2008年03月25日
【編修部発】高松宮記念の展望――スズカフェニックスの連覇は?
今週は春のスプリント王決定戦、高松宮記念です。 昨年のスプリンターズS1、2着馬が不在でやや寂しいメンバー構成となってしまいましたが、昨年の高松宮記念馬スズカフェニックス、2着馬ペールギュントはそろって出走。特にスズカフェニックスが上々の内容で前哨戦を終えたために、下馬評では王者磐石といったところでしょうか。 ですが、年明けからのスプリント路線で新興勢力が続々と現れたのも記憶に新しいところ。スズカフェニックスが連覇を達成するのか、それとも新王者誕生となるのか、注目の大一番です。 まず、注目のスズカフェニックス。昨年はこのレースで1200メートル初挑戦ながら、直線で力強い差し脚を繰り出し2馬身半差の圧勝でした。春・秋スプリントGI制覇を狙ったスプリンターズSでは、インフルエンザ禍の影響から調整が遅れて9着と敗れましたが、その後はグングン復調。マイルCS3着の後、阪神C1着で完全復活を遂げました。 今年初戦となった阪急杯は2着でしたが、休み明けの上、斤量が59キロ。さすがに反応がやや鈍かったのですが、ラスト100メートルで猛然と追い込んだ脚はさすがの迫力。アタマ差で敗れたとはいえ、“次”を見据えたステップレースとしては視界良好と言える内容でしたね。 あのレース内容を振り返ると、今回はひと叩きして体調は当然上向きですし、斤量も2キロ減の57キロ。どう考えても勝負になりそうですし、連覇の確率は高いと見てしまいます。 ですが、そもそもスズカフェニックスにとって1200メートルはベスト距離ではないですし(短いという意味で)、昨年あれだけ強かったのも時計のかかる勝負だったのが幸いしたと思います。純粋なスピードタイプではないと思うので、速さ比べになると案外苦戦するのではないでしょうか? さらにこれまでの21戦中15戦で手綱をとって癖を知りつくしている武豊騎手が、今回はドバイ遠征のため乗れないという不安材料も……。 決して福永騎手ではダメというわけではないのですが、武豊騎手という人は簡単そうに乗っていても、実はすごい難しい馬を御しているということがよくあります。スズカフェニックスは堅実タイプなので乗りやすい馬なのかと見せかけて、案外乗り難しい馬かもしれません。サンデーサイレンス産駒ですし、事実、ユタカ騎手以外では安藤勝己騎手が1回勝っただけですからね。 そう考えると、意外とスズカフェニックスも絶対の本命ではないということになるのかも……。 この牙城を崩すのはだれか? 年明けからのスプリント~マイル路線で一番の上がり馬といえば、ローレルゲレイロ。新馬戦以降、なかなか勝てませんでしたが、今年2月の東京新聞杯で2勝目を挙げると、つき物がきれいサッパリ落ちたかのように続く阪急杯でスズカフェニックスを下して連勝です。 この馬も1200メートルではやや短いという陣営の判断から、当初は安田記念を目標にしていくと発表していましたが、急転、高松宮記念に参戦してきました。それだけ「勝てる」という手応えがあってのことでしょう。完全に目覚めたこの先行力、直線が短い中京だけに大きな武器となりそうです。 新興勢力といえば、ファイングレインも一押しの1頭。年明けの淀短距離S、前哨戦のシルクロードSと京都1200メートルを連勝しての参戦です。NHKマイルC2着の実績があるように、もともと確かな実力を持った馬なんですけど、スプリント路線に転向して素質が完全に開花した印象です。 こちらはローレルゲレイロとは対照的に、強烈な切れ味が武器。瞬発力勝負になれば一気の頂点も見えてきます。 中山の前哨戦、オーシャンSを勝ったプレミアムボックスもここに来て完全本格化の兆しです。3歳時にはノドを手術したとのことで出世が遅れましたが、素質馬がいよいよ軌道に乗ってきましたね。 上原厩舎でノド手術といえば、ダイワメジャーが思い出されます。厩舎の先輩に続く快進撃を見せられるのでしょうか。要注目の1頭です。 前哨戦を勝った新興勢力以外にも、有力馬はまだまだいます。昨年のマイルCS2着馬スーパーホーネット。ここはぶっつけとなり、しかもスプリント戦は初体験と不安材料はありますが、なにやら矢作調教師がエライ自信を持っているという情報も……。 とにかくこの馬の差し脚の威力は昨秋で証明済みですし、中京開催も5週目。馬場の悪化が進めば先行馬が苦しくなり、外差しが有利。しかも、ここ2年は1200メートル戦初めての馬が勝っているというゲンのいいデータもあります。十分に戴冠の可能性を秘めた馬と言えるでしょうね。 また、昨年2着のペールギュントは近走不振ですが、ハマれば一発長打の馬。去年も前走2ケタ着順からの大変身でした。前走の阪急杯は11着は4角で不利を受けてのものですから度外視できます。忘れた頃の一発は怖いですよ~。 一発といえば、キンシャサノキセキ。どうも人気先行タイプのようですが、裏を返せばそれだけの期待と能力を持った馬とも言えます。折り合いがつかない激しい気性から、ここ2戦は人気を裏切っていますが、流れの速い1200メートルなら折り合いがピタリとつく可能性は十分。爆発力を持った馬ですから、折り合いさえつけばここで一気に突き抜けても不思議はありません。 ほかにも昨年のスプリンターズS3着のアイルラヴァゲイン、オーシャンS2着で復活気配の古豪エムオーウイナー、阪急杯で敗れたものの破竹の4連勝を決めたスプリント戦で巻き返したい新星マルカフェニックスなどなど、伏兵は多彩です。 この尾張電撃決戦を制し、春の嵐を起こすのは一体どの馬なのでしょうか? 最初にメンバーがちょっと寂しいと書きましたが、やっぱりGIは燃えてきますね~。 (スポーツナビ競馬担当A)
posted by スポーツナビ編集部 |03:26 |
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