2006年07月01日
ドイツはもう、お祭り騒ぎだ。
アルゼンチンとの準々決勝が行われたベルリンからボンへの帰途、途中停車のハノーファーで20分近く足止めを食った。実は時間の関係で、ベルリンのファン・フェスタでは最後まで試合を見られず、後ろ髪を引かれる思いで列車に飛び乗っていた。結果が心の中で気になりだしたころ、それまで静かだった乗客がいっせいに沸いた。
そうだった。ICE(新幹線)の座席では、プラグにイヤホンを差し込めば、好きなチャンネルが聴ける仕組みになっている。みんな、固唾を飲んで、準々決勝の行方をラジオで聞いていたのだ。ドイツ語が理解できない僕にも、どちらが勝者かはっきりと認識することができた。
市街地から聞こえてくるのは、けたたましい音量のクラクションと、男達の歌声。ベルリンのファン・フェスタを経験してきただけに、その凄まじさは想像に難くない。ケルンに着いても、プラットホームはドイツのユニフォームを着たサポーターであふれかえっていた。開催都市ではないボンも同じ。着いたころは9時キックオフの第2試合が終わった直後とあって、完勝に酔ったイタリアサポーターが、お馴染みのハコ乗り状態で、道路を行き交っている。喧騒は深夜まで、続いた。
ついにドイツが準決勝に進んだ。これで次の試合にたとえ敗れても、3位決定戦があるため残り2試合を戦うことになる。やはりホスト国の勝ち上がりは、大会を盛り上げてくれるものだ。対戦相手に恵まれていると揶揄されたホスト国の宿命も、好調のアルゼンチンを下すことで、見事に払拭して見せた。
心なしか、98年大会のフランスと、ダブって見える。1回戦は出場停止でジダンを欠き、苦しみながら延長戦の末にパラグアイを下した。そして迎えた準々決勝、ジダンは戦列に復帰したものの、イタリアの堅守の前にスコアレスのままPK戦へ。この勝利で勢いに乗ったフランスは、決勝でブラジルを下して初めて黄金のトロフィーを頭上に掲げた。
当時、スタンドで観戦していた僕の横に、一人の少年がいた。スコアボードが動かない退屈な試合に、途中、何度もうつらうつらと首を傾げていた。ところが、PK戦で勝利をもぎ取ると、それまであくびを噛み殺していた少年は、感動のあまり大粒の涙を流して喜んでいたのだ。
準々決勝がPK戦での勝利というのは、サッカーの神が与えたただの悪戯か。いずれにせよ、国民の気運は、最高潮に高まっている。あと一つくらいドラマがあれば、ドイツは最高のクライマックスを迎えそうな気がする。

posted by katsu0531 |16:50 |
ドイツW杯 |
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