2009年01月29日

日本敗戦。なぜ相手を褒めないのか。

残念ながらバーレーン戦は見れなかったので腹いせをかねて、今回は激辛と言うよりも雑談をしてみたい。まぁそれでも辛くなるのが私の特徴なのだが(笑)。

たまには見られないのも良い
見れないとなると逆に興味をそそられるのが人間というもの。今回のバーレーン戦は生、録画放送、ダイジェスト放送も無いらしい。放送権を高く売りたい側との交渉が付かないらしい。売る側もネット放送で配信するらしいが、放送権を販売するよりも利益が出るとは思えない。何とも不思議な話ではあるが、試合放送の無い代表戦というのもなにやら不思議な気にさせられる。代表戦、サッカーが娯楽であり、人々に見られてなんぼの存在であることを改めて認識できた。一応試合の流れは若干乗せられている。
試合の大筋はこんな感じ


去年のバーレーン戦を振り返る
見れないので去年のでも書いて溜飲を下げることにする(笑)。
今までの日本VSバーレーンの通算成績は6勝一敗、今日で2敗目。一敗目は去年3月のバーレーン戦。あまり覚えていないが岡田ジャパンの船出の時期、バタバタと敗退した。内容もかなり悪い方で、日本が自滅した感じであった。岡田監督は「目が覚めた」と「俺流宣言」をするのである。私の見た目では、オシムの存在が負担となり、岡田監督は遠慮し、選手はしっかりと導いてくれる監督を失い迷走した感が強かった。当時の記事やブログもその論調で酷評し、「情けない」と批判のお祭りであったのを覚えている。しかし、あの試合は日本が悪かったのも当然あるが、その隙をつけたバーレーンの戦略のようなものが勝っているのを感じた。当然サッカーの分かる一部の人は試合前からマチャラのバーレーンを警戒していた。ソースが見当たらなくて恐縮だが、当時マチャラ監督が警戒していたのは田代だったそうだ。アジアカップ張りのポジッションから+田代で高さを武器にたたみ掛けてくる攻撃サッカーを想定していたのだろう。

だが岡田監督は巻を使い勝機を逃した。当時の巻はまぁいつも通りと言うか、やんわりと言えば自ら点を取りに行くエゴに執着するタイプのFWではない。調子も上向きとはいえなかった。岡田監督は起用法も間違っていたと思う。オシムは巻をゴールゲッターとして起用したことは多分無かったが、岡田監督は攻撃の柱と勘違いしていた。脇役に主役をやらせては劇も役者も潰れてしまう。多分見ている人の何人かは、私と同じように『何故巻?』とフランスW杯時の城のように、「?(クエスチョン)」の嵐が日本中のTVの前で吹き荒れていたことだろう。
片や田代はリーグ戦の中盤から後半にかけて鹿島で存在感を出し、終盤から年をまたいで下降線を辿っていた(だろう)とはいえ決定力では明らかに上だった。岡田監督は旬の素材を使うのが上手い料理人のように調子の良し悪しを見る目は中々だ。多分今の岡田氏なら田代を使っただろう。だが当時はオシムサッカーへの遠慮があった。それが巻のスタメン起用に表れていた。スタメン巻を田代に変えていたら勝てたかどうか。確実なことは言えないが私の見立てでは十分有りうる話だった。

貴方は日本に勝てる?
私は世界で見た時の日本の評価は低いが、アジアでの日本は十分TOP4に入る実力を持てているし、アジアカップに関しても本気で取りにいけば十分優勝が狙えると思っている。要は今この文をお読みいただいている読者の方が、アジアのTOP4以下どこかの国代表監督となり、「日本を破れ」と言われたら、これは至難の業だろう。ワールドカップ出場組とそれ以下の各国のサッカーレベルはかなりのギャップがある。近年その改善が目覚しく、バーレーンやオマーンなど急激に実力を向上させている国は当然あるが、かといって日本(や他のW杯常連国)相手に互角の戦いを行えるか水準かといえば、各国共まだまだものが足りない。

そんな中日本に勝つためには、様々な要素を自分たちの有利に働かさなければ難しいだろう。まず外せないのは

日本側がある程度自滅すること

である。実力を存分に発揮させたら基本勝ち目は無いに等しい。次に

監督が機能すること

である。基本アジアのサッカー中進国に足りないのは、チームとしての一体感である。逆の言い方をすれば個の能力の向上は一朝一夕には立ち行かない為、現有戦力で戦うには、色々足りない持ち駒の選手を、何とか形にするしかないのである。チームを最も短期間で強くするには監督による作用を用いるのが最善である。(別に改まって言うほどのことではないが)


なぜ相手を褒めないのか
去年のバーレーン戦はまさしく監督の力、マチャラが持ち駒を掌握し、日本を分析し、勝機をつかむ最善の努力を重ねていた成果だと私には見えた。得点シーンも川口のミスのように見えたが、あれだけの少ないチャンス(とも言えない様な攻撃)にも関わらず、バーレーンの選手を萎えさせなかったのである。普通自分たちのサッカーがほとんど通用しない展開となったら、意識無意識に関わらずどんな優秀な選手も多少は試合を投げてしまう。これは人間として仕方が無いことで、例えばインザーギだって常に100%のモチベーションでは無い。
話を挟むが今回の放送権騒動だって、日本国内放送が無ければ当然日本選手陣のモチベーションは多少なりとも下がるはずである。とすると、放送権は金が欲しかったのではなく、バーレーン側が放送して欲しくなかったのではないと妄想してみたりする。産油国がそこまでして勝とうとしてくれるとしたら、日本にとってこれほど光栄な事はないし、世界に出た時に使える経験を増やせるかもしれないと思ってワクワクしてしまう。今の日本はアジアでは強くなりすぎて内容は消化試合に過ぎない試合が増えてしまってつまらないのである。
さて話を戻そう。
「勝機がある」と選手が思い続けられるサポートをすることが監督の大事な仕事であり、逆に言えば選手のモチベーション操作以外に、それほどの仕事内容は無いとも言える。サッカーは人がするもので、人はモチベーションによる上がり下がりが最も大きい生物だからこれは必然ではある。日常でも、「頑張れば」「調子がよければ」試合に出してもらえる。という監督と選手の信頼がどんなやり方であれ最低限必要なのだとこのコラムなど見ていたら改めて思った。

バーレーンの元の評価が私が人より低いというのもあるだろうが、マチャラ監督が「よくあの戦力で形にしているな」というのが昨年の敗戦の印象だった。あの試合は間違いなく勝った相手の方が良い試合をしており、オシムの言う「良い試合をしたほうが常にかつとは限らない。だが一致することが望ましい」に適した結果だった。要はあの試合で日本が悪かったというサポーターは私から見たら、サッカーのファンではなく、日本のファンに過ぎないのだ。
相手が良かったのか、自分たちが悪かったのか。同じことを言っているようでいてこの違いはことのほか重要である。例え都合が悪くても現実を謙虚に見ようとする目からしか成長は生まれない。そしてアジアに強豪国が増えるのは結果日本の為になると私は信じて疑わない。オーストラリアの参入も大歓迎である。


改善すべきは攻撃指導陣
だから今回の敗戦も特に驚くことは無い。試合後に見たが側近の日本分析も的を得ている以前の記事で現代表の攻撃を

単に「高い位置でボール奪う」「相手を自由にさせない」「少タッチ数で速攻」「サイドを効果的に使う」「FWは積極的に裏を狙う」程度の時代遅れな内容が精一杯

と私は書いたが特に酷評したつもりもない。酷評とは見たものを酷く言うことであり、私は見たままを言っただけだからだ。

とすると次はその責任を誰が取るのかという話になってくる。岡田監督がダメなのかと言えば、私は必ずしもそうは思えない。岡田監督は以前のフランスワールドカップの時もそうだったがサイドを比較的重視する組み立て方をしてくる。監督として有能か無能かを判断するには、持ち駒の質を考慮して評価しなければならない。日本人選手を用いて今以上の攻撃を展開させられる監督が、世界には当然居る。
だが、日本サッカー協会の予算でその監督が雇えるのかと言えばNOである。予算内で最善の選択。を行う以上のことはどんな人にも出来ない。岡田監督がベストとは言えないがベターとは言えるのではないかというのが私のここ1年くらいの判断である。
では攻撃に関してアイデアの無いであろう岡田監督をどう用いればよいのかと言えば、出来ればコーチなどで補う使い方が望ましい。
これは岡田監督の守備優先サッカーが、政治で言う与党のように取りたいだけ選手を取って、残りで攻撃を行う。という構成ではなく、先に「攻撃にこういう人材がこのぐらい必要」という所からチームを作り、残りで守るのである。
それを今担っているのは大木氏であろうと言われているが、ここが人材不足なのではないかと私は懸念している。
クリンスマンは監督の仕事に分業と言うスタイルを持ち込んだ人物ならしいが、これからは多分代表チームでは顕著にこの形が主流になっていく気がする。

守備を教えられる監督はそれなりに居るだろう(それもレベルによるが)。そして攻撃のアイデアを持つ監督も居るだろう。だが持ち駒に合わせてアイデアを選べるほど豊富な攻撃選択肢を持つ人材は、どこにいるのか私も知りたいくらいである。以前書いた日本のスカウト力を称えた記事のようなスタイル、人材は居るだろうが攻撃に関しては少ない。
しかも、基本世界を相手にしたら通用する攻撃も、使える人数もごく限られる。リスクの計算からサイド攻撃からのクロスを選択したい気持ちは分かるが、それだけでは通用しないのは(私にとっては)先のユーロを制したスペインを見れば分かるのではないか。小柄でフィジカルが弱くサイドアタックの宝庫だったスペインが、サイドに頼らない攻撃を実現したら優勝してしまったのである。まぁマルコス・セナが居たからとか攻撃面以外の理由も確かにあるけれど。


いつ誰がどうやってまで面倒を見ろ
最後の所ではどれだけ良い攻撃を行えるかよりも、それをいつ行うか。なのである。簡単に言っても、昨年のアーセナル、セスクが怪我する前のウォルコットは控えレベルの駒ではなかった。だがどれだけ活躍しようと次の試合もベンチ。レギュラー組に怪我が無い限りベンチであった。
あれは新しい流れなのだと思う。
スタメンで起用できる選手を控えに残しておくことが、新しい戦術なのである。
ウォルコットが速さを武器にするタイプで有効期間に制限があることと、相手DFの足が止まる後半30分前後からが最も有効である部分は当然あるが、それを差し引いても、攻撃陣への起爆剤としての効果は莫大だった。どのくらい大きいかと言うと、ウォルコットが入る前、攻撃陣は手抜きをするくらい大きいのである。まるで単調、やる気の無い永遠に得点が生まれ無そうな退屈な攻撃に終始する。
普通こんな試合展開に陥った攻撃陣は立ち直ることは無い。だがアーセナルは全て計算の上、自分たちの体力だけでなく、'アイデアまでも'出し惜しみ''し、単調な攻撃で相手を麻痺させる為に時間を用いていたのである。

今までも同様な戦術を取る監督・チームは有ったが、あすこまであからさまな試合展開の披露は初めて見た。

一例に過ぎないが、私の言う攻撃指導陣とは、岡田監督に「後半○○分から○○を入れてくれ」と、入れる時間と召集する選手、その用い方に至るまで権限を持つ、もしくは提言できる人材である。

どう攻撃する。とか、どうペース配分する。とか、どう起用する。を個別に相談し、助言するのではなく、「この素材をこういう形でこのタイミングで使いたい」と自らのアイデア実現する具体的なイメージまで説得力を持って周りに納得させられる能力ということだ。

あくまで守備的な監督の下で、攻撃陣を集めてピッチの片隅で「こんなバリエーションもあるよ」と練習メニューをこなさせる程度では、望ましい攻撃指導とは言えない。

よく言われる「'攻撃は個人のイマジネーションで教えるものではない'」という主張ははっきり言って正しい。
だがそういう時はこう尋ねる事にしている。では日本代表は放って置けばそんな攻撃が起こるほど人材に恵まれていますか?と、持ち駒で最大限の結果を望むのであれば、育成好きな私に反する免もあるが、有効な攻撃を選手が行えるよう環境づくりをしたり導いたり出来る力が求められている。

この面で今のサッカーのチーム作りは次の時代の扉を確実に開け始めている気がする。攻撃は、自然に起こるものではなく、起こすものになるのではないか。当然しばらくは門外不出だろうけど、試合を良く見ていれば気づく人は気づくのである。この攻撃には選手のアイデア以上の何かがあると。

posted by karakuti |02:57 | 試合レビュー | コメント(5) | トラックバック(1)
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日本敗戦。なぜ相手を褒めないのか。

コメント投稿者ID :

はじめまして^^
早速、お気に入りに入れさせて頂きました!!
その行為からも、察するようにコメントには想像力、決定力、そひsて、読んでいてスガスガシイー^^

これからも、今までのようにコメントを期待しています。

                              敬具

posted by JO | 2009-01-29 05:25

日本敗戦。なぜ相手を褒めないのか。

コメント投稿者ID :

おはようございます。
以前、欧州移籍の件でお邪魔したことがありましたが久々にコメントさせていただきます。
私はいろんなブログで蔓延している「岡田辞めろ」の風潮にずっと疑問を感じていました。理由は管理人さんがおっしゃるように岡田さん以上の監督を協会が招聘できると思えないからです。
んじゃどうしたらいいの?ってことの答えがなかなか見つからなかったんですが、そういう考えもあるんだなと勉強になりました。
今後も頑張ってください。

posted by xiao | 2009-01-29 09:02

コメントありがとうございます。

コメント投稿者ID :

JOさん
読んでいて清清しいと言われたのは初めてです^^。
ダイブうれしいですが、こんな駄文で良ければ
また見に来てください。月2回位更新できたらと思っています。

xiaoさん
以前もコメントいただいたのをおぼろげながら覚えております。
世間のブログは岡田辞めろになっているんですか。初めて知りました。
確かに辞めた後、誰にするのかまで
一緒にで提言しないと無責任かもしれませんね。
正直に申し上げて2頭体制には色々課題があって
そう簡単では無いと思います。
クリンスマンもアメリカでの分業思想があっての事ですし
誰がボスなのかと誰が作っていくのかを別々にする恐怖が
普通の監督なら誰でもあると思います。
今回の記事もまだまだ理想と言うか一つの提案に過ぎないので実現は先になるとは思います。

posted by 管理人 | 2009-01-29 17:23

日本敗戦。なぜ相手を褒めないのか。

コメント投稿者ID :

この敗戦はある意味、岡田監督には想像できていたのではないかと思います。

選手に攻撃を任せている部分が大きいので、中村俊輔、遠藤がいないので攻撃が単調になる。足の速いCBではないのでロングボールで抜かれてしまうと致命傷。マチャラ監督は相手の弱みに付け込むのがうまく、ロングボール、前からのプレス、内田の裏狙いはある程度試合前には読めていたのではないかと思います。

けれどもわかっていても対応できなかったことが問題なのでしょう。コンビネーションを合わせるのは監督の仕事ですが、選手の仕事でもあります。監督の人選も敗因の一つでしょうが、むしろ選手の対応力のなさを問題にしたいですね。

実際にアジアでは選手個人の能力、実力が抜きん出ているとは言え、それを克服できる戦術をマチャラ監督が持っているという意見には同感です。恐らくウカウカしていたらあっという間に追いつかれてしまうのではないでhそうか。

U-20の敗戦を反町監督は育成面を疎かにしていたら、いづれ代表でも同様なことが起こるのではないかと言っていましたが、この試合、そのような印象を受けました。

2軍で負けたことよりも、2軍ではこの試合のようにプレスにあたふたして、蹴りあいに付き合う。流れをコントロールできないつたなさを問題にしてほしいです。

posted by aruto | 2009-01-29 21:42

コメントありがとうございます。

コメント投稿者ID :

arutoさん。
どうやら試合をご覧になられたようですね。そうですかそんな展開でしたか。
私は見ていないので想像して話しにお付き合いするしか出来なくて残念ですが、気分が乗ったのでもう一筆バーレーン戦想像記事を書いてみます(笑)。

posted by 管理人 | 2009-01-30 01:47

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