2008年04月29日

【編集部発】天皇賞・春の展望…王座死守かニューヒーロー誕生か

 さあ、今週は天皇賞・春です。古馬最強決定戦です! 伝統の淀2マイル戦。格式からしても「天皇賞・春」という文字を見ると、身が引き締まる思いです。世界的に最強戦というと2000メートル、もしくは2400メートル戦ですから、国際情勢からすると3200メートルという長距離での最強決定戦は、もう古臭いのかもしれません。でも僕は、3200メートルを走りきれなくて何が最強か、と思います。
 というのも、現在の日本競馬は何よりもスピード、そして瞬発力が重視されます。ですから、いくら3200メートル戦といっても、スタミナだけでは勝てません。それプラス、スピード、瞬発力、そして騎手との折り合い、最後まで勝ち切る勝負根性などなど……。まさにすべてを兼ね備えていなければ勝てないレース、それが天皇賞・春なのです。

 では、さっそく今年の展望といきましょう!

 まず注目は、やはり昨年の覇者メイショウサムソン。天皇賞・春2連覇、春・秋を通せば天皇賞3連覇がかかっている一戦です。
 普通なら大本命なのですが、今年初戦だった前走の大阪杯が見せ場なく6着。あまりに不甲斐ない負けっぷりに、連覇への暗雲が立ち込めています。これも、そもそもドバイ遠征を目指して休みなく調整を続けていたために、昨秋の激闘の疲れが抜けきっていないからかも知れません。それに、もとをただせば、去年夏も凱旋門賞を目指して調教していたわけですから、ずーっと休みらしい休みを取っていないんですよね。
 もし、披露が抜けきっていないとすると、今回も危ない……。ですが、1週前追い切りでは武豊騎手も納得の動き、時計でした。大阪杯はあくまで叩き台。大目標の天皇賞・春へ向けて、きっちり立て直しているとなれば、もちろんV最有力です。
 なんにしても、最終追い切りの動き、武豊騎手のジャッジなどに注目ですね。

 対抗1番手は昨年の菊花賞馬で最優秀3歳牡馬のアサクサキングス。成績にムラがあったため、菊花賞馬&ダービー2着でもまだ半信半疑な面がありましたが、今年初戦となった大阪杯では見せ場十分の3着。重め残り、斤量59キロ、距離不足の2000メートルと条件が揃わない中でこれだけの走りを見せたのですから、評価はグンとアップしました。
 今回は全ての面で条件が好転する叩き2走目。現4歳牡馬世代は弱いと言われてきましたが、それを一気に覆す勝利を挙げる可能性は十分です。

 ポップロックは昨年ジャパンカップ2着、宝塚記念3着と好走し、現役トップの実力を見せてきました。勝ちきれない面があるものの、逆に大崩れもしない抜群の安定感がこの馬の魅力。前哨戦の阪神大賞典でも3着とまずまずの内容。混戦になればなるほど、浮上してくるタイプでしょう。
 鞍上には先週のオークスTRでJRA移籍後初の重賞勝利を挙げた内田博騎手。ジョッキーにも勢いがあります。

 安定感と言えば、ドリームパスポートは今年、4~5着という中途半端なところで安定してしまっています。3歳時の活躍からすれば、もっと上を狙える馬なのですが、骨折がまだ微妙に影響してしまっているのでしょうか。
 ですが、前走の大阪杯も4着といっても勝ったダイワスカーレットから0秒2差。力はやはりあります。簡単に見限れる馬ではありません。

 8歳の古豪アイポッパーは、4年連続の天皇賞・春出走です。これまで3、4、4着といずれも掲示板を確保。この馬もGIでは突き抜けきれませんが、安定感は抜群。骨折明けの京都記念は大敗しましたが、2走目の阪神大賞典では2着と、さすがの地力をアピールしました。さらなる上昇が見込める3走目、4勝を挙げる得意の京都で今年こその戴冠を目指します。
 ただし、アイポッパーは雨が大の苦手。パンパンの良馬場限定になります。

 これら実績馬が顔を揃えた天皇賞・春ですが、今年の古馬中・長距離戦線の特徴と言えば、「アドマイヤ軍団」が年明けから大活躍だったこと。中山金杯のアドマイヤフジに始まり、重賞を勝ちまくりました。
 そのアドマイヤ軍団からは4頭もスタンバイ。中でも新星として注目を集めだしたのが、アドマイヤジュピタです。前哨戦の阪神大賞典でポップロックら実績馬を撃破してV。2着アイポッパーを0秒4も離しての勝利ですから、これは文句なしの快勝です。
 安定して先行できる脚質ですから大崩れはなさそうですし、33秒台の瞬発力も持った馬。5歳で12戦というキャリアを考えても、まだまだ上昇が見込めそうな逸材です。GI初挑戦になりますが、前走の走りからすれば格負けもないでしょう。この勢いで一気の頂点も十分可能です。

 アドマイヤモナークもこの春を代表する上がり馬の1頭です。日経新春杯、 ダイヤモンドSと重賞を連勝しましたが、このときの競馬がとにかく強かった。前走の日経賞はマツリダゴッホに離されての敗戦でしたが、この馬自身、最後はしっかりと伸びていましたから、そう悲観する内容でもありません。また、今回は手綱が主戦の安藤勝己騎手に戻ります。これは心強い。
 アンカツ騎手で重賞を連勝した競馬は、むしろジュピタより上とも言える好内容。怖い1頭に違いはありません。

 昨年からの実績馬、アドマイヤ軍団と多彩なメンバーですが、これにさらに彩りを加える馬がいます。
 血統ロマン派注目のホクトスルタン! ある意味、今年最も注目を集める1頭かもしれません。
 と言うのも、父が90年代最強のステイヤーと言われたあのメジロマックイーン。と言うことはですよ、ホクトスルタンが勝てば、曽祖父メジロアサマ→祖父メジロティターン→父メジロマックイーンに続く父子四代に渡る天皇賞制覇となるわけです。いや、これはすごい!
 肝心のホクトスルタンの実力ですが、これがなかなか楽しみな器なのです。昨年は神戸新聞杯4着、菊花賞6着とマズマズの成績。ですが、これは素質の片鱗でしかなかったのです。と言うのも、今年初戦となった前走のサンシャインSでは2着に1秒もの大差をつける圧勝を見せてくれました。準OPのレースといっても、芝の良馬場で1秒差はなかなかできる芸当ではありません。
 父が3歳秋から本格化したように、この馬も今からが素質開花の時。鞍上には長距離戦で頼りになる横山典騎手です。歴史に残る大偉業を今年いきなり達成するかもしれません。

 いやあ、こう書いているだけでも、すごく楽しみになってきました。今年はゴールデンウィーク真っ最中の開催ですし、ぜひ京都競馬場まで足を運ばれてはいかがでしょうか? レースももちろんですが、5月の京都競馬場の気持ち良さったら、もう! 絶対に楽しいことを保証します!

※こちらもどうぞ。
■スポーツナビ競馬 春のGI特集――天皇賞・春

(スポーツナビ競馬担当A)
 

posted by スポーツナビ編集部 |02:56 | レース展望 | コメント(1) | トラックバック(13)
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