2011年10月06日
【編集部発】桜へ注目、芙蓉S勝ち馬サウンドオブハート
今さらで恐縮ですが、先週の日曜の話。 スプリンターズSの取材で中山競馬場へ行ってきたわけですが、 同日9Rの2歳OP特別・芙蓉ステークスを好内容で勝ったのが、 サウンドオブハートです。騎乗した松岡騎手も相当惚れ込んでいる素質の持ち主のようで、 「いいところまで行ける馬です」と、キッパリ。 ただ、このレースではやや行きたがったらしく、 折り合いをつけるのにちょっと苦労したようですが、 「馬の後ろに入れてからは折り合いもついて、 今後のためにもいい競馬ができて良かったです」 また、この日は前走のデビュー戦から+6キロ。 「今日でも太いくらい。あと10キロは絞れるでしょうし、 そうなったら苦しさも抜けてくると思いますね」 そして驚いたのが、 「まだ出来は八分くらいですかね。新馬のときが走ったくらい」 という松岡騎手のコメントでした。 新馬→特別と鮮やかに連勝を飾ったアグネスタキオン産駒の牝馬。 まだ“桜花賞候補”と言うには早すぎるかもしれませんが、 今後、要注目の1頭には違いないと思います。
- 共通ジャンル:
- 競馬
posted by keiba |18:40 |
レース回顧 |
コメント(0) |
トラックバック(205)

騎乗した松岡騎手も相当惚れ込んでいる素質の持ち主のようで、
「いいところまで行ける馬です」と、キッパリ。
ただ、このレースではやや行きたがったらしく、
折り合いをつけるのにちょっと苦労したようですが、
「馬の後ろに入れてからは折り合いもついて、
今後のためにもいい競馬ができて良かったです」
また、この日は前走のデビュー戦から+6キロ。
「今日でも太いくらい。あと10キロは絞れるでしょうし、
そうなったら苦しさも抜けてくると思いますね」
そして驚いたのが、
「まだ出来は八分くらいですかね。新馬のときが走ったくらい」
という松岡騎手のコメントでした。
新馬→特別と鮮やかに連勝を飾ったアグネスタキオン産駒の牝馬。
まだ“桜花賞候補”と言うには早すぎるかもしれませんが、
今後、要注目の1頭には違いないと思います。
「逃げ出したかったよ。でも、それを克服して『勝ちたい』と思うのが騎手やから」
我々が想像もつかないような大きなプレッシャーと戦い、それに打ち勝った岩田騎手の言葉です。
岩田騎手のような名手、そして何度も大レースで人気馬に乗ってきた騎手ですら、今回の代打の重圧には押し潰されそうになった、と言いました。
でも、そこで本当に逃げ出してしまうか、「勝ちたい」という気持ちでそれを乗り越えられるかが、真の一流とそうでない人の違いなのかも知れません。
また、岩田騎手のプレッシャーを解きほぐすのに、主戦の武豊騎手のアドバイスも大きかったようです。
『本当に素直な馬だから大丈夫。自信を持って勝って来い』
ヴィクトワールピサは、デビューから前走の弥生賞まで5戦かけて武豊騎手がじっくりと競馬を教え込んできた馬。いわば最高の英才教育が施された馬で、“先生”であるユタカ騎手が“自慢の生徒”と太鼓判を押したわけです。
「ユタカさんからアドバイスをいただいて、すごく安心しました。僕がよほどムチャクチャなレースをしない限りは大丈夫なんやって。もう負けるイメージは全然なかったです」
その言葉を裏付けるように、レースは終始堂々としており、スタートで行き脚がつかなくても、最後の直線で前が壁になっていても、人馬ともにまったく慌てる場面はありませんでした。
勝つべくして勝つ――そんなレースだったと思います。
2着ヒルノダムール以下、ハナ+ハナ差にひしめき合ったエイシンフラッシュ、そして宿敵ローズキングダムとはおよそ1馬身半差。通常ならばまだまだ勝負付けが済んだ着差とは言えません。
ですが、皐月賞のパフォーマンスを比較すれば、永遠の1馬身半差とも思える大きな差がヴィクトワールピサと2着以下にはある、と言わざるを得ません。
まだ若葉ステークス勝ち馬のペルーサら未対戦の馬がいるとは言え、このままヴィクトワールピサが順調に過ごし、再び能力を全開すれば5月30日の日本ダービーでの二冠達成は可能性が高いと思います。
角居調教師は言いました。
「ウオッカからうまいこと途切れずにつながってくれましたね。これからの競馬を盛り上げてくれるような、いいスターホースになってくれればいいですね」
厩舎の偉大なる先輩ウオッカに続くダービー馬となり、真の後継馬としての道を突き進むのでしょうか。
ここ数年、特に古馬の牡馬戦線が停滞気味なので、ヴィクトワールピサにはそれを打ち破るスターホースとなってほしいと思います。
もちろん、1頭だけじゃなくて、ローズキングダムら強力なライバルがいてこそさらに盛り上がるのは、ウオッカとダイワスカーレット、ブエナビスタとレッドディザイアの関係を見ても明らかです。
ヴィクトワールピサがただ1頭前をどんどんと走っていってしまうのか、それともローズキングダムが再び待ったをかけるのか、はたまた別の新勢力が急追するのか。
そんな楽しみと期待を持ちつつ、競馬の祭典・日本ダービーを楽しみにしたいですね。
ヴィクトワールピサ号、岩田騎手、角居調教師はじめ厩舎スタッフのみなさん、牧場スタッフのみなさん、オーナーほか関係者のみなさん、本当におめでとうございました。
■
それにしても、強い。ただ、ただ、このひと言しか出てきません。
戦前はローレルゲレイロ、リーチザクラウンの参戦で、テンが相当速くなるのでは……なんてことも言われており、また東京千六ダートは芝からのスタートですから、前半の主導権を握るのは芝からの転戦組、そうなるとエスポワールシチーにも厳しい戦いが待っているのでは……という見方もあったと思います。
ですが、ゲートが開いてみれば、アッサリの2番手キープ。リーチザクラウンは行かないし、レッドスパーダもそこまで追いかけなかったので、エスポワールシチーには絶好の展開になりましたね。
「一番いい形になりました」と、レース後の佐藤哲三騎手。
そして、ベストの流れに持っていけたのも、この仕事人の繊細な騎乗があったからこそ。今回のレースの鍵は一にも二にも「スタート」と見た佐藤哲三騎手は、
「スタートを中心とした競馬をと思って、いつもと違う競馬をしました。思惑通りの反応をしてくれましたね」
と、明かしていたのが印象的でした。
いわば、今年のフェブラリーSは、もはやゲートが開いてからの1ハロンで半ば勝負アリだったのか、と。
佐藤哲騎手が「エスポくん」と愛称で呼ぶダート界のスーパーホース。さあ、お次はドバイが舞台です。
安達調教師は「オーナーと相談してから」とGOサインの明言は避けましたが、「OKが出れば」と、海外遠征の準備は万端。安達厩舎にとっては、昨年のバンブーエール(ゴールデンシャヒーン4着)に続けての2年連続ドバイですから、競馬場がメイダンに替わるとは言っても、そのノウハウは大きな財産として生かされるはずです。
そして、ここで大きなポイントとなるのは、オールウェザーコースはどんなものなのか?と。エスポワールシチーには合うのか?と。
この点について、素材は別のものながら栗東トレセンにもオールウェザーのポリトラックコースがあり、そこでの感触を佐藤哲騎手はこう話していました。
「1度、コースに入れてみたんですけど、凄いですよ(ニヤリ)」
いや、これはもう、期待せずにはいられません。きょうの感じなら芝でも、深い砂でも、軽い砂でもどんな馬場でも対応できる――とも、ジョッキーは話していましたし、このまま無事にゲートインできれば、相当な楽しみが持てるのではないでしょうか。
そして、シチーとドバイと言えば、そうです、キョウトシチー。1998年のドバイワールドカップで6着と大健闘でした。エスポくんにはもちろん、それを軽々と超える好成績を期待します。
ウオッカとエスポワールシチーの2枚看板が挑む今年のドバイワールドカップ。日本馬が快挙を達成する時が来たのではないでしょうか。
う~ん、楽しみだ。
さて、“世界”と言えばバンクーバー五輪。カーリング娘でも見よーっと(桂小枝風)
【コラム】
ステッキをほとんど使わずに余裕タップリに突き抜けてみせたレースぶりは、この時期の2歳馬としては破格の内容。前走のGIII東スポ杯でも相当強い競馬をしたなぁ、と思っていたのですが、この日の競馬はそれ以上だと思います。
何せ小牧太騎手が「これだけ余裕を持って勝てるGIなんて、ちょっとないですね」と舌を巻いたほど。とんでもない馬が現れたものです。
また、その身に流れる母系の血は、競馬ファンにはおなじみの『バラ一族』。これまで一族の馬たちが15個の重賞タイトルを積み重ねてきましたが、どうしても届かなかったGIタイトル。一族通算34回目のGI挑戦で、ローズキングダムがその悲願をついに成し遂げたわけです。
しかも、GIで3走連続2着に泣いたローズバドの子、そのローズバドの最初の重賞制覇も小牧太騎手で、ジョッキー自身もこの時がJRA初重賞、さらにバラ一族との縁が一番深い橋口弘次郎厩舎と、いろんなつながりがあるわけで……
橋口厩舎びいきを公言し、小牧太騎手のことも園田時代から好きで、またバラ一族のファンでもある僕としては「本当に良かったなぁ」と今でも感動しているところです。
そして、そして。橋口厩舎、小牧太、朝日杯の1番人気とくれば、忘れられないのが2004年のペールギュント。この時も能力を出し切れば勝てる、と言われながら、結果は道中で詰まるなど不完全燃焼のまま3着に終わりました。
「ペールギュントで負けた後、小牧君は本当に苦しんだと思う。その後の彼のレースを見ていても、迷っているなと思った」とは、橋口調教師。
園田から鳴り物入りでJRAに転籍した初年度の暮れ。橋口調教師の言うように、この敗戦が小牧太騎手に大きな影を落としたのか、その後勝ち星はコンスタントに挙げるものの、ビッグレースでは思うような結果を出せない日々が続きました。
ですが、昨年のGI桜花賞をレジネッタで制し待望のGI初制覇。あの勝利をきっかけに「彼は変わった」と橋口調教師は語ります。
その言葉を証明するような、この日の小牧太騎手の文句なしの完ぺき騎乗。
「むしろ僕が馬に教え込まれているくらい。これだけ走る馬に乗っていればどこからでも馬群を割ってこれる、人間さえ落ち着いていればどこからでも行ける、って。ペールギュントでは悔いが残る競馬でしたが、その借りを返せたかなと思います」
小牧騎手は、馬もビックリするくらい落ち着いていたけど自分もすごく落ち着きすぎているくらい冷静だった、とも語りました。
ペールギュントでの悪夢の敗戦から5年――その時の悔しさが大きな糧となり、またローズキングダムの底知れない強さが、小牧太騎手に大きな自信を芽生えさせたのでしょう。
そんな頼もしい仕事人の姿を見て、「これで来年も安心だね。安心して彼に馬を任せられる」と、橋口調教師はこのコンビに太鼓判を押しました。
無敗で2歳王座を手中にし、さあ、次に目指すは来春の皐月賞、そして日本ダービー。千八のデビュー戦で下ろしたくらいの馬ですし、血統的に2400メートルも問題ないでしょう。あとはケガがなく無事に行くだけです。
橋口厩舎の07年生まれ世代には、GIIデイリー杯2歳Sを快勝したリディルというもう1頭の素質馬がいたわけですが、残念ながら全治1年の骨折により戦線離脱。
リディルのことも考えると、いくら素晴らしい素質を持っていたとしても、やはりまずは無事にレースに臨めることが何より大切。当たり前のことですが、改めてそう強く思わされます。
「今朝もリディルに会って、『頑張ってくるから』と声を掛けてきたところなんです。リディルの分まで来年もこの馬と頑張りますよ」(橋口調教師)
一族の誇りと同僚の思いもその背に乗せて、ローズキングダムと小牧太騎手が駆け抜ける2010年クラシックロード。どのような走りを見せてくれるのか、今から本当に楽しみで仕方ありません。
ローズキングダム号、小牧太騎手、橋口調教師はじめ厩舎スタッフのみなさん、牧場スタッフのみなさん、オーナー、そのほか関係者のみなさん、本当におめでとうございました。
前走も大外枠で道中は行きたがり、前向きすぎる面があるということだったので、今回の大外枠もちょっときついんじゃないかなぁ~、と僕は無印にしたわけですが、終わってみれば何の問題もなし。
「今回が一番落ち着いていた」と国枝調教師が言い、蛯名騎手も「1戦ごとに良くなっている」。この学習能力の高さに加え、デビューから馬体重が20キロも増えて実になっていた成長力も、今レースの大きな勝因になったのではないでしょうか。
で、アパパネの馬券を一銭も買っていない僕が言うのも非常におこがましいのですが、お母さんのソルティビッドはけっこう思い入れのある馬でして……。
あれは僕がまだ栗東で毎週取材していた2002年の阪神JFウィーク。美浦から早め入厩して調整している関東馬がいるということで、それが物珍しく、またその馬が坂路で49秒台を出しちゃうんですから、これは取材せねばと訪ねたのがソルティビッドでした。
この週は1週間まるまる栗東詰めで、当時の担当だった藤井調教厩務員にいろいろとお話を聞かせてもらいつつ、この時はソルティビッドの馬券も買ったんですが、結果は距離の壁があり17着。残念ながら好成績は残せませんでした。でも、この経験が糧となり、7年後の今日、娘のアパパネで大きな実を結んだわけです。
そう考えると、なんだか感慨深いものがあります。そうか、あのソルティビッドの子が……と。僕ですらここまで「ジーン」となるんですから、国枝調教師はじめ厩舎スタッフの喜びはひとしおでしょう。ソルティビッドから7年越しの結実をその娘で果たせたわけですから。
来年はもちろん、目指すは桜花賞。「どこか1回使ってから本番へ」とは国枝調教師。桜花賞前も早めに栗東に入って調整していくとのことです。
お母さんの特性を受け継いだのか、レースではやや前向きすぎる面があると先述しましたが、基本的には「2歳牝馬とは思えないくらいドッシリした馬」とのこと。そういうわけですからイレ込みすぎて自滅してしまうタイプでもなく、安定して能力を発揮してくれそうな馬とも言えますね。
また、阪神コースが改修されてからの阪神JFの勝ち馬を並べると、06年ウオッカ、07年トールポピー、08年ブエナビスタと、いずれも翌年はクラシックも勝っている名馬たち。つまり、今の阪神マイルは本当に能力がある馬じゃないと勝てないコースですから、これはアパパネにも大きな期待を抱いていいのではと思います。
このままアパパネが来春もヒロインとして突っ走っていくのでしょうか、それとも新たなヒロイン候補が出現してくるのでしょうか。
仁川の桜へと続く2010年3歳牝馬クラシックロード、非常に楽しみになってきました。
アパパネ号、蛯名騎手、国枝調教師はじめ厩舎スタッフみなさま、牧場スタッフみなさま、オーナーほか関係者みなさま、本当におめでとうございました。
■
ひと言で言うなら、世代交代。実際のところフェブラリーSでも4歳馬のワンツーでしたし、かしわ記念でもエスポワールシチーがカネヒキリを負かしていたので、今年初めから世代交代はしていたとも言えるのですが、ヴァーミリアンが持ち直して帝王賞、JBCクラシックと連勝していたものですから、やっぱり7歳馬はまだまだ強いぞ――と、なっていたと思うんです。
でも、今回の結果でダート界の勢力図は完全に若馬たちによって塗り替えられました。長年、慣れ親しんできた馬たちの天下が終わることには寂しさもありますけど、今後の日本ダート界を背負っていく3・4歳馬たちの強さ、たくましさを見ると、来年以降が本当に楽しみになります。
その代表格がエスポワールシチー。安達調教師の話では「まだまだ子供っぽさが残る」とのことですが、それを佐藤哲三騎手と厩舎スタッフが付きっ切りで調教し、徐々に競馬を教えてマイナス点をクリア。その成果が大きな実となって現れたのが、今回のJCダートだったと思います。
「これまで自分たちがやってきたことが間違っていなかったんだなと思いました」とは佐藤哲三騎手。2年前の度重なる落馬負傷で調子を落とし、昨年は大舞台での活躍から遠ざかっていましたが、エスポワールシチーとの出会いが再び関西きっての勝負師の闘争心に大きな炎を宿しました。
「モヤモヤしていた時に出会った馬。この馬ならGIを獲れると思っていたし、こういう結果が出て本当に良かった。もっと効率よく走れる馬だし、そういう競馬が海外に行ったときにマッチすれば。もっと楽しめる馬です」
“海外は僕の夢”、そう語る佐藤哲三騎手の視線の先に映るのは来年のドバイ・メイダン競馬場でしょうか。
5年前、タップダンスシチーとともに挑戦した凱旋門賞は輸送する飛行機のトラブルがあり、直前でのフランス入りとなるなど不完全燃焼のまま17着で終えてしまいました。その時の分まで同じ“シチー”のこの馬で――。
希望(エスポワール)という名の船で漕ぎ出す大海原。2010年はそれこそ世界を股にかける大活躍を期待したいですね。
エスポワールシチー号、佐藤哲三騎手、安達調教師はじめ厩舎スタッフのみなさん、牧場スタッフのみなさん、オーナーそのほか関係者のみなさま、本当におめでとうございました。
また、シルクメビウスら3歳馬、4着で意地を見せたサクセスブロッケンなど、彼らが今後もいいライバル関係でダート界をますます盛り上げていってほしい。ここ数年、ダートホースの層の厚さは芝よりも充実していますし、来年以降もダート競馬がすごく楽しみです……と、その前に東京大賞典ですね。
■
しかし、これほどまでにカンパニーの存在が大きくなるとは……。失礼ながら、正直言いますと、GIIでは勝ち負けになるんだけど、GIではあと一歩が突き抜けられない、そんな脇役タイプのまま、それでも10歳になっても元気に走っているんだろうなぁ、それはそれでカンパニーという馬の強烈な個性だなぁ、と勝手ながら思っていたわけです。
あ、誤解しないでください。決してバカにしているのではないですよ。僕、栗東で毎週取材していた時から音無厩舎はひいきにしていましたし、“あと一歩足りない”そんなカンパニーがすごく愛しくさえ思っていたんです。
「最初は全然人気のない馬でしたが、徐々にファンが増えていった馬で、ここ3走くらいでさらにファンが増えたのではないかなと思っているんです」と、レース後に語ったのは音無調教師。まさにそんな感じですよね。
つい最近カンパニーを知った方も、8歳にしてここまで強烈なパフォーマンスを見せてしまう彼の姿に釘付けになってしまったのではないでしょうか?
そして、この年齢まで大きな故障もなく、3歳~8歳までコンスタントに走ってきたカンパニーの丈夫さ、そして決して諦めることなくチャレンジし続けてきた不屈の闘志こそを見習いたいと思った方もたくさんいることでしょう。
すでにカンパニー世代にいる先輩方、もうすぐカンパニー世代に入る我々は今後、『目指せカンパニー!』を合言葉に頑張っていこうではありませんか。
また、ここまでしっかりケアをしてきた音無厩舎のスタッフの手腕も同じくらい賞賛されるべきです。音無調教師、厩務員さんはじめ、厩舎スタッフが大事に大事に馬を使って、また馬以上に諦めない心でカンパニーとともに一歩一歩進んできたからこそ、今のカンパニーがあるわけですから。
そして、横山典弘騎手ですね。毎日王冠、天皇賞・秋、マイルCSと、すべての勝利後において「馬の出来が最高に良かったから」とカンパニーを称えていましたが、やはり横山典騎手の絶妙な手綱がなければ、この3連勝はなかったと思います。音無調教師は言いました。「秋3戦は横山君が完ぺきに乗ってくれた」と。
これで今年はGI3勝目。マイルCSの勝利がちょうど区切りの今年100勝目と、質・量ともにますます絶好調です。
次週のGIジャパンカップではいよいよダービー馬ロジユニヴァースとのコンビで世界に挑みます。この勢いで府中2400メートルでも大仕事をやってくれそうですね。
カンパニー号、横山典騎手、音無調教師はじめ厩舎スタッフのみなさん、牧場スタッフのみなさん、オーナーほか関係者のみなさん、本当におめでとうございました。これから種牡馬生活を送るカンパニーには、競走生活同様に息の長い活躍をする個性的な種牡馬になってほしいと、強く願います。
■
いやいや、しかし競馬は怖いです。誰がこんな結末を予想したでしょうか?(いや、しない←反語)
と言っても、馬券がちゃんと売れているわけですから、この結果を予想して3連単や馬単、馬連を買った人がたくさんいるわけで。よくよく考えたら、この組み合わせで3連単154万円の配当はむしろ「安い」のでは、と思ってしまうくらいです。世の中には馬券名人がいるものだなぁ~。
なんでこんな結果になってしまったかというと、僕なんかではよく分かりませんが、やっぱりクィーンスプマンテの出来がものすごく良かったこと、そして、23歳の田中博康騎手が「絶対にハナは譲らない!」という信念を持って思い切って行ったこと、これが第一だと思います。
それで頑としてグイグイとリードを広げるものだから、3番手以降の人馬は「あれだけ行ったら、4角あたりでタレてくるだろう」とタカをくくってしまったのかもしれません。
でも、実際のペースは前半1000メートルの通過が60秒5と、見た目ほどに決して速くなかった。この見た目と実際のペースのギャップが、3番手以降の馬たちの感覚を幻惑させてしまったのかもしれません。
また、ブエナビスタやブロードストリート、仏GI馬シャラナヤなど人気どころは末脚勝負の馬。これら互いが互いを警戒するうちにズルズルとリードを広げられてしまった、と言えるかもしれませんね。
しかし、何にせよ、このような展開を生んだのはやっぱり田中博騎手の思い切りの良さがあったからこそ。実にお見事な騎乗でした。
テイエムプリキュアの熊沢騎手も同馬の持ち味を存分に生かす騎乗で、こちらもベテランらしい素晴らしい騎乗だったと思います。
クィーンスプマンテの次走はこれから相談して、とのことで未定ですが、有馬記念はどうするのでしょうか?
5歳の牝馬ですから、このまま引退・繁殖入りする可能性もあるかと思いますが、個人的にはぜひグランプリに出てほしいなぁと思います。競馬はやはり思い切った逃げ馬がいると、俄然レースが面白くなると思います。夏には札幌2600メートル芝のみなみ北海道Sを逃げて楽勝している馬ですから、距離も小回りコースも問題ありません。むしろ、中山のような小回りコースでさらに持ち味が生きるのでは。
関係者のみなさま、ぜひとも有馬記念出走を前向きによろしくお願いします。
田中博康騎手、小島茂之調教師はじめ厩舎スタッフのみなさん、牧場スタッフのみなさん、オーナーほか関係者のみなさん、本当におめでとうございました。
うーん、でも今回のような場合って、普通はどっちか1頭が残って、どっちが1頭がバテて沈んでのヒモ荒れパターンなんですが、GIで人気薄2頭の行った行ったはすごく珍しいですよね。また別の意味で、すごいレースを見た、としばらく放心してしまいました。
で、その横でしきりに悔しがっていたのが、僕が尊敬している偉大な先輩・スポニチ大阪の仙波記者です。
「栗東で小島茂師が『掲示板はまず外さない。勝負になる』って、エライ自信もっとってん。で、ブエナ-シャラナヤの2頭軸からスプマンテもプリキュアも買ってるのに……。この外し方はホンマに痛い」
仙波さん、分かります。そのタテ目はキツいです。いっそ、僕みたいにカスリもせずに外れた方がまだ気分はいいです。ご愁傷様です。
一方、ブエナビスタ。またしても展開に泣かされた結果となってしまいました。今度は広いコースだから不利とか受けることはまずないだろうし、と思っていたら、とんでもない落とし穴が……。今回ばかりは仕方ないと思います。
ただ、自分から早めに動いたのに最後までしっかりと伸びていましたし、これなら中団から自分でレースを作るような走りも可能なのでは、とも思います。松田博資調教師もブエナビスタの走り自体には手応えを感じていたようですし、これなら中山コースも対応可能――すなわち有馬記念でも勝負になりそうですよね。こちらもぜひグランプリに出走してほしいと、強く思います。
ところで、今日のアンカツさんのコメントで今さらながら驚きましたが、競馬に乗っているジョッキーって、必ずしも逃げている馬がどれだけ前にいるか見えていないことってあるんですね。勉強になりました。
■
逃げるリーチザクラウンのペースに惑わされることなく好位3番手、内ラチぴったりの経済コースを追走。ジッと我慢し、ラストの直線での鮮やかな抜け出しは“これぞ競馬のお手本”とも言える文句なしの競馬でした。
最内枠を最大限に利しての落ち着いた騎乗。これがデビュー3年目、弱冠ハタチのジョッキーの手綱とは思えない好プレーだったと思います。
そして、ここまでの競馬ができたのもやっぱりスリーロールスの能力の高さゆえん。浜中騎手は、相棒の長所を次のように語りました。
「持久力がすごくありますし、折り合いに難しいところが全然ない。それにしっかりとタメていけば、最後はいい瞬発力を使ってくれる馬なんです」
アンライバルド、リーチザクラウンら上位人気馬が折り合いに気を使う中、スリーロールスは涼しい顔で淀3000メートルを疾走。長距離戦では何が大事って、それはやっぱり折り合い。その肝心要のポイントにまったく不安がないわけですから、脚をタメていくことだけに集中できるというわけです。
当たり前のことかもしれませんが、最大の勝因はこの“折り合い”だったのではないのかと思います。
一方で、平地のGI初制覇となった66歳のベテラントレーナー・武宏平調教師。開口一番に語った言葉が、
「ゴールドウェイの借りを返せましたね」
でした。
1984年の菊花賞で愛馬ゴールドウェイは、あの皇帝シンボリルドルフに屈し2着惜敗。あれから25年、ついに手が届いた初のビッグタイトルが悔し涙を飲んだ同じ菊の舞台だったのですから、これもまたドラマですよね。
また、この菊花賞で素質が花開いた要因として、5月に2勝目を挙げてすぐに放牧に出したことを明かしていました。
「このままだと菊花賞では勝負にならない。いったん北海道に帰して、8月に戻してからはトモがピシッとして良くなっていましたねぇ。これなら勝負になる、と」
2勝では菊花賞の出走ラインには到底届かず、勝った勢いに任せて早めに3勝目と賞金加算を狙いたいところ。そこをジッと我慢して、成長を促す放牧に出すという英断はなかなかできないことだと思うんです。それが期待馬ならなおさら。
それに、9月に古馬相手に1つ勝つか、またはトライアルで3着以内に来るかしか、菊花賞出走権利を得ることはできません。賞金が足りない馬は後になればなるほどボーダーラインをクリアするのが難しくなるわけで、それでも9月まで競馬に使うのを我慢した厩舎の手腕は、実に素晴らしかったと思います。
(武宏平調教師(左)と浜中騎手が笑顔で握手)
秋の3歳新チャンピオンの注目の次走は、ズバリ有馬記念!
武宏平調教師は「通用する」と言わんばかりの自信に満ちた表情を浮かべていました。確かに父ダンスインザダークという血統からも、年末までにもっともっと成長するでしょう。そして、2500メートル前後の古馬陣はやや手薄。世代の頂点から一気に日本の頂点へ、決して夢物語ではありません。
浜中騎手も控えめながらも有馬記念へ闘志を燃やし、「この勝利は自信になります。これからも1戦1戦上手になりたい」と決意を新たにしていました。
20歳の浜中騎手と3歳スリーロールス。この若手スター候補コンビの戦いには今後も熱視線を送っていきたいと思います。
スリーロールス号、浜中騎手、武宏平調教師はじめ厩舎スタッフのみなさん、牧場スタッフのみなさん、オーナーほか関係者のみなさん、本当におめでとうございました。
もちろん、きょう敗れたアンライバルド、リーチザクラウン、イコピコらも即巻き返しが可能な素質馬たち。これら牡馬陣に、ブエナビスタ、レッドディザイアら牝馬陣も加えた3歳世代がこの秋、年末、そして来年とより一層競馬シーンを盛り上げてくれることを期待しています。
■
「“攻める競馬”をしようと思っていました。強気に乗って、それで負けたら仕方ない」とは四位騎手。
オークスでも“これ以上ない”というくらいの騎乗でしたが、今回もまた魅せてくれました。レッドディザイアもブエナビスタ同様、末脚にかけるタイプですから、いつもよりも前で競馬をすればラストが切れないかもしれない。でも、そういった不安を乗り越えて、ただ“勝つため”に積極策に打って出ました。
この勇気と、迷いのない四位騎手の騎乗が、殊勲の勝利をもたらすことになったとも言えると思います。
しかし、四位騎手はこれだけの完ぺき騎乗を見せたにも関わらず、「僕は誘導しただけ。厩舎が渾身の仕上げをしてくれたし、厩舎の力の後押しです」と決しておごらず。う~ん、男前です。
で、四位騎手から絶賛された松永幹夫厩舎の“渾身仕上げ”、それは今日のレッドディザイアの馬体重マイナス14キロにも現れていたとおり。余分なモノを削ぎ落とした、極限までの仕上げでした。松永幹夫調教師が明かします。
「ローズSは2着でしたが、負けて良かった……と言うのは、言い方が悪いかもしれないですけど、前回負けたからこそ今回はしっかりと稽古をやれたと思っています。もしローズSを勝っていたら、前回くらいしかやらなかったかもしれません」
たとえ前哨戦でもブエナビスタ以外の馬に敗れてはいけなかったのに、結果は2着。そこに慢心はなかったか? このままでは絶対に勝てないと、松永幹夫厩舎はトレーナーを中心にもう1度調教過程を見直すことになったのです。
それが、1週前、レース当週でのハード追い。普通、牝馬が1週前に強く追われたら、レース当週は軽めにするもの。それを攻めに攻め抜きました。そして、レッドディザイアもこの調教をクリアし、最高の状態に仕上がってみせました。
ローズSの敗戦を踏まえて組み立てられた中間の猛稽古、それに応えて完ぺきな状態に仕上がったレッドディザイア、四位騎手の文句なしの好騎乗。厩舎、馬、騎手、どれ1つが欠けても今回の勝利はなく、その根底にあった“攻めの姿勢”がブエナビスタ打倒を可能にした――そう思わされるレッドディザイアの逆転戴冠劇でした。
挑戦者に守りの姿勢はいりません。常に攻め抜いてこそ、だと思います。
次走は未定ですが、松永幹夫調教師の希望としては「ブエナビスタが使うレース」。まだ対戦成績は1勝2敗で、一矢報いただけ。「これでは本当のチャンピオンになれない」と、トレーナーの目には早くも闘志の炎が宿っています。
その柔和な表情に似合わないこの強気姿勢は、やっぱり九州男児のなせるサガでしょうか。でも、競馬ファン的にはこういうアングルはたまらなく盛り上がりますよね~。
ブエナビスタvs.レッドディザイアの第4Rの舞台はエリザベス女王杯かジャパンカップか、はたまた有馬記念か。いまから楽しみで仕方ありません。
レッドディザイア号、四位騎手、松永幹夫調教師はじめ厩舎スタッフのみなさん、牧場スタッフの皆さん、オーナーほか関係者のみなさん、本当におめでとうございました。


