須賀啓太のTriathlonレポート

2015世界トライアスロンシリーズ 第3戦ゴールドコースト大会 男子レビュー

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4月11日、オーストラリアのゴールドコーストにおいて、2015世界トライアスロンシリーズ(以下:WTS)の第3戦が行われた。今回はスイム1.5km、バイク40km、ラン10km、合計51.5kmのスタンダードディスタンス。男子はイギリスのジョナサン・ブラウンリー(イギリス)が第2戦のオークランド大会に続きシーズン2勝目、通算9勝目をあげた。また2位にはスペインのマリオ・モーラが入り、順位は入れ替わるものの同じゴールドコーストで行われた2009年のジュニア選手権の優勝者が2位、2位が優勝という形になった。日本人選手では細田雄一(博慈会)が今季ベストリザルトの17位に入った。 (気象コンディション:気温24.9度、水温24.6度)

まず1.5kmのスイムをトップで終えたのはスロバキアのリチャード・バルガ。開幕戦のWTSアブダビ大会で、それまで10戦連続スイムトップフィニッシュの記録が途絶えたバルガだったが、第2戦そして今回と再び連続スイムトップフィニッシュの記録を打ち立てんとばかりにスイムを終える。続いて上がってきたのがジョナサン・ブラウンリー、そして兄ドミトリーと弟イゴールのポリャンスキー兄弟(ロシア)。5位以下に11秒の差をつけ、バイク序盤まずこの4人がトップグループを形成する。 しかし4人でドラフティングのローテーションを回すのは難しい。人数が少ないと頻繁に集団の先頭に立たなければならないし、集団の最後尾にしても前に3人しかいないのと10人いるのとでは受ける空気抵抗が変わってくる。おそらくバイク序盤のこの集団の意思は、本来ならば後続が数名上がって加わってほしいところだが、ペースを落として待ちたくはない。レース後のブラウンリーのコメントを見るととくに逃げようとしたわけではない事が伺えるが、ブラウンリーからしてみればラン勝負になるとやっかいなモーラとのギャップが縮まっては困るという思惑はあったのではないかと思われる。

この4名の後の第2集団を形成したのが、第2戦オークランド大会2位のハビエル・ゴメス・ノヤ(スペイン)、同じく3位のピエール・ルコー、日本の田山寛豪(NTT東日本・NTT西日本/流通経済大学職員)、ケイティ・ザフィアーエスの夫トミー・ザフィアーエスらを含む7名の集団。当初この集団がトップグループに追いつくと思われていたのだが、逆に4周目にさらに後続のマリオ・モーラやリチャード・マレー(南アフリカ)の属する第3グループに追いつかれる。これが結局このレースの大きなポイントの一つだった。ドラフティングのローテーションするのにもほぼ最適ともいえる7名の集団でなぜ先行する4名のトップグループをキャッチできなかったのか。このレースを見て疑問に思ったのはそこだ。

以前にもこのブログで書いたが、バイクの集団の中での意思疎通は難しい。同じ集団に属しながら各選手の思惑は違う。ランのための余力をどのくらい残しつつ逃げるかと考えた場合、各選手バイクで出せる力も変わってくる。ここはペースを上げて大丈夫だと考える人が多ければ集団のペースは上がるし、ランのためにも力を温存しておかなければと考える人が多ければ集団のペースは上がらない。今回レース後にタイムラップを見て注目したのがこの第2グループに属した選手のバイクタイムとランタイム。この第2グループに属した選手のバイクタイムは、バイク序盤のブラウンリーが属するトップグループ、モーラの属する第3グループのバイクタイムよりも遅かった。つまりバイク8周回を彼らより時間をかけ、そのぶんランの脚を溜める事ができたはずである。しかし彼らのランタイムはゴメスとルコー以外全体で下位のランタイムだった。

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須賀 啓太(すが けいた)

フリーのテレビディレクター兼スポーツジャーナリスト。世界トライアスロンシリーズが開始された2009年から「世界トライアスロンシリーズ」や「NTTジャパンカップ」などトライアスロンのテレビ中継に関わり、海外現地取材も経験。また(社)日本トライアスロン連合ともオフィシャル映像撮影等で直に関わりを持つほか、公認審判員の資格も持つ。自身もエイジグループ(一般部門)での競技経験もあるが、テレビディレクターの目線からトライアスロンをやる楽しさではなく観る楽しさ。競技人口ではなく観戦人口を増やすために活動中。トライアスロン以外ではMLB、NFL、海外サッカー、インディカーのテレビ番組制作にも携わる。ご連絡は下記アドレスまで。

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