須賀啓太のTriathlonレポート

第21回日本トライアスロン選手権東京港大会2015 レビュー

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第21回日本トライアスロン選手権東京港大会2015 プレビュー

2015年日本トライアスロン界の総決算。第21回日本トライアスロン選手権東京港大会2015(以下:日本選手権)が10月11日(日)、東京都港区のお台場海浜公園周辺を舞台に、午前8時25分から女子のレースが、午前11時から男子のレースが行われた。

レース前プレビューはコチラ

女子は上田藍(シャクリー・グリーンタワー・稲毛インター)が女子史上最多となる4回目の日本選手権優勝をあげた。上田は最初のスイムを苦手とするものの今回はスイムから好位置につけ、次のバイクにおいてもチームメイトである佐藤志帆(稲毛インター)と共にトップグループを牽引、ランでは序盤こそ高橋侑子(東京都連合)に先行を許すも、2周目以降はランラップ2位に1分以上の差をつける世界トップクラスの走力を見せつけ優勝した。昨年の覇者、佐藤優香(トーシンパートナーズ、NTT東日本・NTT西日本、チームケンズ)は得意とするスイムをトップであがるも、今回上田が同じバイクトップグループに入った事もあり、最後のランでは勝負にならず2位に終わった。

優勝:上田藍(シャクリー・グリーンタワー・稲毛インター) 2位:佐藤優香(トーシンパートナーズ、NTT東日本・NTT西日本、チームケンズ) 3位:高橋侑子(東京都連合)

男子は三井住友海上の古谷純平が日本選手権初優勝。まず日本選手権9回の優勝を誇る田山寛豪(NTT東日本・NTT西日本、流通経済大学職員)が得意とするスイムをトップであがるも、次のバイクの7周目において同じトップグループに属していた山本康貴(チームケンズ京都)の落車に巻き込まれ落車。王者のアクシデントにより優勝争いはわからない状況に。そんななか古谷が得意とするバイクからランへのトランジションで一気に先頭に出る。2011年の覇者、細田雄一(博慈会)がそのあとを追うも、細田のランは思ったよりも伸びず。見事古谷が初優勝、またチームメイトであり同い年の椿浩平(三井住友海上)がバイク第2グループから追い上げを見せ3位に入った。

優勝:古谷純平(三井住友海上) 2位:細田雄一(博慈会) 3位:椿浩平(三井住友海上)

【女子】スタート前に決まっていた?上田の優勝

前述のレースダイジェストにおいて、「上田は最初のスイムを苦手とするものの…」と書いたが、上田は決して泳ぐのが遅いというわけではない。スイムが苦手イコール泳ぐのが遅い、というわけではないのがトライアスロンのような選手同士が同じコースをおよぐオープンウォータースイムである。同じコースを泳ぐと選手同士は頻繁に接触。息継ぎ中に他の選手の手や脚が顔に当たったり、混雑しやすいブイのあたりでは他の選手が上に乗り上げてくる事もある。上田はそういった接触、スイムにおけるバトルというものに弱いところがある。特に体の大きな外国人選手達と戦う世界戦においては特に顕著だ。 今回注目したのが選手達がスタートグリッドに着く位置取り。選手は横一列に隙間なく並べられた幅1メートルもないスタートグリッドから、レースナンバー順に好きな枠を取れるわけだが、今回インコースであるブイに向かって右端にまずレースナンバー1の佐藤優香が着き、そのすぐ左横に上田が着いた。しかしその後順々に選手がスタートグリッドに着くものの、上田の左横が5、6人分ほどぽっかりと空いてしまった。上田の左横にレースナンバー3の高橋侑子が着かなかった事が驚きではない。本来ならばスタートグリッドは出場選手分しか用意されないはずなのだが、なぜかその5、6人分は空いたままレースがスタートしてしまった。 左横は5メートルほど誰もいない、右横は佐藤がいるだけ。いくらスイムでのバトルを苦手とする上田でもそんな状況でスタートすれば、まずスタート直後のコース取りバトルを避け、その後も優位に泳ぐことができる。ただでさえ五割方上田が優勝すると見ていたのが、これにより七割ぐらいにあがった。 昨年の日本選手権ではスイムで19位と出遅れ、バイクでは後続グループに入り、その後得意のランで追い上げるも佐藤優香の逃げ切りを許す。それが今回スイムで4位という好位置であがってきた。そうするとバイクでの落車等のトラブルが無い限り、最後のランで上田に敵うものは日本国内にはいない。もちろん上田が昨年に比べスイムバトルに対応できるようになったという見方もあるが世界戦や他のレースを見る限り疑問が残る。私は今回、上田の優勝に大きく流れが傾いたポイントはレース前にすでにあったように思えてならないし、出場選手分しかないはずのスタートグリッドに空きがあったことは問題だ。

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須賀 啓太(すが けいた)

フリーのテレビディレクター兼スポーツジャーナリスト。世界トライアスロンシリーズが開始された2009年から「世界トライアスロンシリーズ」や「NTTジャパンカップ」などトライアスロンのテレビ中継に関わり、海外現地取材も経験。また(社)日本トライアスロン連合ともオフィシャル映像撮影等で直に関わりを持つほか、公認審判員の資格も持つ。自身もエイジグループ(一般部門)での競技経験もあるが、テレビディレクターの目線からトライアスロンをやる楽しさではなく観る楽しさ。競技人口ではなく観戦人口を増やすために活動中。トライアスロン以外ではMLB、NFL、海外サッカー、インディカーのテレビ番組制作にも携わる。ご連絡は下記アドレスまで。

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