2008年03月30日

日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その20

初めての方は先に日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その1よりお読み下さい。当記事のみでは分かりにくくなっております。


10の疑問その4 第2回
 4.何故欧州主要リーグで在籍選手数が多いのに弱い国代表があるのか?(言語や国籍問題等は限りなく日本人と同等のハンデの選手に仮定しても)対戦すれば必ずしも日本代表より強くない国代表の選手(例えばアフリカなど)が何故日本人よりも多く在籍できているのか?


ここでのテーマは「日本より弱い国代表」なので話を戻すとしよう。

まずはアジアに鞍替えし日本のライバルとなったオーストラリア代表、
彼らは日本代表より強いとも言えるし弱いともいえる、
最近の招集メンバー(2008/2/5発表)の所属クラブを見てみると
イングランド5
オランダ3
イタリア2
スコットランド1
ドイツ1
ポーランド1
ちなみにキューウェルとビドゥカは招集されていない。

所属リーグだけを見れば、なぜ日本代表ごときがライバルなのか分からない欧州所属ぶりである。


例えばチュニジアは
古くはトルシエが率い、
2002年ワールドカップ本戦グループHの最終戦では。そのトルシエジャパンに2:0で敗北している。
当時1分1敗での日本戦とは言えグループリーグ
突破の望みは完全に消えた訳ではなく少なくとも消化試合ではなかった。

FIFAランキング(2008.03.12発表)では56位(日本36位)

先日のアフリカネーションズカップではベスト8止まりだが
メンバーは
フランス3
スイス2
イングランド2
ドイツ2
ロシア
と明らかに日本よりも海外組が多い。

経済では1956年まで宗主国であったフランス関係が深く、学生たちはフランス語とアラビア語の両方の授業を受けるらしい。
しかし彼らアフリカ人選手は実はフランスリーグでは外国人枠に相当し
語学能力および経済・人的交流以外の面では日本人選手と変わらぬ待遇である。
正確には不明だがチュニジア代表の欧州組は、貴重な外国人枠をもぎ取った実力者とも言える。


次回に続きます。

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posted by karakuti |16:41 | 日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問 | コメント(2) | トラックバック(0)
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2008年03月28日

オシム退院に寄せて

故池田昌子さんの著作の中で印象に残る言葉がある。

「お前らとは覚悟が違う。」である。

一つ目の用いられ方は

「お前らとは覚悟が違う。こっちは生活がかかってる」

プロがアマに対して口にするセリフだ。
当ブログの反響や多くのサッカー記事でも同様な意味合いの物が見受けられる。

「ブラジルなど貧しい国の選手とは生活がかかっていてハングリー精神が違う」

日本人の執着心が足りないから通用しないという類のものだ。


私は大概「それでは経済先進国でなおかつサッカー大国があるのは何故ですか?」
と聞くようにしているが、実はこれはインスタントな分かりやすいだけの返答である。

生きる手段としてのサッカー選手。これはこれで悪くはない。
値段の付くポジション、値段の付くプレー、値段の付く言動を行えば良いだろう。

ただ大きな欠点が1つある。流行に流されることだ。
生きる為ならどんな事でもする。
汚い事でも、自分の主義に反する事でも
最大の優先事項は金を稼ぎ生活する事だからだ。

この意味でプロとは、汚い保身にまみれた寄生虫で
どの業界でも彼らは巣食っている。
自分達が一番偉いんだと言う顔で、
自分達の作るものこそ素晴らしいと信じて疑わない。

「生活のかかっていない奴が意見するなど百年早い」

親が子に言うセリフのようにアマに向かって、
新人に向かって言い放つのである。
「食えていない内は半人前だ」
少し古いが自己責任という言葉に通じるものがある。
「自分の食い扶持に責任を持ってこそ、説得力がある」
というものだ。

しかし、この大きな世界の中で自分という人間。譲っても家族、親類が
「食えるかどうか」などはこれっぽっちも重要な問題ではない。
食えようが飢え死にしようが、大概代わりは幾らでも居る。

「覚悟」とは何かを突き詰めていけば、
「自分が生きる手段」としてサッカーに携わるのは
決して本当の「覚悟」とは言えない。

歴史に残る天才がそうであるように
「自らの生活にかかわらずそれをせずにはいられない」

即ち、「サッカーをするために生まれてきた」のであって
「生きる為にサッカーをする」一般的な覚悟とは位が違う。
彼らはサッカーが出来ないのならそれが死なのである。

2つ目の用いられ方は

「お前らとは覚悟が違う。こっちは命をかけている。」である。

今度は多くのプロに向かって言うセリフだ。

この覚悟を持つものにとって、携わり方がプロかアマかは意味を成さない。
賃金の支払われる職種の形態など、所詮今一番ましなシステム(民主主義など)に過ぎないからだ。
新しい取り組みは基本的に無給である。
よって多くの先駆者は「アマ」だ。

即ち、自分の生活や健康、家族、名誉・財産、地位、権力。
サッカーを続けることで全てを失ったとしても、
彼ら本当の覚悟を持つ者はやらずには居られない。

生きる意味、それがサッカー。

これこそが覚悟のある選手、監督、指導者ということだ。
国が豊かかどうかは関係ない。この覚悟を持てるかどうか。
指導者はそういった気持ちを選手に対し育てられるかどうかが重要である。
当ブログで連載中の欧州移籍に関して言えば、どれだけその覚悟を持つ人材を欧州に送り込めるか。また覚悟を持ち続ける為の支援が出来るかという見方になる。


だが行き過ぎた覚悟は、死を呼び込み早めてしまうのもまた事実である。

そして、オシムはそういう人だ。

有名になり過ぎた「考えて走るサッカー」は彼を表す言葉ではない。

「選手は24時間サッカーのことを考えろ」こちらの方が彼の本質を表している。

だから本当にオシムという人を知り、彼が好きならば、
千に1つ、彼が再び「命を縮めるサッカーとの携わり方」を選んだとき
心を鬼にして止めなければならない。

彼の生きる意味と食い違ったとしても、
私はオシムという1つの命のファンだ。

川淵C、オシム氏に“指導者教育”希望


関連記事
さよならオシム①

さよならオシム②

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2008年03月26日

日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その19

初めての方は先に日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その1よりお読み下さい。当記事のみでは分かりにくくなっております。


10の疑問その4 第1回
 4.何故欧州主要リーグで在籍選手数が多いのに弱い国代表があるのか?(言語や国籍問題等は限りなく日本人と同等のハンデの選手に仮定しても)対戦すれば必ずしも日本代表より強くない国代表の選手(例えばアフリカなど)が何故日本人よりも多く在籍できているのか?


誰もが知っている代表的な例はEURO2008予選敗退したイングランドだろう。
予選グループE、イングランドを敗退に追い込んだ一番の要因はホーム&アウェー共に
イングランドを撃破したクロアチア
かも知れないが
代わりに本戦に進んだのはロシアである。
彼らの所属チームを見てみると、なんとロシア外リーグ所属の選手は下記4名だけである。
三大リーグからは2名だけ。

スペイン・セビージャ所属:アレクサンダー・ケルザコフ
ドイツ・ニュルンベルク所属:イワン・サエンコ
イタリア・ウディネーゼ所属:ビクトル・ブディアンスキー
ポルトガル・スポルティング・リスボン所属:マラト・イズマイロフ


ホームでイングランドを破った際の招集メンバーはこの内2名のみ。
勿論イングランドがメンバーを落としている訳ではないだろう。


所属チームだけを見れば、日本代表の方が豪華なメンバーをそろえられるかも知れない。
しかしいくら不調でもイングランドに大事な本予選でどれだけ勝利できるかと言えば
かなり難しいだろう。

当ブログのような辺境の地に敢えて訪ねて来られる方に触れる必要も無いかもしれないが、
イングランドは近年だけ見ても実際の結果と国の実力が伴わないとされる強豪国の一例である。
有名所で他にもスペインがクラブチームに比較して国代表は結果を残せていないと言われる。

世界三大リーグの内2つの国代表が、その国内リーグ全体、もしくは所属クラブと比較すれば、弱いのである。


次回に続きます。

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posted by karakuti |18:36 | 日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問 | コメント(8) | トラックバック(0)
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2008年03月24日

日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その18

初めての方は先に日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その1よりお読み下さい。当記事のみでは分かりにくくなっております。


10の疑問その3 第7回
 3.欧州でも育成・人材発掘に長けたクラブ・監督とまたはその逆があるのは何故か?日本人を獲得したクラブはそのいずれに多いのか


さて今回も考察を終えたので、以前頂いた反響と照らし合わせて見たい。


  • 1.欧州移籍が失敗しても経験と言う財産を得るし、トライしないリスクの方が大きい

こちらでの進展としては、典型的な日本人獲得クラブは1部昇格したてで金・育成力・スカウト力のいずれかが弱く、さらに人を粗悪に扱いかねないクラブであった。大概こう言ったクラブで日本人が経験する事といえば

  • .守備は巧くなった = 得意な攻撃陣では起用されなかった。又Jリーグや代表では一人だけ守備のタイミングが違い連携面では浮いてしまう

  • .ベンチを暖めるサブ組の気持ちが分かった = 試合に出れなかったので体力が落ちた

  • .コンディション調整が上手くなった = 試合に出れなかったので疲れも溜まらなかった

  • .日本が恵まれていることが分かった = 思い出したくも無いひどい目にあった(苦笑)

  • .体の使い方を覚えた =  Jリーグや多くのアジア代表戦で同じプレーをすれば激しすぎてファールになる

  • .自分に足りないものや課題を知れた = 自分が大した事無い選手だと思い知った

等など邪まに捉えれば良い所なしにすら見えてしまう。
時に試合に出れなければ移籍する程、実戦に拘るプロである彼らが、
インタビューで受け答えする印象そのままなほどに欧州でのいわゆる「ベンチ外生活」を前向きに捉えているはずが無い。


ここでは
1.選手として
2.指導者として
のうち選手に限って進行するが、

経験が財産と呼ばれる為には、「後のサッカー人生で役に立つ」という前提抜きでは語れない。
しかし、読者の方々にとって「欧州移籍前の方が輝いていたし、活躍していた選手」の方が実感として多くは無いだろうか?

帰国組(海外挑戦後、Jリーグでプレーする選手)で、サッカー初心者の方でも分かる活躍※と言えば筆者の思いつくところでは大久保やカズ辺りしか出てこない。(※ここで言う活躍とは、海外挑戦前と比較して、帰国後に同程度の活躍か、それ以上の活躍を指す)

あくまでも筆者の主観的な意見だが帰国選手数に比較してあまりに少なくは無いだろうか。


もし「if」が許されるなら、欧州に渡らなかった方が成長できた選手も居たのではないだろうか。もっと分かりやすく言えば、欧州移籍から帰国を経験した事で選手として実力を下げてしまったケースが意外に多いのではないか。

例えば、移籍前には「実力をアピールしていつか欧州に行く」というモチベーションが有ったが、欧州で納得できる成果を上げられず帰国し、自らの器を知り、夢打ちひしがれて選手として伸びが止まるか下降期に入ってしまう。などと言う変化は十分に考えられる。

10年以上サッカーを観戦している筆者のようなファンにとっては特段例など無くても、分かる人には分かるし、「とっくに知っとる」と言われそうな内容で申し訳ないが、一応少しは分かりやすくなるよう、例をいくつか出しておく。

  • 1.今の代表を1番引っ張っている選手は?と聞かれたら、もしかしたら一番名前が挙がるかもしれない、マリノスの中澤等代表中心選手の多くはプロとしての海外リーグ経験が無い。(燃え尽きて代表引退しているが)。

  • 2.他に中心として、名前が挙がるかもしれない高原、中村の海外組は、06年のワールドカップでは奇しくも共に不調だった。高原いわく「欧州組は代表にフィットする時間が取れず、ワールドカップで実力を出すのは難しい」と語り浦和に戻ってきた。即ち欧州組は多くの代表戦には不向きで、欧州移籍=代表レベル向上と必ずしも相乗効果とはならない。これは比較的休養が取れるW杯本戦も例外ではない。コンディションや連携構築でアドバンテージがある国内組を超える結果を出すのは海外組の実力でも困難だと思う。


  • 3.中田英は引退後GKの川口に対して「以前と比べプレーに対して『次は無い』というプロとしての緊張感が感じられなくなった」と話していたが2005年の帰国組である。

  • 4.名波は2000年にベネツィアから帰国し、「欧州挑戦は無駄じゃない所を見せる」とアジアカップMVPの活躍を見せたが2001年に本人曰く「以後思うプレーが出来なくなった大怪我」右膝半月板を故障。非常に強引に聞こえるかもしれないが、筆者には怪我と欧州挑戦からの帰国が無関係とは思えない。2002年当時29歳ではあるが、日韓W杯に招集されず。

  • 5.あれだけフル出場を続けていた三都主がたった1年の間に何度も負傷し、今期の開幕にも出場できなくなったのは偶然ではないし、今後の彼の体も移籍前より確実に怪我発生リスクが上がってしまっただろう。筆者はその原因をどうしても短絡的に「欧州クラブに粗悪に扱われたからだ」と関連付けしたくなる。

過去例だけでは面白くないのでここで予想を1つ。小笠原は冷遇されて帰ってきた為、一時的にモチベーションが有り昨シーズンは活躍したが、今シーズン、又は来シーズン以後は移籍失敗が悪い方に働き、当時の名波と同じようにパフォーマンスが移籍前以下の状態で固定化され、引退まで戻らないのではないかと踏んでいる

纏めると現在の欧州挑戦を選手の成長の糧としてみたとき、「経験と言う財産」として得た中身の少なくとも過半数は、負の財産、即ち負債である。

もし百歩譲って実力が向上したとしても、チームスポーツであるサッカーでは、一人でサッカーを向上させることは不可能で、代表で中田英が浮いてしまった様に「欧州サッカーを経験していないメンバーに囲まれては」向上した実力は発揮できない。
また選手も人間であるから、サッカーのプレーのような感覚が重要な経験は一人では忘れて行ってしまうしJリーグに戻れば2~3ヶ月でJのサッカーにすっかり元通り適応し、欧州サッカーを身に残さない選手になることも十分に考えられるのではないか。

よって欧州に渡るのなら中田英のようにそのまま引退するか。カズのようにピークを過ぎてもやり続ける落ちないモチベーションを持つか。変に挑戦して失敗する位なら、あえて挑戦せずに成功しやすい移籍(帰国後もパフォーマンスが落ちない移籍)を持ち、準備を続ける選択肢もあって良いのではないか。

分かりやすいように反響を筆者なりに書き直してみる。

元々の反響
欧州移籍が失敗しても経験と言う財産を得るし、トライしないリスクの方が大きい

               ↓↓
筆者の考え
欧州移籍が失敗したら過半数の選手が下降するし、実はトライするリスクの方が大きい


ここまでお読み頂き、「まぁ一理あるな」と思われた方々。
ではもし、欧州移籍前の選手が、インタビューで下記のように応えていたらどう思われるだろうか。

「僕は欧州挑戦して半分以上の確率で選手としての実力を落として来ます。」

「ファンの皆さんこれからも所属した○○クラブと僕の応援よろしくお願いします。」

・・・・・・。酷い話だがこれが現実である。当ブログの読者の方はすでにご承知の通り筆者は「そんなの恥さらしだから戻って来い!」と叫びたくなるのである。ど素人の主観的妄想ブログだが、本当に欧州移籍を応援して送り出すのが良い方法なのか、ファンやサッカー関係者、選手を含め携わる一人一人が再考する機会として頂ければ幸いである。


※最後に

当記事はあくまでも「こういう見方も出来る」という視点の紹介を主旨としています。
分かりやすくする為に触れなければ行けない問題をいくつか置き去りにして進行しています。

実際の所はまだまだ帰国組の数が少ない現状で実力が向上するか下降するかどちらとも言い切れないと考えています

ただ、それは同様に、「経験という財産を得る派」の意見をお持ちの方にも言えると思います。
出来れば筆者の言うような「欧州移籍から得る経験などない派」がぎゃふんと言うような
欧州挑戦が役に立った例や、選手として成長した例を教えて貰いたいです!。

筆者はプロフィール通り、一選手・一チームをあまり追わない観戦方法なので、
お恥ずかしい事に各帰国組選手の、移籍前、帰国後、双方のプレーを比較して評価する作業を行えません。

なので「なにを言う!○○選手は帰国後一回り成長したぞ!」という話や
「そうだ!××選手はめっきりパフォーマンスが落ちたよ!」等の情報を頂けると助かります。

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posted by karakuti |14:45 | 日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問 | コメント(6) | トラックバック(0)
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2008年03月22日

日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その17

初めての方は先に日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その1よりお読み下さい。当記事のみでは分かりにくくなっております。


10の疑問その3 第6回
 3.欧州でも育成・人材発掘に長けたクラブ・監督とまたはその逆があるのは何故か?日本人を獲得したクラブはそのいずれに多いのか


育成型クラブの作り方

「欧州でも育成・人材発掘に長けたクラブ・監督とまたはその逆があるのは何故か?」
という疑問のもう一つの意味、クラブの人材確保術の差も、大きすぎるテーマではあるが、若干触れてみたい。
これは補強型、育成型。両クラブの根本、スタート地点は同じであったと仮定してみる。
全ては経営の過程で決断を積み重ねた結果、補強・育成のいずれかの方針に変化していったと考えて見る。
育成型に変異する一つのきっかけとして、経営危機・財政問題があるだろう。

例えば育成で注目されるアーセナルでは

「新スタジアム建設の為、選手補強が出来ない」
↓
「戦力が落ち、順位が落ちてしまう」
↓
「じゃあ育てるしかない」
という思考パターンだ。
しかしプレミアリーグの事実上「外国人枠制限が無いに等しい」という
恵まれた環境を元にしている所はJリーグと照らし合わせると正直ズルい(笑)。


纏めると

  • マネーパワー」の不足を「マンパワー」で補う形で育成路線を採る。

他にも

  • 元々本拠地でサッカー人気が根強く地元がユース設立を強く望む文化である

  • 「育成型の」ライバルチームに刺激されて育成強化する

  • 収入源が安定しており運営スタッフにも時間的猶予が与えられ、長期的なプランを元に仕事が出来る

等の可能性で育成型クラブが誕生することが考えられる。
ポイントはやはり育成を始めてから初期投資を回収できるまでの負担に耐えられるかどうかだろう。ユースは軌道に乗ってしまえば移籍金で逆に利益が出るクラブの優等生となるが、買い手が付く商品を産出できなければ、他人の子供にタダ飯を食わせ、玉を蹴らせるだけの慈善事業である。
この期間を支える理解に恵まれた環境かどうかが育成型として成功するかを左右しているように見える。
皆さんはご自分に置き換えて見たとき、自分に長期投資しているだろうか
私はしていないが(苦笑)。

とすると下記のような疑問が浮かんでくる

  • 1.育成型として成功しているクラブがある場合、人材発掘の問題で同じエリアからは育成型クラブが出にくいのではないか

  • 2.同本拠地のライバルクラブで育成熱意にどういった差がでるのか

  • 3.労働者階級サポーター中心のクラブと支配階級サポータのクラブでは育成熱意に差があるか?

  • 4.一口に育成型といっても生み出すポジションに得手不得手がでるのは何故か(日本の中盤など)?

  • 5.逆に育成型から補強型に変化することは無いのか

  • 6.15歳以下のちびっ子や20歳以上の選手再生工場など各育成型クラブが得意とする年齢層はどう決まるのか

この辺は今回のテーマからはみ出してしまうので勘弁願いたいが、
皆さんはどう思われます?


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posted by karakuti |15:55 | 日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問 | コメント(7) | トラックバック(0)
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2008年03月20日

日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その16

初めての方は先に日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その1よりお読み下さい。当記事のみでは分かりにくくなっております。


10の疑問その3 第5回
 3.欧州でも育成・人材発掘に長けたクラブ・監督とまたはその逆があるのは何故か?日本人を獲得したクラブはそのいずれに多いのか


ここまで言えば分かっていただけると思うが、
日本人が欧州に移籍する為にはこういったクラブしかないのが現状であり、
選手が欧州移籍後に、少なくとも一般的なJリーグクラブの外国人枠選手程度には大事にされる。
と思うのは希望的観測に過ぎず、実態は蓋を開けてみなければ分からない粗悪さを内在させている。

こういったクラブの特徴は
1.クラブが近年買収された
2.近年上位リーグに昇格したばかり

といったいずれかの場合に当てはまる傾向が強い。
他にも監督が一目惚れというのも多いが、裏を返せばクラブのスカウト網が弱く監督のコネクションに頼らざるを得ない苦しい台所事情の裏返しとも取れる。現場の望む選手が獲得されるのは喜ばしいことだが、監督に選択肢を与えられるスカウトの方が更に望ましい。
長谷部のヴォルフスブルクは決して貧乏ではないが筆者からすると「育成下手」で「スカウト網が機能していない」と2と3に該当する。
リーガの商店などと揶揄され、1年半で16人もの外国籍選手を買い漁り、チームを形成できずにスタメンもコロコロ変わる。
サッカーファンの方には今更釈迦に説法だが、年間試合数の多い強豪が行うターンオーバー制
とは似て非なるものである(笑)。

何が言えるかといえば来年長谷部がヴォルフスブルクに居るかどうかさえ怪しい不安定なチームだということだ。
彼が、そう言った過酷な状況に逆に燃えるメンタリティのある選手なら歓迎できるが。
「カネを持て余した頭と人使いの悪いクラブ」それが現在の筆者のヴォルフスブルクへの印象である。
だから長谷部を守備重視で使うなど、おかしな起用をする。何目的で獲得したのか意味不明である。
何年か後に中田英や小笠原・アレックスのように「守備'は'巧くなった」と自負するかも知れないが筆者としては
彼の特色から成長の方向性として時間の勿体無い使い方、勿体無い成長の仕方である。

又お叱りを受けてしまうので「昔からの」同クラブのファン・マガトファンの方が当記事をご覧になられないよう願っておく(笑)。
お断りしておくが、クラブやマガトその人の全てを否定しているわけではなく、

  • 1.スカウトと獲得
  • 2.育成と監督業
  • 3.クラブ経営

の全権を担わせるには適当な人材ではないと筆者は主張している。現実にはそんな特別な人物は世界にも数えるほどしか居ない。

さて今回の疑問の一つ、日本人を獲得するクラブの
1.育成充実度
2.スカウト網
に関してある程度ご納得頂けただろうか?

データをご覧頂ければ分かるが一つの形として
「1部に昇格して慌てて戦力補強するスカウト網と育成が弱いクラブ」
というバタバタとしたクラブが日本人補強を行うケースが突出して多い。

そんなクラブに共通する願望として他クラブが手を付けなかった残り物や見向きもしなかった粗悪品の
「海の物とも山の物としれない得体の知れなさ」を逆に
「ミステリアスで底知れない実力」と勝手に良い方に解釈して獲って来るのである。
スカウト関係者の想像力は豊かだが、逆比例して経験は貧しい。

同じケースをJリーグで例えると「ブラジル人だから活躍する」とでも言うように得体の知れない選手を連れてきて取り合えず外国人枠を満たし
当たりが出るように神に願う「ギャンブル補強」に当たるだろう。

そんな粗悪な欧州移籍に筆者は反対なのか?
と言えば必ずしもそうではない。
疑問その2の記事と見比べて頂ければ、筆者の心境を別の側面からも捉えていただけると思う。


次回に続きます。

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2008年03月18日

日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その15

初めての方は先に日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その1よりお読み下さい。当記事のみでは分かりにくくなっております。


10の疑問その3 第4回
 3.欧州でも育成・人材発掘に長けたクラブ・監督とまたはその逆があるのは何故か?日本人を獲得したクラブはそのいずれに多いのか


過去Jリーグより日本人を獲得したクラブの情報(調べ疲れたので一部)


イタリア

大黒のトリノ
ここ10年で3回昇格・2回降格

柳沢のメッシーナ
2000年までセリエC所属

中村のレッジーナ
2001年B降格。以後順位14位程度とすれすれ

中田のペルージャ
2005クラブ破産。現在はセリエC。セリエA昇格時に獲得。

長谷部のシエナ(実現せず)
2000までセリエC所属。2003年セリエA昇格後も15位程度とすれすれの順位。


イングランド

戸田のトッテナム
イタリアクラブに比べ安定している。移籍の決め手となった2002年ワールドカップでは4試合全てにトサカヘアー?でフル出場し売込みが巧いなぁと感心したのを覚えている。積極的な守備でプレミアへの適応力もアピールしていた。
ただトッテナムは今期は不調であり、選手獲得に強かったフランク・アーセネンが引き抜かれ、
2006年にデイミアン・コモリに変わってからは監督も突然更迭し低迷を続けている。
予算はあるのだが使い道はどうか。


川口のポーツマスFC
所属当時は2部であり、選手獲得には1部よりは有名所を呼びにくかったことは想像できる。
2001年川口獲得の3年前98年に買収され
オーナーが変わっている。


スペイン
大久保のマジョルカ
当時のクーペル監督が五輪を見て獲得したらしい



西沢のエスパニョール
筆者の知る限りアジア圏から西沢以外の選手を獲得した過去は無く、
移籍当時から財政状態は思わしくなく
現在も多くの負債を抱えている。

上記には城を獲得したバリャドリッド
の名前もある



フランス
松井のル・マン
ここ5年で2度1部に昇格。ユースは比較的しっかりしているが、現在の1部所属が安定して続くかはアンツ監督に恵まれたお陰と見ることも出来る
欧州一若いチームとも言われステップアップを目指す選手を多く抱える。

中田浩のマルセイユ
ただ単にトルシェ効果と言って差し障りないだろうか。2人とも滞在期間は短かった。


ドイツ

高原のハンブルガー
ここはユースもあり2部にも落ちず安定したクラブであるが、逆に高原の方が活躍できなかった。またボカを経ての移籍でもある。

小野のボーフム
エレベーターチームである。
以前のフェイエノールトも強豪ではあるが近年の補強・スカウトには問題を抱えている
2000年以後はUEFAカップ2001-02以外目立ったタイトルは無い

長谷部のヴォルフスブルク
次回UPの記事参照の事


オランダ

本田のVVVフェンロー
1部昇格シーズンに獲得。

平山のヘラクレス
昇格時に獲得。


次回に続きます。

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posted by karakuti |19:00 | 日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問 | コメント(17) | トラックバック(1)
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2008年03月16日

日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その14

初めての方は先に日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その1よりお読み下さい。当記事のみでは分かりにくくなっております。


10の疑問その3 第3回
 3.欧州でも育成・人材発掘に長けたクラブ・監督とまたはその逆があるのは何故か?日本人を獲得したクラブはそのいずれに多いのか


持って周った推測だが、(欧州で無名の)日本人を獲得するのは「貧乏な補強型クラブ」
が最も多いという推測が成り立つ。
彼らは

  • 1.貧乏
  • 2.育成下手
  • 3.スカウト網が無いか非常に弱い

という3要素の内全てではないにしても多くを持ち、恐ろしく不安定なクラブ経営をしていると思ってもらえればいいだろう。
実はこういったクラブで最も心配なもう一つの重要な点は、

  • 4.人を粗悪に扱いかねない

という所だ。大概、監督も不安定で、選手は1年と持たず流動的、要はチームという入れ物があるだけで
中身は使い捨てであり、その場しのぎに所属するリーグで「予算内で順位を購入しているだけ」である。
選手獲得も監督の意見は無視され、収益目当てや話題先行、オーナーの個人的好み等で行われ、
結果現場の望まぬ補強を快く思わぬ監督に何の罪もない新加入日本人選手が冷遇されるというようなパターンも多々起こり得る。
(こんな言い方色んな人に怒られそう(笑)だが、分かりやすさを第一に内容をかなり削っている)

あまり知識の無いサッカーファンの方は欧州のクラブは一様に日本よりも
サッカー文化が根強く、発達し洗練され浸透していると思われるかもしれないが、
それはあくまでその国のごく一部、成功したクラブであり、中身を空けてみればJリーグより粗悪なクラブなど幾らでもあるだろう。
例えばザルツブルグである(笑)。

筆者はザルツブルグのクラブの伝統を知らないが、現地の熱烈なサポーター達が新たに資金を集め自分達の「ザルツブルグ」を
創設するほど別のチームにするなど正気の沙汰とは思えない。
例えチームの結果を落とさずいれたとしても、サポーターを無視した強引な経営に筆者は賛成できない。
サッカー界全体でもプレミアではチェルシーを初めとしたクラブ買収が進み、
強豪と言えども一夜にしてド素人の経営する、粗悪な経営陣が舵取りをするクラブに様変わりしてしまう可能性が有るだろう。
(チェルシーがド素人とは言っていない(笑))

一般的な解釈で恐縮だが、そういったド素人の影響力が強いクラブなほど

1.クラブ自体が企業などの広告塔
2.所有者のステータス

として、所有者一個人、もしくは一企業の利益を主たる目的として用いられている。


今回はUPの都合上、欧州クラブの実態を示す例無く進行させて頂きました。。
次回の記事では実際に日本人選手を獲得したクラブの事情を載せてみたいと考えています。。

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posted by karakuti |22:13 | 日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問 | コメント(4) | トラックバック(0)
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2008年03月14日

日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その13

初めての方は先に日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その1よりお読み下さい。当記事のみでは分かりにくくなっております。


10の疑問その3 第2回
 3.欧州でも育成・人材発掘に長けたクラブ・監督とまたはその逆があるのは何故か?日本人を獲得したクラブはそのいずれに多いのか



ここで
2.欧州で数少ない日本人所属のクラブが、何故更に日本人を取るのか(複数人在籍するのか)?

をお読み頂けた方には記憶に新しいと思うが、日本は欧州から見た場合基本的に遠い島国の1つであり、

欧州外選手の発掘先として、

となっているだろう。
この中からわざわざ4位のアジアの一国、日本から選手を獲得する理由として考えられるのは

  • 1.ユースに良い選手が居ない
  • 2.自国籍・欧州国籍でニーズにマッチする選手が居ない(自国&欧州内リーグ)
  • 3.欧州外戦力として定評のある南米・アフリカ・オセアニアでニーズにマッチする選手が居ない
  • 4.なおかつスペイン語が公用語でない(これはおまけ(笑))

ときて

  • 5.さあどこから取ろうか

という最後の段階でようやく「候補となり得る」という遠さである
選手の実力や適応力云々の前にこれだけの壁があるのが現実で
日本人を獲得するクラブは、

  • 1.育成力
  • 2.資金力
  • 3.スカウト網など選手獲得能力

に何らかの(一般的表現では)欠陥があり
望ましい選手獲得先を確保できない可愛そうなクラブというような見方すらできてしまう。
中にはアーセナルのように「飛びぬけたスカウト網」でこんな島国にすらオファーを出す
「超育成型」とでも言うべきクラブもある。
しかし、本田なども元名古屋の監督セフ・フェルホーセン氏の推薦ありきで実現した経緯や、アーセナルのベンゲル監督が元名古屋グランパスの監督であった事を考えれば、日本人を割りと身近に評価できる経験があると判断できるし、それほど特筆すべき例外ではないだろう。

ここで要点を整理しておこう。

日本人にオファーを出すのは、見方によっては資金力(又は)スカウト網に問題のあるクラブである
(スカウト網が凄すぎるクラブはここでは数が少ないので除外しておく(笑))

そして、
「裕福な補強型クラブ」と「貧乏な育成型クラブ」のいずれにそれが多いのか。
と考えてみれば・・・・・・・。
筆者のイメージではどちらも当てはまらない。
実はここで振り返ってみると
「裕福な育成型クラブ」
というのも少ないが存在していたことを思い出して欲しい。
そして彼らが存在するからには
実は
「貧乏な補強型クラブ」
という良い所のまるで無いようなクラブの存在も認めねばならない(笑)

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posted by karakuti |20:45 | 日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問 | コメント(6) | トラックバック(1)
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2008年03月12日

日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その12

初めての方は先に日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その1よりお読み下さい。当記事のみでは分かりにくくなっております。


10の疑問その3 第1回
 3.欧州でも育成・人材発掘に長けたクラブ・監督とまたはその逆があるのは何故か?日本人を獲得したクラブはそのいずれに多いのか


この疑問は一目見ただけでは意味を掴みにくいかも知れない。
クラブ戦力を整える際、
1.補強に重きを置くクラブと
2.育成に重きを置くクラブ
が有るのは当然で単純には

資金力がある=補強型
貧乏=育成型
の図式が一般的には知られている。
勿論100%育成型クラブは各国の1部リーグには存在していないと思う。
いずれのクラブも多少はあれ他クラブより補強を行うが、クラブの基本・主力・チームカラー
のような物をしっかりと保有しているか。またその濃淡に差があるというレベルの話である。

さらにバルサやガンバなどの「補強育成型」とも言うべき両方を備えた強豪も存在し
CLの制覇を狙えるクラブは大概この「補強育成型」である。
ミランで例えれば、マルディーニなどの生え抜きをチームの柱としつつ各国より適した人材を確保する
というような手法が取られる。

浦和のようにユースの育成に苦慮している「補強型」クラブも当然ある。

ここまでは多くのサッカーファンの方にとって常識的な事実であり、改まって記事にするほどの事でもない。
しかし今回はそれに「日本人欧州移籍」を掛け合わせてみるというテーマとなっている。

果たして日本人を獲得するクラブの背景にはどのような事情があるのか。
なぜ日本人獲得という決断に至るのかについて考えてみたい。

ここでまず、補強型クラブと育成型クラブの
選手獲得時の意思決定の差について述べておく必要があるだろう。
まず自クラブの生え抜き選手

クラブごとの程度の差はあるものの、

  • 補強型は生え抜き選手が少ないか又は居ない為、同ポジションに複数の選手を獲得し良い方を起用する方針を採る。
  • 育成型は生え抜き選手が多いか又は主力である為、それを元に弱いポジションに助っ人的な補強を行う。

という傾向である。


次回に続きます。

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posted by karakuti |18:28 | 日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問 | コメント(4) | トラックバック(0)
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