もあるが、テレビディレクターの目線からトライアスロンをやる楽しさではなく観る楽しさ。競技人口ではなく観戦人口を増やすために活動中。トライアスロン以外ではMLB、NFL、海外サッカー、インディカーのテレビ番組制作にも携わる。ご連絡は下記アドレスまで。

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