2006年06月29日

自分へのご褒美

ゆっくり眠っていてもよかったのだが、ベッドメイクの声で朝の9時に目が覚めた。ブログの更新などいくつかの業務をこなし、ふとんに入ったのが4時だから、5時間だけ眠っていた計算になる。いつもならそのまま二度寝してしまうのに、目が冴えてしまった。睡眠のリズムも、すっかりドイツでの生活に馴染んだようだ。

昨日はハノーファーを訪れ、深夜にフランクフルトに着いた。今日と明日は、祝祭もお休み。男達の歌声はもちろん、やかましい車のクラクションも聞こえない。街はいつもの様相を取り戻し、ユニフォームに身を包んだサポーターも普段着でショッピングに勤しんでいる。代わりにスーツ姿のサラリーマンや、ベビーカーを引く買い物客が目立った。賑わってはいるが、本当に静かだ。

たまには贅沢をと思い、レストランでランチをしていると、同業者の吉村さんとバッタリ出会った。一緒にいた編集者の方を紹介していただき、ワールドカップを肴に話は盛り上がる。昼間からビールをあおり、食事までご馳走になってしまった。

二人と別れたあと、お土産を買いにデパートへ向かった。今日はもう一つ、目的があった。本屋さんだ。海外に来たときは、時間が許す限り訪れる。目的は、スポーツ関連をはじめとする写真集。自分へのお土産というか、ご褒美である。2年前のオリンピックでアテネを訪れたときは、ギリシャ代表のEURO2004優勝を記念した写真集など、掘り出し物を見つけたものだ。

旧オペラ劇場の付近で、大きめの書店を発見する。ワールドカップコーナーも充実しており、ドイツ代表選手のポートレイトや気に入った写真集もあった。さらに5kg近くありそうな、分厚い報道写真集が目に留まる。ただ、少し値段が張ったことと、帰りの荷物を考慮に入れて、今回は断念した。帰国の際に余力があれば、もう一度寄ってみようと思う。

久しぶりに、ゆったりとした時間の流れを感じた一日だった。

6月27日 フランスvsスペイン ハノーファー


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posted by katsu0531 |08:30 | ドイツW杯 | コメント(1) |
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2006年06月28日

8強サポーター考察

いよいよ8強が出そろった。優勝経験を持つ国が6カ国と、希に見る大混戦だ。どこがチャンピオンに輝いても、まったく不思議ではない。
そこで、準々決勝の戦いを、サポーターから考察。って、ちょっと無理があるか…。

6月30日 ドイツvsアルゼンチン ベルリン
ドイツ:開幕戦の圧勝で、テンションは一気にハイに。警官もDB(ドイツ鉄道)職員も浮かれ気味。パブリックビューイングはもちろんのこと、試合の日は街のパブも立錐の余地がないほど。タチの悪い、酔っ払いのティーン多数です。不安要素が少ないだけに、負けたときは国中が意気消沈するかも。

アルゼンチン:なんといってもマラドーナ、マラドーナ、嗚呼、マラドーナ。中継では、監督よりクローズアップされる回数が多い。現地の新聞でもネタになってます。サポーターの数は少ないものの、ブエノスアイレスあたりでは連日連夜お祭り騒ぎか。

6月30日 イタリアvsウクライナ ハンブルク
イタリア:フェラーリの国らしく、試合に勝った日はクラクションを盛大に鳴らした車が街中を走り回る(もちろん、走っている車はドイツ車多数)。窓からハコ乗りして、旗を振りまくる姿も。けっこうどこの会場でも見かけます。

ウクライナ:数では圧倒的に少数派。若者が多く、子どもはあまり見かけません。ディナモ・キエフのユニフォームも人気。ネームはもちろん「SHEVCHENKO」。

7月1日 イングランドvsポルトガル ゲルゼンキルヘン
イングランド:迫力のある歌声と統一感は、大会No.1。パブリックビューイングも連日大盛況で、まさに民族大移動。先日のシュツットガルトでは、多数の逮捕者が出たとか。前回優勝の年を表す「66」のTシャツをかなり見かけます。オランダとのサポーター対決が見たかった。

ポルトガル:ヨーロッパの中では、数で劣勢。それでも、太鼓をドコドコ鳴らし、笛をピーピー吹きながら行進する団体は迫力満点。フェイスペインティングは書き辛そう。

7月1日 ブラジルvsフランス フランクフルト
ブラジル:サンバを踊る女性も、よく見ればそこそこいいお年ごろ。熟年層のサポーターが圧倒的に多い。スタジアムではどこからか声が挙がれば、それに呼応するように地響きのような歌声が響く。とはいえ、まだまだ静かなのは、王者の風格か。

フランス:まだまだ控え目な様子。次のブラジル戦でピークを迎えるか。日韓大会で生き物の持ち込みが問題になったニワトリおじさんも、無事に到着。ユニフォームの人気は、やはりジダン。「アレーアレー! ブルー!」

追記
日本:新婚旅行でしょうか、カップルが多い気がします。コアなサッカーファンも、根強くドイツ滞在中。日本のユニフォームを着た外国人も、日増しに増えてきました。車内では見知らぬ人ともサッカー談義。みなさん、それぞれにワールドカップを楽しんでいます。

6月27日 フランスvsスペイン ハノーファー


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posted by katsu0531 |09:51 | ドイツW杯 | コメント(0) |
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2006年06月27日

人との出会い

ドイツ滞在中、お世話になっている方がいる。素性は差し控えるが、高校を卒業して渡独し、在住は10年にもなるこの国のエキスパートだ。

御宅はボンの中心地で、「G-JAMPS」から歩いて15分ほど。各地を転々としながら取材するにしても、抜群の立地条件である。居住空間は抜群で、ネット環境もすこぶる快適。朝、天窓から差し込む光は、日本では考えられないくらい、爽やかな目覚めを与えてくれる。

寝床の確保はもちろんのこと、汗をかいて帰宅した後のシャワー。溜まった衣類の洗濯も大助かり。食事も振舞ってもらい、久々に食べた白米には感動すら覚えた。本当に心からの感謝を、この場を借りてお伝えします。

8年前のフランス大会でも、お世話になった方がいた。ホテルの手配などで困ったとき、ずいぶんと助けてもらった。まだ海外経験の浅い僕に、食事もご馳走してくれた。帰国後はすっかり疎遠になってしまったが、あのワインの味だけは今でもよく覚えている。

フリーランスとして独立したころは、社内での人間関係のしがらみから開放されると思っていた。逆だった。会社員として過ごした2年間で集まった名刺は、フリーになってわずか1年でその数を超えた。人との出会いは広がり、仕事をしていく上で切り離せないものになった。

海外に出たときも、同じだと思う。人との出会いが旅を、引いては取材活動をとても有意義なものにしてくれる。

6月26日 ウクライナvsスイス ケルン


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posted by katsu0531 |16:57 | ドイツW杯 | コメント(0) |
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2006年06月26日

日本代表の監督人事に思う

シュツットガルトは、この日も暑かった。イングランドサポーターは相も変わらず踊り、腹に響くような声で母国の必勝を謳っている。一方、エクアドルのサポーターは一割にも満たない。それでも陽気に、2度目の出場にして初の決勝トーナメント進出を決めた母国の戦いぶりを、心から楽しんでいた。

僕の旅も、残すところあと1週間となった。それなりにたくさんの経験もしたし、いろいろな人との出会いもあった。毎日の移動距離は数100キロにもおよび、帰国するまでのすべてを足せば、地球の4分の1周くらいはできると思う。

一方で課題も多く見つかった。自分の原稿や写真に対する反省、また、現地で出会った人とのコミュニケーションなど。自分なりに、日本へ向かう機内や帰国後に、しっかりと検証しようと考えている。まずは準々決勝までの残された時間、精一杯、やるべきことを全うするだけだ。

そんなことを考えながらインターネットで記事を読んでいると、日本代表監督の後任が、千葉のオシム監督でほぼ決まりというニュースが目に付いた。どうやら、川渕会長が、記者会見でうっかり漏らしてしまったらしい。

ジーコ監督の後任については、ワールドカップが始まる前からあちこちの媒体でささやかれていた。そのほとんどが信憑性を欠いたものの、さまざまな人物の名前が挙がっていた。いつものことながら、日本代表の監督人事は、ファンをやきもきさせてくれる。

今度ばかりは、千葉のサポーターも大きく巻き込んだ。何しろ、今はまだJリーグの真っ最中なのだ。千葉は現在、首位と勝ち点7差の5位。充分、優勝圏内にいる。ただ、複雑な思いはあるだろうが、応援するチームの監督が日本代表の指揮を執ることは、最高の栄誉であることに間違いはない。

気になるのは、やはり敗戦についての検証が、優先順位として先に来なかったことだ。反省なくして、次なる進歩はない。だからこそ、史上最大の失言は、史上最高のリップサービスと受け取りたい。

ジーコ監督が就任したときは、日韓ワールドカップの検証もそこそこに、慌しく決まった印象があった。今回は、オシム監督という実績も経験も兼ね備えた指揮官が、候補に挙がっている。ジーコ監督に足りなかったもの、また、蒔いた種をどう育てるか。最高峰の指揮官を筆頭に検証すれば、より充実した成果が得られると期待している。

僕の願いは唯一つ。とにかく、圧倒的に強い、日本代表が見たい。

6月25日 イングランドvsエクアドル シュツットガルト


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posted by katsu0531 |07:13 | ドイツW杯 | コメント(0) |
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2006年06月25日

さくらんぼ

市場の果物屋でさくらんぼを買った。500グラムで1.50ユーロ。1キロで2.50ユーロだから少し割高だけど、それでも一人で食べるにはたっぷり過ぎるほどある。大粒で艶々の実が、30~40個ほど紙の袋に包まれていた。

口に含むと、甘酸っぱい味がいっぱいに広がる。久しく忘れていた幸せな味。ハンバーガーやソーセージの日が続いていたので、体に染み渡って疲労も取れそうだ。ゆっくりと噛みほぐして口の中で種を取り出し、一粒一粒を丁寧に食べた。

その市場の前にあるボンの市庁舎に23日、敗戦から一夜明けた日本代表が表敬訪問に訪れた。情報を聞きつけて集まったファンは、日本人と地元の人を合わせて200人ほど。午後4時ころからできはじめた人垣は、選手らが到着した5時20分には、すっかり膨れ上がっていた。

選手たちの表情は、一様に暗い。唯一、ジーコ監督だけが、地元ファンの「ジーコ!」コールに笑顔で応えている。中に入って10分ほど、再び表に現れると、宮本らがファンのサインに応じてからバスに乗り込んだ。ほんの短い時間、一行は慌しく帰途の空港へと向かって行った。

この日で「G-JAMPS」も閉館した。ボンの街並みからも、少しずつ日本代表のブルーが消えていく。それでも彼らがこの街に残していったものの大きさは、はかり知れない。多くの日本人ファンが訪れ、その経済効果は決して小さくないと聞いている。

果たして選手たちは、この街を少しでも心に刻むことができたのだろうか。慌しい日々の狭間に、地元の料理に舌鼓を打ち、美しい街並みをシャッターに収めることはできたのだろうか。願わくば、戦いの記憶とともに、心に留めていてほしい。

僕がさくらんぼを食べるたびに、この熱い夏を思い出すように。

6月24日 アルゼンチンvsメキシコ ライプツィヒ


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posted by katsu0531 |13:07 | ドイツW杯 | コメント(1) |
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2006年06月23日

ドルトムントの空

いったい、何から書けばいいのだろう。本来、日記であることを本旨とするブログなのだから、一日にあった出来事を書き連ねればそれでいい。でも、この日のブラジル戦をただ振り返るには、あまりにインパクトが強烈だった。

ブラジルは確かに強かった。ロナウドを残した前線の4人が、縦横無尽にポジションチェンジを繰り返す。ノートにメモした試合開始時のフォーメーション図も、数分後にはまったく別の形になっていた。スピーディなパスから生み出される、変幻自在のコンビネーション。その一つ一つが明確な意図を持ち、ボールを奪ってからシュートに至るまでが、まるで一本の線で結ばれているようだった。

ただ、ロナウドのオーバーウェイトは、思っていた以上に深刻なようだ。要所で持ち前のスピードは披露したものの、ボールに絡まないシーンでは多くの時間をオフサイドエリアで過ごしていた。時おり見せるギアアップも、本来の動きから比較すればまだまだ物足りない。しかし、ここぞというときに決めるあたりは、さすが王国のエース。ブラジルの優勝のカギを握るのは、やはりこの男の復調にかかっている。

2点差以上の勝利が必要だった日本だが、万全ではないロナウドに2得点も許してしまっては、勝機を見出すのは難しい。当然、キックオフから意識は前へと傾いたはず。出場停止の宮本に代わってセンターバックに入った坪井も、懸命にラインをコントロールした。川口のファインセーブで、守備のリズムもつかんだ。しかし、ボールの奪いどころがどうしても低くなり、攻撃の起点は、引いた中田からのロングパスに頼らざるを得なかった。

攻めに行った結果の4失点だから、守備陣に注文をつけるのは難しい。攻撃陣では、玉田が大きな仕事を成し遂げた。ただ、どうやって攻めるのか、また、どうやって守るのか。チームとしての試合の運び方が、不明確なまま終わったのが残念だ。1分け2敗はグループ最下位。すべては、オーストラリア戦の敗戦で決していた。

帰途のドルトムント中央駅は、両国のサポーターであふれかえっていた。車内はどれも、朝のラッシュ状態。さすがにドイツまで来て満員電車に乗りたくなかったので、しばらく時間をやり過ごすことにした。結局、ボンに到着したのは4時前のことだった。

「G-JAMPS」が開く9時まで、時間はたっぷりとある。半そで短パンには厳しい寒さだったが、ホットドックで腹ごしらえして、これまで機会がなかった街の散策をしてみることにした。日が差しはじめて、ようやく暖かい空気が流れ出す。公園のベンチに座ると、ジョギングする人たちを横目にうつらうつらとまぶたが重くなった。

完全に日が昇ったころ、ケネディ橋まで歩いてみた。たもとから見る空は、雲一つない青空だ。仰向けなって、空を見上げた。心の中もこんなに清々しくなればいいのに、と思う。そういえば、試合後の中田も同じ格好で、視線を中空に向けていた。ピッチで一人きりになった彼は、ドルトムントの空にいったい何を見ていたのだろうか。

6月22日 日本vsブラジル ドルトムント


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posted by katsu0531 |19:31 | ドイツW杯 | コメント(0) |
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2006年06月22日

キセル乗車にご用心

セルビア・モンテネグロvsコートジボワールの試合が行われるミュンヘンに向かったが、スタジアムの前で個人的にとても嫌な出来事があった。詳細は割愛させていただくが、まったく撮影活動が滞った。猛烈な夕立も重なって、すっかり気落ちして帰途の地下鉄に乗り込んだ。

中央駅の一つ手前の駅だった。ドアが閉まった途端、僕の目の前に乗り込んできたおばさんが、警察手帳のような身分証を開くと大声で言った。

「は~い、あなたたち! 切符の準備はよろしくて?」(←想像です)

ドイツのバスやトラムには、日本のような改札機はない。お金を支払う機械は車両の前方にあるのだが、後方のドアも開くため、自由に乗り降りができてしまう。

SバーンやUバーンと呼ばれる地下鉄も同じ。自動改札機がないので、切符を持たずに乗り込んでも、つまりお金を支払わずに乗車しても、バレなければそのまま素通りできてしまうのだ。いわゆるキセル乗車だが、不正が見つかった場合は40ユーロの罰金が科せられる。

見るからに、どこにでもいそうな普通のおばさんだった。ドイツ女性特有の小太りな体型で、本当にただの買い物帰りかと思ってしまう。もちろん着ている物は、ありふれた私服。検査官と想像させるものは、何もない。

そのおばさんが身分証を出した途端、周りの空気が一変した。一人一人の切符をつぶさにチェックしていく。僕は期間中、鉄道乗り放題の「WELTMEISTER」パスを持っていたのでセーフ。幸いにも、周りで罰金を徴収された人は、一人もいなかった(好奇心で誰かが捕まる瞬間を見たかったのだが)。

驚いたのが、乗客の中にももう一人、検査官がいたこと。完全に他の乗客に紛れ込んでいて、おばさんに同じ身分証を見せると中央駅で降りていった。これでは、どこに検査官がいるか、まったく想像もつかない。

ドイツ人は想像通り、真面目な人柄が多い。ホテルやファーストフードの店員でも、仕事に抜かりがない(もちろんいい加減な人間も、いるにはいる)。でも考えてみたら、そんな回りくどいことしなくても、はじめからちゃんとした改札機を設ければいいのでは?

おかげで、帰りの電車やトラムでも、誰が検査官かといぶかしい目つきで周りを見てしまった。そうやって、人は人間不信になっていくのだろうか……。

6月21日 コートジボワールvsセルビア・モンテネグロ ミュンヘン


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posted by katsu0531 |08:08 | ドイツW杯 | コメント(3) |
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2006年06月21日

子どもにレンズを向けるということ

子どもをテーマに撮影するのは、なかなかに難しい。

愛嬌たっぷりの笑顔を見せてくれたり、国旗を振って気合のこもった表情を向けてくれたり。ボールを使って巧みなテクニックを披露する男の子もいれば、気取ったポーズで色気を振りまく女の子もいる。中にはシャイな子もいて、なかなか目線を向けてくれないこともある。

難しいのは、そのタイミング。いきなりレンズを向けても、最初はさすがに驚かれる。いちばん手っ取り早い僕の手法は、近くにいる親に許しを請うことだ。身分を明かし、「子どもを撮らせてください」とお願いする。そう言われて、嫌な顔をする親はほとんどいない。

まず1枚、正面からシャッターを切る。「ワン、モワ」と人差し指を立てて、一歩近づいてもう1枚。ここで感触がよければ、さらに歩を進める。ただし、あまりにしつこくすると、露骨に嫌な顔をする子どももいるので、用心が必要だ。タイでは大声で泣かれたりして、こちらが困ってしまったこともあった。

ファインダー越しに辺りをキョロキョロしていると、勝手に笑顔を向けてくれる子どもも少なくない。歩いているだけで、「ハロー」と手を振って応えてくれることもある。ただ、自らアピールしてくるときに限って、あまり絵にならない。

天使のような子どもの笑顔は万国共通だが、カメラに対する認識は国によって少々違いがあるようだ。コートジボワールの子どもにレンズを向けると、その姿を遮るようにいきなり親がフレームに入ってきたことがあった。

また、一人でいたアンゴラの子どもを撮影していたときのこと。背後からやって来た親が、「うちの子どもを写真に撮るのは(金額が)高いんだぞ」と吐き捨てた。決して険悪なムードではなかったが、この言葉がどこまで真実なのかは分からない。

撮影された写真が悪用されることを、恐れているのだろうか。アフリカには、いまだ人身売買の根が絶えない国もあるという。長い内戦を経験したアンゴラなどは、人目にさらされることを極端に嫌う文化が残っているのかも知れない。確かに、どこの国とも分からぬ人物が我が子に近づいていれば、誰だって不審に思うことだろう。我々の常識が通用しないことは、どこにだってある。

それでも、子どもを撮影しているのは楽しい。とびきりの笑顔に出会えたとき、こちらも極上の気分になれるのだ。

6月20日 パラグアイvsトリニダード・トバゴ カイザースラウテルン


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posted by katsu0531 |08:57 | ドイツW杯 | コメント(1) |
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2006年06月20日

ちびっ子サポーター写真館

ちょっと箸休めに。

クロアチア  チュニジア
■クロアチア:泣きじゃくる友だち          ■チュニジア:将来は兄弟で代表入りか?


アンゴラ  イングランド
■アンゴラ:懸命に国旗を振りかざします     ■イングランド:気合は誰にも負けません


エクアドル  ポーランド
■エクアドル:仲良し兄弟です          ■ポーランド:澄ました顔が何とも言えません

チェコ            ドイツ
■チェコ:なかなか目を合わせてくれません   ■ドイツ:ほっぺを膨らませてラッパ吹き


オランダ            イタリア
■オランダ:なぜか中田のローマのユニフォーム ■イタリア:スーパーテクニックを披露


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posted by katsu0531 |06:48 | ドイツW杯 | コメント(0) |
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2006年06月19日

ニュルンベルクのPVにて

実は試合前から、相当に酔っていた。

ニュルンベルク中央駅を降り、Sバーン(地下鉄)に乗り換える。ブルーの衣を纏った日本サポーターと、赤と白の格子柄のクロアチアサポーターがごった返し、エアコンのない車内は、さながらサウナのように蒸し返っていた。

パブリック・ビューイングで観戦するため、フランケン・シュタディオン駅の一つ手前で降りる。ここから歩くこと10数分、ようやくファンフェスタのゲートが見えてきた。ここまでたどり着くまでに、体中の水分はかなり失われていた。何でもいいから、とにかくのどの乾きを潤したかった。
酒はそれほど強くない。ただ、景気付けにアルコールの力を借りたかった。容赦なく降り注ぐ太陽が、8年前を思い起こさせたから。

スタジアムの様子はうかがい知れない。だが、パブリック・ビューイングの人数は、圧倒的にクロアチアが優位だ。日本サポーターが前列の一角に陣取るものの、その声はスタジアムはおろか、広場の後方に届くまでに、クロアチアサポーターの大声援にかき消されていた。

射るような日差しと空腹感に酔いが重なって、何度か意識が遠のきそうになる。

スタジアムと大画面モニターの差は、物理的な距離以上に、大きな開きがあるように感じた。それでも、クロアチアサポーターの真ん中に交じって、最後まで試合を見届けた。

モニター越しの観戦だったため、試合の詳細はここでは省く。ただ、川口の好セーブで引き寄せた流れを、最後まで生かせなかったことが残念でならない。枠に飛ばないシュート、リズムに変化のない単調なパス交換、意図の見えない選手交代が、試合を決定付けられなかった要因だ。
暑さは確かに身に堪えた。しかし、暑くなれば日本有利と書きたてた新聞もあった。決して言い訳にはならない。

すっかり酔いからさめた帰途で、原稿を書いている。車内の電光掲示板には、ブラジルがオーストラリアを2-0で下したと表示された。
日本の決勝トーナメントへの道のりは、さらに険しくなった。

6月18日 日本vsクロアチア ニュルンベルク


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posted by katsu0531 |09:57 | ドイツW杯 | コメント(0) |
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