2007年05月16日
Not Only Japanese!!!!!
本当なら毎週更新しなければならないのに、忙しさにかまけて4ヶ月ものご無沙汰、本当にお許しください。 さて、井川がマイナー落ち、岩村、松井稼がDLに入っているとはいえ、松坂大輔、イチロー、松井秀喜らを中心に、メジャーの日本人選手の動向は毎日注目を集めています(でも日本のプロ野球からも目を離さないでね。特に横浜の四番・村田は注目!)。 周囲からは「お忙しくてけっこうですね」と声をかけられることも多いのですが、実情を申し上げれば、自分自身はここ数年と、特に仕事の量や内容が変わったわけではないのです。 去年からの(数少ない……)当Blogのエントリーをご覧いただければお分かりになると思いますが、私にとっての日本人メジャーリーガーとは、米国人、カナダ人、プエルトリコ人、ベネズエラ人、ドミニカ共和国人、キューバ人、パナマ人、コロンビア人、韓国人、台湾人などと同じく、メジャーリーグでプレーする多国籍のプレーヤーたちの一翼をなす存在でしかありません。 たとえば、松坂大輔に関して言えば、もちろん私自身の視点を原稿やスカパー!MLBライブ(まだ彼の登板試合を担当してはいませんが)で触れることはありますし、ある程度まとまった時間をもらってインタビューや取材をしたいとの希望はありますが、そのために他の選手への取材を犠牲にしようとは思いません。時と場合にもよりますが、松坂にせよ、イチローにせよ、ゴジラにせよ、メジャーリーグを取材し、それについて物を書いたりしゃべったりする仕事をしている上で、あくまでもOne of Themのひとりに過ぎないのです。 だから、雑誌でもウエブサイトでも、テレビのニュースでも、松坂報道に枠を取られて、たとえばボストンの開幕戦で投げあったフェリックス・エルナンデスなど、他の魅力的な選手の記事などを書くスペースやニュースの時間が奪われる形になっているのには、釈然としない思いがあります。難しいことではないと思うんですがね。イチローが3安打しました→どの投手から? 松井秀喜が特大アーチを打ちました→誰から? 松坂が三振を奪いました→もしかしてバリー・ボンズから?でも最初はいいと思うのです。 私にとって近年のメジャーリーグ報道で「いい時代」と思えるのは、1998年でした。この年、日本におけるメジャーリーグブームの火付け役となった野茂英雄が、開幕からの不振でシーズン途中にドジャースからメッツに移籍。シーズンを通じてスランプから脱出することはできませんでした。 しかしそれでもこのシーズンは、連日メジャーリーグのニュースが日本のメディアをにぎわせました。マーク・マグワイアとサミー・ソーサが、ともにロジャー・マリスの年間本塁打記録を更新し、歴史的なホームランレースを演じ、ヤンキースのデイヴィッド・ウェルズは完全試合を達成。カブスの新人ケリー・ウッドはロジャー・クレメンスと並ぶ1試合20奪三振を演じ、「鉄人」カル・リプケンJr.の偉大な連続試合出場が2632でピリオドを打たれたのもこの年でした。 もちろん、のちにマグワイアとソーサに関してはステロイド疑惑がもたれることになりますし、極端な打高投低の傾向には違和感もありましたが、こと日本におけるメジャーリーグ報道という点に関しては、日本人選手の動向に偏らず、メジャー全体に広くスポットを当てる傾向がこのまま続いてほしいと願ったものです。 しかし、その後イチローがマリナーズに、松井秀喜がヤンキースに入団し、ともにチームの主力として大活躍したこともあって(それはそれで大変すばらしいことなのですが)、MLB報道は「元の木阿弥」になってしまいました。 正直なところ、ウェブサイトなどでも、MLBの主要ニュースが日本人選手の動向ばかりで、松坂がKOされたり、イチローやゴジラがノーヒットに終わったニュースが、ヨハン・サンタナの快投やチェイス・アトリーの大活躍よりも優先して扱われているのには、大いに失望させられます。「それがニーズ」だとニュースを配信する側はおっしゃるかもしれませんが、日本人選手は全員集めてもメジャー1球団の25人ロースターにも及ばない数です。大活躍を大きく伝えるのは大歓迎ですが、正直なところ、「火だるまのダイスケ」「4タコのイチロー」「3球三振のゴジラ」がトップ項目を飾る報道姿勢が改まらなければ、日本におけるメジャーリーグのブームは結局底の浅いまま終焉を迎えてしまうのではないでしょうか。捏造やでっち上げは論外ですが、それでも報道の世界において、「ニーズ」は掘り起こすもの、作り出すものでもあります。 先日、今年の8月で45歳を迎える「ロケット」ことロジャー・クレメンスがヤンキースでの現役続行を発表しました。彼はあと2勝で通算350勝を達成しますが、これはメジャーでも第二次世界大戦後わずか2人目、実に1963年に左腕投手歴代最多の363勝をマークしたウォーレン・スパーンが達成して以来、45年ぶりの快挙となります。クレメンスが迎える「45歳のシーズン」は、メジャー最多の511勝をあげ、40代にしてノーヒットノーランを記録したあのサイ・ヤングでさえ「未知の領域」なのです。 私は今日掲載された「スポーツナビ」のコラムで、このクレメンスとヤングについて紹介しています。 http://sportsnavi.yahoo.co.jp/baseball/mlb/column/200705/at00013242.html メジャーリーグを愛する日本のファンの皆さんには、ベースボールが過去・現在・未来をつなぐ時空を超えた偉大な文化であり、ジョン・レノンの「イマジン」の歌詞と同様、その世界では国籍・国境など意味がないことを改めて認識していただきたいのです。
posted by kairi1958 |21:37 |
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