2007年10月29日

【編集部発】天皇賞(秋)の斜行、バルクはJC回避すべき

 今年の天皇賞(秋)は、メイショウサムソンの見事な強さがあった一方で、最後の直線で大きな斜行があったために、外を回った差し馬勢は能力を全開できないという後味の悪さが残るレースでもありました。

 JRAのホームページで問題のシーンのパトロールビデオを見ることができますので、僕は繰り返し見ました。

 確かにエイシンデピュティはひどい斜行をしています。被害を受けた人馬に落馬やケガがなかったのが不幸中の幸いでしょう(と言っても、この影響による競走馬のケガはこれから出てくる可能性も十分ありますが)。
 騎乗していた柴山騎手のレース後コメントを読みますと、外にヨレてきたコスモバルクに反応してエイシンデピュティも外に逃げてしまった、とあります。もちろん、柴山騎手はコスモバルクに責任を押し付ける意味で言った言葉ではないと思いますが、バルクの動きに過敏に反応してしまったのは事実なのでしょう。
 とはいえ、エイシンデピュティは実際にコスモバルクにぶつけられたわけでもないですし、常にコスモバルクとの間には1~2頭分のスペースが空いていました。それなのに、馬を大きく外に逃がしてしまった柴山騎手には、天皇賞(秋)というビッグレースを“壊して”しまったという大きな責任があります。

 また、エイシンデピュティと柴山騎手だけではなく、コスモバルクと五十嵐冬樹騎手にも大きな責任があります。処分は戒告のみですみましたが、今回の「事件」の発端となったのはコスモバルクとも言えるでしょう。そもそも、コスモバルクが右にヨレなかったらエイシンデピュティが大きく外に逃げることもなかったと思います。
 レース後に五十嵐冬騎手は「自分自身の課題」と語っていたようですが、果たしてそれだけで片付く問題でしょうか?

 もちろん、コスモバルクをまっすぐ走らせられなかった五十嵐冬騎手に責任はあります。後ろにいたカンパニーの前を大きく2度も横切ってしまい、カンパニー騎乗の福永騎手が相当腹を立てた報道もありました。ですが、コスモバルクの斜行は今回が初めてではなく、左回りでは毎度と言っていいくらい、外へ斜行してしまうのです。
 これはコスモバルク自身にも問題があると言わざるを得ません。当然、外へヨレないように調教で教え込んでいるとは思いますが、それでも一向に矯正できない、または、五十嵐冬騎手以上の“馬をまっすぐに追える”腕を持っている騎手を用意できないのであれば、かわいそうですが、ジャパンカップへの出走は見送るべきでしょう。
 今回は大事故にならずにすみましたが、斜行癖が直らないままだと、次、コスモバルクが原因で落馬事故などの惨事が起きる可能性もあるわけです。また、ファンは不利のないクリーンなレースを見越して馬券を買っているわけですから、まっすぐに走らないと分かっている馬は人命・馬命やその次に大事とも言えるお金のかかったレースに出すべきではありません。

 蛇足かもしれませんが、誤解があるかもしれないので、これは付け足しておきますが、僕はコスモバルクが大好きです。4年前に彼がラジオたんぱ杯2歳S(現・ラジオNIKKEI杯2歳S)出走のため栗東トレセンで調整していた時に取材して以来、ずっとコスモバルクとその陣営を応援してきました。これからも変わらず応援していきますし、JRAのGIを勝ってほしいと思っています。
 ですが、好きであることと今回のこととは別問題。また、大好きな1頭であるからこそ、あえて厳しいことを言わせていただきました。
 
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 普通に競馬場やテレビでレースを見ていても全く気がつかないことなんですが、パトロールビデオを見るとハッキリと気がつくことがあります。
 それは、「競走馬はまっすぐに走らない」、ということ。特に最後の直線などは競走馬も苦しくなって右へ行ったり左へ行ったりします。僕たち人間もコースラインのないグラウンドでまっすぐ走れと言われても、なかなか難しいでしょう。

 ですが、それをまっすぐにキッチリ走らせるのも騎手の仕事であり、腕なのです。馬に乗ることもできない僕がこんなエラそうなことを言うのはおこがましいことなんですが、柴山騎手、五十嵐冬騎手はまだ若いですし、才能もありますし、将来のあるジョッキーなんですから、今回の件を反省し、これからの騎乗技術に生かしてほしいと思います。

 また、他のジョッキーの方たちも、ビッグレースだからというのではなく、どのレースにおいてもまずは馬をまっすぐに追う技術の大切さ、というものを第一に考えていただきたいです。お前なんぞに言われなくても常に考えとるわい!と怒られそうですが……。
 ファンはいつだって、クリーンなレース、クリーンな勝負を見たいだけなんです。 (と言っても、あんまりお上品すぎるレースもちょっとなぁと思ってみたり。クリーンとラフのギリギリが、ジョッキーにとって永遠の命題なんでしょうね)

(スポーツナビ競馬担当A)
  

posted by スポーツナビ編集部 |20:25 | レース回顧 | コメント(1) | トラックバック(1)
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2007年10月29日

【編集部発】メイショウサムソン圧勝! 武豊ファンタスティック!!

 第136回天皇賞(秋) 、メイショウサムソン圧勝でしたね。
 いやあ、強かった。そして、武豊騎手が巧かった。全16頭で一番というくらいの好スタートから、好位4番手のインを追走。そのまま最短距離を進み、最後の直線は馬場のいいところに突っ込んで、後は真一文字の伸び。これ以上ない!ってくらい、とてつもなく美しい勝ち方でした。

 すごくスマートな騎乗だったので、特に何も感じない方もいらっしゃったかも知れませんが、僕の目にはファンタスティックに映ったユタカ騎手の騎乗。
 最近はサンデーサイレンス産駒の特徴を生かすためもあって、後方からの競馬が目立っていたかと思います。とりわけ注目を集めるビッグレースではSS産駒によく乗っていたので、「ユタカ騎手=後方」から、とイメージしていたファンも多くなっていたでしょう。
 しかし、お忘れかもしれませんが、ユタカ騎手といえばスタートが抜群に上手いことが大きな特徴の一つ。当たり前のように好スタートを切り、当たり前のように好ポジションを取り、当たり前のように勝つ。それこそが武豊だと思っていますので、今回の天皇賞(秋)の騎乗はまさに「武豊」が凝縮されたものでした。僕が個人的にユタカびいきというのもあるんですが、あまりの美しさに何度も何度もビデオを見返してしまいましたよ。
 (後方からいくユタカ騎手も大好きですよ。スペシャルウィークやディープインパクトなどは、ユタカ騎手のあの騎乗じゃないと御せないと思いますし)

 もちろん、メイショウサムソンも立派でした。いくらユタカ騎手が上手に乗ろうとも、最後に突き放す脚を繰り出したのはメイショウサムソン自身なのですから、文句なしの強さです。
 直線の外で降着があるくらいゴチャつきがあり、ダイワメジャー、アドマイヤムーンなどはまともに被害をこうむったわけですが、仮に、あの不利がなかったとしても、今回のメイショウサムソンを倒すことはできなかったのではないでしょうか。つまり、10回同じメンバーでレースをやったとしても8、9回はメイショウサムソンが勝つ、それくらい強かったと思います。

 で、我が本命ポップロックですが、2コーナーでマツリダゴッホに前をカットされてしまう不利もあって、道中のポジションを悪くしてしまいましたが、最後は良く伸びて4着。惜しむらくは2コーナー、「マツリダゴッホと蛯名のヤロ~」と言いたいところですけど、ペリエ騎手も語っているように結局のところ、やっぱり距離が短かったということでしょう。
 それだけに、雨で馬場が悪くなって時計のかかる勝負なら……と思っていたのですが、馬場の回復が思っていたよりも早く、時計も想像以上に速かった。つまり、僕の読みが完全に甘かったということです。無念。
 でも、ポップロックは良く走ってくれました。悪くない競馬でしたし、ジャパンカップではさらに上の着順も期待できそうです。

 さて、アドマイヤムーンとダイワメジャーですが、これらの馬を語るには、今回の天皇賞(秋)を襲った「事件」に触れないわけにはいけません。これのために、メイショウサムソンの見事な勝利の一方で、後味の悪さも残りました。
 何のことかと言うと、もちろんエイシンデピュティが降着となった直線の斜行のことですが、長くなりそうなので、それはまた次回に。

(スポーツナビ競馬担当A)
 

posted by スポーツナビ編集部 |01:56 | レース回顧 | コメント(0) | トラックバック(1)
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