須賀啓太のTriathlonレポート

2015世界トライアスロンシリーズ 第2戦オークランド大会 男子レビュー

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3月29日、ニュージーランドのオークランドにおいて、2015世界トライアスロンシリーズ(以下:WTS)の第2戦が行われた。今回はスイム1.5km、バイク40km、ラン10km、合計51.5kmのスタンダードディスタンス。男子はイギリスのジョナサン・ブラウンリーが昨シーズンのWTSストックホルム大会以来となる通算8勝目。今シーズン初優勝をあげた。 日本人選手では田山寛豪(NTT東日本・NTT西日本/流通経済大学職員)がスイムを上位であがりバイクでトップグループにつけるも、ランに入ったところで脚に痛みを感じリタイア。細田雄一(博慈会)が日本人最高位となる26位に入った。 (気温27.5度、水温21.4度)

WTS開幕戦アブダビ大会で優勝し、このオークランド大会で連勝と自身初のスタンダードディスタンスでのWTS優勝を狙ったスペインのマリオ・モーラだったが、スイムでトップと47秒の33位と出遅れる。だがこのオークランドはシリーズ屈指のバイクのテクニカルコース、集団形成と展開次第では後方から追い上げる事が可能だ。しかしその集団形成と展開はモーラの意図する方向とは真逆に進んでいく。アブダビ大会では優勝を争う直接的なライバル、ジョナサン・ブラウンリーやハビエル・ゴメス・ノヤ(スペイン)がスイムで共に遅れた事で自分に有利な展開に持ち込む事ができたが、今回ブラウンリーがトップと2秒差の3位、ゴメスがトップと7秒差の7位でスイムを終え、そのままバイクはスイムを上位であがったその2名を含む16名のトップグループが、モーラの後続グループからの追い上げを許さんばかりのハイペースを展開する。

開幕戦アブダビ大会ではすべてにおいて自分の有利な展開に進んでいったモーラだったが、今回は真逆のモーラが不利となる展開に進んでいったレースといえるのではないだろうか。アブダビのバイクコースは平坦でコーナーは少なく、スイムで多少出遅れてもそこそこのメンバーがバイクの集団形成で揃えば、追い上げを図ることができる。しかしこのオークランドで追い上げを図るには、かなりバイク技術のある選手が集団に揃わないと難しいコース。今回、先行したトップグループに強豪選手が揃い、人数もドラフティングのローテーションを行いやすい人数。モーラが属したグループは人数も多く、スピードが上げにくいうえバイクテクニックのある選手が固まってはいなかった。結局モーラはトップと1分16秒の差でバイクを終える。

もはやバイクトップグループだけでレースは進んでいった。男子は昨年からその傾向が強い。特にゴメスやアリスター、ジョナサンのブラウンリー兄弟(アリスターは今回欠場)らが主導して、自分達のスピードに付いて行けない選手は振るい落すような、駆け引き無しのサバイバルレースが展開される。そんなレースができるのは自分達の実力に相当の自身があるからだろう。アブダビ大会ではモーラにしてやられたが、やはりスタンダードディスタンスにおいてゴメスやブラウンリー兄弟に、「スイム・バイク・ラン」のトータルバランスで敵うものはいない。そう思わせるレースだった。

しかしJ・ブラウンリーはラン序盤から抜け出しそのまま独走し優勝するのだが、2位のゴメスを苦しめた男がいた。フランスのピエール・ルコー。ジョナサン・ブラウンリーと同じ1990年生まれの25歳。フランスといえば昨シーズンのシーズンランキング6位に入ったバンサン・ルイが有名だが、実は昨シーズンのWTS終了後、スプリントディスタンスで行われたフランスの国内選手権でそのバンサン・ルイをやぶり2014年のフランスチャンピオンに輝いているなど、フランスではバンサン・ルイと双璧を成す存在として知られている。しかしWTS参戦数はまだそれほど無く、昨シーズンも3大会だけ。最高位も昨シーズンのWTSストックホルム大会の9位と、ゴメスもおそらくノーマークだったに違いない。結果ゴメスに敗れて3位になるのだが、まずゴメスの本来の実力からすれば、同じタイミングでランに入ったJ・ブラウンリーに序盤からあんなにリードを許すはずがないと考えるのだが、それでも3位と4位には1分近い開きがあったわけだから、ルコーも相当の実力を持っている事は伺える。果たしてゴメスとフィニッシュまで抜きつ抜かれつの攻防を繰り広げた実力は果たして本物なのだろうか。また一人注目選手が現れた。

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須賀 啓太(すが けいた)

フリーのテレビディレクター兼スポーツジャーナリスト。世界トライアスロンシリーズが開始された2009年から「世界トライアスロンシリーズ」や「NTTジャパンカップ」などトライアスロンのテレビ中継に関わり、海外現地取材も経験。また(社)日本トライアスロン連合ともオフィシャル映像撮影等で直に関わりを持つほか、公認審判員の資格も持つ。自身もエイジグループ(一般部門)での競技経験もあるが、テレビディレクターの目線からトライアスロンをやる楽しさではなく観る楽しさ。競技人口ではなく観戦人口を増やすために活動中。トライアスロン以外ではMLB、NFL、海外サッカー、インディカーのテレビ番組制作にも携わる。ご連絡は下記アドレスまで。

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