2008年11月30日

【編集部発】ミルコと言えば、やっぱりデムーロ

 史上初の3世代ダービー馬対決で注目された第28回GIジャパンカップは、ウオッカでもメイショウサムソンでもディープスカイでもなく、9番人気の伏兵スクリーンヒーローが優勝。ミルコ・デムーロ騎手の手綱に導かれ、鮮やかな勝利でした。

スクリーンヒーロー

 いや、それにしても恐れ入りました。前走のアルゼンチン共和国杯がなかなか強かったとはいえ、ハンデ戦の53キロでしたし、今度は相手が違う。それで、まったくのノーマークだったんですが、驚きの強さでした。
(そういえば、アルゼンチン共和国杯も無印にしてたなぁ。僕は見る目がないなぁ……)

 好位5番手からウオッカ、マツリダゴッホを差し、後ろから追撃してきたディープスカイを封じ込めるという、真っ向勝負でのこの勝ち方は強いのひと言。
 大逃げや後方一気だったら、展開がハマったのかなとも思いますけど、これだけ正々堂々の競馬で勝たれてしまっては、単なるフロックでは片付けられないと思います。
 鹿戸雄調教師は「来年の春くらいには大きなところを、と思っていた」とおっしゃっていたくらいですから、まだまだ良くなっていくでしょうし、来年以降がさらに楽しみですね。
 もちろん、この後の有馬記念への出走の可能性もありますので、出てくれば有力でしょう。

 牝馬ばかりが目立っていた今年の競馬ですが、古馬の男馬からも待望のニューヒーロー誕生ですね。
 また、ディープスカイはもちろん、5着に敗れたとはいえオウケンブルースリもいい競馬をしていました。手薄だった男馬の層が来年は厚くなりそうで、こちらも大きな期待を持たせてくれるレースだったと思います。

ミルコ&スクリーンヒーロー

 そして、そして。スクリーンヒーローをジャパンカップ優勝に導いた殊勲の男、ミルコ・デムーロ騎手! 素晴らしかった。いや、本当にお見事でした。
 いくらスクリーンヒーローが素質のある馬で、徐々に本格化してきたと言っても、夏には1000万を走っていて、2走前には準OPで負けていた馬。完全本格化はまだ先だったと思われるスクリーンヒーローの能力を余すところなく出し切らせてのVですから、素晴らしいというほかありません。マーベラス!!

 振り返れば2004年の皐月賞も、まだ本格化前のダイワメジャーを勝たせてしまいましたし、ミルコ騎手といい、エリザベス女王杯のルメール騎手といい、外国人トップジョッキーの騎乗技術というのは本当にすごいですよね。
 しかし、リトルアマポーラは十分納得できるとしても、スクリーンヒーローをよくあのメンバーの中で勝たせましたよね。冷静になればなるほど、恐れ入りました・参りましたとひれ伏すしかありません。

 そして、僕は、格闘技にも力を入れているスポーツナビに入社して日が浅いときのことを思い出すのです。
 「え? ミルコ? ミルコといえば、普通はデムーロでしょ」と言った僕に対し、「は?(何言ってるのこの人?) 普通はクロコップでしょ」と、冷ややかな視線が送りつけられたあの日。
 今こそ僕は言いたい。ミルコといったら、デムーロでしょうが!と。
(いや、クロコップさんもすごいと思いますけどね)

 スクリーンヒーロー、ミルコ騎手、鹿戸雄調教師はじめ厩舎のみなさん、オーナー、牧場関係者のみなさま、本当におめでとうございました。

ブーン
ブーン

 で、ウオッカなんですが、やっぱり距離なのかなぁ。府中だったら、どうにかやってくれると思っていたんですけど。
 でも、今年は素晴らしいパフォーマンスを見せてくれましたし、ゆっくり休んで、また来年に今年以上のパフォーマンスで活躍してくれることを期待したいですね。

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2008年11月29日

【編集部発】◎ウオッカ突き抜けろ! JC予想

 僕はいわゆる「S」か「M」かで言うと、「M」なんだと思う。……いえ、競馬での話ですよ。私生活ではありません。

 と言うのも、ジャパンカップではいつも外国馬の馬券を中心に買っていたりします。それは、僕ら日本の競馬ファンが誇るトップホースたちが外国馬に打ち負かされ、しかも圧倒的な強さの前に苦もなくヒネられ、さらに欧米人ジョッキーたちの神業を見せつけられて、本当だったら心底悔しいはずなのに、そんな展開のジャパンカップを実は毎回望んでいる僕がいるんです。

 「外国馬はすごい、モノが違う、そして、外国人ジョッキーの上手さはどうだ!」なんて一人でゾクゾクして、「それにくらべて日本馬なんてまだまだダメダメです」とレース後に卑屈になるのが好きなんです。
 競馬の本場・欧米チームに散々に打ちのめされて、世界のレベルはまだまだ高みにある、と痛感させられたいんですよねぇ。

 まあ、単純に欧米かぶれというのではなく、そこには日本馬への深い愛情も込められているわけですが……。競馬愛とは複雑なんです。

 でも、近年はそうやって日本馬をメタメタにしてくれる、また、してくそうな外国馬が来てくれないんですよね。ジャパンカップ好きとしては寂しいのひと言で、そんな年には一転して「ドS」になります。

 見たか、日本馬の力を! GIIクラスの欧米馬とは違うのだよ!! なんて。それで、悔しかったらもっと強い馬を連れて来い! と心の中で叫ぶのです。
(でも、日本馬で掲示板を独占なんかされると、それはそれで結構萎えます)

 というわけで、今年も日本馬中心の予想になりました。

(デットーリ様がいれば、無条件で目をつぶってデットーリ様の馬を本命にしたのに……。ウオッカやディープスカイなんぞ、デットーリ様の腕でヒネり潰してください、ってばかりに)

×××××××××××××××××××××××××××

<GIジャパンカップ>
◎ウオッカ
○アサクサキングス
▲ディープスカイ
△メイショウサムソン
×オウケンブルースリ
注ペイパルブル

 本命はウオッカ。去年に引き続き、ウオッカ。前走の反動とか距離とか、確かに不安材料はあるわけですが、それを言うんだったらディープスカイ、メイショウサムソンにも不安点はゴロゴロ転がっているわけで。
 そうやって不安点ばかり強調するよりも、ウオッカの強さそのものを信頼します。特にこれ以上何も言うことはありませんが、要するに、このメンバーの中で一番強いからウオッカ本命! 力勝負の府中2400メートルは一番強い馬が勝つんです。
 天皇賞・秋のような激戦もいいけど、それはやっぱりダイワスカーレットがいないと絵にならない。ダービーや安田記念のような突き抜け方を期待します。
 もし勝てば、1年で古馬混合GIの1600メートル、2000メートル、2400メートルをすべて制覇することに。たぶん、グレード制導入以降では史上初の歴史的快挙だと思います。そんな偉業は、ウオッカにこそふさわしいです。
 そして岩田騎手、今のところウオッカに乗れるみたいで良かったです。

 むしろ説明したいのは、対抗のアサクサキングス。前走の天皇賞・秋は8着に敗れたわけですが、これは宝塚記念以来の久々だったことがすべて。それでもウオッカと0秒5差なら、悪い競馬ではありません。叩き2走目で上積みは確実。間違いなく前走をはるかに上回る出来でしょう。
 そして、鞍上にはルメール騎手。エリザベス女王杯は素晴らしかったですね。このフランス人名手が、今年はあと一歩詰めの甘いアサクサキングスを大変身させてくれるのではないでしょうか。
 休み明けの前走マズマズ、叩き2走目、距離延長、東京コースも結構得意、ルメール。走る材料が揃いまくってると思いませんか?

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posted by スポーツナビ編集部 |17:49 | レース予想 | コメント(3) | トラックバック(39)
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2008年11月28日

【編集部発】展開いらずの府中2400、でもJCの展開を考える

 ジャパンカップの枠順が確定しました。JCの枠順は→コチラ(JRA)
 注目の3世代ダービー馬、メイショウサムソン、ウオッカ、ディープスカイはそれぞれいい枠に入ったんじゃないかなと思います。

 メイショウサムソンの1枠2番は、やたら強かった昨年の天皇賞・秋と同じ。ウオッカの2枠4番は、ダービーや安田記念を勝った時が内枠でしたから、この枠は問題なし。むしろ、引っ掛かった場合に馬群の中で落ち着かせることができるから、絶好とも言える枠です。そして、ディープスカイはちょうど真ん中で内過ぎず、外過ぎず。特に何も言うことないんじゃないでしょうか。

 と、言いますか、東京競馬場の2400メートルは、スタンド前からの発走で、長い直線を走った後に1コーナー。ですから、ゴチャつくことも少ないですし、外枠馬がかなり大回りさせられることもありません。つまり、内外で極端な有利不利はないんですよね。
 ですから、天皇賞・秋のように枠順をそれほど気にする必要はそんなにないんじゃないかなー、と個人的には思います。過去の連対馬を見ても、内・中・外まんべんなく出ていますし。
(とは言え、このジョッキーとこの馬の組み合わせだと、この枠はちょっと……というのは、各ファンで思うことはあるかもしれませんが)

 また、枠順で大きな有利不利がない東京2400メートルは、その馬が持っている能力が最もストレートに出やすいコースと言われています。

 別名「展開いらずの府中2400」。

 つまり、展開の助けが期待しにくいコースであり、強い馬がそのまま能力を発揮するということです。ということは、人気どおりの決着が多いことも意味しているわけですね。
 事実、ここ10年、極端な大穴はJCでは出ていません(9番人気ファルブラヴ→11番人気サラファンで決まった2002年は中山競馬場)。

 ですから、枠とか展開とかあまり考えずに、自分が思う一番強い馬を本命にして、その次に強い馬を対抗にしつつ、「来たらうれしいな」という穴を1、2頭絡める、というのが一番のジャパンカップ攻略法なのかもしれませんね。

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 「展開いらずの府中2400」と言いつつも、展開を予想してしまうわけですが、まず、逃げ馬は不在です。異論ありませんね?
 外国馬でもピリッとした逃げ・先行馬がいませんので、何が逃げるのかな?と考えると、これはトーセンキャプテンではないかと予想します。
 というのも、天皇賞・秋でもダイワスカーレットを突っついていましたし、やっぱり同じ厩舎の僚馬ウオッカのことを考えると、彼女のためにある程度速い流れで引っ張るのではないかと。鞍上は前走と同じくペリエ騎手ですから、いい仕事をするのではないかなーと思います。

 と、言うことは、ウオッカ断然有利なのかな?

 もし、トーセンキャプテンが行かないとしたら、マツリダゴッホがハナというケースも十分考えられるわけで、レースが沸くのは断然マツリダゴッホがハナを切ったときでしょうね。僕も密かにそうなったら面白いなーと思っていたり。

 どちらにせよ、大外コスモバルクが勢い良く行くかもしれないですし、前で競馬をするスクリーンヒーローやアサクサキングスにはそれぞれ積極性のある外国人ジョッキーですから、ペースはそんなに遅くはならないと思います。平均か、それよりちょっと速いくらいだと思います。

 そうなると、やっぱり最後の直線で伸びてくるのは、ある程度の位置につけらて、しかも能力のある馬。この“ある程度の位置”が大事で、大逃げや後方一気ではよほどのことがない限り、勝ち目はないと思います。
  その意味でもディープスカイは、春の後方一気からモデルチェンジして中団より前の位置で競馬をさせた天皇賞・秋が大きな意味を持ってきます。
 最大目標のJCまで見据えて、あえて大一番でそのような競馬をさせた四位騎手はさすがとしか言うほかありません。ディープスカイは前走の経験が、今回で大きく生きてくると思います。

 こう並べると、やっぱりメイショウサムソン、ウオッカ、ディープスカイが勝利に一番近いところにいるのかな、と思います。
 いえいえ、マツリダゴッホだって気分良く2、3番手追走なら当然チャンスは大。東京競馬場って、直線が長いから差しが決まるように見えて、実際は先行馬がやたらと活躍するコースだったりしますからね。
 オウケンブルースリも菊花賞のようなレースができれば、好勝負に持ち込めます。

 うーん、これだけ書いておいて結論らしい結論、オチらしいオチとは言えないと思いますが、要するにジャパンカップは、正攻法で強い競馬ができる馬・能力の高い馬を素直に狙え!ということでしょう。
(その中で外国馬をどう判断するか、というのがまた難しいんですけどね~)

 ちなみに、外国馬の位置ですけど、マーシュサイドが先行5番手以内(なんだったら2、3番手も)、その後ろにシックスティーズアイコン、ちょうど中団あたりにパープルムーン、中団後ろにペイパルブル。
 これまでのレースと、陣営の話からすると、このような並びになると思います。

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posted by スポーツナビ編集部 |01:50 | レース展望 | コメント(2) | トラックバック(29)
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2008年11月27日

【編集部発】JC出走の外国馬4頭を分析します

 今年のジャパンカップに参戦する外国馬は、イギリス、アイルランド、アメリカから4頭。数が少ないのもそうですが、メンバー的にちょっと寂しいような……。
 モンジュー、ピルサドスキー、エリシオらが立て続けに参戦してくれたのも、今は昔。あの頃は良かったなぁ。特にあのモンジューが来てくれた時は大興奮でした。「来るとか言っといて、どうせ辞退やろ」とヒネた見方をしていましたし、来日するまで全ッ然信じていなかったので、本当に来ちゃった日にはただ、ただ感謝でした。

 でも、なんか、だんだんと外国馬のメンバーが寂しくなっていってますよね。逆に香港カップのメンバーの方がいい年もあったりして、と言いますか、最近は香港の方がメンバーが良くて、ジャパンカップ好きの一人として、大いに危機感を持っているわけです。
 1着賞金は2億5千万円。世界でもかなりの高額レースなのに、外国馬が集まらない。JRAさんにはもっと頑張ってもらって(賞金以外で)、また超一線級メンバーが集まるようになったらなぁ、と切に願っている次第です。
(逆を考えれば、それだけ日本馬が強くなり、硬い馬場も考えると欧米の競馬関係者には「JCは勝ちにくいレース」と考えられているということでしょうか)

 で、今年の4頭ですが、名前的には超一線級でなくても、なかなか侮れない4頭。また、ほとんど無視されている外国馬が上位に来れば、それだけ穴配当が出るということです。聞いたことないし、実績もほとんどないから、という理由だけで切ってしまうのでは高配当をみすみす取り逃がすようなもの。
 というわけで、外国馬も分析していきたいと思います。

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 まず、今年の大将格は英国馬のペイパルブル。名前を聞いただけで、「あ、去年のJCも走っていたな」と思い出した方はかなりの記憶力です。
(僕ですか? 確かに聞いたことあるけど、どんな馬やったっけ?という程度で、JCに出てたのは思い出せませんでした……)

 昨年はアドマイヤムーンから約5馬身差の7着。強いんだか弱いんだか、微妙な着差だけに今年の判断も難しいところですが、欧州での今年の活躍を見ますと去年よりはるかに強くなっているな、という印象です。
 というのも、今年は勝ち星こそありませんが、GIで2着が2回。しかもそのうちの1回は、あの英国古馬最高峰キングジョージで、今年の欧州最強古馬デュークオブマーマレードを1度は差しているという、すごく内容の濃い競馬でした。
 その後の凱旋門賞は12着に負けていますが、これは馬場が渋ってやや重。反対にキングジョージが硬い良馬場だったことを考えると、ペイパルブルは硬い馬場でこその馬と言えますね。キングジョージでは凱旋門賞で2着だったユームザインを9馬身も置き去りにしています。

 その辺を見込んでの再来日。調教師はあの“サー”マイケル・スタウト師。JCは1996年シングスピール、97年ピルサドスキーで連覇。JC2勝は最多勝記録です。そのJCの勝ち方を知る名伯楽が2年連続で連れてくる馬ですから、きっと“自信あり”なのでしょう。
 昨年届かなかった5馬身が、今年は急激に詰まっている可能性は大いにあります。

 同じ英国馬のシックスティーズアイコンは、2年前の英国三冠レース最終戦・GIセントレジャーの勝ち馬です。凱旋門賞ではディープインパクトのライバルの1頭として注目されました。そして、父が英ダービー馬ガリレオ、母が英オークス馬ラヴディヴァインというド派手な超良血という血統からも、僕もよく覚えている1頭でした。
 ただ、セントレジャー後はこの血統にしては物足りない競馬が続いているのも確かです。昨年の不振を脱して、今年は重賞を3連勝しましたが、いずれもメンバーの軽いGIII戦。やはり一線級の中に入ると、ちょっと落ちるのかなというのが正直な印象ですね。
 ただし、硬めの馬場で強い競馬をしたこともあるようですし、いつどこで確変するのが分からないのが超良血馬の怖いところ。案外、日本の軽い馬場が合って大爆発する可能性もあります。

 欧州3番手は、こちらもガリレオ産駒のパープルムーン。障害戦も2度走っており、うち1勝2着1回という成績を残している異色の競走馬ですね。なんか、メジロパーマーを思い出します。ちなみに、2005年のJCをアルカセットで制したルカ・クマーニ調教師の管理馬です。
 肝心の平地での成績ですが、重賞勝ちがゼロ。これだけだと相当レベルが落ちるように見えますが、昨年、都市全体が休日になるというオーストラリア最大のGIメルボルンカップで2着に好走しているんですね。
 海外遠征で好結果を出していることは、JC好走の必須条件。また、メルボルンカップ以後は休養し、今年はまだ9月から始動してまだ2戦。つまり走りごろの叩き3走目がJCであり、フレッシュな状態というのもJCで好走する外国馬に共通する点ですね。
 メルボルンは日本同様に硬めの馬場ですし、海外遠征にも強くて、フレッシュな叩き3走目。外国馬の穴馬は得てして、こういうタイプかもしれません。

 最後に米国のマーシュサイド。前走のGIカナディアン国際SでGI初勝利と、外国馬の中では一番勢いがありそうですね。
 そのカナディアン国際Sというのは、カナダ最大のGIレース。しかも、香港ヴァーズなどGI2勝のドクターディーノを筆頭としたGI馬4頭を負かしての勝利ですから、すごく価値ある勝利です。低人気での大駆けでしたが、それまでの実績はなくとも、GI勝利を機に一気に強くなるのは競馬ではよくあるパターン。前走をフロックのひと言で片付けてしまうと、痛い目にあうかもしれません。
 また、調教師が米国きっての名トレーナー、ニール・ドライスデール師というのも強調材料。エーピーインディをはじめブリーダーズC勝ち馬を6頭輩出。そして2000年にはフサイチペガサスでケンタッキーダービー制覇、2002年のJCではサラファンで2着と、日本競馬にもゆかりのある調教師ですね。
 そして、重い欧州血統と違って、こちらは日本でも多くの活躍馬を出している素軽いミスタープロスペクター系。ひょっとすると、日本の芝に一番適性のあるのはこの馬かも。

 結構、駆け足での分析だったので、たいして参考にならないかもしれませんが、今年の外国馬はざっとこんな感じです。
 まともな勝負になれば、やはり日本馬が優勢だと思いますが、これまでJCでは数々の外国馬の馬券を買い続けてきた僕の目、直感からすると、何か1頭くらい大駆けしそうな予感もしてるんです。もちろん、今年も1、2頭は印に加える予定。それをこれからさらに熟考したいと思います。

 さらに、もっと外国馬を知りたい!って方は→コチラ(JRA)から。4頭のそれぞれのレースも動画で見れます。

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2008年11月25日

【編集部発】日本vs世界……ジャパンカップの展望

 今週は世界の強豪馬を迎え撃つ大一番、第28回GIジャパンカップです。ついに来ましたね、ジャパンカップ!

 と、その前に、先週はショックな出来事がありましたね。武豊騎手の落馬です。右腕の尺骨を骨折で、年内の復帰は絶望的とか。とても残念です。
 ユタカ騎手の乗っていないレースはどことなく緊張感がないというか、つまんないというか。特にこれからのジャパンカップ、ジャパンカップダート、有馬記念のビッグ3レースでユタカ騎手がいないというのは、すごくガックリきますよね……。
 今は1日も早い回復を願うばかりです。

 ユタカ騎手がいない分、他のジョッキーにはいつも以上に頑張ってほしいですし、競馬の主役はなんと言っても馬。今年残りの全レース、人馬一体となってユタカ騎手の穴を感じさせないくらいの好レースを期待したいですね。

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 さて、話を戻してジャパンカップ。「世界に通用する強い馬作り」を目標に、1981年に設立された日本最大の国際レースです。
 設立当初はGI馬どころか、欧米のGIIクラスにすらコテンパンにやられてしまっていた日本馬ですが、それも今は昔。過去27回の通算成績こそ14勝13敗で1つ負け越していますが、ここ10年は日本馬が8勝。日本でやる限りは、地の利を得ている日本馬の方が圧倒的に有利です。
 もちろん、地の利だけで勝っているわけではありませんよ。それだけ日本の競走馬のレベルが27年前と比べてグーンと上がっている証拠でもあります。

 今年もメイショウサムソン、ウオッカ、ディープスカイの3世代ダービー馬をはじめ、アサクサキングス、オウケンブルースリの2世代菊花賞馬、有馬記念馬マツリダゴッホなど、日本代表は最強クラスが勢ぞろい。今年ついに対戦成績がタイに並ぶ可能性は、ものすごく高いのではないでしょうか。

 では、今年の登録馬の分析といきましょう。今年の登録馬は→コチラ(Yahoo!スポーツ)※日本馬のみ

 まずは、何と言ってもウオッカです。天皇賞・秋での2センチ激闘は、競馬ファンならば今でもゴールのシーンが鮮やかによみがえってきますよね。
 あれだけの厳しい競馬のあとですから疲れが心配ですけど、調整は順調に進んでいる模様。有馬には出走せず、今年はこれが最後のレースでしょうから、メイチで仕上げてくることと思います。再度、万全の態勢で府中登場が期待できそうです。
 その府中での強さは、もはや説明不要ですね。距離に一抹の不安はあるでしょうが、昨年はダービーで圧倒的な強さを見せましたし、JCでも最速の上がりで見せ場十分の4着。府中で走る以上、2400メートルは問題ないと思います。
 安田記念の1600、天皇賞・秋の2000につづき、JCの2400メートルも制覇するのでしょうか。1年でこの3つの距離の古馬混合GIレースを勝つのは、おそらくグレード制導入以降は史上初です。

 1つ後輩のダービー馬ディープスカイは、前走の天皇賞・秋でハナ、クビ差の3着。敗れたとはいえ、とてつもなく強いレースをしました。今年の3歳牡馬はレベルが低い、なんて言われていましたが、この馬は別格であることを改めて証明してみせたレースとも言えます。
 ウオッカ同様、この馬もJCが今年のラストレース。しかも、どちらかというとウオッカが天皇賞・秋を最大目標としていたのに対して、ディープスカイは当初からこのJCをこの秋最大の目標と公言してきました。で、あるなら、前走以上の上積みも見込めるということです。
 また、今が伸び盛りの3歳馬。成長力も魅力ですし、ここで逆転があっても驚けません。

 黙っていないのが、ウオッカの1つ先輩のダービー馬メイショウサムソン。凱旋門賞以来のレースになりますが、天皇賞・秋をスキップして、万全の態勢を整えてきました。
 世界一を目指したその凱旋門賞ですが、残念ながら10着。ただ、悪く見えるのは着順だけで、1着ザルカヴァとの差はおよそ6馬身ですから、そんなに負けてはいません。スタート直後に挟まれて後方に下げざるを得なかった苦しい展開だったことを考えると、よく走っています。まともだったら、もっと際どいレースをしていたのではないでしょうか。
 ですから、サムソンの実力はやはり世界トップレベル。底力はいまだ現役最強と言っても過言ではないでしょう。
 激戦の天皇賞・秋を走ってきたウオッカ、ディープスカイと比べると、こちらは日程的に余裕を持っていますし、フレッシュな状態。アッサリ快勝、なんてシーンも十分に考えられそうです。昨年3着の雪辱を果たしたいところです。
 また、石橋守騎手とのコンビ復活にも注目が集まりそうですね。

 上記3世代ダービー馬以外にも、今年の日本馬は豪華メンバーです。昨年の有馬記念馬マツリダゴッホが満を持しての登場。こちらもオールカマー以来ですから、万全の仕上げで本番を迎えられそうです。
 神がかり的な中山コースでの強さに比べて、東京は過去2回走って4着、15着。このあたりが大きな不安材料ですが、この2戦は本格化前の3歳、そして必ずしも万全ではなかった昨年の天皇賞・秋のことでした。それを考慮すると、100パーセントの力を出せる状態に仕上げてくるであろう今年なら、コースなど関係なく走ってくるかも知れません。

 勢いなら今年の菊花賞馬オウケンブルースリ。今年の3歳馬の中で今夏最大の上がり馬です。
 菊花賞のレベル自体にまだ疑問符はつくかと思いますが、オウケンブルースリのレースそのものは文句なしの強さ。ディープスカイ同様、この馬もまた別格の1頭かも知れません。
 また、父ジャングルポケットという血統から、府中2400メートルはさらに能力を発揮できるコースと言えそう。決して侮れない1頭です。

 その1つ先輩の菊花賞馬アサクサキングスも、まだまだ見限れません。今年上半期は天皇賞・春で1番人気に支持されるなど、新チャンピオン候補として期待されました。
 残念ながら、今年まだ勝ち鞍はありませんが、能力が現役トップクラスであることに変わりはありません。前走の天皇賞・秋8着は、宝塚記念以来5カ月ぶりの久々だったことがすべて。それでも0秒5差なら、よく走っています。
 上積み十分の叩き2走目、そして鞍上はエリザベス女王杯でリトルアマポーラを鮮やかに勝利に導いたルメール騎手です。大変身があっても不思議ではありません。

 ほか、昨年のJCでアタマ差2着だった古豪ポップロック(鞍上はペリエ)、京都大賞典1着のトーホウアラン、同2着でスタミナ自慢のアドマイヤモナーク、アルゼンチン共和国杯優勝で上げ潮ムードのスクリーンヒーロー、末脚に抜群の威力を持つオースミグラスワンなど、どの馬も一発を秘めた実力馬ばかりです。

 それにしても、繰り返しになりますが、今年の日本代表はいいメンバーが揃いましたね。この馬たちが府中2400メートルを走って頂点を目指すわけですから、非常にワクワクします。
(ここにダイワスカーレットがいれば……)

 この日本の精鋭たちが迎え撃つことになる外国馬4頭ですけど、それはまた次回で詳しくいこうと思います。
 なにせ、ジャパンカップですから! 外国馬もまた別の稿で詳しくやらないと。僕の中では有馬記念よりも、ジャパンカップの方が『グランプリ』なので。。。

 では、また次回もよろしくお願いします。

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2008年11月24日

【編集部発】馬も人も女性の時代!? マイルCS回顧

 秋のマイル王決定戦・GIマイルチャンピオンシップは、5歳牝馬のブルーメンブラットが優勝しました。

 最後の直線で繰り出した脚は、牝馬特有の切れ味でまさに「カミソリ脚」という形容がピッタリくる末脚でしたね。展開に恵まれたとか、たまたまうまく行ったとか、そんなんではなく、堂々とした競馬で文句なしの勝利。お見事のひと言でした。

 3歳時には牝馬三冠レースに乗るくらいでしたから、もともと素質の高い馬でしたし、僕もこの馬がレースに出るたびに注目していました。秋華賞では「本命にしよかな?」と一瞬、思ったのを思い出します。
 ですが、本格化したのは4歳の昨年後半から。3歳時は前で競馬をする馬でしたが、古馬になってから末の切れ味を生かす競馬に転換し、これが大成功。昨年でも十分「馬が変わったなぁ」と感心していたのに、さらに1つ年を加えた今年は、また一段とパワーアップしましたね。
 比較的早熟傾向のある牝馬なのに、5歳にしてのこの成長はただ、ただ驚きです。

 もちろん、吉田豊騎手の騎乗もお見事でした。流れの上で仕方なかった部分はあるかと思いますが、フルゲート18頭で、しかもGIという大一番で馬群の最内を突っ込むことはなかなかできません。一瞬でも前が詰まれば、それでゲームオーバーですから。
 それを吉田豊騎手は、ブルーメンブラットの脚を信じて迷うことなく突っ込みました。最後は4分の3馬身差だったことを考えると、安全策で外に回していたら、着順は逆になっていたかも知れません。それくらい、吉田豊騎手の判断と手綱さばきはお見事でした。

 そして、石坂調教師をはじめとした陣営の判断も実を結びましたね。牝馬である以上、どうしても牡馬との戦いよりも、多少距離の不安があったとしても牝馬同士の戦いを選びがちになります。
 それを、石坂厩舎は「マイルなら勝負になる」と、マイルCSに敢然と挑戦。この判断は大正解だったわけです。

 ブルーメンブラットの今後ですが、来年春に引退→繁殖入りの予定だとか。社台グループ系のノーザンファーム生産の馬ですから、6歳春シーズンで引退、というのは既定路線でしょうから仕方ないとは言え、もっともっと現役で走る姿が見たいですよね。
 何せ、5歳秋にして重賞初勝利、そして連勝でGI初制覇まで成し遂げた晩成タイプですから。せめて、来年のヴィクトリアマイルまでは見たいかなー、と思ってしまいます。
 いずれにせよ、残り少ないブルーメンブラットの現役レースをこれからも注目していきたいですね。

 ブルーメンブラット、吉田豊騎手、石坂調教師はじめ厩舎スタッフのみなさん、オーナー、牧場関係者のみなさん、本当におめでとうございました。

(そして個人的なことで恐縮ですが、◎○本線でマイルCS的中。GIでド本線的中なんて滅多にないことでうれしいんですが、馬券的には3連単を中心に買っていて、馬単は押さえ中の押さえだったので、さっぱり儲からず。馬券ベタの自分が悲しい……セレブへの道は遠い)

 それにしても、安田記念、スプリンターズS、天皇賞・秋、マイルCSと、牡牝混合GIのうち今年は4つも牝馬が優勝。北京五輪でも女性アスリートがインパクトの強い活躍を見せていましたし、こりゃ、馬の世界も人の世界も女性には逆らえない、今の時代の女性は強い、ってことでしょうか。
 同じ男として情けない……とは思うんですが、僕は個人的に女性の尻にしかれるのは嫌いじゃないです。

××××××××××××××××××××××××××

 で、今週はひっそりと3日開催なんですね。で、ひっそりと福島記念の予想を。

<GIII福島記念>
◎マンハッタンスカイ
○タスカータソルテ
▲サクラオリオン
△フィールドベアー
×レオマイスター
注ホッコーソレソレー

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2008年11月22日

【編集部初】◎鬼脚ブルーメンブラット!…マイルCS予想

 先週京都競馬場で、関西ではその名を轟かせている大作家・乗峯栄一先生にお会いした。なんでも、スポニチ大阪で好評連載中の予想コラムで展開している「複勝コロガシ」がコロガりまくっているのだという。
(乗峯先生といえば「複勝コロガシ」! そして、イシノサンデー……)
 1000円からスタートして3万円くらいまで膨れ上がっているこの複勝コロガシ。エリザベス女王杯ではどれでコロガすのかをたずねてみたら、

「ポルトフィーノ。てへへ」

 ……。その後の結末はみなさん、ご存知のとおりですね。この辺のオチのつけ方が乗峯先生らしくて、とてもステキだと思いました。

 そんな関西で大人気の大作家にして競馬予想家、乗峯先生が栗東トレセンで会った馬や厩舎関係者について、写真入りで紹介しているブログを書いておられるとのことです。
 みなさんも、どうぞのぞいてみてください。すごく面白いですよ。リンク先は以下です。

 「乗峯栄一のトレセン・リポート」

 それでは僕も乗峯先生に負けないように、今週こそはビシッと的中目指します。

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<GIマイルチャンピオンシップ>
◎ブルーメンブラット
○スーパーホーネット
▲スズカフェニックス
△カンパニー
×マルカシェンク
注ラーイズアトーニー

 本命は牝馬ブルーメンブラット。今年は、と言うか、ここ数年そうなんですが、牡馬よりも牝馬の方に質の高い馬が多くいて、秋のマイル路線も流れは牝馬にあるのでは――と思うのです。
 そこでブルーメンブラット。もともと素質の高い馬でしたが、昨年後半から完全に開花。ラストで使う脚は極上の切れ味ですよね。一瞬の切れならスーパーホーネットよりも上だと思います。今年の牡馬ならスパッと差し切り可能でしょう。

 前走の府中牝馬Sでは、エリザベス女王杯で2、3着に来たカワカミプリンセス、ベッラレイアを差し切っていますし、今の充実ぶりは素晴らしいものがあります。その前走よりもさらに能力を発揮できるマイル戦なら、牡馬相手でも十分勝負になります。

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posted by スポーツナビ編集部 |18:50 | レース予想 | コメント(2) | トラックバック(38)
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2008年11月20日

【編集部発】加マイル王ラーイズアトーニーの正体を探る

 今年のマイルCSには外国馬が1頭、カナダからラーイズアトーニーが参戦。で、この馬はいったいどんな馬なのか、そしてマイルCSでも好勝負になる馬なのかを分析してみました。

 まず、重賞初勝利が今年5月、そして9月にはGI初勝利ですから、今が旬と言えるくらい充実期にあることが想像できます。そのGI初勝利となったのがカナダ最大のマイルレース・ウッドバインマイルですから、簡単に言ってしまえばラーイズアトーニーは“カナダのマイル王者”です。
 そして、ここで負かした相手が昨年のGI米国BCマイルの勝ち馬で今年も2着だったキップデヴィル、また今年のGI米国BCフィリー&メアスプリントを勝ったヴェンチュラ。これら米国トップマイラーを撃破してのGI勝利ですから、非常に価値の高いものと評価できますね。

 ウッドバインマイルのレースは→コチラ(JRA)で視聴できます。

 レーティング115は、カンパニーの119、スーパーホーネットの118に次ぐ、ファイングレインと並んでの3位タイ。カンパニーはインターメディエイト、ファイングレイはスプリントでの評価ですから、マイルでのレーティングに絞れば、出走メンバー中2位ということになります。

 これは、なかなかどころか、相当強い馬じゃないですか。しかも、JRAの公式サイトによると、来日後もきっちりカイバを食べて、調教もしっかりできているようですし、今朝は4ハロンから速い時計を出したとのこと。
 JRA公式サイトに載っている厩舎サイドのコメントを信用するのなら、コンディションも問題なさそうです。これは日本馬にとって、思わぬ強敵が出現といったところでしょうか。ちなみに脚質は先行タイプです。

 ただ、不安な点もいくつかあります。まず、走破時計がやや足りないこと。マイル戦での最高タイムは1分33秒9。悪くはないんですが、これは昨年マークしたもので、今年のベストタイムが初のアメリカでの競馬となった前走の1分35秒5というのは、GIとなると1分32秒台の決着が当たり前の日本ではちょっと心もとないです。
 ウッドバインマイルを勝った時も重馬場でしたし、これはラーイズアトーニーを管理するブラック調教師のコメントにもありますが、やはりひと雨降って、馬場がソフトになった方がより力を発揮できるタイプと言えそうですね。
 でも、この1分33秒9。3歳の条件戦時代にマークしたということは、GIを勝つくらい地力をアップさせた今なら、もっと速い時計で走れる可能性も秘めていることにもなります。

 もう一点は、右回りが未経験ということ。これ、以外に重要でして、日本の競馬の中でも初めての右(左)回りを上手にこなせなくて惨敗……というケースはしょっちゅうあるんですよね。
 振り返れば、1994年のスプリンターズS。BCスプリント2着などの実績からサクラバクシンオーにつづく2番人気に支持された米国馬ソビエトプロブレムでしたが、初めての右回りで上手に曲がれず、4角では画面の外に消えてしまった……なんてこともありましたもんねぇ。だから、初の右回りというのは大きな不利になる可能性もあるわけです。
 ただし、ラーイズアトーニーが走っていたウッドバイン競馬場は1周が2400メートルもある広いコースで、マイルCSが行われる京都外回りも広くてゆったりしたコース。その点、コーナーがきつくはないので、ソビエトプロブレムのように画面から消えることはないと思います。

 で、結論ですが、ラーイズアトーニー侮りがたし!(なんか、エリザベス女王杯のときも同じことを言ったような)
 持ち時計と右回り未経験に若干の不安を覚えますが、能力そのものは今年のメンバーなら十分互角のモノを持っていると判断します。ひと雨来て、馬場が軟らかくなればさらに大駆けの目が出てくるのではないでしょうか。

 ただし、エリザベス女王杯の時も「今年の外国馬はけっこう強い」と言ってしまい、結果は2頭そろって惨敗して大恥かいた僕が言うのもアレですが、外国馬って結局、調教の動きなり当日のパドックを見てみないと分からない部分が多いんですよね。
 フェアブリーズなんかも、当日のギリギリの馬体を見て「こりゃアカン」と頭を抱えてしまいました。
 ですので、僕も含め、ラーイズアトーニーが馬券候補に入っている方は当日の気配には要注意ですよ。

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posted by スポーツナビ編集部 |20:01 | レース展望 | コメント(0) | トラックバック(21)
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2008年11月18日

【編集部発】マイルCSの展望…悲願のGI制覇なるか

 今週は秋のベストマイラー決定戦、第25回GIマイルチャンピオンシップです。
 一昨年・昨年と同レースを連覇したダイワメジャーが引退、また、春の安田記念を制したウオッカが不在など、いまだ混沌としているマイル路線。歴代のチャンピオンマイラーのような、「コレ!」という馬は不在ですが、個性の強い現役トップマイラーたちがこぞって参戦してきました。
 この一戦で、新たなマイル王が決定します。前評判の高い馬がついに頂点に立つのか、それとも思わぬ伏兵が台頭するのか、注目の頂上決戦。

 さっそく展望といきましょう!

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 まずは、過去10年のデータから探っていきたいと思います。過去のマイルCSの結果は→コチラ(Yahoo!)

 マイルCSへのステップレースと言えば、東の富士Sに西のスワンステークスがありますが、過去10年の勝ち馬・2着馬の前走を見てますと、これが面白いんですね。
 富士S組は1勝2着1回、スワンS組にいたっては0勝2着1回と、まったく振るいません。

 では、成績のいいローテーションはというと、天皇賞・秋組なんですね。4勝2着4回と、抜群の成績を残しています。その次にいい成績を残しているのは、3勝を挙げているスプリンターズS組。
 また、勝ち馬こそ出ていませんが、毎日王冠組は過去7頭が出走して、そのうちの3頭が2着に来ています。連対の確率から言えば、かなりのハイアベレージを残していますね。
 この結果から判断すると、実直にマイル路線を歩んできた馬よりも、レベルの高いGI戦線を戦ってきた馬の方が有利、と言えそうです。また、それだけ今の日本には純粋なマイラーがいない、ということでしょうか。

 年齢別で言うと、5勝2着6回の4歳馬がダントツです。5歳馬は2勝2着2回、6歳馬は2勝。3歳馬は1勝2着2回で苦戦傾向、7歳馬以上は連対どころか、3着もゼロですから高齢馬にはキツイレースと言えそうです

 人気面では、1番人気馬が5勝2着1回と強さを発揮。配当的にも、万馬券が出やすい3連単は別にして、そこそこ人気サイドで決着しています。
 ただし、1番人気が勝てなかった年は2002年のトウカイポイント(11番人気)、2000年のアグネスデジタル(13番人気)のような大穴が劇走。そして、勝てなかった1番人気は2000年の2着ダイタクリーヴァ以外は3着も外す大敗を喫しているので、穴を狙うなら思い切って、がマイルCSの傾向のようですね。

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 では、今年の有力馬の分析といきましょう。今年の登録馬は→コチラ(Yahoo!)

 まず、1番人気が予想されるスーパーホーネット。前走の毎日王冠でウオッカを差し切ったあの強烈な末脚は記憶に新しいところですね。
 天皇賞・秋参戦の可能性もありましたが、ベストの距離適正なども考慮し、万全を期してマイルCS一本で調整してきました。それだけに前走劇勝後の反動もなく、状態は万全でしょう。
 この馬も持ち味といえば、やはり切れ味抜群の末脚。舞台は東京から京都に替わりますが、京都外回りは差し馬有利のコースですから、同馬にとっては力を存分に発揮できる舞台です。
 そして、昨年のマイルCSはダイワメジャーにクビ差及ばずの2着と、悔し涙を流しました。昨年の雪辱を期すためにも、天皇賞・秋をパスしてここ一本に絞ったのでしょう。今年こそ悲願のGI制覇はなるでしょうか。

 強力なライバルとなりそうなのが、天皇賞・秋4着のカンパニー。ラスト50メートルの脚は一番際立っており、あと何十メートルか先にゴール板があったら、ウオッカ、ダイワスカーレットを差し切っていたかも……と思わせるくらいの脚でしたね。
 中2週続きになるものの、秋初戦の毎日王冠が仕上がり途上だったことを考えると、むしろこの叩き3走目はさらに出来アップも十分考えられます。純マイラーとは言えないタイプですが、天皇賞・秋のレースぶりから地力はメンバー中ナンバーワンとも言えます。

 スーパーホーネット同様、前走でGI馬を破って評価をアップさせた馬と言えば、牝馬のブルーメンブラット。府中牝馬Sはカワカミプリンセスを差し切っての優勝でした。
 こちらも最大の武器はラストの末脚。スーパーホーネットよりも上とも言える極上の切れ味です。
 春はヴィクトリアマイルでウオッカからハナ差の3着。それを物差しに判断すれば、牡馬相手でも十分通用しそうですね。

 これら念願の初GIタイトルを目指す馬たちに注目が集まる一方、すでにビッグタイトルを獲得しているGI馬も無視できません。
 07年の高松宮記念馬スズカフェニックスはマイル路線の上位常連馬。ただ、6歳となった今年は勝利がありません。ゲートの出が甘く、どうしても後方からの競馬を強いられ、最後はよく伸びるも届かず……そんなレースが続いています。
 でも、極端に力が落ちたとは思えませんし、やはりその末脚の威力は無視できません。また、逆に発馬さえ決めれば、アタマまで突き抜けられる可能性を十分に持っているとも言えます。

 今年の高松宮記念馬ファイングレイン。3連勝でスプリント路線の頂点に立った春から一転、秋シーズンは3連敗で、すっかり影が薄くなってしまいました。
 しかし、9着→10着から前走のスワンSは5着。3走使われて、ようやく上向き気配です。直線平坦の京都は得意ですし、マイル戦もNHKマイルカップで2着の実績。GIを制した地力は軽くは扱えません。

 また、ダービー卿CT→富士Sを連勝したサイレントプライド、ポートアイランドS→スワンSを連勝のマイネルレーニア。ステップレースを勝った馬がともに連勝中と勢いがありますから、本番でも怖い存在になってきそう。

 春の安田記念3着エイシンドーバーは今年、大きく崩れたのが京都金杯の7着だけで、中山記念2着、マイラーズC3着と堅実です。前走の秋初戦・富士Sも4着。上積み十分の2走目でさらに前進が期待できそうですね。

 ほか、今年に入っての復調が目覚しい06年桜花賞馬キストゥヘヴン、骨折明けの7カ月ぶりスワンSで2着と好走した今年重賞2勝のローレルゲレイロ、距離短縮で反撃を狙うダービー2着スマイルジャックらも侮れない存在です。

 また、カナダからラーイズアトーニーが参戦してきました。9月のGIウッドバインマイルを勝って、GI初勝利。そのレースで負かした相手が、昨年の米国ブリーダーズカップマイル馬で今年も2着だったキップデヴィル、後のBCフィリー&メアスプリント馬ヴェンチュラですから、これは価値がありますね。
 レーティング115も、登録メンバー中3位ですから、その実力は高く評価できます。一発あって不思議はない馬だと思います。

 この多彩メンバーのマイルCSを制し、秋のベストマイラーの座に就くのは果たして。

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posted by スポーツナビ編集部 |00:59 | レース展望 | コメント(0) | トラックバック(26)
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2008年11月17日

【編集部発】武豊騎手の落馬に「エッ!」、そしてルメール騎手お見事!

 エリザベス女王杯は、クリストフ・ルメール騎手が見事にエスコートしてリトルアマポーラが優勝。そして、武豊騎手がスタート直後に落馬という“事件”もありました。

 まずは武豊騎手の落馬ですね。あれにはビックリしました。カメラのレンズ越しに見ていて、「あ、誰か落ちた」というのは分かったんですが、それがまさか武豊騎手とは思わず、場内実況の「ポルトフィーノです!」の声が聞こえてきて、「エーーーーー!!」。
 ユタカ騎手はしばらく倒れたままでしたし、目の前には馬群がドドドッて迫ってきているから写さなきゃならないし、そう言えばポルトフィーノはどこ行ったの?と探したりで、もう軽くパニックでした。

落馬シーン
問題のシーンです。画像が小さくて申し訳ないですが、分かりますか?

 馬ではなくて、僕がようやく落ち着いてきたのが、レースが向こう正面に差しかかったあたり。改めて並びを見ると、なんとリトルアマポーラが好位5番手。3~4コーナーではさらに押し上げて3番手までポジションアップすると、最後の直線でもグイグイと脚を伸ばして、すぐ後ろにいたカワカミプリンセス、ベッラレイアをまったく寄せ付けず。見事な勝利でした。

 もちろん、リトルアマポーラは強かった。そして、その眠れる素質・才能をすべて引き出したのが、ルメール騎手。素晴らしい騎乗だったと思います。
 長浜調教師が「出来には自信があった」とおっしゃっていましたから、馬の状態がいい時にめぐってきたというタイミングはあるにせよ、それまで弾け切れなかったリトルアマポーラを“変身”させてしまうのですから、ルメール騎手の手綱には恐れ入るばかりです。

リトルアマポーラ1

 差す競馬しかできないと思われていたハーツクライをあっさりと先行させて、ディープインパクトを破った2005年有馬記念。そして今回もまた、同じようにリトルアマポーラを勝利へと導いたルメール騎手。この完ぺきな騎乗をナマで見られただけでも、京都まで取材に行った甲斐があるというものです。
(しかし、ハーツクライにしろリトルアマポーラにしろゲートの速い馬じゃないのに、こんなにアッサリ好スタートを切らせて好位からの競馬をさせてしまう……ルメール騎手はいったいどんな“マジック”を使っているんでしょうか?)

 余談になりますが、リトルアマポーラといえば、1月京成杯から僕はしつこく彼女を本命に推し続けました。桜花賞も、オークスも。そのたびに「クラシックを勝てる器」だと書いてきました。
 そのときは残念ながら勝つことはできませんでしたが、こうしてエリザベス女王杯を勝ってくれて良かったなぁ、僕の目もまだ捨てたもんじゃないなぁと、うれしくなってしまいました。
 じゃあ、なぜ今回は本命じゃないのか、というのが僕の勝負甘いところでして、トホホ……。

 でも、春シーズンはまず馬体維持が大変だったことを考えると、リトルアマポーラはまだまだ奥がありそうですね。ひいき目を抜きにしても、今後もっと強くなる馬だと思います。ウオッカ、ダイワスカーレットと対決する日が来れば、すごく楽しみですね。

 何はともあれ、リトルアマポーラをはじめ、ルメール騎手、長浜調教師、厩舎スタッフ、オーナー、牧場関係者のみなさま、本当におめでとうございました!

リトルアマポーラ2

 一方、2着に敗れたカワカミプリンセス、3着のベッラレイア。どこがどうというのではなく、今回ばかりは勝ったリトルアマポーラが強かった、これに尽きると思います。2頭ともよく走っていますし、互いにスランプから復活モードに完全に入っていることがむしろ証明できたとも言えます。
 悲観する必要はなく、今後またさらに楽しみが増えたと見るべきではないかなと。カワカミプリンセスは順調なら有馬記念とのこと。今回以上の上がり目があれば、牡馬相手でも一発が期待できるのではないかと思います。

 それと、武豊騎手ですが、JRA発表によれば両肩打撲とのことで、大きなケガはなかったのが何よりでした。すぐに立ち上がらなかったので本当にヒヤッとしましたから。
 また、ポルトフィーノも左前脚に外傷があるとのことでしたが、こちらも大きなケガも事故もなく一安心です。3歳シーズンはGIでは運に見放されたとしか言いようがないくらいの不運でしたが、この悔しさをバネに、来年こそGIの舞台で大暴れしてくれることを期待したいですね。

※みなさんのエリザベス女王杯感想コメント、トラックバックともに募集しています。スポーツナビ 競馬特集――レース結果、ニュース、コラム、フォトギャラリーなど

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posted by スポーツナビ編集部 |02:59 | レース回顧 | コメント(2) | トラックバック(17)
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