須賀啓太のTriathlonレポート

トライアスロンの距離フォーマットと選手の多様性

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トライアスロンを観るうえで知っておくべきワードがあります。これを知っていればトライアスロン観戦がより一層楽しめます。今回は「トライアスロンの距離フォーマット」についてご説明します。

トライアスロンと聞くと、アイアンマンディスタンス(スイム3.8km、バイク180km、ラン42.195km)のような、長い距離フォーマットを思い浮かべる人をまだ多く見受けられます。しかし、このブログで主に紹介している「トライアスロン世界シリーズ(以下:WTS)」や「NTTトライアスロンジャパンカップ」はスタンダードディスタンスや、スプリントディスタンスで行われています。スタンダードディスタンスは少し前までオリンピックでのトライアスロン競技にも採用されていたのでオリンピックディスタンスとも呼ばれていました。 またプロのレースだけではなく、国内外で行われているエイジグループ(一般参加部門)の大会も、その大半がスタンダードディスタンスかスプリントディスタンスで行われています。競技時間もスタンダードディスタンスはプロのレースで2時間を切る程度、スプリントディスタンスはその半分の距離ですから時間も半分の1時間を切る程度で行われます。

国際トライアスロン連合(ITU)の規格

スーパースプリントディスタンス スイム:400m、バイク:1km、ラン:2.5km

スプリントディスタンス スイム:750m、バイク:20km、ラン:5km

スタンダードディスタンス(オリンピックディスタンス)(ショートディスタンス) スイム:1.5km、バイク:40km、ラン:10km

ミドルディスタンス スイム:2.5km、バイク:40km、ラン:20km

ロングディスタンス スイム:4km、バイク:120km、ラン:30km

また先述のアイアンマンディスタンスはITUの規格ではなく、 世界トライアスロンコーポレーション(WTC)という別団体が統括しているフォーマットになります。

世界トライアスロンコーポレーション(WTC)の規格

アイアンマンディスタンス スイム:3.8km、バイク:180km、ラン:42.195km

アイアンマン70.3(ハーフアイアンマン) スイム:1.9km、バイク:90km、ラン:21.1km

このように色々な距離カテゴリーがありますので、プロの選手もそれぞれ主戦としている距離がありますし、またWTSはスタンダードディスタンスかスプリントディスタンスで行われていますが、1つの距離フォーマットの差でも、それぞれ得意とする選手が違ってきたりします。私の個人的な見解ですが、2015年現在WTSで活躍している選手で言うと、男子はマリオ・モーラ(スペイン)やリチャード・マレー(南アフリカ)、女子ではエマ・ジャクソン(オーストラリア)等がスタンダードディスタンスよりかはスプリントディスタンスでの成績のほうが良いように感じます。

しかし、なぜそのような差がでるかというと単にスピードやスタミナの有無だけではありません。それはトライアスロンが三種の種目を行う事にも関連性があります。たとえば前述のマリオ・モーラはランの実力は世界トップクラスなのですが、最初のスイムで出遅れる事が多く、その後のバイク、ランにおいて追い上げるレーススタイルの選手です。トライアスロンはスイム、バイク、ランの順番で行われますから、スプリントディスタンスのスイム750mでトップとの差が15秒だとすると、スタンダードディスタンスでは倍の1.5kmを泳ぐわけですから、トップとの差は単純計算して倍の30秒つく可能性があり、15秒ならば次のバイクにおいてトップグループに入れたものが、30秒の差だと入れなかったりするわけです。もちろんこれは単純に計算したもので一概には言えませんが、トライアスロンは三種の競技を行う分、どの種目を得意としているかによっても変わっていますし、モーラはスタンダードディスタンスの10kmのラン、スプリントディスタンスの5kmのラン、どちらにおいても速いですが、同じ種目でも距離によって距離適性の違う選手がもちろんいます。

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須賀 啓太(すが けいた)

フリーのテレビディレクター兼スポーツジャーナリスト。世界トライアスロンシリーズが開始された2009年から「世界トライアスロンシリーズ」や「NTTジャパンカップ」などトライアスロンのテレビ中継に関わり、海外現地取材も経験。また(社)日本トライアスロン連合ともオフィシャル映像撮影等で直に関わりを持つほか、公認審判員の資格も持つ。自身もエイジグループ(一般部門)での競技経験もあるが、テレビディレクターの目線からトライアスロンをやる楽しさではなく観る楽しさ。競技人口ではなく観戦人口を増やすために活動中。トライアスロン以外ではMLB、NFL、海外サッカー、インディカーのテレビ番組制作にも携わる。ご連絡は下記アドレスまで。

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