2008年12月28日
ソッカー部今季総括③~進化を見せつけた後期リーグ~
プレッシャーとの戦い 長い夏の中断期を終え、後期リーグは9月7日に開幕した。 前期を首位でターンしながらも、終盤の立て続けの敗戦で昇格と優勝を逃した昨季。昇格への期待という重いプレッシャーが、選手たちを5連敗の罠へと陥れた。同じプレッシャーを背負いながら迎えた今季の後期リーグ。そこには昨季とは違った戦いを見せるイレブンの姿があった。 粘り勝った序盤戦 開幕早々はフィニッシュの決定力に欠ける試合続いた。ボールを支配するも、相手のペースに呑まれ、切り崩すことができない。自陣に引いてくる相手に対し、どうやって最後まで切り崩すのか。リズムをつかむと一気に試合展開を有利にできるチームであるだけに、ゴールにボールを運ぶまでの時間がもどかしく感じられた。それでも奪い取った1点1点をものにする粘り強さで、亜大、朝鮮大、国武大戦と着実に勝利を積み重ねていった。 勢いづく中盤戦中盤に差し掛かると、流動的なパスワークが冴え、ゴールまで結びつく試合展開が増加。試合のなかで一気に得点が生まれるようになった。15節では桐蔭大相手に大量4得点。サイドからの鋭い攻撃と中央縦への巧みなパスのつなぎが相手の守備陣を圧倒した。「攻撃がのってくると守備ものってくる」(淺海友峰・環4)という通り、果敢に攻める攻撃陣を後ろから支える守備陣の活躍も言を待たない。後半の2得点で逆転勝利をおさめた日体大戦では、我慢の時間があっても慶大ペースに試合を戻せる実力を見せつけた。 昨季から進化した姿 迎えた残り5試合。昨季はここから急下降のグラフが描かれた。18節の尚美大戦。選手たちは昨季と同じ間違いを繰り返さなかった。前半
は苦しみながらも後半一気に3得点をたたき出し勝利。ここでしっかりと前に進めことが大きかった。その勢いのまま東農大戦へ。ホームで迎えたこの試合で勝利を飾ると、念願の1部昇格を果たした。 20節の東海大戦には敗れたが、そんな状況下でも負けを引きずることなくしっかりと切り替えた。東洋大戦では慶大は3得点の完封勝利をおさめる。ホームで優勝という喜ばしい快挙に、ソッカー部員たちの日々の努力が報われた。最終節は敗戦に終わったが、おさえるべきところはしっかりとおさえられた終盤戦であった。 最多勝ち点での優勝 後期リーグが終わってみれば、積み上げてきた勝ち点は53。2部史上最高の勝ち点数をたたき出していた。表彰式では GK山本晃司(商4)、DF淺海友峰、DF三上佳貴(政2)、MF中町公祐(総3)、MF河井陽介(政1)、MF大河淳司(商4)がベストイレブンに選出され、新人賞には河井陽介が輝いた。 輝かしい功績の裏には、部員たちの計り知れない努力があったことを忘れてはならない。「去年から戦いが始まった」(李監督)。去年の悔しい経験が、今年部員たちをここまで成長させた。 ○…スーパーサブの台頭 攻撃面を重視し、前期と同様後期も4-5-1のフォーメーションを貫いた。1トップに風間、トップ下には攻撃の中心を担う河井を配置。大河や中川靖の積極的なボールへの絡みは何度も好機を演出した。ボランチの巻、中町、織茂は試合の要所を抑え、攻撃の軸となった。サイドバックは黄と田中。両者の素早い駆け上がりが良いアクセントとなり、試合のテンポを生んだ。センターバックは淺海と三上。淺海の強靭なあたりの強さと三上の冷静なボールへの対処で相手攻撃陣を封じ込めた。絶対的守護神山本はチームの失点を極限に抑え込んだ。 だが昇格や優勝に貢献したのは彼らだけではない。後期は途中出場の大森、日高などの選手の活躍も目立った。大森は日体大戦で快足にものを言わせたゴールを決め、尚美大戦では相手のPKを誘って再びゴールを演出した。日高は得意のドリブルで攻撃に勢いをつけ、試合の流れを変えた。尚美大では中川靖のアシストを受けて得点をあげた。 今期の偉業は、サブも含めた多くの選手の力によってなされた。来期以降もまた、新たな戦力が台頭してくることを期待したい。 ○…来季に向けて 延世大学との定期戦から新チームが発足。来年に向けてチームはもう始動し始めている。巻、大河、淺海、山本などの4年生が抜け、新チームの大半を占めるのは1年生となった。「パスを繋いでいくところとか去年やってきたところを受け継いでいる」(三上・政2)と感じる新チーム。良い面は存分に引き継ぎ、悪い面はきちんと修正し、更に進化したチームを目指したいところだ。 【慶大後期リーグの軌跡】 (12節) 対亜大戦 ○1-0 1位 開始早々に中町の得点で先制。その後もボールを支配し、一方的に攻め込むが追加点はならず。決定力不足が目についた。 (13節) 対朝鮮大戦 ○2-1 1位 相手の激しい当たりに苦しめられ、前半をビハインドで折り返す。後半、途中出場の巻のセットプレーから、大河、黄が得点。辛くも逆転勝利した。 (14節) 対国武大戦 ○1-0 1位 90分間主導権を握り続けたが、11人で自陣を固める国武大の戦術に苦戦した。それでも終盤の猛攻で中町が貴重な決勝点。3連勝を飾った。 (15節) 対桐蔭大戦 ○4-0 1位 中町を出場停止で欠いたが、心配は杞憂に終わる。大河、中川靖、黄の得点などで4-0と快勝。決定力不足を返上した。 (16節) 対日体大戦 ○2-1 1位 開始直後に失点。その後は攻め続けるが得点を奪えない。後半から出場の大森が流れを変えた。自らも得点を奪い、逆転勝利に貢献した。
(17節) 対青学大戦 △0-0 1位 前半は慶大ペース。大河のシュートなど得点まであと一歩に迫る。後半は昇格に向けて後がない青学大の粘りに苦戦する。最終的にスコアレスドローに終わった。 (18節) 対尚美大戦 ○3-0 1位 守備を固める尚美大に手を焼くが、後半29分から一気に3得点。地力の差を見せつけ、念願の昇格に王手をかけた。 (19節) 対東農大戦 ○2-1 1位 ホームの大観衆の前で悲願を達成した。1-1で迎えた後半31分、自ら得た貴重なPKを大河が蹴りこみ、決勝点。7年ぶりの1部復帰を決めた。 (20節) 対東海大戦 ●0-2 1位 優勝をかけた2位東海大との直接対決。序盤から互角の試合展開だったが、前半終了間際に連続失点。これを守りきられ敗戦した。 (21節) 対東洋大戦 ○3-1 1位 ホームで再び歓喜の瞬間を迎えた。中町が2ゴール、1アシストと大活躍。終了間際に失点したが、東海大が勝ち点を落とし、16年ぶりの2部優勝が決まった。 (22節) 対拓大戦 ●2-3 1位 疲労が見えた数選手を休ませた。4年生の引退試合とあって勝ちにこだわりたかったが、勝利で飾ることはできず。それでも甲斐、織茂の得点は来季に可能性を感じさせた。 今季終了時成績 17勝2分3敗 勝ち点53 46得点19失点 得失点差+27 16年ぶりの2部優勝 後期成績 8勝1分2敗 勝ち点25 20得点9失点 得失点差+11 2位 (波多野 詩菜) 以上でソッカー部の今季の総括は終了となります。ソッカー部の皆様、関係者の皆様、色々とご協力いただき本当にありがとうございました。また、1年間、私どもの拙い戦評にお付き合い頂き、誠にありがとうございました。新年からは新班長のもとで来年度の慶應スポーツソッカー班が取材等を行わせていただきます。そちらにも今までと同様に暖かいご支援等をいただければと思います。今後とも慶應スポーツをよろしくお願い申し上げます。 慶應スポーツ新聞会 第30期ソッカー班チーフ 山内 晴信
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posted by 波多野 詩菜 |10:42 |
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中盤に差し掛かると、流動的なパスワークが冴え、ゴールまで結びつく試合展開が増加。試合のなかで一気に得点が生まれるようになった。15節では桐蔭大相手に大量4得点。サイドからの鋭い攻撃と中央縦への巧みなパスのつなぎが相手の守備陣を圧倒した。「攻撃がのってくると守備ものってくる」(淺海友峰・環4)という通り、果敢に攻める攻撃陣を後ろから支える守備陣の活躍も言を待たない。後半の2得点で逆転勝利をおさめた日体大戦では、我慢の時間があっても慶大ペースに試合を戻せる実力を見せつけた。
昨季から進化した姿
迎えた残り5試合。昨季はここから急下降のグラフが描かれた。18節の尚美大戦。選手たちは昨季と同じ間違いを繰り返さなかった。前半
は苦しみながらも後半一気に3得点をたたき出し勝利。ここでしっかりと前に進めことが大きかった。その勢いのまま東農大戦へ。ホームで迎えたこの試合で勝利を飾ると、念願の1部昇格を果たした。
20節の東海大戦には敗れたが、そんな状況下でも負けを引きずることなくしっかりと切り替えた。東洋大戦では慶大は3得点の完封勝利をおさめる。ホームで優勝という喜ばしい快挙に、ソッカー部員たちの日々の努力が報われた。最終節は敗戦に終わったが、おさえるべきところはしっかりとおさえられた終盤戦であった。
最多勝ち点での優勝
後期リーグが終わってみれば、積み上げてきた勝ち点は53。2部史上最高の勝ち点数をたたき出していた。表彰式では GK山本晃司(商4)、DF淺海友峰、DF三上佳貴(政2)、MF中町公祐(総3)、MF河井陽介(政1)、MF大河淳司(商4)がベストイレブンに選出され、新人賞には河井陽介が輝いた。
輝かしい功績の裏には、部員たちの計り知れない努力があったことを忘れてはならない。「去年から戦いが始まった」(李監督)。去年の悔しい経験が、今年部員たちをここまで成長させた。
○…スーパーサブの台頭
攻撃面を重視し、前期と同様後期も4-5-1のフォーメーションを貫いた。1トップに風間、トップ下には攻撃の中心を担う河井を配置。大河や中川靖の積極的なボールへの絡みは何度も好機を演出した。ボランチの巻、中町、織茂は試合の要所を抑え、攻撃の軸となった。サイドバックは黄と田中。両者の素早い駆け上がりが良いアクセントとなり、試合のテンポを生んだ。センターバックは淺海と三上。淺海の強靭なあたりの強さと三上の冷静なボールへの対処で相手攻撃陣を封じ込めた。絶対的守護神山本はチームの失点を極限に抑え込んだ。
だが昇格や優勝に貢献したのは彼らだけではない。後期は途中出場の大森、日高などの選手の活躍も目立った。大森は日体大戦で快足にものを言わせたゴールを決め、尚美大戦では相手のPKを誘って再びゴールを演出した。日高は得意のドリブルで攻撃に勢いをつけ、試合の流れを変えた。尚美大では中川靖のアシストを受けて得点をあげた。
今期の偉業は、サブも含めた多くの選手の力によってなされた。来期以降もまた、新たな戦力が台頭してくることを期待したい。
○…来季に向けて
延世大学との定期戦から新チームが発足。来年に向けてチームはもう始動し始めている。巻、大河、淺海、山本などの4年生が抜け、新チームの大半を占めるのは1年生となった。「パスを繋いでいくところとか去年やってきたところを受け継いでいる」(三上・政2)と感じる新チーム。良い面は存分に引き継ぎ、悪い面はきちんと修正し、更に進化したチームを目指したいところだ。
【慶大後期リーグの軌跡】
(12節) 対亜大戦 ○1-0 1位
開始早々に中町の得点で先制。その後もボールを支配し、一方的に攻め込むが追加点はならず。決定力不足が目についた。
(13節) 対朝鮮大戦 ○2-1 1位
相手の激しい当たりに苦しめられ、前半をビハインドで折り返す。後半、途中出場の巻のセットプレーから、大河、黄が得点。辛くも逆転勝利した。
(14節) 対国武大戦 ○1-0 1位
90分間主導権を握り続けたが、11人で自陣を固める国武大の戦術に苦戦した。それでも終盤の猛攻で中町が貴重な決勝点。3連勝を飾った。
(15節) 対桐蔭大戦 ○4-0 1位
中町を出場停止で欠いたが、心配は杞憂に終わる。大河、中川靖、黄の得点などで4-0と快勝。決定力不足を返上した。
(16節) 対日体大戦 ○2-1 1位
開始直後に失点。その後は攻め続けるが得点を奪えない。後半から出場の大森が流れを変えた。自らも得点を奪い、逆転勝利に貢献した。


迎えた後半も、主導権を握る慶大の優勢は変わらない。しかし、延世も個人技の高さを局面で見せつけ、鋭い突破から慶大ペナルティエリアへと侵入する。特に右サイドハーフのSeo-YongDukとFWのNam-JoonJaeらは前評判どおりの延世の“巧さ”を見せ付けた。2人を中心にチャンスを作られPKを与えてしまうが、このピンチに立ちはだかったのが定期戦初出場のGK小島(総1)。「読めていた」と見事にセーブ。その後も落ち着いたプレーでチームを後押しした。攻撃では点こそ奪えなかったものの、途中出場したFW甲斐(経3)のポストプレーを起点に、同じく後半から投入されたFW大森(商2)、MF深澤(理2)らが裏へと飛び出す形で、幾度も延世ゴールへ迫った。
4年生が抜けて初めての定期戦。途中、延世に主導権を握られる時間もあったが、全体を見ると常に優位に立つことができた慶大。スタメン7人が1年生という若いチームながら、落ち着いた試合運びで、格上の相手に勝ちある勝利を収めた。チームはこれからオフを挟んで新1年生を迎える。史上4度目の勝ち星を手土産に、来期1部での大暴れに期待したい。
※延世大選手の日本語表記はあいまいになっている部分が多いため、アルファベットによる韓国語表記とさせていただきました。ご了承ください。
第1戦の日体大戦。終盤まさかの失速で1点差まで詰め寄られるも、何とか退け第2戦へと駒を進める。第2戦の相手は明治大。昨季関東王者であり1部リーグで戦う強豪だが、選手たちは臆することはなかった。「自分たちのサッカーをやれば勝てる」(大河淳司主将・商4)。圧倒的な強さで2部リーグの首位に立った自信が、選手たちを後押しした。明大の一瞬の隙に飛び込んだ大河の一撃での勝利。終盤は明大に猛攻を仕掛けられるも、集中した慶大守備陣の活躍で無失点に抑え込んだ。
全国へ王手をかけた慶大。最終戦の相手は強豪の中央大。試合は明大戦の翌日いう過酷日程の中、全国への切符を懸けて決戦に挑んだ。慶大は前日の勢いそのままに数多くのチャンスを演出するも得点に結びつけることはできず、結局少ないチャンスをものにした中大が試合を制し、1-3の敗北に終わった。決定機が多かっただけに悔やまれる予選敗退。しかし、1部のチーム相手に決定機を幾度となく演出したのも事実。1部と互角以上に渡り合ったことで、これまでにない自信をもち伝統の一戦へ臨むこととなる。
定期戦① ~伝統の早慶戦~
中大戦から5日後、とうとうこの舞台が幕を開けた。勝利への強い気持ちと手に入れた自信を胸に、昨季大学王者・早大に挑んだ。慶大は試合序盤からペースを掴み、前半18分までに2点のリードを奪う。このまま突き進みたいところだったが、早大も徐々に本領を発揮。サイド攻撃から流れを呼び寄せた早大が前半のうちに2点を返し、試合はあっという間に振り出しに戻された。後半も勢いは早大。遂にCKから得点を許し、逆転を喫する。慶大もチャンスを演出していくが、得点に結び付けられないもどかしい時間が続き、その中で手薄になった守備を突いた早大がとどめの一発。必勝を誓った早慶戦だったが、2-4の痛恨の逆転負けで幕は閉じた。
チャンスはあった。ただ、試合終了後、監督・主将・副将が口を揃えて言った一言に全てが集約されていた。「決めるところで決めなければいけない」。5日前の中央大戦でも見えていた課題が、この一戦でより深刻になった。
リベンジをかけた一戦 ~天皇杯全日本サッカー選手権大会東京都予選~
7月唯一の公式戦となった天皇杯予選。相手は総理大臣杯関東代表決定戦で戦った中央大となった。前半開始早々に失点を許したものの、その後は慶大優位に試合は進み、前半のうちに逆転に成功。理想通りの試合展開で前半を終える。後半も多くの得点チャンスを迎えるが、追加点を奪ったのは中大だった。数少ない好機を確実に決め、1部で戦う底力を見せつけられた慶大は、その後十数分の間に3失点をくらい、リベンジも兼ねた戦いは3-5の逆転負けに終わった。
「チャンスに決められない甘さ」(大河)と、リードを守りきれない精神的な甘さ。僅かではあるが、1部で戦っていくには確実に埋めなければならない差が、ここでも選手たちの前に大きく立ちはだかった。
定期戦② ~慶應・神戸サッカー定期戦~
厳しい暑さの中、合宿や遠征、そして日々のトレーニングに取り組むソッカー部。そのような中、8月20日に第58回慶應・神戸サッカー定期戦が開催された。雨の中始まった試合は、慶大がボールを支配。連動性溢れる攻撃と冴えたカバーリングなど徹底された守備で相手を圧倒する。しかし、最後までゴールをこじ開けることは出来ず、結果はスコアレスドロー。「内容は良かった。結果だけ(うまくいかなかった)」(李監督)。9月から再開するリーグ戦に向けて、勝利で飾りたい一戦であったが、6・7月の公式戦で明確になった大きな壁にまたも苦しめられる結果となってしまった。
後期リーグ戦へ
リーグ戦の中断期間に公式戦計6試合を戦った慶大だが、やはり一番の課題となって見えたのは「決めるべきところで決め、守るべきところで守る」(大河)ことだろう。1部相手に多くのチャンスを演出、得点も決めているだけに、その差は本当に僅かなものであるが、そこの差が試合を大きく左右していくのである。いかにしてこの課題を克服していくか――。1部昇格・2部優勝へ向け、乗り越えねばならない課題を胸に慶大は後期リーグ戦へ挑んでいく。
【慶大夏季公式戦・定期戦の軌跡】
☆総理大臣杯関東代表決定戦
(1回戦) 対日体大戦 ○3-2
風間の2得点の活躍などで3点を先行。終盤、日体大の猛攻にさらされ2点を失うが、かろうじて逃げ切り、順当に2回戦進出を決めた。
(2回戦) 対明大戦 ○1-0
復調の兆しを見せる大河が存在感を見せる。後半開始直後に相手のミスを突き、決勝点を奪う。守備陣も昨季関東王者の猛攻を凌ぎきり、完封勝利。
(代表決定戦) 対中大戦 ●1-3
前半から積極的に攻撃を仕掛け、大河が先制点。しかし、その後は少ないチャンスを確実にモノにされ逆転負け。大阪行きを逃した。
☆早慶戦
対早大戦 ●2-4
立ち上がりから早大を押し込み田中、巻のゴールで2点を先行。だがその後は早大・渡邊の活躍などもあり失点を重ね、逆転負けを喫した。

慶大に加わった新戦力たちであった。右サイドバックに抜擢された田中奏一(環1)は開幕戦から圧倒的な存在感を発揮。豊富な運動量と爆発的な突破力を武器に幾度となくチャンスを演出した。今季、湘南ベルマーレから加入した中町公祐(総3)の存在も大きかった。ボランチの位置でボールを収めることができ、長短のパスを織り交ぜながら攻撃に流れを生み出した。守備では要所を押さえたカバーリングを披露。躍進の大きな力となった。
そうした中で序盤戦のMVPといっても過言ではない働きをしたのが河井陽介(政1)。藤枝東高の10番として高校選手権準優勝。鳴り物入りで入部した“元ムラサキ王子”がその実力をいかんなく発揮した。ケガで欠場した5節の桐蔭大戦を除くと、開幕から10節の東海大戦まですべての試合で得点に絡み、3試合で決勝点を奪った。「自分は攻撃の中心をやらせてもらっている。任せられている以上結果を残さないといけない」。彼の言葉は自信と自負に満ちていた。
勝ちきる強さ見せた中盤戦以降
慶大同様に開幕からの連勝を続けていた東海大が勝ち点を落とし、6節でついに首位に立った。結果的にはこのままリーグ最終節まで首位の座を守
り抜くことになるのだが、前期リーグにおいては決してその座が安泰だったわけではなかった。そうした中で内容を確実に結果に結びつけていったことは高く評価されてしかるべきである。
9節、10節と1部リーグからの降格組との試合が続いた。青学大戦では主審の不可解な判定と、相手の神がかり的なミドルシュートの前に今季初黒星を喫したが、東海大戦では終了間際の得点で逆転勝ち。負ければ勝ち点差1に迫られる切迫した状況で、勝負強さを発揮した。今季、連敗は一度も無し。昨季、昇格争いの最終盤で5連敗を喫したチームの弱さはどこにも見当たらなかった。大河や副将・巻大佑(政4)といった4年生を中心にチームが精神的な強さを見せ始めたのはこのころからだろう。この強さは後期リーグに入ってからより一層磐石なものとなっていく。
勝ち点28を獲得
最終節、最下位の亜大にまさかの引き分けで勝ち点2を失ったが、それでも積み上げた勝ち点は28。喫した負けはわずかに1つ。同じく首位で折り返した昨季はここまでで3敗を喫していたことを考えると、チームの成長が伺える。
それでも選手は冷静だった。「これに満足しないようにして頑張りたい」(大河)。昨季と同じ轍を踏んではいけない。首位ターンに浮かれて我を失う選手はどこにもいなかった。
【慶大前期リーグの軌跡】
(1節) 対国武大戦 ○4-2 1位
ホームで迎えたリーグ開幕戦。前半を0-0で折り返すと後半に田中の活躍などで4得点。今季も白星発進となった。
(2節) 対東農大戦 ○3-0 2位
甲斐のケガでFWに入った中川靖が2試合連続ゴール。中町も初得点。守備陣は安定したパフォーマンスで今季初完封を飾った。
(3節) 対東洋大戦 ○2-0 2位
主導権を握りながら終盤まで東洋大の粘りに苦しめられる。後半33分と37分に河井が2得点。リーグ3連勝を達成した。
(4節) 対尚美大戦 ○2-1 2位
前半に中川靖のゴールで先制するも、竹田、三上が退場し苦しい展開に。それでも後半33分に河井が得点し、9人で競り勝った。
(5節) 対桐蔭大戦 ○3-2 2位
今季初めて先制点を奪われる展開となったが、風間の初得点などで前半のうちに逆転。後半にも追加点を奪い、快勝した。
(6節) 対朝鮮大戦 ○2-1 1位
河井のゴールで先行するも、後半27分に同点に追いつかれる嫌な展開。しかし中町の決勝点でこれを打ち破り、ついに首位に立つ。
(7節) 対日体大戦 ○5-0 1位
5発快勝。前半は流れが悪かったがリードで折り返す。大河が後半だけで大学入学後初となるハットトリックを達成した。


立ち上がりこそ自陣でのプレーを強いられた慶大だが、激しいプレスと前線からきっちりマークを嵌めていく戦略を徹底し、危険なシーンを作らせない。
待望の先制点は前半16分。後藤(環4)のロングボールに右サイドの今井(政2)が走り込んでのシュート。しかし、続く35分には日女体大のCKからヘディングを許し失点。直後、別府(看4)のフリーキックに中島(環2)が飛び込み、高い打点からのヘディングを決めて再びリード。ただその状況も長くは続かず、日女体大6番の意表をつくロングシュートから再度追いつかれる。前半は互いの気持ちがぶつかり合い、激しいシーソーゲームとなった。


後半開始後も、慶大は拓大に攻め込まれる展開が続く。13分には、右サイドからのボールに反応した石塚にダイレクトでシュートを打たれる。ここはGK山本(商4)の好セーブに救われるが、安心したのも束の間、3分後の16分に小野寺のシュートの取りこぼしを藤川に押し込まれ、痛恨の逆転を許す。慶大はロングボールを多用するも、なかなかボールが足もとに落ち着かず、チャンスに結びつかない。拓大のサイド攻撃にも一層苦しめられる。30分、小林に追加点を許し3失点目を喫する。直後の33分に相手のクリアボールを拾ったMF織茂(政3)が右足を振りぬきゴールに突き刺すが反撃もここまで。試合は2-3で終了し、慶大は最終戦を勝利で飾ることはできなかった。
それぞれ4年間の思いを胸に戦ったこの試合で引退する4年生の選手たち。そしてその4年生への感謝の気持ちを胸に戦った後輩の選手たち。結果は望み通りではなかったが、最後まで皆でボールを追い続ける姿勢が印象的だった。最終的に、過去最高の勝ち点53を積み上げての2部優勝・1部昇格は快挙。来季は慶大のサッカーを1部でも堂々と体現してほしい。
後半に入ると東洋大もディフェンスラインを上げ、反撃を開始する。序盤は東洋大ペースで試合が進む。対する慶大は23分、MF深澤(理2)を投入。MF中川靖(総3)を最前線に上げ、前線からの激しいプレスで流れを呼び戻そうとする。迎えた35分、中川靖が起点となり左サイドを突破した大河がクロスを送る。これに反応したのはまたしても中町。1点目同様ファーサイドに走りこみヘディングシュートを決めた。これで優勝をほぼ手中に収めると、39分には中盤でボールを奪った中町のパスから深澤が追加点。今季、首位を独走してきたチームの底力を見せつけた。終盤にはリーグ初出場となるDF菊地(経4)を投入するなど余裕も見せた慶大。ロスタイムに1点を失ったが、そのまま逃げ切り、優勝を決めた。
昇格争いをしながらも夢破れた昨季、2部残留が決定した試合は日吉での一戦だった。その経験を活かした今季、日吉での開幕戦で好発進し、昇格も、優勝も日吉の下田グラウンドで決めた。思い出のつまったグラウンドにまた一つ貴重な1ページを付け加えた。だがこれですべてが終わったわけではない。来季は新たな舞台で新たな歴史を紡ぐ。慶大の躍進はこれからも続く。





