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軽井沢国際カーリング選手権終了 〜結果と感想と今後の展望など〜

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まずは、軽井沢国際カーリング選手権の最終日の結果です。 【男子】 準決勝 スコットランド(チームBrewster) 7−6 カナダ スコットランド(チームMurdoch) 7−2 SC軽井沢 決勝 スコットランド(チームBrewster) 4−3 スコットランド(チームMurdoch) 3位決定戦 SC軽井沢 7−5 カナダ 【女子】 韓国(チームGim) 4−2 ロシア スウェーデン 7−5 スコットランド 決勝 韓国(チームGim) 7−4 スウェーデン スコットランド 5−3 ロシア 〈男子の大会感想〉 ・充実ぶり光るSC軽井沢 日本勢で唯一最終日まで残り、3位でフィニッシュしたSC軽井沢の充実ぶりが光ります。3位決定戦で対戦したカナダのチームは、2010年バンクーバー五輪金メダル、2015年世界選手権銅メダル。スコットランドの2チームは、2014年ソチ五輪銀メダリストのメンバーが枝分かれしてできたチームらしいです。準決勝で対戦したスコットランド(チームMurdoch)には、予選では勝利しています。 「来年の世界選手権で表彰台が大きな目標(スキップ両角友佑選手)」 さらに自信を深める手応えある大会となったようです。 ・ まだ見えぬ、抜きん出た2番手 海外の強豪チームが参加した今大会。その中で、初戦でカナダに勝利したI.C.E。I.C.Eは昨シーズンの日本選手権を準優勝したチーム東京です。その時は、SC軽井沢以外のチームに全て勝利しています。初戦の結果を見て、SC軽井沢を追う抜きん出た2番手として期待が高まりました。しかし、2戦目の長野県CAに敗れ、3戦目のNS戦は接戦での勝利。まだ、抜きん出た2番手とは言いづらいのかなとの印象です。他チームを含め、一層の奮起を期待したいです。 〈女子の大会感想〉 ・ 強さ目立った海外チーム 女子は、韓国(チームGim)が予選から6連勝で優勝しました。韓国は、地元での五輪開催に向けレベルを上げてきそうです。また、強豪スコットランドとロシアを上回る2位となったスウェーデンをはじめ、他国も1年後の五輪に照準を合わせた本気モードの予感です。 ・ 最適解を模索するLS北見 それに対して、国内はどうか? やはり、一番気になったのは昨シーズンの強さが影を潜めているLS北見。予選では、海外参加の3チームに全て敗れてしまいました。今シーズンは、出産で昨シーズン控えに回っていた本橋麻理選手が本格復帰したこともあり、調子の上がらないチームの最適解のメンバー配置を模索しているようです。テレビ観戦したスコットランド戦では、 本橋選手→サード 昨シーズンサードの吉田知那美選手→セカンド 昨シーズンセカンドの鈴木夕湖選手→控え でしたが、まだ噛み合っていない感じがしました。今シーズンは他のメンバー配置も試しています。チームの最適解を見つけることで、昨シーズンの安定感と4人が1本の線になるようなつながりを、日本選手権でどこまで戻せるか注目です。 ・強いインパクトとまではいかなかった北海道銀行と富士急 LS北見を追いかける北海道銀行と富士急。北海道銀行は、決勝トーナメントに進出しましたが、LS北見を押し退けるような存在感とまでは至りませんでした。ただ、予選のあおもりユース戦のみの観戦ですが、サードに入った船山弓枝選手の堅実なプレーぶりは印象に残りました。数々の世界大会を経験している船山選手と小笠原歩選手のコンビ復活は、他チームからすれば気になるでしょう。とはいえ、控えに回っている吉村紗也香選手を含め、まだ日本選手権までに配置変更の可能性もあるかもしれません。昨シーズンの日本選手権優勝の富士急は、リードからサードまでが新メンバー1人と配置変更により変わっています。今大会のスコアを見る限りですが、エンドごとに好不調の波が激しい印象を受けます。個人的には、昨シーズンの日本選手権でいい活躍を見せていたサードの栁澤選手の不在が残念です。富士急も、LS北見や北海道銀行と同様に、今後メンバー変更や配置転換があるかもしれません。 ・台風の目となりそうなジュニア世代 昨シーズンの日本選手権を観戦して強く印象に残った1つに、ジュニア世代の活躍がありました。ジュニア世代で構成された軽井沢FBは、中部選手権で強豪チームの1つである中部電力を破って日本選手権出場し、本大会でも3位で決勝トーナメント進出(最終結果は4位)。とてもきびきびとしたプレーで、いいショットを決めていました。また、あおもりユースも、予選4位で富士急と並びタイブレークで敗退となるなど存在感を見せました。そして、今大会。軽井沢FBは昨シーズンのスキップ中嶋星奈選手が抜けましたが、初戦でロシアを破る金星を挙げ、次戦のデンマーク戦でも終盤まで接戦を繰り広げています。そして、中嶋星奈選手は今春中部電力に入社しています。今大会は控えの登録になっていましたが、メンバー編成に入れば楽しみ選手です。あおもりユースは、11月の日本ジュニアカーリング選手権で全勝優勝。今大会は、選手登録が一部変更されていますが、北海道銀行には中盤まで互角に渡り合い、最終戦ではカナダを破る活躍を見せました。上位3チームが不安定なままならば、ジュニア世代が台風の目になる可能性を秘めています。 〈日本選手権に向けてのキーポイントは? 〉 女子については、個々の調整と共に、最適解のメンバー編成にたどり着けるかが注目です。そして、私は男女共に「リードとセカンドのフロント陣の出来」をキーポイントに挙げたいと思います。カーリングは、4人のうち最後に投げるフォースのラストショットで点数が決まります。どんな状態で迎えてもラストショット次第ではあります。しかし、形勢を逆転するようなスーパーショットは、1試合でそう何回も決められるものではありません。できるかぎり相手より有利な状況を終盤までに作っておき、フォースが最低限の仕事をきっちりこなす。これが、カーリングにおける最上の勝ちパターンだと思っています。カーリングは、氷上のチェスと評されるように、戦術的な要素がとても強いスポーツです。相手の手を予想し、嫌がる作戦をとる。味方の調子や得意なショットを考え、ベストな石の配置を考えます。序盤の石の配置で苦戦を強いられると、自分達が選択できる作戦の幅も狭まり、要求されるショットの難易度も上がってしまいます。世界選手権を見ても、強豪チームはフロント陣の精度がとても高いです。昨シーズンのLS北見は、サードの吉田知那美選手やフォースの藤澤五月選手に注目がいきがちですが、その影には地道に石を配置し続けたリードの吉田夕梨花選手と鈴木夕湖選手の頑張りがあります。石をハウス(得点対象となる円)に入れたい時にしっかり入れる、ハウスの手前の置きたい所にしっかり置く。これをし続けたチームが、安定感を手にして勝利に近づくはずです。 また、フロント陣はスイープ(氷の表面を掃くこと)や、ウエイトジャッジ(投げた石がどのあたりで止まるかの判断)の回数が一番多いポジションでもあります。今年からはスイープ(氷の表面を掃くこと)のブラシについても変更点がありました。スイープの回数も多いフロント陣は、この部分でもいち早く変更点に慣れておくことが求められるかもしれません。 平昌五輪代表権の行方を大きく左右する1月末の日本選手権まで、わずか約1ヶ月。各チームが最高の準備をして、レベルの高い代表権争いになることを期待したいです。そして、初めてカーリングを観た人が、「カーリングって面白いなあ」と思えるような好試合に出会ってくれたらなと願うばかりです。

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