2006年12月16日
MLBファン必読書籍その1「メジャー・リーグ人名事典」
すっかり更新が滞ってしまい、皆さまにはご迷惑・ご心配をおかけしましたが、今週から再開いたします。 さて、今回からはしばらく、オフシーズン企画として、MLBファンならぜひとも読んでもらいたい「必読書籍」(「課題図書」という言葉は、大嫌いだった「読書感想文」を連想するので使いません)を毎回1冊ずつ紹介いたします。 今回の一冊は、2001年に発行された「メジャー・リーグ人名事典」(出野哲也著・彩流社刊)です。 実際、ベースボールについて取材をしたり記事を書いたり放送で喋る仕事をしていていつも思うのですが、日本の野球、あるいはスポーツ関連書籍全般には、意外に基本的な性格の出版物が少ないような気がします。たとえばメジャー30球団の球団史が詳細に書かれた単行本には、1978年に本格的にメジャーの放送や報道が始まって以降、ついぞお目にかかったことがありません。もちろん洋書には、私が現在仕事で利用している「Total Ballclubs」(Sport Classic Books)など、その手の出版物が幾つも世に出ているのですが、日本語の資料は皆無ですから、しかたなく1978年に故・伊東一雄(パンチョ)さんが「週刊ベースボール」に長期連載していた「大リーグ球団史」のスクラップを現在も活用している次第です(できれば後に拡張された4球団を追加して、単行本として出してもらいたいのですが)。 もうひとつ欲しいのは(これは日本のプロ野球でも同じなのですが)メジャーのOB・現役の主要選手や監督、関係者のプロフィールや記録などを網羅した「人名事典」です。これはパンチョさんが1997年にベースボール・マガジン社から'「Major League Who's Who~メジャー・リーグ紳士録」'を出されているのですが、残念ながら145名しか収録されておらず、おそらくライフワークだったのでしょうが、パンチョさんが亡くなられて文字通り「未完の大作」となってしまいました。しかしありがたいことに、2001年に東京の彩流社から700ページ近い大著が出版されています。「スラッガー」や「ダンクシュート」などでメジャーやNBAの記事を寄稿されている出野哲也さんの労作「メジャー・リーグ人名事典」です。 この本に収録されているのは実に2692人。その収録基準は次の通りです。 【1】選手・監督 1876年(ナショナル・リーグ創立の年)から2001年までの期間、メジャーリーグに在籍した全選手のうち、以下の条件に該当する者。 a)1000試合以上、1000安打以上、100本塁打以上のいずれかを記録した野手。 b)500試合以上、100勝以上、100セーブ以上のいずれかを記録した投手。 c)実働10年以上で、1500投球回数の投手。 d)以下の各部門のタイトルホルダー MVP、サイ・ヤング賞、新人王、ゴールドグラブ、首位打者、最多安打、本塁打王、打点王、盗塁王(1898年以降)、得点王、最高出塁率、最多勝利、最高勝率、最多セーブ(1969年以降)、最優秀防御率、最多奪三振。 e)オールスターに2回以上選出(出場辞退も含む) f)その他特筆すべき話題、記録を残した選手。 g)メジャー出場経験があり、日本プロ野球で実働3年以上の選手。 h)メジャーに8年以上在籍し、日本プロ野球で出場経験のある選手。 i)すべての日本人メジャーリーガー j)監督としてリーグ優勝もしくは1000試合以上の経験を持つ者。 【2】メジャー・リーグでの選手経験を持たない者のうち、以下の条件に該当する者。 k)リーグ優勝もしくは1000試合以上の経験を持つ監督。 l)殿堂入りしたニグロリーグの選手。 m)殿堂入りした審判、オーナー、コミッショナー、リーグ会長。 n)その他、特筆すべき話題を残した関係者。 上記の基準で選ばれた2692名は、「出身国(地)」「在籍球団と年度」「守備位置」「通算記録」「タイトル」「監督としての通算成績」「日本での通算成績」とあわせてそれぞれプロフィールやエピソードなどが紹介されています。 もちろん、選手によっては(有名無名を問わず)、やや簡単な記述に終わって物足りない部分があったり、また個人的には利き腕と打席、身長、体重のデータが書かれていないのがややもったいない気がするのですが、それにしても、その内容の充実ぶりは、税抜き6500円という価格がまったく惜しくないほどです。 この一冊を手許に置けば、来年からのメジャー中継がより楽しいものになるのは確実です。Amazonなどでも注文が可能ですので、ぜひこのオフ、ご一読いただければ幸いです。 ではまた次回をお楽しみに!
posted by Ryo Ueda |10:19 |
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