2008年04月03日

日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その22

初めての方は先に日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その1よりお読み下さい。当記事のみでは分かりにくくなっております。


10の疑問その4 第4回
 4.何故欧州主要リーグで在籍選手数が多いのに弱い国代表があるのか?(言語や国籍問題等は限りなく日本人と同等のハンデの選手に仮定しても)対戦すれば必ずしも日本代表より強くない国代表の選手(例えばアフリカなど)が何故日本人よりも多く在籍できているのか?


前回のねじれ現象のケースは世界のサッカー界全体としては稀ではあるが、
サッカーをご存知の方にとって特に驚くべき例外でもないだろう。

しかしここで得られる事実から浮かんで来る下記の考え方はどうだろうか

  • 1.日本代表を強くするためには必ずしも欧州移籍選手を増やす必要は無い

  • 2.国の力をどれだけ強めてバックアップしたとしても、日本代表が強くなるとは限らない

  • 3.個の力を磨いても純粋に欧州リーグ所属選手が増加するとは限らない(日本より個の力が劣る国の選手なのに、欧州クラブに定着している数が多い国がある)

  • 4.日本代表がどれだけ結果を残しても、欧州移籍の機会が増える保証は無い(組織の力で勝っても、個人の移籍オファーが直接増えるとは限らない)

どれも上記のねじれ現象の相互関係を少しだけ言葉を加えて説明しただけだ。
これだけでも巷のサッカー雑誌やサッカー通が言いそうな深い事柄に見えてくるから面白い。
要は皆が単独の知識は保有しているが「相互関係を理解している者」は稀少なのではないか。

すなわち当記事のテーマ欧州移籍失敗から見た時、
日本と比べて、個の力・国力・代表の実力では弱いのに、
欧州所属数で勝っている国が存在してしまうし、その逆も有り得る。

これは
日本人欧州移籍成功数増加=日本代表の実力&個の力の増加

という簡単な図式を頭に描いている人にとっては困惑してしまう現象だろう。
ここに入ってくるのが分かりやすいところは
前回の1、国同士のコネクション・繋がりや関係性である。

確かにこの面では欧州国と日本との絡みは他欧州外の諸国と比較すれば弱い方に入るだろう。
即ち強豪リーグ所属選手数(ここでは欧州限定)ランキングとは

欧州国とのコネクションランキング

を含み、各国の実力が100%反映された「完全実力社会」ではない事になる。
これが筆者の言うところの以前の記事
長谷部・水野・小野、恥さらしだから戻って来い!その2
で触れた「基本完全な実力社会」の例外である。

残念ながらこのコネクションランキングについては筆者の知識では言及するだけの奥行きが無い。
強いて言うならば、現在は「例外」たる国の関係性が日本にとって負の方向に働いており、
一見不利なように見えるが国同士が「公平」ではないという事は一旦有利な正の方に属してしまえば、日本人選手の実力が相対的に落ちようとも、欧州移籍の椅子は確保され続けることになる。
いわゆる「格差の固定」「トランプの大貧民」である。
発想としてはこの「例外」を如何に味方につけるかを考える方向性が無難なのではないだろうか。

語弊含みつつもっと分かりやすく例えれば、
「ジャパンマネーを欲しがる欧州クラブの心理をもっと賢く利用しろ」となる。

具体的に筆者の妄想を書けば、欧州強豪リーグには
放送権料、移籍金ビジネス、グッズ収入、興行収益などの他に
「外国人枠」を商品として並べて貰いたい。

並べ方は特定のクラブ限定でも、2部リーグ限定でも構わない。
欧州クラブ側の思惑として
日本人獲得=対日本放送権料UP
がある。という従来の方法ではなく、

より能動的に日本側から

日本人選手獲得&対日本放送権料値上げ
をセットなら売りますよ。という形で交渉する。
あるいは移籍選手が代表選手ならばサッカー協会が給与を一部負担
(クラブへ獲得奨励金の形で渡す)し、代表強化費を活用する。
賛否両論、モラルの問題はあるが、着眼点としては
充分日本の強みを生かした、日本化の一つの方法だろう。
少なくとも現行の移籍システムの合間をぬい金銭的余裕の少ないアフリカ勢に差を付けられるかも知れない。
要点は、「欧州での経験が財産」と本気で思うなら金を出してでも買うべきだと、至極一般的な話を当てはめてみただけだ。
現実には金銭の授与は問題が発生する可能性もある為、
放出するJクラブ側にサッカー協会から「人材育成奨励金」
のような名目で移籍金収入を補う形になるかもしれない。
ただ、それでもクラブ自身が金の卵の育成と販売に恐ろしい努力を積み重ねる
ブラジル等のクラブとの移籍に対する意識の差は依然として高い。

他にもJリーグで外国人選手・監督を獲得する際、
欧州クラブとのコネクションを重視し、対象がクラブ退団し欧州に戻った時
トルシエと中田浩二の例のように獲得するよう機会を増やす。
これは相手を南米に変えても私は構わないと思っている。


今回は少々結論が先に来てしまいましたが
次回に続きます。

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posted by karakuti |20:05 | 日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問 | コメント(9) | トラックバック(0)
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日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その22

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前回もコラム拝見致しましたが、もう少し端的に分かりやすく表現されると僕らのような低能者にも分かりやすくて有り難いのですが。。。  
着眼点が非常に面白いので、失礼は承知でコメントしました。

posted by 大日本人 | 2008-04-03 21:47

日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その22

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欧州トップリーグ在籍数=代表のレベル
ってことはないですよw

ネーションズカップのエジプトに代表されるように、
大まかに言うと個の力と組織力、選手同士の相性などがクオリティを左右します。
ヨーロッパは別として、遠く離れた異国の地でプレーする、
アフリカ・アジア・北米・南米諸国はチームの熟成という面でデメリットを背負うわけですから・・・。

もちろん世界サッカーのスタンダードを経験できるわけですから、
個人としてはプラスになるのかなぁとは思います。

posted by Ryosuke | 2008-04-03 21:55

日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その22

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発想の転換という意味では面白いと思います。日本のアドバンテージを用いたやり方ですね(あと何年こんなこと言ってられるか分かりませんが)。ただ、管理人さん自身もお気づきのようですが、「問題あり」な方法ですよね。まぁ、これくらい何でも利用するというか、活かす発想をもたないときびしい競争には勝てないのかもしれませんね。
こういった場所は自由に考えを述べて良い場であるべきなので、批判に負けずがんばって下さい。
前回のエントリーで語学に関しては割愛されていましたが、私としては、かなり大きなものだと思います。便宜上、あまり取り扱わなかったことと思いますが、選手自身、海外移籍を本気で考えているなら、早いうちから学んでおくべきですね。協会が主導的になってもいい気がします(私が知らないだけなら申し訳ないです)。

posted by hgrg | 2008-04-03 22:12

日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その22

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コメントさせていただきます。
スポーツビジネスのビジネス的な部分を上手に利用する知恵を使おう、という発想は正統的だと思います。
現在、一部の代理人業務を専門とする方が努力しておられる事を、協会全体でプッシュしようという提言も意味がありますね。
ただ、ここまでの論は、車軸の片側のことだと思います。
ので、続きを楽しみにしています。

posted by Tadahide | 2008-04-03 23:54

コメントありがとうございます。

コメント投稿者ID :

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大日本人さん
<<もう少し端的に分かりやすく>>

自分で読み返してみましたが今回の後半はかなり読み難いですねぇ(苦笑)。
最近1日置きのアップでは編集する時間が持てず苦戦しております。
そろそろ更新頻度を変えて少しでも読みやすくしようかと
検討中です。
また宜しくどうぞ。

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Ryosukeさん

<<欧州トップリーグ在籍数=代表のレベル
ってことはないですよw>>

そのような単純な関連付けはどこにも書いた覚えが無いのですが・・・・。

仰るとおり個人でプラスになるのは確かでしょうね。
以前の記事の通り帰国後は定かではありませんが(苦笑)

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hgrgさん

<<日本のアドバンテージを用いたやり方ですね(あと何年こんなこと言ってられるか分かりませんが)>>
ほんとに仰るとおりです。(苦笑)
まぁ何とかなるというのは10年てとこでしょうか。
それ以後はアジア内でも日本の経済が転落していく様をみて
「あれ?なんかおかしいな?」と国民全体が気が付いていくことになるでしょうね。

<<語学に関しては割愛されていましたが、私としては、かなり大きなものだと思います。>>
仰るとおり一番大きな壁はコミニュケーションだと思います。
喋れれば必ず打ち解けるとは限りませんが、
普通の仕事であれば必ず語学を学んでから海外に行くんですがねぇ。

何かサッカーだと急だし、相手国も定かでないと言う事もあり疎かになっている気がします。
私が苦手な物で直接触れていませんが、本当は真っ先に取り上げたいテーマなんですよ。
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皆さんまた気軽に書き込んで下さい!

posted by 管理人 | 2008-04-04 00:02

失礼します。

コメント投稿者ID :

自分は各国代表の力は単純に言えば(個の力+身体能力)×組織力とすればわかりやすい様に思います。欧州リーグは括弧の部分が重視されやすく、それに加えコミュニケーション能力が必要であると考えればよいと思います。
個人的には国内のクラブがオフに海外クラブにお邪魔する体制が作れたら移籍の必要性は疑問ですね…欧州は無理でしょうけど…

posted by shimizukko10 | 2008-04-04 00:17

日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その22

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  karakutiさん、ご無沙汰しています。あきら@です。またお邪魔します。しばらく拝見していない間に、コラム進んでしまったのですね。私の怠惰をお許し下さい。

 コネクションの多さとマーケットがテーマですか。

 コネクション、よくわかりますね。一般社会だって、能力順と席順は必ずしもイコールではない。海外クラブでも、監督や首脳陣の好き嫌いでメンバーの起用順位が決まるクラブも少なくない。

 そこには、残念ながら国籍も絡んでいるのは否めないでしょう。同じ能力の日本人Aとアルゼンチン人(そこそこ程度の能力の)Bだったら、おそらく選手Bの起用順位が上でしょうからね。

 日本人選手の地位が上がれば、コネクションも高くなり、多少実力不足でも出番はある、と。

 ただこれは、言語圏や、過去の同国籍選手、当該国内クラブの国際実績も影響していると思います。そうすると、日本は・・・。

 言語習得は勿論ながら、少なくともクラブレベルでは、
 Jの向上→ACL王者は常にJクラブ
が必要でしょうね。 

 出て行った海外組は、まあ何というか、後輩達の運命も背負っている、という状況ですね。

posted by あきら@ | 2008-04-07 20:30

日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その22

コメント投稿者ID :

その22に限ったことはないですが、日本代表の欧州組は現在0ですよね?中村とかは実際よばれてないわけで。入れたとしても、たとえばオーストラリアはオーストラリアで同じようなコンディションや、合流時期の関係で呼べない欧州の選手はいくらでもいると思いますが。

posted by malco | 2008-04-09 20:02

日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その22

コメント投稿者ID :

どうも、初めまして。

これまで読んでいて思った事なのですが、アフリカ系の選手や南米系、オーストラリアの選手は移民や旧宗主国と言う事で言語的に問題なく意思疎通が図れると言うだけでなく、EUパスや二重国籍を取りやすいと言う事も、日本人に比べて欧州移籍に対する大きなアドバンテージになっていると思います。
ボスマン裁定以来、EUパス所持者は外国人扱いにはならなくなりましたが、そういったこともあり、圧倒的なフィジカル等、余程の戦力的なメリットが無い限り、日本人に3枠程しかない外国人枠を割くのは難しいと思います。
ドログバやカヌーテ、シソッコ等のように、元々フランス代表を選べる資格と能力を持つような選手であっても、国の発展を願う為にわざわざ父母のルーツがあるアフリカ諸国での代表を選ぶのですから、圧倒的なフィジカルやテクニックの差があって、しかもEUパスを持っており、更に意思疎通も容易な選手がいるのならば、普通の監督ならばそちらを使うでしょう。

但し、ウディネーゼのように、例えU-17やU-21の大会ですら見る事ができないような所謂無名選手(中には草サッカーをやっているような選手)であっても発掘し、欧州で通用する選手にまで育成して例年ビッグクラブに売却してはその資金で又新たに発掘する事で戦力を落とすこと無く安定した経営をしているようなクラブもありますね。

日本人が本当に欧州のビッグクラブに移籍を成功させるには、EU圏内でわざわざ出産してその国の国籍を取り、生まれた子供にフィジカルと言語を重視した英才教育を受けさせるか、若しくはウディネーゼのような本当にスカウト網が発達しているクラブに10代前半までに売り込んでいくしかないと私は思います。

posted by ステッペンウルフ | 2008-04-20 11:31

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