2008年03月08日
日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その10(セルティックとフランクフルトの共通点)
初めての方は先に日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その1よりお読み下さい。当記事のみでは分かりにくくなっております。長谷部・水野・小野、恥さらしだから戻って来い!その1も関連があります。
10の疑問その2 全5/6回
「時期を違えて」複数の日本人を獲得したクラブ:セルティック・フランクフルト編 第2回2クラブの選手獲得方針
2.欧州で数少ない日本人所属のクラブが、何故更に日本人を取るのか(複数人在籍するのか)?数から言えば日本人の在籍しないクラブの方が圧倒的に多いにも拘らず。偶然にしては偏りが多すぎないか?
前回の情報から推測してみる。意外な共通点として共に他国籍の人々が良く訪れる街であることがまず目に付く。また欧州外国籍枠は アジア国籍の選手数>南米+アフリカ国籍の選手合計数 となりアジアから滑り込むだけも至難の業の筈だが現在の両クラブに限って言えばアフリカと南米勢を追い出す形となっている。 根本の補強優先順位は
- .ユース
- .クラブ所属国の国籍選手
- .欧州国内籍選手
- .欧州外国籍選手
となることは一般的な欧州のクラブと変わりはないだろう。両クラブ共4の枠数自体は試合に出し切れないほど多めに取ろうという意識はあまりなくあくまで1~3までの選手で手に入らない素材に限って探しているように見える。ただ、現在の所属選手数を元にしての印象に過ぎないが 4 の他、四大陸中では、スカウトが差別なくアジアにも平等に目を向けているといえそうだ。先日推測したザルツブルグ・グルノーブルに比べると育成もしっかりしており選手獲得にも一定の価値観を保有している印象となる。ただここでも欧州外のスカウトで特定の国に強い情報網を持つ様子はなく、自国内や欧州内に在籍する人材を獲得先としているようで、Jリーグ選手に対して即オファーを出すような行為は行わない。上記他2クラブの「経営面での堅実さ」とは異なり、当リーグ適応後の外国人獲得などを見るに「選手の実力査定行為にやや堅実さ」を感じる。 フランクフルト フランクフルトは、アジアのFWに車 範根(チャ・ブングン)(FIFAから「20世紀アジア最優秀選手」選定・ブンデスリーガ通算98ゴール)の活躍の記憶から好意的な印象を持っている可能性もある。それぞれの獲得の仕方も 1.車 範根(チャ・ブングン)←ダルムシュタット(西ドイツ) 2.車 ドゥリ (チャ・ドゥリ)←アルミニア・ビーレフェルト 3.楊晨←ザンクト・パウリ 4.高原・マハダビキア←ハンブルガーSV と徹底してドイツ国内のクラブを経験した後に獲得している。逆に言えば、欧州外へのスカウト網は整備されておらず「もっぱら国内規格をクリアした安全な品からお買い得な者を寄せ集めているクラブ」と見える。但し日本人としては「その際には国籍はあまり拘らないよ」という獲得方針に望みがある程度だろうか。隣国のトルコに居た稲本ですら高原がフロント側へ獲得に向けての助言をしたと話していたがそれだけごく限られた狭い地域の選手にしか目を向けていないことになる。勿論、1部で結果が出せているのだからそれで充分ではあるし、1クラブが把握できる数にも限りがあるのは致し方ない。 がしかし、日本人の欧州移籍を増加させるという観点から見れば、日本国籍選手が複数在籍する数少ない欧州クラブがこの内部事情では、現実は想像以上に暗いと言わなければならない。「ユースに入れるのは欧州内籍限定・トップチームのスカウト網は国内リーグのみ」というフランクフルトでは基本的に新たな国内日本人選手の移籍は当クラブ単独では成り立たない。Jリーグから直接獲ることもないだろう。 セルティック セルティックに関しては、少々話がずれるがこの冬にヒンケル・サマラス・ロブソン・水野と獲得し何ともバタバタしている。強豪として仕方のない姿ではあるが、弱ったバルサ越え(当記事執筆はCL本戦前の2/20程度)を目指し会長も張り切っているというか散財しているのだろう。ブラウンやロブソンは中村や水野とポジション争いをするライバルだろう。それとは別にFWは最近特に苦労しているようだ。クラブとして路線を変更し、CL本戦に毎年残れる戦力を維持する野望でも持ち始めたのだろうか。 オシムは去年の同クラブのCLミラン戦を「中村がもう一人必要だ」と評価していたらしいが、個人的にはこれはかなり控えめな表現で、急いでどうなる差ではなかった。特に国外アウェーに顕著に弱いのは有名だが、もしかしたらアーセナルを初めとしてユース出身者が多いのと国外アウェーに弱い傾向は関連性がある気もする。だとするとセルティックがアウェーで崩れるのもユースの多いDFからとなるはずだがどうだろうか(これは完全に妄想だが(笑))セルティックの歴史上、全体的に欧州外クラブから直接の選手獲得は多いケースではなさそうだ。それだけにJリーグから直接移籍の水野が特殊なケースとして際立っている。まず一にも二にも中村の活躍ありきで実現した移籍で、個人的には水野の実力はかなり荒く採点している気がしてならない。 「ダメ元で獲得した日本人が意外に活躍した」 ↓ 「それじゃ気をよくしてもう一人日本人を獲ってみるか」 というクラブ側の安易な発想を感じてしまう。 しかし逆に言えば水野のケースこそ欧州内にしか目を向けない「CL出場可能レベルの欧州クラブ」を「『直接』Jから獲得させる気にさせるだけ結果で日本人を認めさせた」初めてのケースとも言える。実は水野獲得はこの冬のみならずかなり以前から動いていたとも聞く。但し、彼らに見る目があるかは実は怪しい。何しろ欧州外から、ましてやJから直買い付けた経験が少なく、輸入した後、どう適応させるかのノウハウや、購入前に選手の適応性を予測するノウハウがない。何故なら、日本人選手の欧州への適応は中村は「レッジーナ」高原は「ハンブルガー」稲本は「アーセナル」がそれぞれ済ませてくれたのだから。例えば最も重要なプレーの適応が可能か以外にも、言語習得リスク(コミュニケーションリスク)等を、イタリアのユースを獲得するのと水野を獲得する際のを同程度に見積もっている可能性すらある。筆者は日本とイタリアの平均的英会話能力や言語習得能力の差をほとんど知らないが、やはりイタリアの方が英語に近い部分もあり有利なのではないか。彼らがJリーグから選手を買い付ける際語学力をどの程度チェックしているか定かではない。
次回に続きます。
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posted by karakuti |22:41 |
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日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その10(セルティックとフランクフルトの共通点)
コメント投稿者ID :
仰ることは、ひとつひとつは説得力があると思うのですが、karakutiさんの詳細分析がどこにつながっていくのかが予想できません。
10の疑問の回答に収斂していくのでしょうか?
ちょっと頭の中で整理できなくなりつつあります。
posted by ジダ | 2008-03-09 19:02
コメント有難うございます。
コメント投稿者ID :
ジダさん
>10の疑問の回答に収斂していくのでしょうか?
少しご質問の意味が掴み難いのですが、2の疑問に限定しての事でしょうか?
でしたら、最終回をご覧頂ければと思います。
何しろ松井の推測の回で「長いから分けてくれ」と言われたので
今回は記事をぶつ切りにしてます(笑)。
読みにくくてすみません。
10の疑問全てに関してであれば、以前書いたように
「一つ一つの疑問への回答は正しくとも、
それを10個合わせると互いに矛盾するものが出る」
のではないかと思っています。
今は10の疑問1つ1つに納得できる自分なりの考えを纏めている段階です。
posted by 管理人 | 2008-03-10 00:42
日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その10(セルティックとフランクフルトの共通点)
コメント投稿者ID :
はじめまして。
正確なこと調べてなく申し訳ないのですが、
スコットランドリーグでは、自国の若い選手を
メンバーに入れてなきゃいけないとかゆう、
規制のようなものがあった気がしますが・・・
そういうのも、メンバー構成には影響しますよね。
水野のように、若い世代の代表歴があれば
どっかで目にとまった可能性もあるのでしょうか?
posted by もも | 2008-03-10 03:49
コメント有難うございます。
コメント投稿者ID :
ももさん
ただ今それらしき規制があるかどうか調べてみましたが
下記のような
「各試合18人の試合登録メンバー中に、21歳以下の3人の出場しない選手を含めなければならない」
というルールがあるのみなようです。
http://blogs.dion.ne.jp/endpybasfrank/archives/6302039.html
自国選手が多いのはリーグの特色なのではないでしょうか?
セルティックがいつどこで水野に注目したのか、よく分かりませんね。
しかし契約満了で移籍金が発生しない時期を狙っての獲得だったので突発的な誰かの穴埋めのような補強ではなく、じっくり考慮しての決断だと思います。
上で書込み頂いたジダさんも以前仰っていましたが、同リーグの他クラブに移籍させるつもりではないかと考えています。
形式はレンタルになるかも知れませんがそこで活躍しなければ、セルティックとの水野の縁は切れるのではないでしょうか?
posted by 管理人 | 2008-03-10 19:51
日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その10(セルティックとフランクフルトの共通点)
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水野の移籍は中村と同じ代理人なのでそこらへんがからんでそうだなと思います。代理人に紹介してもらったとか売り込んだとか・・
育成、ジャパンマネー、中村いなくなった時の後釜いろいろ付加価値あるかもしれませんが・・・
posted by ブロ夫 | 2008-03-10 20:59
コメント有難うございます。
コメント投稿者ID :
ブロ夫さん
>水野の移籍は中村と同じ代理人
そうなんですか。いつも耳寄りな情報有難うございます(笑)。
ブロ夫さんは以前にも代理人と移籍の関連について書込み頂きましたが、腕というかねじ込む力、移籍あっての収入(笑)ということで力のある代理人がいてくれれば日本人の欧州挑戦の機会も単純に増加はしそうですね。
セルティックも若い選手が多いので水野も育ててくれると心強いんですが、とにかくセルティックはダメでも稲本のように欧州適応を済ませれば貰い手があるかも知れませんね。
posted by 管理人 | 2008-03-10 23:31
日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その10(セルティックとフランクフルトの共通点)
コメント投稿者ID :
管理人さんの文章拝見させてもらってますが、やはり海外移籍の重要性の鍵の1つは代理人でしょう!
カズも中田も言ってました。中田の代理人はブランキーニ(イタリア最高の代理人)ですし。
高原もHSVでさんざんなお世辞にもほめられた内容ではなかったのですが代理人がドイツ人です。
フランクフルト移籍の経過はHSVのコーチが評価しててフランクフルトでコーチするのでそれで移籍成功したみたいですが・・
水野、長谷部、中村は同じ日本人代理人、事務所です。長谷部はブッフバルトの口コミなど関係あるかもしれませんがね
posted by ブロ夫 | 2008-03-11 00:32
日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その10(セルティックとフランクフルトの共通点)
コメント投稿者ID :
>管理人さんの文章拝見させてもらってますが、やはり海外移籍の重要性の鍵の1つは代理人でしょう!
管理人さんの書いた内容も重要な要素だとは思います。
批判内容ではないので・・・
posted by ブロ夫 | 2008-03-11 00:35
コメント有難うございます。
コメント投稿者ID :
ブロ夫さん
成る程。
中田を上手くローマなどに売ったのはブランキーニさんという方の力が合ったのかも知れませんね。
彼も以前「良い代理人とは父親のようなものだ」と日本のインタビューに話していましたが、
それ以外も言っていた気がします。忘れましたが(笑)。
もちろん中田自身もカペッロに褒められるほど(お世辞じゃないと思いたいですが(笑))
ベンチでも腐らず体調管理をしてプロとして商品価値を下げませんでしたけど。
先日ご紹介頂いたグルノーブル祖母井さんはGMの仕事は「グレートマザー」でお祖母ちゃんだと。
お父さんとお祖母ちゃんが揃うと他も欲しくなってしまいます(笑)。
彼は選手に対し、チームへの犠牲を伴わないメンタルを重要視していましたが、
ふと思い直し、振り返って見ればジェフの選手は、
Jの中でも素直で性格の良さそうなプレイヤーが多かったです(笑)。
彼の仕事ぶりは実はジェフを見れば分かったのかと目からウロコだったのですが(笑)、
オシムイズムなど監督のやりたいサッカーを浸透させる下地として、
選手獲得というGMの仕事を捉えると、祖母井さんは非常に有能な方なのかも知れませんね。
代理人関係の情報も知りたいですね~。
欧州移籍をまとめた日本人の方のノウハウがもっと多くの日本人の代理人に浸透すれば
ユース暦や代表暦のない選手もオファーを貰えるかも知れません。
夢は膨らみます(笑)。
色々な角度から選手獲得の裏側を見れれば面白いし、
今テーマの欧州移籍の成功率を上げる方法も思いつきやすくなると思うので大歓迎です!。
posted by 管理人 | 2008-03-11 01:41
日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その10(セルティックとフランクフルトの共通点)
コメント投稿者ID :
>彼も以前
ブランキーニさんのことです。
名前覚えてなくて(笑)
posted by 管理人 | 2008-03-11 01:45
日本人欧州移籍失敗をひも解く10の疑問その10(セルティックとフランクフルトの共通点)
コメント投稿者ID :
>隣国のトルコに居た稲本ですら
隣国ではないですね(笑
出稼ぎ労働者なんかが多くて関係が深いというようなことがおっしゃりたかったんでしょうか。
ここまでの分析だけでも大変参考になりますが、ここからどういった結論に至るのか楽しみにしております。
posted by sasajima | 2008-03-11 15:48
コメント有難うございます;。
コメント投稿者ID :
sasajimaさん
トルコはめちゃくちゃ離れてますね(笑)。
移民が多いので隣国だと思い込んでました。
学が無いのをあらわにしてしまいましたが
ご指摘有難うございます。
今後も興味深い記事をアップしていけたらと考えておりますので
またご指導頂ければ幸いです。
posted by 管理人 | 2008-03-11 18:56
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