韓国スポーツ考察(旧「データから見る韓国野球(2013年度版)」)

バドミントン選手イ・ヨンデのドーピング問題続報

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先日、バドミントン韓国代表選手イ・ヨンデとキム・ギジョンのドーピング問題について扱いました。

(バドミントン日本代表と関係する記事はこちら→朴柱奉と日本バドミントン界の10年)

彼らは韓国バドミントン協会の失態もあり、WADA(世界アンチドーピング機構)による抜き打ちドーピング検査を3度連続で受けなかったため、今年の1月、WADAの勧告を受けたBWF(世界バドミントン連盟)によって1年間の選手資格停止を言い渡されました。処分に至った経緯は先日の記事に載せています。

4月15日、この騒動の続報が入って来ました。以下にニュース記事を引用します。


李龍大の処分解除=バドミントン

http://www.jiji.com/jc/c?g=spo_30&k=2014041500446

世界バドミントン連盟(BWF)は15日、ドーピング(禁止薬物使用)違反でロンドン五輪男子ダブルス銅メダリストの李龍大(韓国)に科していた1年間の出場停止処分を解除したと発表した。
 李龍大はドーピング検査官が訪問した際に不在だったため、今年1月に処分を受けたが、国際大会出場による多忙を理由としていた主張を裏付ける新たな証拠が見つかった。同選手は北京五輪の混合ダブルスでは金メダルを獲得した。(AFP時事)(2014/04/15-13:22)
(引用終了)


結論は選手にはお咎め無し、韓国バドミントン協会に対して罰金を科すのみとなりました。私にはこの措置は少々意外でした。この件が認められると制度が制度として用を成さないのではないかと懸念していたからです。

「国際大会出場による多忙を理由としていた主張」というのを認めてしまうと、国際舞台で活躍する多くのスポーツ選手が抜き打ちドーピング検査を受けなくても良いことになります。他の国の選手も同じ条件であるので、これを特例とするのは無理があるように感じます。WADAに申告しなければならない居場所情報には、居住地だけでなく、練習場所や試合日程も含まれているので、規定違反であることには違いがありません。

CAS(スポーツ仲介裁判所)への提訴では、ロンドン五輪男子サッカーのパク・チョンウの件を扱ったキム&チャン法律事務所が弁護団を結成していたので、あるいは軽減の可能性もあるのかな、という予感がありました。それでも仁川アジア競技大会にぎりぎり出場可能な6ヶ月間の選手資格停止が落としどころと思っていました。

韓国の報道では協会の不手際を責め、居場所情報報告の代行業務に関するシステム改善を提起していますが、代行の場合でも責任は本人にある旨を了承した上で選手は委任しています。3度に及ぶ報告義務違反は選手たち本人に責任が無い訳ではありません。

システムの改善だけでなく、選手に対するアンチ・ドーピング教育の強化も必要ではないかと思います。そういった視点で、今後進めていくべき取り組みを韓国メディアが提起してくれればよいのですが…。スケート連盟といい、水泳連盟といい、韓国では最近スポーツ協会を叩くのが流行っているので、ちょっと難しいかなと思います。

選手よりも協会の責任が大きい今回の出来事に対する処分として、選手本人たちが救われたという意味では悪くない結果となりました。バドミントンファンにしてみれば、イ・ヨンデの選手資格停止解除は朗報だと思います。

しかし今後同様のケースが発生した場合にWADAや各国際スポーツ団体がどのような処分を下すのかという問題が起こります。先述の通り、今回のケースを特殊事例とするのは無理があり、整合性という観点から次回以降の対応が難しくなります。

大袈裟な言い方かもしれませんが、韓国の一協会の杜撰な管理のせいで、世界全体のアンチ・ドーピングの在り方が揺らぎかねない事態となっています。KADA(韓国ドーピング防止委員会)やスポーツ団体は事の重大さを認識した上で再発防止に努めて欲しいと思います。



追記:なんだかスポーツ行政に関する記事が続いてしまいました。それにしてもキム・ヨナさん入れるとアクセス伸びますね。この記事なんて書いた当日に見た人100人もいないんじゃないかと思います。カテゴリー分けの問題なのか、キム・ヨナさん入れるとみんなクリックしてしまうのか。前者みたいな仕様の問題だとスポーツナビ+もある程度考えた方がよいと思うんですけどね。いつになったらシステム改修してくれるんでしょう。
あと、キム・ヨナさん入れてアクセス伸びるんなら、「現役のキムさんだけでプロ野球チームを作れるか?」の打線にキム・ヨナさん入れればよかったかも。以上、戯れ言でした。

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記事カテゴリ:
ニュース、その他スポーツ等
タグ:
キム・ギジョン
李龍大
イ・ヨンデ
アジア競技大会
アンチ・ドーピング
ドーピング

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伊達と申します。学生時代韓国に留学したことがきっかけで韓国野球に関心をもつようになりました。
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