須賀啓太のTriathlonレポート

2015世界トライアスロンシリーズ 第6戦ロンドン大会 男子レビュー

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2015世界トライアスロンシリーズ(以下:WTS)の第6戦ロンドン大会女子のレースが、現地5月31日イギリスのロンドン、ハイドパーク周辺を舞台に、スイム750m、バイク20km、ラン、5kmのスプリントディスタンスで行われた。日本人選手は椿浩平(三井住友海上)が出場した。 (気温:16.2度、水温15.2度)

レース前プレビューはこちら

まず750m1周のスイムをトップであがってきたのは南アフリカのヘンリ・スクーマン。続いてスロバキアのリチャード・バルガと、いつも通りとも言えるスイムを大得意とするこの2名が先行してあがってくる。そして優勝候補で、母国優勝を狙う兄アリスターと弟ジョナサンのブラウンリー兄弟(イギリス)がスイム5位、6位、トップからのタイム差6秒という好ポジションであがってくる。対する他の優勝候補はどうかというと、フランスのバンサン・ルイがトップと13秒差の14位とまずまずの位置。しかし昨シーズンのWTSロンドン大会優勝のマリオ・モーラ(スペイン)がスイム42位、2位のリチャード・マレー(南アフリカ)がスイム57位と大幅に遅れる。しかしこの2名、その昨シーズンのロンドン大会でもトップとほぼ同じタイム差、似たような順位で遅れているのである。

私はブラウンリー兄弟は昨シーズンのロンドン大会と同じ轍を踏まぬように昨シーズンのWTSストックホルム大会の様に兄弟二人で逃げる可能性もあるとレース前プレビューでも述べたのだが、その展開はバイクが始まって直後に会場に集まったイギリス人ギャラリーの悲鳴と共に無くなる。J・ブラウンリーがパンクによってバイクスタート直後にストップ。しかしパンクした場所がまだよかった。ホイールステーション(予備のホイールに交換できる場所)はトランジションを抜けた乗車ラインを超えてすぐのあたりにどのコースも設置される。これがホイールステーションから遠いところで発生すれば即リタイアになっていたところだろうし、もともとスイムを上位であがってきていたというのが大きかった。J・ブラウンリーはすぐさまホイールステーションに寄ってホイールを交換しレースを再開する。しかしこのトラブルで大幅に時間をロス。スタンダードディスタンスならば、まだ展開によっては挽回できる可能性としてあっただろうが、スプリントディスタンスの今回は完全に勝機を失くしてしまった。

さてレースの本筋としてはどうなったのか、残った兄A・ブラウンリーはスイムを上位であがったスクーマンやバルガらとともに19名のトップグループを形成し、モーラ、マレーはその後ろ29名の第2グループの中に入った。実はこのグループ形成も昨シーズンのロンドン大会と似ているのだ。しかし最終的にモーラ、マレーは昨シーズンと同様にトップグループをキャッチする事はできなかった。それはなぜなのか。おそらく考えられるのはまず一つはA・ブラウンリーを含むトップグループが先述のとおり昨シーズンのロンドン大会と同じような展開に持ち込ませないように、バイクコース北部の折り返しのある場所等で第2グループ以降とのタイム差を計りながら逃げたという事。しかし実はトップグループのバイク1周ごとのラップタイムは昨シーズンのロンドン大会のトップグループのラップタイムよりも遅かった。つまりトップグループをキャッチできなかった第2グループはより遅かった。そのモーラ、マレーを含む第2グループ自体にトップグループに追いつけなかった要因があるのではないかと考える。しかしその要因を探ろうにも今回国際映像ではまったくと言っていいほどこの第2グループを映し出さなかった。それどころかバイクトラブルにより大幅に遅れたJ・ブラウンリー属する第3グループのほうにチェイスグループ用のバイクカメラを配置する始末、たしかにJ・ブラウンリーは優勝候補で、今回は母国大会と注目度は高いがそれはレース前の段階、あのバイクトラブルの時点で勝機はすでに失くしている。頻繁にJ・ブラウンリーとトップグループとのタイム差や位置関係を表示するが、レースを追うにあたってモーラ、マレーの属する第2グループを無視した今回のこの国際映像の作りには同じテレビディレクターとして苦言を呈したい。

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須賀 啓太(すが けいた)

フリーのテレビディレクター兼スポーツジャーナリスト。世界トライアスロンシリーズが開始された2009年から「世界トライアスロンシリーズ」や「NTTジャパンカップ」などトライアスロンのテレビ中継に関わり、海外現地取材も経験。また(社)日本トライアスロン連合ともオフィシャル映像撮影等で直に関わりを持つ。自身もエイジグループ(一般部門)での競技経験もあるが、テレビディレクターの目線からトライアスロンをやる楽しさではなく観る楽しさ。競技人口ではなく観戦人口を増やすために活動中。トライアスロン以外ではMLB、NFL、海外サッカー、インディカーのテレビ番組制作にも携わる。ご連絡は下記アドレスまで。

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