観戦のすゝめ

「4回転祭りは何故起こったのか?」

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フィギュアの世界選手権が終わり、ISUの公認大会で残すは4月の国別対抗戦だけとなりましたが、個人戦は一息ついたということで。

今シーズンについて、女子はエフゲニア・メドベージェワ女王様(ロシア)が連勝街道驀進中。 何しろジュニア時代の2014-15シーズンのロシア選手権(シニアと一緒)で3位(他ジュニア世代の試合は全勝)、シニアに参戦した15-16シーズンはロステレコム杯でラジオノワに次いで2位、その他は全て優勝。そして16-17シーズンは出場試合全て優勝し、自身の持つ世界歴代最高得点をも更新と絶対王政を敷いてらっしゃいます。 つまりこの3シーズンで優勝でなかったのは2回だけで、それもロシア人にしか負けていないという恐ろしい程の強さです。 現在女子の方は、メドベージェワを脅かせるのは誰かという2位グループの争いみたいな感じになっています。

前置きが長くなりましたが、男子。

「真・四回転時代」とTVでは言われていますが、少し前まではとりあえず着氷さえすれば良かった4回転を、複数の種類をGOE+になる様に飛ばないと勝てない時代が到来しました。

4回転ジャンプ自体は、1988年にカート・ブラウニングが初めて公認大会で飛び、日本でも今は解説でおなじみの本田武史が1998年に初めて成功し、2003年には四大陸選手権のフリーで2種類の4回転ジャンプを3回成功させるという快挙を達成しました。 その間もプルシェンコ、ランビエール、ジュベール、高橋大輔などトップスケーターの多くは4回転をプログラムに組み込んでいました。 その後、2010年のバンクーバーオリンピックでSP、FS共に4回転を組み込まなかったエヴァン・ライサチェクが優勝したこともあり、4回転に挑戦し失敗するリスク回避のために精度の高い3回転を選択するという選手が多かった時期もあり、4回転の進化は停滞したと思っています。 そういった流れもあり、バンクーバーオリンピック後のルール改訂で4回転の基礎点が上がり、挑戦するメリットが出るようになりました。 それでプログラムに4回転を組み込む選手が増えましたが、それでも当時はSPで1回、FSで2回がトップレベルでした。 2013-14のソチオリンピックをはさみ、2014-15シーズンまではフェルナンデスがFSで3回飛ぶ以外は、他の選手は概ねSP、FS合わせて3回でした。

2015-16のシーズンに入り、それが動きを見せ始めました。 その口火を切ったのは羽生がコメントしていましたが、ボーヤン・ジン(中国)でしょう。ジュニア時代からFSで3回の4回転を飛んでいた彼がシニアに参戦して来ました。それもさらに4Lzという武器を習得して。 誰しもが目を見張るSP、FS合わせて6回の4回転を飛び、1年目からグランプリファイナル進出、さらには世界選手権でも3位に入賞しました。 そのシーズンから羽生もSPで2回、FSで3回の4回転を飛び、NHK杯で覚醒したのか滑る度にPBを更新し、グランプリファイナルでは世界歴代最高得点SP110.95、FS219.48を叩き出し、「ミスをしなければ負けない」王者になりました。 またこのシーズン宇野昌磨もシニアに上がって来て、デビューの年にグランプリファイナルに進出し、銅メダルを獲得する快挙を達成しました。 しかしながら、この頃まではまだ4回転の数が少し少なくても、GOEやPCSでのリードを守り切れるシーズンだったと思います。

当然ながら私は羽生結弦ではないので、本当のところは分かりませんが、アスリートである以上トップに立っただけで満足する事なくさらにその上、それも誰も踏み入れた事のない領域を目指そうと考えたと思います。 チャンやフェルナンデスの様に質の高いスケートをする選手や、ジンや宇野の様に勢いのある若手のさらに先を行こうと。

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