2006年07月04日
バンコクで中田の引退を思う
トランジット先のバンコクで、漫然とした時間の流れを過ごしている。カメラを持って表に出る気にもなれず、かといって、溜まった写真を整理する気力もない。ホテルのプールで水遊びをしても、強烈なタイマッサージで背骨が悲鳴を上げても、頭の片隅には昨夜のニュースがこびりついて離れなかった。 中田英寿がイタリアに渡った1998年、時を同じくして僕も今の仕事を目指すべく故郷の大阪を離れた。セリエAデビューとなったユヴェントス戦は、初めて一人暮らしをしたアパートで、メモを取りながらかじりつくように見ていた。以来、中田の成長を我が身に置き換え、いつも励まされてきた。 引退の是非を、今さら問おうとは思わない。セリエA優勝、ワールドカップ3度出場など、その功績ははかり知れない。自らの発言に多大な神経を使ってきた中田のこと、相当な覚悟と責任を持った上での発表だったのだろう。それだけに、日本サッカー界のトップランナーを再びピッチで見られない喪失感だけが募ってくる。 願わくば、再び日本のサッカー界に戻ってきてほしい。現場には出なくても、彼のビジネスセンスを持ってすれば、再び日本サッカーに火を灯すことができるはずだ。これまで自身のHP上で綴られてきたメッセージを、すべてのサッカーファン、そして未来を担う子どもたちのために発信してほしいと思う。 薄暗い部屋で煌々と点されたテレビでは、ドイツ対スウェーデンの1回戦が録画中継されている。思えば、ドイツでの3週間は、夢のような時間だった。ただ、個人的には多くの課題が残る大会でもあった。何より、ふだんJリーグを現場で取材する身としては、やはりスタジアムで試合を見られなかったことが、残念でならない。 それでも、我々の仕事に引退はない。個人的には、体が許す限り、カメラとペンを持ってスポーツシーンを追いかけていこうと思っている。性も根も尽きたとき、中田がブラジル戦で見せたような涙を流せるように。
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posted by katsu0531 |22:15 |
ドイツW杯 |
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