2006年09月02日
バレーボールほど、挑戦と失敗が混在する球技も少ない。
ストレートにスパイクを打つ。決める。相手ブロックがストレートを締める。止められる。クロスに打つ。レシーバーがコースに入る。サイドに偏ったトスを、センターに集める。
どちらかが25点にたどり着くまで、トライ&エラーを繰り返す。
リスクを承知で、ほんのわずかの誤差を修正する。ボール一つ分、指先一本分。失敗が次のプレーで成功を生む。
強いチームほど、相手の“穴”を見逃さない。ミスを確実に次のプレーへと生かす。流れを嗅ぎ分けるチームが、連続得点を奪う。相手が息を吹き返さないよう、怒涛のように攻め込む。逆にミスが修正できないチームは、マイナスのスパイラルに陥る。
そして、一本のミスが命取りになる。
昨年のワールドグランプリ。日本はブラジルを相手に、フルセットまで持ち込んだ。第5セットで日本は、14-12と先にマッチポイントを奪う。だが、大友のサーブは無常にもエンドラインを割る。ここから連続失点し、ジュースの末に大魚を逃した。
チームの落ち込みようは大きかった。しかしこの敗戦で、日本は1点の重さを知った。
今日のドミニカ共和国戦。今までの日本であれば、最終セットに逆転された時点で、ゲームを終わらせていたかもしれない。しかし違った。失敗を成功に変えたのは、日本の方だった。12-14から、4連続得点で見事な逆転勝ち。1年の成長を証明するのに、充分な勝利だった。
ドミニカ共和国もまた、好チームだった。スパイクではブロックの低い方に照準を定め、サーブでは日本のポイントゲッターである高橋を徹底的に狙ってきた。守備も堅く、ミスをすぐさま修正する、高いアジャスト能力も見せ付けた。
若い選手が多いことも、今後の躍進に大きな期待を抱かせる。そして、この日の一戦で、1点の重みを知った。3カ月後の世界選手権、一回り大きくなってどんなバレーを見せてくれるのか、今から待ち遠しい。
posted by katsu0531 |02:08 |
バレーボール |
コメント(2) |
2006年08月29日
女子バレーボールの高橋みゆきが、来シーズンもイタリア・セリエAのビチェンツァでプレーすることが決まりました。報道によると「世界最高峰リーグの試合を経験して成長したことに加え、ビチェンツァ側からも残留の申し出があったため」だそうです。
僕が専門誌の仕事でビチェンツァを訪れたのは、昨年の10月でした。ミラノからコーディネーターの車で走ること約2時間。ベンツのエンジンを積んでいるというsmartは、軽い車体に似合わず時速180キロの猛スピードでハイウェイを飛ばしながら、東へと進んでいきました。簡単にハンドルが取られてしまうので、後部座席なのにシートにしがみついていたことを覚えています。
ジェットコースター並みのドライブを体験してたどり着いた先は、風光明媚な観光都市…、ということに気がついたのは、試合後に食事のために市街地に出てからでした。体育館はけっして立派ではありません。外観だけを見れば、地方の公民館という風情です。それでも、2000人も入れば満杯になるであろう館内は、熱気に満ち溢れていました。
サッカーばりのサポーターが一角を陣取り、地元から訪れた観客がワンプレーごとに一喜一憂します。ファインプレーには盛大な拍手、相手に有利なジャッジにはブーイング。日本のVリーグにはない、ホーム&アウェイの雰囲気がしっかりと根付いていました。高橋のプレーもすこぶる好評で、途中交代でコートを去るときはわずかながら館内からため息が漏れていました。
試合後、高橋のコメントを取ろうと、数名の日本人記者が囲みました。そんなときにも、ファンはサインや握手を求めてきます。高校生くらいの子どもと一緒に、一人のお父さんが間に入って、高橋に何ごとかを話しかけました。イタリア語のできる日本人記者によると、「心配するような場面もあったけど、こういう形(勝利)で終わってくれるなら、いくらでも応援するよ。できれば体育館の中だけじゃなくて、外でもね(笑)」。こんな誘い方もイタリアっぽくて、高橋の人気の高さがうかがえました。
今回の残留は、チームだけでなくファンにも求められてのことでしょう。環境はアスリートを大きく変えてくれます。高橋の進化は、まだまだ続きそうです。現在行われているワールドグランプリでの高橋のプレーには、凄みさえ感じられました。日本のファンには残念かもしれませんが、ワールドグランプリの岡山大会、さらには秋の世界選手権と全日本の試合は続きます。それまで、その勇姿をしっかりと心にとどめておきたいですね。
それから同時期に入ったニュースで、男子の石島のブラジル挑戦も発表されました。まだ22歳。あらゆる面で打ちのめされるかもしれません。それでも、世界屈指のリーグで戦うことは、間違いなく大きな経験になるはずです。バレー界のイチローや中田になれるように、何かを得て返ってきてほしいと思います。
それにしても、こうして海外で活躍するバレーボール選手のプレーを、ぜひテレビで見てみたいものです。海外リーグの雰囲気を知りたいファンだって、きっと多いはず。生中継とは言いません。何とかなりませんかねえ。
posted by katsu0531 |01:02 |
バレーボール |
コメント(0) |
2006年07月11日
5月の黒鷲旗を終え、新たに招集されたバレーボールの全日本女子。チームに新しい「風」を吹き込んだ選手がいる。
小山修加だ。
これまで無名だったかといえば、そうではない。今年の黒鷲旗を制した久光製薬・スプリングスに所属。まだ控えに回る機会が多いが、身体能力を生かしたダイナミックかつパワフルなスパイクとサーブは、幾度となく注目を集めてきた。
「ワンジョー」の愛称で親しまれているように、若いころ中国から帰化。人柄も良く、明るい性格から、彼女の周りには笑いが絶えない。
6月に行われたヨーロッパ遠征、イタリア国際の模様が「ESPN」で録画中継されていた。
13日のイタリア戦、先発出場の小山が、冴えに冴えた。結果的に逆転負けを喫するものの、遅咲きのエースが発揮した真価は、世界の強豪にも強いインパクトを与えたことだろう。今後はマークも厳しくなる。そこからさらに飛躍してほしい。
ちなみに、今の全日本のユニフォームは、背番号の上のネームが、姓ではなくファーストネームになっている選手が多い。高橋みゆきであればニックネームの「SHIN」、木村沙織であれば「SAORI」。
とくれば、大山加奈は「KANA」、小山は「SHUKA」。なるほど、確かに名字限定であれば、2人とも「OYAMA」か。
posted by katsu0531 |19:40 |
バレーボール |
コメント(0) |