2007年11月07日
【編集部発】エ女王杯、古馬は3歳に勝てない?
例年だと、「3歳馬は古馬と互角に戦えるのか?」という世代間の力関係がポイントになるのですが、今年のエリザベス女王杯は様相が違っています。タイトルにもあるように、「古馬は今年の3歳馬に太刀打ちできるのか?」という逆転現象が起きていますね。それくらい、今年の3歳牝馬は強い、と評判です。 なんせ、牝馬のウオッカがダービーを勝ってしまいますし、そのウオッカにダイワスカーレットは1度ならず2度までもGIで土をつけていますし、NHKマイルカップでも牝馬のピンクカメオが勝ちましたし(まあ、3歳牡馬が弱いとも言えますが…)、スプリント路線でもアストンマーチャンがGIスプリンターズSを快勝しましたし、同じ千二だとGIIIキーンランドCでクーヴェルチュールが勝ったりと、07年クラシック世代の牝馬の活躍には驚かされるばかりです。 史上最強世代と評価が高いのもうなずけますし、僕も昨日の展望で、「エリザベス女王杯は3歳2強対決」と書きました。 では、今年の古馬はまったくの用無しなのでしょうか? 本当に3歳馬が抜けて強いんですか? 競馬マスコミに踊らされてはいませんか? 前述のように、確かに3歳2強対決とは書きましたが、これはあくまで一般論の展望。言われているほど、古馬は弱くはない、と個人的に思っています。むしろ、古馬だって相当強いゾ、とすら思っているわけです。というのも、今年の3歳に限らず、ここ数年の牝馬の質は相当に高いということを忘れてはいませんか? まず、総大将格のスイープトウショウはご存知のとおり2005年のGI宝塚記念でハーツクライ、ゼンノロブロイ、リンカーンら牡馬トップを撃破して優勝。また、その前走のGI安田記念もクビ差の2着でしたし、昨年のGII京都大賞典も強い勝ち方を見せました。近走こそ結果は出ていませんが、前走のGIIスワンSで片鱗は見せましたし、実力は男馬トップとまだまだ互角のモノを持っています。 他にも、昨年のエ女王杯勝ち馬フサイチパンドラは今年のGII札幌記念で、後のGI天皇賞(秋)2着のアグネスアークを完封して1着。アドマイヤキッスも今年の安田記念でダイワメジャーから0秒4差の4着と、牡馬に見劣らない能力を見せました。 また、昨年まで現役で走っていたスイープトウショウと同期のダンズインザムードは、天皇賞(秋)で2着1回、3着1回、GIマイルチャンピオンシップでは2着2回と、牡馬と互角の勝負をしてきました。しかし、このダンスインザムードですら、誰もが認める同時代の最強牝馬ではなく、スイープトウショウら同じ牝馬同士で勝ったり負けたりを繰り返していたのです。 このように、古馬牝馬のレベルの高さをナメてはいけません。まして今回は、このカテゴリーの古馬と3歳が初めて激突するわけですから、実のところ、どっちのレベルが上なんていうのは走る前からハッキリ断定できることではないのです。 先ほど、スプリント路線を例に挙げて3歳牝馬が強いと書きました。これとまったく矛盾することを今から言うので大変申し訳ないのですが、競馬の世界では短い距離ほど世代間の実力差が出にくいものなのです。欧州では3歳どころか2歳馬が古馬相手に5ハロンや6ハロンのGIを勝ってしまうことがありますし、日本でも千二の2歳重賞の勝ちタイムが古馬OPと互角なんて話はけっこう良くあることだったりします。 ですから、短い距離で活躍馬が多く出たからといって、長い距離でも同じように「レベルは古馬以上」と即断定することはできないのです。 もちろん、そんなことを抜きにしてもウオッカ、ダイワスカーレットが近年最強レベルの牝馬であることは、これまでのレースぶりを見れば一目瞭然。過去、ファインモーション、アドマイヤグルーヴ、スティルインラブなど歴史に残る3歳馬は問答無用で古馬をナデ斬ってきました。今年も3歳2強がアッサリとワンツーするかもしれません。 で・す・が、古馬もかなり強いんだゾ、ということを頭の片隅に置いていても損はないと思います。無条件に3歳2強と思い込むよりも、違った形のレース展望が見えてくるのではないでしょうか。 また、その方が今年のエリザベス女王杯をよりいっそう楽しめるはずです。 (スポーツナビ競馬担当A)
posted by スポーツナビ編集部 |14:55 |
レース展望 |
コメント(0) |
トラックバック(1)


