2009年09月21日

FIBAアジア男子バスケ vs. イラン <再評価>

ブルーレィレコーダーのHDDのお掃除のために男子アジア大会に目を通してきたが、HDDに残った日本の試合は8位決定戦グループE初戦の対イラン戦(BoxScore)だ。

第1Qからミドルがことごとく落ちてしまった。

 試合を通しても2ポイントは五十嵐、網野が試投に対して成功数がゼロ。成功数1で見ると、折茂、柏木、伊藤、2は山田、譲次と散々である。結局3本以上決めたのが公輔8、竹田5だけとなる。
※スリーは、点差を詰めるために苦し紛れのため25試投と乱発で、あまり参考にならないので触れない。

折茂はこの試合から体調を戻し、今大会スタメンで初めて出た訳だが、全く入らない。
ただ、誰のシュートもゴールに吸い込まれることがない重い時間が過ぎて、アッという間にダブルスコアになってしまった。
柏木は既に足の問題はあっただろうがそれ以降のゲームに比べるとアグレッシブに動けていたし、公輔はシュートタッチが良く、伊藤も体を張って何度かハッダディを止め、山田はよくポストアップしてパスをさばいていた。網野も繋ぎに徹して、アシスト5を稼いだ訳で、皆が前向きに取り組んでいる感じを受けた。
この組み合わせがもしイランで無ければ、、、という考えすら浮かんでしまった。

感情論やタラレバを語ってもしようがないので、このターニングポイントとなってしまったゲームを再評価してみようと思う。

目立ったのは、イランのいいところばかりなので先に紹介する。

・視野の広さ
 トリッキーとも見えるパスをいとも簡単に通し、シュートにもっていける
 ハッダディもポストアップから自分の裏に飛び込んだ見方にパスを出せる
 ※前回記事で触れたように視野の広さはBasketballをうまく展開するためには必用な技能

・緩急の差
 ペネトレイトの際にトップスピードで抜きゴール下までその勢いだけで入れる。
 →中で守っているビッグマンが本来はヘルプに行かなければならないが
  ハッダディを離すとパスが入るためにガードに楽なレィアップを許し続けた。
  ただ、あのドライブインの早さだとヘルプも間に合わないかも知れない。

・リバウンド/ルーズボールへの執念
 背の小さい選手もリバウンドには執念深く絡んできて、少し気を抜くと取られたり、オフェンス時のタップシュートを簡単に許しているシーンが目立った。
 トップ近くまで上がったハッダディが、トップからのドライブインに対してもゴール下まで戻り結果的にブロックしたり、リバウンドを獲得するあたりの動きは真似たいものである。

対して日本で目立ったのは、

・クイックシュートができない
 最初の数本はうまくいったが、アウトサイドでパスを受けてそのまま気持ち良くジャンプシュートというパターンをスリー以外ではほぼ作れなかった。また、ゴール下でも一瞬ためらう間にハッダディの戻りが間に合ってしまい叩かれるというシーンがたくさんあった。ゴール下こそクイックシュートでファウルを貰うべきだ。

・止まっているプレーヤーへのパスがほとんど
 結果的に緩急の差をつける以前に、一回一回プレーが止まり、繋がりのある展開ができない。

・動いているプレーヤーへのパスが相手の欲しいところへ出せない
 せっかくムーブしていてもリードパスができないがために、動きを止めてしまうようなパターンを目にする。

バスケットボールは、普段の練習時のレベル以上のことは期待ができない競技であり、大会中にHCが「シュート確率が悪い」というのはマズイ。大会前に、いろんなシチュエーションでの確率を上げるために体幹を鍛え、当たり負けない中でいかにシュートをねじ込んでいくかの繰り返しの練習が必要なのである。

とは言え、課題としてアジリティ(「俊敏な」「すばやい」)とストレングス(「強さ」)を強化することは時間を掛けて個人が努力することで可能ならしめるが、視野の広さ・コートビジョンについて鍛える方策をやはりジュニアやミニのレベルから鍛えなければ国際試合でのパッシングゲームは出来ない。

女子はシューティングゲームを目指すとして今回の大会に臨んでいるが、前の記事で紹介したように(中国戦は見れていないが)タイ相手では吉田を機転にバンバンとパスが回る展開が出来ているため、至る所でシュートチャンスが生まれている。

この差は大きい。

止まっていたり、動いている方向と逆にパスが来ては、撃てるシュートも撃てないし、例え撃っても入れる自信のないシュートになってしまう。また、外から撃てないがためにゴール下にもぐりブロックに合うという最悪のパターンに陥ったのがこのゲームを象徴する消極的な部分だったような気がする。

「あっ、そうなんだ」と思えたらクリックを。kawashiman-111749.gif


posted by kawashiman |11:41 | バスケ全日本男子 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年09月20日

似ている柔道の現状とバスケの現状

今朝の読売スポーツ欄にて、柔道男子のその後の様子が紹介されている。

「走り込みで基礎体力強化と、立ち技中心の乱取り。
選手はコーチのゲキに応えて歯を食いしばっていた」と伝えている。

篠原監督は「外国人選手に負けない体力をつけさせる」と目をつり上げて語ったそうだ。女子の練習方法も取り入れ、なりふり構わぬ姿勢で強化を図っていくとのことだ。

バスケ女子アジア大会のJSports解説の原田さんが「協会も男子の中国での失敗を教訓に(食べ物なども含めて)サポート面をしっかりするようになった」と何気なく紹介した。どちらの競技も最悪の状態からの立ち上がりに協会の十分なサポートは必須である。


今回の柔道の「1964年以降の五輪、世界選手権で初めて金メダルゼロ」という状況は男子バスケが過去最低のアジア10位と同じ、あるいはもっとひどい非常事態である。
なんといっても日本発祥の競技であり、以前は全階級メダル獲得も最低ラインとしてそれに近いレベルを実現してきたのだから。

ところが国際柔道連盟 における日本の地位がいろんな形で脅かされ、"道着"の色の変更などはかわいいもので、その他のルール改定がどんどんと推進される渦の中から抜け出せずに現在に至る日本柔道は、もはや国際舞台では「JUDO」に完全に取って代わられてしまった。

アメリカ発祥のBasketBallでは、どうだろう。
もしかしたら日本では「バスケ」になってはいないだろうか?
国際大会で闘うのであれば、BasketBallを追求しなければならない。
現在BasketBallは大きくアメリカンとヨーロピアンのスタイルに
分けられると考えられるが、アメリカは最低でも金という使命の中で
一時期はヨーロピアンスタイルに屈し、長くもがき苦しんだ。

柔道もJUDOに取り組まざるを得ない中で、これから更に
グローバル化に適応すべく、もがき始めた。
この先日本が国際舞台で上に上るためには「バスケ」ではなく
BasketBallにじっくり取り組むしかないだろう。

まずは篠原監督が掲げる「外国人選手に負けない体力」はバスケットにも必要な課題。
以前、佐古のドリブルスタンスは押しても引いてもびくともしないというのをバラエティ番組で紹介していたことがある。また、田臥の本で留学1年目に必用以上にやったウェイトトレーニングで、次年には当たり負けをしなくなったと自己評価していた。
留学1年目はバスケをしてはいけないというルールにより偶然に得たものだが、後の田臥の重要な部分を自然と担うことになったと考えられる。
優秀なポイントガードが「当たり負け」という言葉を使わなければならないのがBasketBallなのだということも、キチンと『』が理解すべきだと思う。


あとは協会が、過去の慣習としての考え方を捨て、長くて4年という前提を取っ払い監督を替えないことでのメリットも真面目に考え、選手の育成・強化を進めるべきだ。

Let's play the ball-game called "BasketBall" . 

「なるほど」と思えたらクリックを。kawashiman-111749.gif


posted by kawashiman |13:29 | バスケ全日本男子 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年09月19日

日本代表強化のために選手の選ぶべき道の提言

前回の「宮地 陽子さんの目でみる日本バスケ」では「アメリカに出てきてほしい」という陽子さんの思いを紹介し、個人の経験やスキル、人間性を向上させるには本場アメリカの厳しい生活の中で、揉まれ、切磋琢磨した方が断然成長が見込まれるとした。

昨日、陽子さんのYoko's Locker Room Talk をチェックしたら、日本での取材で一緒になった小永吉陽子さん(え?今、初めて気が付いたが、お二人は名前が同じだった!今後はフルネームで記述しないと。)と深く話したエピソードと共に、小永吉陽子さんの「再建が求められる日本バスケットボール界。39歳の主将が語る『今、選手たちがすべきこと』」 2009年08月31日を紹介していた。

小永吉陽子さんは、

「日本のバスケット選手たちは諸外国に比べて身体能力や体格面で劣る。海外の選手が当たり前のように両立している、海外リーグと代表活動を掛け持ちしている選手もいない。そういったタフな経験がないため適応能力もない。」

と評価した上で、

「身上である『粘り強さ』を発揮するには、とてつもない時間を要するのだと、今回改めて痛感させられた。ならば、今後は長期展望を持って、若い世代から早急に心身ともに育成していくしかない。」

と提言していた。

※わたしはこの記事が出た後に小永吉陽子さんのそれより以前のブログを紹介して、ビッグマンはジュニア育成からと唱えていたのだが、ご本人がちゃんと提言されていた訳である。意見の一致にホッとしつつ、いささかバツが悪い…もっと、調べてから書き始めないといけない。

続けて折茂をクローズアップして、彼の談話を丁寧な解説を挟んで紹介している。わたしは、日本のトップチームのその時点でのキャプテンが「自分は言わなきゃいけない立場だ」と前置きして語った折茂の発言は、『日本のバスケファンの声を代表する声明』だと聞こえる。
(無いと思って探していたアジア大会後の選手インタビューだったが、ここに辿り着くまで少々時間が掛かってしまったのが残念だ。二人の陽子さんの記事/コラムはあちこちに載るのでキチンとチェックが必要だと痛感した。)

折茂の発言を意訳すると以下のような強化指針が示されている。

○若い選手の競争心をあおるためにも旬の選手を全日本に呼ぶ個人意識の改革
  代表選手の心構え → 「日本代表のプライドを持った自己のコントロール」と解釈したい
○代表チームの海外での真剣勝負の機会拡充真の日本代表創世のためのプロリーグの協力体制の確立

これを日本バスケットボール協会がどう解釈したかはわからないが、少なくとも折茂はファンと同じことを考えていたことがわかったし、折茂が今回選ばれて本当に良かったと思う。大役お疲れ様でした、と言いたい。



少し時間は戻って 2009年08月11日の宮地 陽子さんの「代表とNBA挑戦の狭間で揺れる選手たち~田臥勇太、川村卓也、竹内譲次の夏」を初めて読んだ。

何故かアジア大会期間中のアップであるが、宮地 陽子さんの眼力で日本チームの「先」が見えたのかも知れない。

アジア大会後に時間をさかのぼって二人の陽子さんの情報(ブログ、本など)を辿ることで、暗に訴えたいことが見えるという流れになっている訳だが、今回もそれにあたる。

○NBAを目標とする選手が出てきたことの評価
 「アメリカに出てきてほしい」の願いが叶ってきた喜び

○国際大会とNBAサマーリーグの日程が重なる点における挑戦の難しさ
 究極の選択 「代表として世界と戦うのか、個人として世界に挑むのか。 」

宮地 陽子さんは、「どちらも世界を目指すことには変わりなく、状況によっては代表活動がNBA挑戦にプラスになり、NBA挑戦が代表強化にプラスになることもありえる。」と結んでいるが、本を読み「アメリカに出てきてほしい」の意味とその効果を考えると以下のルートが選手本人、ファン、協会のそれぞれが納得する道筋ではないだろうかと提言したい。

高校 → 留学 → NBA挑戦 → (米国/日本) 大学orプロ→ 日本(ユニバ)代表 
16-18  19    20  - 22        20  - 23        22-

こういう道筋があるから、宮地 陽子さんは「スラムダンク奨学金応援してます。」としているのではないだろうか。このプログラムは田臥の留学の追体験ができるし、そのことはスキル(バスケ/英語)、人間形成において得るものが大きいのだ。
井上雄彦さんが以前田臥との対談で田臥を評し「漫画(スラムダンク)を超えている」と感想を抱いた真意はわからないが、宮地陽子さん同様にバスケ留学の重要性を認識しているからこそ、このプログラムを主宰しているのだ。

念のため男子日本代表強化指針にて再編されたチームカテゴリは、

  • U-16日本代表チーム
  • U-18日本代表チーム
  • 日本代表チーム(ユニバーシアード代表チーム)

となっており、「U-16から日本代表チームへと繋げ、日本代表チームを若い世代から早期に強化する」としている流れとなんら相違する点は無いのではないだろうか。他国に流出すると捉えるのではなく、いろんな国で経験し、吸収し、成長した選手を招集できるようになると考えることが日本代表が世界に通用するための近道ではないだろうか。


また、この道筋を裏付ける発言が、やはり宮地 陽子さんのブログ「日本代表対Dリーグ選抜①」(2009/7/13)で紹介されている。

たまたまサマーリーグ中のゴールデンステイト・ウォリアーズのドン・ネルソンHCがこの試合を見に来ていたことによるインタビューだったらしいが、NBAでプレーする可能性について向けると「今、何歳? 24? うーん、どうかな。あれで19歳から21歳ぐらいならまだ伸びると思えるけれど、24、25ぐらいになるとあまり成長は期待できないから難しいと思う」という回答だったと紹介した。これは、竹内本人にとっても、日本のファンや協会にとってもショッキングなコメントである。
記事の中では少々フォローはしているものの、事実を伝える大切さを感じる記事である。

だからこそ、「19歳での留学そしてNBA挑戦」という流れがよいと考えての提案である。

ちなみにNBA挑戦といっても、サマーリーグに呼ばれ、ロスターに残ることも大変だが、その次にNBAチームのキャンプに呼ばれ、そこで残り、プレシーズンゲームで試され、ようやく開幕ロスターに残るかどうかのチャンスを掴むというような段階があるのだと宮地陽子さんが以前紹介していた。その記事は見つからなかったが、サマーリーグに出たからと言って浮かれてもしようがなく、NBAへの道は長く遠く、田臥の他にこの階段を1段でも上がった選手は皆無であるということの理解も必要なのだと思う。

ハビットゲームと言われるバスケットに必要なのは、経験でしかない。


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ビッグマンキャンプのメニューの追求は簡単にはいかず、しばらく時間が掛かると思います。(_o_)



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2009年09月12日

協会には一貫性のある強化策の実現を望む

小野秀二さんが、9/9正式に全日本男子バスケットボール・チームのヘッドコーチに就任した。
「心技体」のバランスを重んじるサムライ的なパッションを持った、ディフェンスを重視する元全日本ポイントガードだ。

  ※起用予定ニュースで書いたエール「バスケ全日本男子の再強化を握る『心技体』のバランス」
   
9/10には、代表候補が発表となった。

年初に発表されたと思われる「男子日本代表強化方針」には、以下3本柱が掲げられている。

'
 1.男子日本代表ヘッドコーチを専任にし、積極的強化活動の実施また専任により、
  一貫した日本代表強化を行ってゆく
 2.大会カテゴリー変更に伴う、各日本代表チームカテゴリーの再編
 3.選手「個」の強化

'
しかしながら、ホッブスHCが専任したにせよ短期間であり、かつ一貫強化体制にあったとは思えない。また、JOCなどが行うスタイルである「JBA強化指定選手」についても発表されないままではないだろうか。チームカテゴリーの再編として、日本代表チームにユニバーシアード代表チームを併合してしまうような表記だがその真意は読めず、今回の候補選手の年齢を見てもユニバーシアードの資格を有するものは少ないとみられ、カテゴリーの再編は行われていないと言える。


柔道日本代表に目を転じると、世界選手権体重別50年程の歴史で日本のメダル無しは初だという。
全日本監督の不運の銀メダリスト篠原さんは、大会直後の現地インタビューなどでは辞任を覚悟していたようだが、協会は続投を決めた。さすがに「懐が深い」。当初の予定通りロンドン五輪まで篠原さんに一任されるようだ。
バスケットボール協会にこの懐の深さが無く、無いがために強化方針にも掲げる「一貫」したものを作れずにきた。ここが一番の問題と言われて久しい。


篠原さんは、今回の世界選手権でいくつかメダルを逃した時点で「闘わないものは使わない」という談話を残している。選手は「心技体」を尽くし、畳の上で闘わなければ試合にならないという教訓を得たと思う。
また、メダルを逃した選手が11月の全日本体重別選手権の出場を辞退すれば強化指定を外す方針とのことだ。日の丸を付ける誇りを持てという意識付けの意味もあるのだろう。徹底した強化策であり一貫性を感じ取れる。

今朝の読売新聞スポーツ欄の特集記事にて柔道山下さんの活動が紹介されている。
「フェアプレーの精神が発揮されれば、いじめなんかなくなる」という主旨の活動を推進しているそうだ。
予選での怪我で歩くこともやっとの山下選手とラシュワン選手とのロス五輪決勝戦で、右足だけを攻めるようなことをせずに戦ったとラシュワン選手が賞賛された。まさに「心技体」を体現した姿だろう。

バスケットはどうだろう?

田臥が、韓国チームとの対戦について今日のブログで「ディフェンスは、フィジカルが強くて当たりも激しく、見えないところで手を引っ張ったりとずるいプレーをしてきます。」と評しているように、審判が笛を吹かない限りはずるいプレーをするのが当たり前の戦いが国際試合では頻繁に行われているハズである。
要するにバスケの国際試合では、フェアプレーをしていてはコテンパンにやられてしまうのである。
そういった部分も含めたハートの強さを育てて欲しいと小野HCに期待したい。

前全日本代表選手のみなさんお疲れ様でした。


中学でバスケを教えられた中島さんより、サッカー協会との対比や、指導者の不在に関するお考えについて、コメントを頂きました。


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2009年09月08日

アジア大会で日本のビッグマンに足りなかったもの

9/5の「ビッグマンキャンプの必要性」にて、いかにビッグマンのポジションが大変なのかについて、今回のアジア大会に臨んだ日本代表の面々のコメントを拾いながらみようという予告をした。

結果が出てから照らし合わせてみることで、あからさまにわかることがあった。
我々、全日本を応援するものの目は間違っていなかったと言える。


日本バスケ界の顔となったビッグマン、竹内公輔・譲次インタビュー (1/2) 2009 03/26

公輔はJBLの「オン・ザ・コート・ワン」ルールの適用については、『外国人選手とマッチアップする機会が減ったのがマイナス部分』だと語っている。
これは、外人相手なら攻められないが日本人相手ならガンガン行けてしまうという意味に取れる。なるほどシーズンMVP公輔のSTATSは独壇場といった数字だ。

  ブロックショット1位、得点2位、リバウンド2位、FG成功率4位、
  FT成功率5位、3pts成功率6位、ダンクシュート3位

そして、気持ちの変化をこう説明している。
「去年は実質、(帰化した桜木ジェイアール含め)3人の外国人選手が出ていたので、彼らにオフェンスを任せていました。自分はリバウンドとブロックショットをやっていればいいかな、くらいの気持ちでした。でも、やっぱりそれじゃダメで、自分が攻めていかなきゃいけないと意識が変わったのが今シーズンでした。」
確実にモードに入ったことを示唆する発言と取れる。


日本バスケ界の顔となったビッグマン、竹内公輔・譲次インタビュー (2/2) 2009 03/26

一方、負けた譲次は公輔に対して、「向こうはファウルをしないようにディフェンスしてきたと思うけど、それでも決めきれなかった自分が甘かったです。」、としている。

「オン・ザ・コート・ワン」ルールの適用については、「自分の出来が(チームの勝敗の)ウエートを占めることに使命感を感じ」たとしながらも、「シーズン終盤になって自分のパフォーマンスが落ちてきて、自分がファースト・オプションだという気持ちがだんだんと薄ら」いだとしている。
この原因は、何だろう?本人の評するように甘さが一因であるには違いないとは思うが小永吉さんが詰めると「チームの調子が良かったので、自分がやらないと、という気持ちが薄れていったのかも」と遠慮を理由にあげているが、どちらにしてもファイトしていないと言える。

譲次自身の今後の課題として、『フィールドゴールの確率の悪さを上げること』としているが、チーム内に遠慮してファイトできなければゴール下ではファイトできる訳がないのではないか。


この状態のままアジア大会までを戦ったような印象が強いが、皆さんはどのように受け止めますか?


もう少し見てみよう。今度はいよいよ代表合宿期間のインタビューである。

日本代表候補選手コメント(第5次合宿) 2009年5 月 13日

伊藤は、全日本チームでの自分の役割を「オフェンスではスピードを使って攻撃的に、ディフェンスでは体を使って大きい選手を守らなくてはな」らないとしている。明らかに攻めの局面でのパワープレーを捨てている訳だ。


続いて、東アジア大会前の最終合宿中のインタビューは、さぁこれからという環境の中で貴重な内容となっている。

日本代表のビッグマンたち 2009年6月4日

譲次は「日本というのは身長が低いわけですし、自分自身も世界と比べればそこまで大きいサイズでは無いので、その中で自分の強みと言えば、走ることだったり、速い展開でのプレーをしていくことだと思います」と世界に通用する点は何か?の問いに答えている。更に、「世界バスケ等で(中略)これまで完全に抑えられたということも無かった」としている。
サイズでは負けるが速さでは勝てると言わんばかりで、かなり慢心だったように聞こえる。

山田は、自分の中で世界に通用する点として「大きい選手がマッチアップしてきたら、外に出てドライブやアシスト、ミドルシュートなどで積極に攻めていける点」と具体的に提示しており、事実そのように(一次予選では)プレーできたと言える。

ホッブスHCがビッグマンに求めることとして、山田は「リバウンドとディフェンス」と答え、譲次は「リバウンドはもちろん、スピードを生かしたプレイ」と答えている点が不可解だ。公輔は「リバウンドの際のボックスアウト」とファイトする姿勢を語っている。
これだけ解釈の違いがあるという点に注目して欲しい。ホッブスHCは彼らに何を求めたのか?


公輔はホッブスHCの印象を「練習中と練習以外の差が激しすぎますね。普段は物静かですが、コートに入ってくると一変して情熱的に指導してくれます。」と語った。
そんなことに驚いているようでは、どんな相手に対しても気持ちで負けて当たり前だろう。
ヘッドコーチもコートでファイトしているということに気が付かないでいるのだから・・・

これでは戦うハートが無いと言われてもしようがない。
特に東アジア大会での選手を観光気分と評した人もいたと思うが、東アジア大会の開催がこういったハートの無さを余計に助長したようにも感じた。
選手を責める気は無い。
環境が、必要とされるハートの強さを、優しさ・緩さに変えてしまったのではないだろうか。

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posted by kawashiman |15:06 | バスケ全日本男子 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年09月04日

ビッグマンはジュニア育成から

前の記事ではオンザコートルールに絡むビッグマンの確立が全日本強化に繋がるとし、ビッグマンに必要な【ハートと体幹】のうち、ハートはジュニアから鍛えないとならない、と結んだ。

小永吉さんのABC前のブログ「北京オリンピックの宿題」にて、アン・ドノバンさんから重要な指摘があったと記されている。

ドノバンさんはかつて日本でプレーしており、北京五輪米女子HCとして優勝報告で古巣:シャンソン化粧品に今年の2月に訪れたそうで、その時のインタビューとのこと。

日本をバスケ界の構造を知る彼女の提案は、重要だ。

「ジュニア・プログラムをしっかりとすること。そうすれば、限られた素材の中でも、身長とか体格をクリアして伸ばしていける部分はあります」

ハートの部分ではないが、やはり時期のターニングポイントとしてジュニア世代を指していた。

言われてみると、NBAではJr.NBAプログラムを2006年から始めている。

また、bjリーグでも「bjリーグ カップ」としてジュニアバスケットボール大会を開催している。

ジュニアは、中学2年までのカテゴリで、一回見れば真似して同じことが出来てしまうというゴールデンエイジの時期を若干過ぎてはいるが重要な時期には変わりがありません。

この時期に何を仕込むべきかの情報共有策を"全日本の強化策の一環として"実現して欲しいところだ。




ドノバンさんのインタビューでは、アメリカ代表チームのコーチシステムを紹介している。

ヘッドがいて、アシスタントが4人下につく。ヘッドが4年任期で交代するがアシスタントから昇格するという方式だ。

技術や指導法の基本部分を継承することに重点を置いていくということだろう。

五輪で金を逃したアメリカが編み出した重要な方針ではないだろうか。

これを真似ることは簡単だと思うが・・・

posted by kawashiman |09:58 | バスケ全日本男子 | コメント(3) | トラックバック(0)
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2009年09月04日

オンザコートルールの弊害(その2) ~ 本当の強化とは

オンザコートに端を発して思い巡らし、全日本男子の強化策に話を転じてみる。

竹内兄弟がオンザコートルールの上でそれぞれのチーム事情により異なるポジションを担い、3番寄りにプレーしている譲次の今回の全日本でのプレーを見てインサイドが弱いなぁという印象を持ったし、5番寄りにプレーしている公輔はstatsを残している通りポジションが板に付いているという印象だった。
2年前の世界選手権の頃とは、それぞれが目指すスタイルが明らかに変わったようだ。

Lakersがバイナムを育てたいながらも、実際は foul trouble 時や IL入り 時にはガソルが5番の穴を起用に埋めてしまうという形を成就しなければ優勝は出来なかっただろうと言えるように、4番の<素材>と<頑張り>が鍵を握るのかも知れない。

あの線の細いガソルが、いかに敵5番を守り、攻めたのかを学ぶべきではないだろうか。

外郭で撃つことも必要だが、それ以外の仕事が4番・5番には課されているのであり、そっちの仕事が勝敗を決めることになるのだ。

  M.Jordanの頃のBullsに、リバウンダとブロッカーがいなければ
  勝てなかっただろうと考えればわかるハズなのに、
  気持ちのどこかでM.Jordanになりたがっているのかも知れない。



そこでふと「日本バスケの4番らしい4番?」を思い浮かべてみる・・・。
記憶を辿ったら、元全日本Captain:陸川さんがでてきた。

なんと譲次は東海大の時に陸川HCで優勝してるじゃないか!?
陸川さんから学ぶべきは、ハートのこもったプレーだが、まぁ口では教えられない分野だ。

ハートのこもったプレーと言えば、古田には見れたなぁ、、、と調べてみると陸川さんと古田は、日体大繋がりではないか。彼らの魂のこもったファイトは、おそらく日体大で築き上げられたのだろう。調べてみると狭い世界だったが、原点を見たり!

精神的支柱と簡単に言うが、彼らのように魂のこもったファイトができるプレーヤーはそのチームに入ってから体現できたのではなく、おそらく自身のキャリアの若い頃から支柱として活躍してきたのだろうから、にわかに出来ることではないと言える。

○今後の全日本男子では誰にその役目を求めるべきか?

  ※女子なら、大神だと衆目一致しているだろう。その後ろに吉田の姿も見える。
   上空には渡嘉敷。いつかアリウープからのダンクを決めるかも知れない。

全日本を考える上で『強化』とひとことで言うが、ガソルや陸川さんを持ち出してみて、やはりジュニアの頃からファイトすることを叩き込まないと、日本がアジアの中で弱い領域(4~5番)は担えない、任せられない、強化できないのではないかという思いが沸いた。

また4~5番は、体格ありきのポジションであり、やれと言われてできるものではない。
そのためには、スポーツ種目を超えたコンバートも必要だろう。
槍投げの村上くんだって野球でピッチャーやっていたのを見初められ、銅メダルだ。

そういった土壌を作ることが結果的には全日本を背負うプレーヤーを育てることになる。
子供のやりたい競技、子供の体格や技能レベルが向いている競技を見つけてあげることがその子のためになり、各競技の全日本選手となり得る。

同様に、子供が自ら複数の競技を試すことができる環境も必要だろう。例えば、複数競技に携わることができる総合型クラブチームの創設には国がお金を投じて推進すべきではないだろうか。

全日本強化を語るなら個ではなく、組織の力や環境の整備・強化が必要ではなかろうか。
個人と競技種目のマッチングをしてあげる目、それは言わばプレーヤーのポジションを見極める目と同じであるが、この目を養うことがジュニア指導者にも本当は必要とされるのである。

視点を広げ過ぎたが、オンザコートルールに絡むビッグマンの確立がどうやら全日本強化に大きく影響を与えそうだと結びたい。

そう捉えると、ビッグマンが鍛えるべきは【ハートと体幹】だし、オンザコートルールが奪ったものは"それら"なのかも知れない。

 ◇強化策(案)!
  岡山さん、北原さん、陸川さん、石橋、古田などなど
  日本らしいビッグマンによるビッグマンキャンプの継続的開催。

(おわり)



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