須賀啓太のTriathlonレポート

ハンブルク大会はなぜ毎年優勝者が変わるのか

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2015世界トライアスロンシリーズ(以下:WTS)第7戦ハンブルク大会男子のレースが、現地7月18日ドイツのハンブルクで行われフランスのバンサン・ルイがWTSキャリア初優勝をあげた。ハンブルクは2009年の世界トライアスロンシリーズ開始以降、唯一毎年カレンダーに名を連ねる都市。今年で6回目の開催となるわけだが、最多の開催数を誇るにも関わらずハンブルク大会で複数回優勝した選手は無く毎年優勝者が変わる。但しそれは男子のレースに限り、女子では2009年、2011年のエマ・モファット(オーストラリア)、2014年、2015年のグウェン・ジョーゲンセンの2回の優勝者が二人いる。

■WTSハンブルク大会歴代優勝者

2009年:ジャロッド・シューメーカー(アメリカ)※1、※2 2010年:ハビエル・ゴメス・ノヤ(スペイン)※1、※2 2011年:ブラッド・カールフェルト(オーストラリア)※1、※2 2012年:リチャード・マレー(南アフリカ)※2 2013年:ジョナサン・ブラウンリー(イギリス) 2014年:アリスター・ブラウンリー(イギリス) 2015年:バンサン・ルイ(フランス)※2

※1:2011年まではスタンダードディスタンスで開催 ※2:キャリア初優勝

ちなみにハンブルクに次ぐ開催数(5回)を誇る横浜大会、ロンドン大会は次のように複数回優勝者がしかも複数出ている。

横浜大会:ジョアン・シルバ(ポルトガル)2011年、2012年      ハビエル・ゴメス・ノヤ(スペイン)2014年、2015年

ロンドン大会:アリスター・ブラウンリー(イギリス)2009年、2011年、2015年        ハビエル・ゴメス・ノヤ(スペイン)2010年、2013年

なぜ男子のハンブルク大会は毎年優勝者が変わるのか。特に男子は女子と違いWTS開始以降アリスター・ブラウンリー、ジョナサン・ブラウンリー、ハビエル・ゴメス・ノヤの三強と言える存在が長きにわたってシリーズを席巻しているにも関わらず、彼らもハンブルク大会でそれぞれ1勝しかしていない。あのアリスター・ブラウンリーでさえ昨年初めてハンブルク大会を制した。実はその理由の一つがそのブラウンリー兄弟二人にある。

ブラウンリー兄弟は両者とも2013年、2014年の2回しかハンブルク大会に出場していない。出場回数が少ないという事はもちろんそれだけ優勝する確率は少ない。ちなみにゴメスは2009年以外全て出場しているのだが、勝ったのはスタンダードディスタンスで行われていた2010年だけ。残念ながら2012年以降は苦手(?)とするスプリントディスタンスで行われる事になってしまった。シリーズを席巻している三強がハンブルク大会に出場してこない、もしくはスプリントディスタンスで勝てないとなると、三強を除いた甲乙付けがたい選手たちで優勝が争われる事になる。ブランリー兄弟を除いた5名の優勝者がキャリア初優勝で、しかもゴメスを除いた4名がいまのところキャリア唯一の優勝であるというのがそれを物語っている。

またそのブランリー兄弟にも関連しているが、ハンブルク大会の開催時期にも問題がある。ハンブルク大会は毎シーズン7月のシーズン中盤に行われている。この時期というのがWTSだけではなく、各大陸別のコンチネンタルチャンピオンシップや、コモンウェルスゲームズや五輪などWTS以外のメジャー大会が多く開催されるということもあって、強豪選手はそちらのほうに出場するためハンブルク大会をスキップする事が多く見られる。

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須賀 啓太(すが けいた)

フリーのテレビディレクター兼スポーツジャーナリスト。世界トライアスロンシリーズが開始された2009年から「世界トライアスロンシリーズ」や「NTTジャパンカップ」などトライアスロンのテレビ中継に関わり、海外現地取材も経験。また(社)日本トライアスロン連合ともオフィシャル映像撮影等で直に関わりを持つ。自身もエイジグループ(一般部門)での競技経験もあるが、テレビディレクターの目線からトライアスロンをやる楽しさではなく観る楽しさ。競技人口ではなく観戦人口を増やすために活動中。トライアスロン以外ではMLB、NFL、海外サッカー、インディカーのテレビ番組制作にも携わる。ご連絡は下記アドレスまで。

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