2008年10月25日

野球日本代表・星野批判の代案

野球日本代表を取り巻く状況の改善策として乱雑ではあるが具体案を挙げてみた。

まず結論から書くと、ひとつはNPB内に早々になんらかの組織をつくること。
もうひとつは、楽天監督の野村氏がWBC監督をやったほうがよいと考えていること。野村氏であれば話をしてくれるだろうからである。

この結論の過程や理由を以下に。過去エントリとの重複も多く長くなるが興味のある方はどうぞ。

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野村氏がイチロー選手の発言を皮肉るようなコメントをした理由については、前エントリの”雑感”に書いたように星野氏の無用な一言が「無用な感情論を呼んだ」と考えている。
元になったイチロー選手・松坂選手の発言に関しては、前エントリのコメント欄の最後に私なりの超訳を書いている。


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2つの日本代表

野球日本代表は、オリンピックにおける全日本野球会議と、WBCにおけるNPB(日本プロ野球)とで組織・管轄が違う。五輪ではメジャー選手が選出されないが、どちらの場合でも、まず代表監督が選ばれその監督がプロ選手から選手を選び代表チームを作る。そのチーム作りに大差はないが、管轄する組織の違いによる問題はあるのだろうか。

試合を見る我々には、代表チームとして監督や選手が決まってしまえば、どちらの組織に属していようが関係はなく、代表チームの背景まで考えず日本代表チームの戦いとして試合を楽しめる。


抱える問題点

問題となるのは、今回の騒ぎのように大会前と後である。所属組織が大会前後で同じであればよいが、違っていると面倒である。
今回の例でいうと、北京五輪後の総括(分析)が不十分であったり出来ていないからといってコミッショナーが日本代表前監督の星野氏にクレームをつける訳にはいかないのだ。今あるWBC検討会のようにコミッショナーの個人的集まりで星野氏に意見を聞くことはできるが、公的にはNPBから全日本野球会議に「総括をお聞かせください」とお願いしかできない。
(仮に、WBC検討会がNPBの公的機関であり、検討会が日本代表前監督として星野氏に意見を聞くのなら、星野氏は全日本野球会議の代表者としてしか出席できないだろう。実質意味はないが。)

サッカー五輪代表元監督の反町氏は、戦後敗戦分析不十分としてレポートの再提出をサッカー協会から求められた。(たぶん)それらを基にして、先のサッカー協会技術委員会から五輪代表とA代表の監督を兼ねさすという今後の方針が発表されたのだろう。方針の是非は別にして、戦略の立て方(過程)はシンプルで分かりやすい道筋である。

このサッカーの場合を言い換えると、反町氏はサッカー協会へレポートを再提出すれば、協会も説明責任を持っている(協会がマスコミに説明する)ので、反町氏自身が再度マスコミに出なくてもある意味済んでしまう。反町氏は協会から守られているとも言える。
これが野球日本代表の今回のケースだと、管轄する組織の違いにより、コミッショナーは北京五輪の件で星野日本代表前監督の負担を減らしたり、盾になる(かばう)ことができない。

面倒な話であるが、組織・管轄の違いがあると戦後分析ひとつとっても前記のような手続きが必要になる。かと言って省いてしまうと全日本野球会議の存在意義がなくなってしまう。その成り立ちなども踏まえると全日本野球会議を無視する訳にはいかない。
こういった組織(所轄)的な問題は、ドラフト制度などに見られるように、日本の野球界の本質的な問題と関わっており根本的な解決は大変難しい。


組織をつくる意味合い

このような状況を踏まえて、NPBとして代表戦(WBC)も含む国際的な情報を議論する場として、なんらかの組織を立ち上げる必要があると思う。

その組織は、NPB内の恒常的な組織にする必要がある。その為に、例えば国際的な情報を議論する、としている。WBCの監督を選ぶだけとか、五輪野球開催が無くなりWBCだけになったからという弱い理由付けの組織では一過性のものになりやすい。
恒常的な組織にしないと、結局、オーナー会議でコミッショナーに一任するような場当たり的な状況とさして変わらない。なにより、WBC後に解散してしまう(有形無実の)ような一時的な組織では責任ある仕事にならないだろう。


組織の中身

具体的には、NPB内にコミッショナー直属の機関、サッカー協会の技術委員会のような組織をつくり定期的に会合を開くことである。名称はなんでもいいが、例えば(仮称)国際技術委員会とでもする。
委員会は4年に一度のWBC前後の戦術分析だけでなく、国際的な野球の状況などを分析してレポートを出し、国際大会の多いアマとの情報交換交流を模索する等にも活かし、また、アジアでの野球普及活動と連携するなり定期的な活動を行う。メジャーとの協議や折衝の裏方ということもあるだろう。仮に、こういった組織がNPBに既にあるならば、WBCのことを組み込むなり分科会にするなどすればよい。

WBC大会に向けては、分析レポートを基にコミッショナーを総責任者として監督選定を行いオーナー会議と折衝を行う。WBC本番では裏方スタッフの中枢となり代表チームのサポートを行う。WBC後は総括を行いレポートを出す。こうした組織をオープンな存在にしてレポートの成果を形にしたり、監督選定の過程など記者発表させればよい。

差し迫った来年のWBCに向けて、この(仮称)国際技術委員会を立ち上げても代表監督選びには間に合わないが、選ばれた代表監督と戦術分析などを共にしてスコアラー等の裏方スタッフをこの組織で行うことは可能である。選手などと違う立場の日本代表スタッフである。
今回のWBCスタッフを基に委員会を作り上げるのでも構わないが、できれば早くに組織の形を作るほうがよいだろう。そうして実際に大会を経験すれば、今後の監督選びの財産になる。組織の初陣は早く済ませたほうがよい。

この(仮称)国際技術委員会の一員として、元オリックス~エンゼルス~マリナーズの長谷川滋利氏を適任のひとりとして挙げたい。大会ごとに変わってしまう可能性の高いコーチなどの現場スタッフではなく、継続的なスタッフとして組織に参加してもらいたい。委員会を生かすためにはレポートなどを提出できる能力のある人物が相応しく、長谷川氏なら立場を理解したうえでメディアに対応することなども出来るだろう。また、メジャーを通じた人脈や語学力もあり、それこそ有効な現地視察ができるのではないだろうか。
スタッフにどのような人材が必要か理解したうえで様々な可能性を探るべきである。


組織を育てる監督

冒頭で書いたように、今回のWBC監督は「話をしてくれるだろう野村氏」が相応しいと思っているが、これはメディアへ大会後の説明ができるからだけではない。野村氏であれば委員会のスタッフへより十分な話(説明)をするだろう。経験を次の大会へ活かすために組織のスタッフを育てるという意味合いも大きい。戦術云々だけでなく、野球界のおじいちゃんの知恵袋的なことまで、「聞くことのできる」スタッフを配すればかなりの話が「伝わる」と思う。野村氏が組織作りが上手いか下手かではなく、組織作りの手助け(利用)には適任だろうと思う。

過去の野球日本代表の問題は、一言でいえば「伝えられていない」ことに集約されると思う。データ云々以前の問題である。大会間の期間が長いことや、様々な事情はあるが、結局個人の経験や人脈だけに頼ってきた。継続した組織を作り介することで大会間の溝を埋めていくことができるのではないか。

書いている通り、私が野村氏を今回のWBC監督に推すのは、NPBが組織をつくることを念頭に置き、組織作りに監督をセットにすれば効果が高まると考えているからである。今回に限れば勝利を第一にしていない。勝利第一を目指すに相応しい状況をつくるほうが今は優先されるべきだと考えている。(勝利第一に野村氏が相応しいかどうかは別の話)


役割

今回の騒ぎや反応を見ると、今の状態ではWBCで優勝しても払拭できない部分が残るだろうと思う。それは主に野球日本代表チームを取り巻く状況に起因しており根本的な解決は無理である。今より良くする、言い換えれば問題をどうすれば回避できるかという見方で考えている。
ひとつが、前述した五輪での敗戦後の処理でのサッカー協会と野球界の違いである。やり方によって、無用(?)なバッシングから星野氏を回避させることもできただろう。

「相応しい状況がある」と「勝利する確立が上がる」はイコールにならない。良い環境があれば勝てるほど甘くないからスポーツは面白く見られる。ただ、政治的判断のような場面は至る所にあり嫌でも目に付く。できればスポーツ的戦略を楽しめる場面を数多く見たい。
勝ちにいくための監督を選ぶ作業というのも戦略(スポーツ)のひとつである。それらの役割として私が一例として出したような組織は役立ってくれるのではないかと考えている。



短期大会での代表監督、星野批判

野球界の問題点と大雑把で穴が多いだろうが自分なりの代案を前述したうえで改めて書くが、敗戦の戦術的分析とそれを言葉に置き換えて説明する能力の無い人物は代表監督に相応しくない。
星野氏のように「しようとしない」ことがますます闇を深くし疑心暗鬼を招く。星野氏に限ったことではなく、そういった人物が代表監督として選出されるべきではないということだ。

代表監督を見るうえで、まず、リーグ戦と代表戦を分けて考える必要がある。長期間に渡るリーグ戦(ペナント)では、極端に言えばいちいち説明しなくても済んでしまう。それこそ星野氏のように闘将などというイメージを与える態度(戦う姿勢)を見せていれば言葉にしなくてもファンなりに理解(納得)できることがある。長期に渡る戦いそのものが説得力を持つ。背中が語るというものである。

日本シリーズなどの「出来ているチームの短期決戦」とは違い、日本代表戦のような「新しいチームでの短期大会」で姿勢を見せるには時間が足りず言葉による説明(の補足)が必要になる。短期間に多くを納得させるさせることは姿勢を見せるだけでは難しいだろう。

「勝てば官軍(道理はどうあれ強い者が正義者となる)」というたとえの如く、勝利できれば道理(説明)はさして必要にならない(求められない)。逆に、敗軍になれば道理(説明)を求められる。それが今回の騒ぎの基になっている。このことが理解できずに「敗軍の将語らず」と言って道理(戦術など)を語らず、私生活を始めとする自分の思いばかり語っているから批判される。「思い」こそ態度で見せるべきものではないだろうか。テレビで「・・しかし、私はチャレンジする人間」などというのであれば、「五輪は申し訳なかった。もう一回チャレンジさせて欲しい」と言ってWBC監督に立候補するなど態度を見せればよかった。そうであったならば、今よりもっと星野氏を(感情的にも)擁護する人は多くなっていたと思う。

氏のご家族の状況はとても大変なことと想像する。星野氏の野球でのことについて、ご家族まで巻き込んでしまうような感情的な言い方や、なんでも一緒くたにしてしまう書き方は許されるものではない。それは批判ではなくただの文句である。ただ、そうしたごちゃ混ぜな状況に一線を引くためにも、氏自らが野球のことと私生活を分けて一緒くたにせず語るべきである。代表監督が他に決まれば話題は別な方向へ進むと思うが、もの言えば言い訳に聞こえてしまう状況は変わらないだろう。「もの言えばくちびるさむし・・」の事柄ばかりではない。



以前のエントリで以下のように書いた。問題点はこちらのほうが分かり易いかもしれない。

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代表チームを作るバックボーンといったものが強固でない、というより「無い」状態で監督のみが選ばれ、その監督にチーム作りを一任する。選ばれた監督はそういった状況も理解し「無い」状態を取り繕い、そうしたことと合わせて、チーム立ち上げのビジョン・構想からチームを作ることができる立場に置かれ、もはやオーナー兼監督といった状態である。
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今回、代表を作った主体が全日本野球会議であるならば敗戦のコメントを求められるはずだが、そんな奇特なマスコミは見当たらない。誰もが実質的に意味をなさないと知っているからだろう。
監督ばかりを責めるなという見方もあるが、監督しかコメントする立場の者がいない日本代表という組織になっているのだから仕方がない。
広告塔という役割だけでなく、うまく責めから逃れられる才覚が監督当人以外にとっても重要なこととなっていただろう。
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読まれた方へ
大意を変えることはないが読み返すうちに本文を訂正することがあるので了解頂きたい。


コメントされる方へ
エントリに対する意見や批評でコメントされるのであれば有難いが、選手の好き嫌い等々の自分の気持ちを吐き出すだけというのでは考える基にはならない。考察頂ければ有難い。

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2008年10月23日

星野氏と西武、明日の一面の行方。

数時間前に西武ライオンズがクライマックスシリーズを勝ち抜き、日本シリーズへ進むことが決まった。名実共にパリーグの王者である。スポーツニュースでは恒例のビール掛けである。
渡辺久信監督が一軍監督に昇格したその年にここまで導いたのはさすがである。二軍コーチ・二軍監督と着実にステップアップしてきた成果が実った訳である。
プレーオフ制度導入になってからまだ数年しか経っておらず、やはりここで勝たなければリーグの優勝という実感は心底味わえないだろうと思う。

そんなリーグの王者が決定した夜中に、星野氏が自身のサイトで改めてWBCの日本代表監督就任を固辞するつもりと表明した。
固辞の理由はさて置き、何故この日に表明したのだろうか。星野氏は冒頭で以下のように書いている。

Sen'ichi Hoshino Official Site「星野仙一のオンラインレポート」
http://hoshino.ntciis.ne.jp/
 --------(以下引用)--------
 クライマックスシリーズの最中でもあるし、なるべく余計なことはいうまいと思ってきたのだけれど、「WBC監督人事」についての最近の騒ぎを見ていると、やはりこれはもう一度、わたしの口からもなにか話をしておいた方がいいのではないかと思い、再度、わたし自身は変わらずWBCの日本代表監督就任を固辞するつもりでいる
 --------(引用終わり)--------


明日(今日)のスポーツ紙一面を飾るのはどちらだろうか。月末にもWBCの日本代表監督の監督が決定する今後への興味という点でも、星野氏自身が書いているように最近の騒ぎを見ていると、一面は星野氏のサイト更新の中身の可能性が高いように思える。

まだ分からないが、星野氏が一面に躍り出るようであれば、星野氏のこのタイミングでの表明はとても残念なことだ。
サイトの更新はいつでも出来る。極端に言えばクリックひとつだ。もう少し就任一年目の渡辺監督に気をつかうことは出来なかったのだろうかという思いが強い。
西武ファンにしても気分の良いはずの朝を邪魔されたという思いを少なからずされるのではないだろうか。

野球選手がインタビューなどでもよく言うように、スポーツ紙の一面を飾るというのは選手達にとってかなりステータスの価値が高い。芸能人の祝い事やスキャンダルで一面確実な活躍をした選手が「一面持ってかれました」という後のインタビューを見たことも結構ある。
現在はそれほどでもないかもしれないがパリーグの選手関係者達からすればテレビ中継が少ない状況でスポーツ紙というメディアの存在は特に大きいだろうと思える。一面でセリーグに勝ちたいという思いだ。

五輪後の氏のサイトでの監督辞退表明後も騒ぎが納まらない状況は氏も理解されていたはずである。テレビ出演や今回以前のサイトでの文章で、退路を断たないような言い方をされてきたのは氏自身である。敗軍の将は語らずではなく多くの言葉を語っていると思う。
肝心の敗軍となったスポーツ的戦術の話を語られないのが、私のいうメディア対応の悪さのひとつである。

少なくとも、前回のコミッショナーによるWBC検討会の席でこういった表明をしていれば今回のようにタイミングを悪くするようなことにはならなかったはずである。合わせて、コミッショナーを始めとする検討会参加者の方々へ直接表明するほうが筋道として適当ではなかっただろうか。


雑感

Sen'ichi Hoshino Official Site「星野仙一のオンラインレポート」
http://hoshino.ntciis.ne.jp/
 --------(以下引用)--------
リベンジなどという軽々な考え方も見方もはさまる余地がないことぐらい、当事者になれば誰もがわかってくることだ。
 --------(引用終わり)--------

こうも直接的に、イチロー選手・松坂選手のリベンジという言葉に反応する必要はないだろう。言われんでも分かっとるわい、というのは相手にとっても同じである。今こういった反論の仕方をすればイチロー選手・松坂選手への直接反論になる。感情的に理解できるが、なによりこういった脳髄反射的なやり方(反論・批判)をバッシングとひとくくりにして嫌っているのは星野氏ではないのか。
こういったタイミング・言い方が、また無用な感情論を呼ぶのは目に見えている。
イチロー選手・松坂選手ともにWBCは五輪と違うということでリベンジという言葉を使っており、そもそも星野氏へ向けた言葉や反論などではない。
リベンジ=星野氏と受け取られてしまう部分があるのは、五輪=リベンジという宣伝広報をしていた星野氏自身によるところが大きい。マスコミを利用することに否定はしないしプロスポーツはビジネスとして成り立っている。氏が、露出する部分だけを任されているのではなく、スポーツビジネスに関わっているのであれば、影響力のなんたるかは我々より深く理解されているはずである。


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コメントされる方へ

前エントリのコメントにも書いたが、ここは掲示板ではない。エントリに対する意見や批評でコメントされるのであれば有難いが、選手の好き嫌い等々の自分の気持ちを吐き出すだけというのでは考える基にはならない。考察頂ければ有難い。

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2008年10月21日

WBC問題。イチローの指摘の本質

イチロー選手の発言があり、その発言の内容と共に発言を行ったこと自体に対して賛否があるようだが、私自身はイチロー選手が発言することに問題は感じない。
先のエントリで書いたが、そもそも代表を作る責任ある組織がないことが問題だからだ。オーナー会議でコミッショナーに監督の人選を任せただけの現状である。少し前までオーナー会議に参加もしていない人物の追っかけ取材での談話が代表監督を決める勢いで紙面を飾っていたのだ。

現状では王前監督などが集められたが、それは有識者の意見といったものであり、それ以上の責を負わない立場である。その割には王前監督の持つ影響力が大きいようだが、それはコミッショナーの言う「私の責任」がいかに軽いものであるかを示している。要するに責任の所在の分担のために集められたとも言える。王前監督らの意見内容が重要であるかないかということ以前の問題である。

選手個人の発言で揺れ動くということが組織の無さの証明でもあり、今のWBC監督選考の状態は、イチロー選手が自身の発言の影響を考慮しなくてはいけないほどの体を成していない。
監督選考において様々な立場や状況を鑑みた意見をおろそかにしてはいけないが、それらの意見が最終的にどんな目標に向かっているのかという視点がなければ、結局自分の事だけを訴えるのと変わらない。

代表チームを作るための基になる「どのような代表チームを作るのか」といったビジョンやコンセプトを示すことが出来ず、挙がってくるのは現役監督が代表監督を兼ねるのは大変だ等のビジョンと言うには程遠いあやふやな状況の中で代表監督の人選が行われている。それらに対する苛立ちといったものを私はイチロー選手の発言に感じる。

イチロー選手が、具体的に「リベンジ」という言葉を選びそれを否定したのは、代表チーム作りの第一歩はビジョンやコンセプトを考え示すことであり、リベンジはそれに当てはまる言葉ではないということだ。

また、監督ありきではなく、監督の選出はビジョンやコンセプトの考えに沿うのが道筋ではないのかといった、代表の考え方・作り方に対する批評批判だと思う。
要するに、色々あるだろうけれど、まずビジョンなり決意といったことを見せてくださいよという当たり前の正論である。これが本質であり、星野氏との確執云々などというレベルの話ではないだろう。

日本プロ野球から離れMLBで確固たる実績を残してきた中で、イチロー選手はプロ野球界の常識、日本プロ野球界の世間体といったものを気にする必要がなくなっていったのだと思う。取材の記者は付いてまわっているだろうが、日本での番記者との距離感とは異なっているのではないか。そうした諸々のプロ野球の世間体とはずれたポジションから日本の情報を見て感じることは、日本の球界人のそれより、ネットの情報を見て一喜一憂するような我々と近いものがあるのではないだろうか。
訳知り顔で黙るのではなく、仕来たりなど知らないふりをして本質に近い正論を言うことが、日本プロ野球界の世間体からすれば天邪鬼に見える。

そもそも、リベンジとは個々のやる気・モチベーションの材料として有効かもしれないが、チームを作るなど何かを生み出すときに相応しい言葉ではないように思う。
松坂投手も「五輪とWBCは別物。だから(北京五輪の)リベンジの場ではないと思うし、僕たちは前回チャンピオンとしてちゃんと準備をしなければ」と発言しているようであるからこういった感情を持つ人は選手側(イチロー選手以外)にも少なからずいるだろうということである。

雑感

マスコミが某ナベツネにコメントを求めその発言が有力となってしまうことは、誰が決定者に近く影響力を及ぼせるかが分かっているからである。その役回りが今は王前監督になっている。本来であれば、マスコミは「代表を作る組織」を作ることの出来ない日本プロ野球界をジャーナリスティックに問題提起すべきだろうが、そこは端折って見出しになる有力者のコメントを取り付けるのである。

さて、WBC監督選考に集められた有識者のメンバー、前WBC監督の王氏と先の前五輪監督の星野氏は順当であろう。他の3人の中で楽天監督の野村氏は実績と現状の世論に加えお目付け役(苦言を呈する人物の存在)として分かり易いが、ヤクルト監督の高田氏と解説者の野村謙二郎氏2名が分かりにくい。代表チームとの関連では野村謙二郎氏がシドニー五輪時のアジア地区予選を兼ねた第20回アジア野球選手権大会に日本代表メンバー入りしていた。
コミッショナーへの一任という形式にしたのだからコミッショナーの個人的な繋がりということで理由十分であるが、先の星野氏当確という報道が出てくると、邪推するというより邪推されてしまうメンバー構成であるという見方になってしまう。
広島テレビ(日テレ系列)の解説者であるは野村謙二郎氏が自身のコラムを書いている広島テレビのサイト( http://www.htv.jp/weblog/nomura/ )で「今回をもち、しばらくこのコラムをお休みしたいと思います。(2008年10月06日付け)」としておりその後9日にWBC体制検討会議のメンバーとして発表されている。先の五輪での解説で一ヵ月以上更新がないときでも事前のお知らせはなかったようであるが、今後コミッショナーの個人的な繋がりである検討会議の枠を超えた仕事が待ち構えているのであろうか。
ジャイアンツV9時代の戦士であったヤクルト監督の高田氏は、前日本ハムのGMでもあり王氏と同じく球団フロントの考え方のできる人物である。明治大学出身で同校の星野氏の1年先輩にあたり星野氏が頭の上がらない人物であるらしい。

私は星野氏に特別な思いは持っておらず好きでも嫌いでもない。日本代表チームの監督として手腕だけでなくメディア対応などを含め相応しいと考えないだけである。相応しいと考えない理由は以前のエントリで触れているが、前述の通り星野氏だけの問題でもない。仮に星野氏が再度代表監督になった場合でも、五輪時と変わらず「監督を使う」べき組織がないのだ。王氏、高田氏のサポートがあれば大丈夫だろうと見る判断があるとすれば、そのような信頼しきれない監督を選ぶべきではない。始めから違う監督を選出すべきである。
現段階で五輪と比較して変わったのはコミッショナーや王氏などコメントを求められる役割の人物が増えたことくらいである。

まだ選ばれた訳ではないが、想定ライバル国に5戦全敗した代表戦直後に、同じ監督を選出すること、同じ監督が引き受けること、これらに「勝つことが第一」のメンタリティは感じない。

今回のイチロー選手の発言で迷惑を被った実害者は、「こんどこそリベンジですね?」などとコメントを貰えれば内容はなんでもいいという相手任せの質問にもなっていないインタビューをする語彙の少ないアナウンサーや、リベンジという見出し・キャッチコピーを使いづらくなった広告代理店をはじめとするテレビ関係者マスコミだろう。

こういった僅かなことだけでなく興行の開催などビジネスにまつわる事情もあるだろう。WBC自体がMLBの云々という見方もある。
ファンなくしてプロスポーツは成り立たないが、ビジネスとして仕組みをしっかりと作らなければ客は離れていってしまうだろう。
渦中の星野氏もスポーツビジネスに参画しており以前からスポナビブログ繋がりがあったとは知らなかった。ネットの世界も狭くなってきたものである。

ホシノドリームズプロジェクト スタッフブログ | スポーツナビ+
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/hoshinod/

株式会社ネクシィーズ
http://www.nexyz.co.jp/
本日の一部報道について- ネクシィーズ 平成19年10月4日
http://www.nexyz.co.jp/press/2007/release071004.html
(以下引用)
 本日、一部報道機関より、当社がスポーツビジネスの人材育成を目指すホシノ・ドリームズ・コーポレーション(米国ニューヨーク州法人、代表取締役President/CEO:岡本 佳文、以下:HDC)に対して共同出資している旨の報道がありましたので、その要旨ならびに当社出資の概要についてお知らせいたします。
【要旨】
 当社100%子会社である株式会社Nexyz.VPが出資をしており、星野仙一氏がチェアマンを務めるHDCは、著名な元メジャーリーガーで野球殿堂入りプレーヤーであるGeorge Brett氏(ジョージ・ブレット)と提携し、米国マイナーリーグ球団運営に参画することを目的に、協議してきました。
 その結果、HDCはGeorge Brett氏が保有する、米国マイナーリーグ球団『Tri-City Dust Devils(トライシティ ダストデビルズ)』を運営するNorthwest Baseball Ventures, LLCの持分を33%譲り受けることで合意に至り、米国メジャーリーグ・コミッショナー事務局の最終承認が完了しました。
(引用終わり)

日本ビジネス協会
http://www.j-bc.jp/
会報誌/理事長メッセージ-日本ビジネス協会-
http://www.j-bc.jp/magazine/vol59.html
(以下引用)
会員Topic 1
近藤太香巳副理事長と星野仙一氏がスポーツビジネスを支援する
「ホシノドリームズプロジェクト」を立ち上げました
野球日本代表監督の星野仙一氏と近藤太香巳副理事長(ネクシィーズ社長)がタッグを組み、日本の若者を世界に送り出す教育支援プロジェクト「ホシノドリームズプロジェクト」を設立しました。きっかけは、星野監督が日本人選手の育成を目的に、大リーグのコロラド・ロッキーズ傘下のマイナーチーム、トライシティ・ダストデビルズ(ワシントン州)を買収したことでした。近藤社長が「選手だけでなく、マネジメントも含めたスポーツビジネス全般を学べる場を作りたい」と星野監督に提案し、星野監督は快諾。運営資金を民間企業から集める今回のプロジェクトが誕生しました。このプロジェクトの特徴は、CM出演料1億円といわれる星野監督の名前と肖像などを使う権利を1年間300万円でスポンサー企業に与える点です。「大手企業なら、星野監督を単独でも起用できます。中小企業にも、その可能性を広げたかった」という近藤社長の思いが、異例の低価格を実現しました。プロジェクトでは、収入の50%以上を若者支援事業に提供する予定で、スポンサー企業にとってはCSRとイメージアップを両立することができます。北京オリンピックで、「星野ジャパン」への注目は最高潮に達するのは確実です。100社限定でスポンサーを募集中ですので、有効なPR戦略として、ぜひご検討ください。
(引用終わり)

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