2011年12月31日

土屋修平インタビュー

土屋修平
2010年の全日本新人王MVPを獲得し、注目のルーキーとして期待を集める11戦11KO勝利中のライト級7位・土屋修平。8月の福原寛人(江見)戦で左拳を骨折して現在休養中だが、徐々に練習も再開し、来年早々のリング復帰を目指している。完全復活に向けて「来年こそは飛躍の年にしたい」と言う土屋に話を聞いた。   ――怪我の具合はどうですか? 「骨はほぼくっついていて、着実に良くなってます。たぶん来年の2月には完治してると思います」 ――練習の方は? 「少しづつやり始めてて、左はまだ思い切り打てないんでスパーはしてないですが、軽い感じで体は動かしてます」 ――そうすると怪我で完全に3~4カ月は休養を余儀なくされたわけですが、これまで大きな怪我の経験は? 「これだけ大きな怪我は初めてです。理想を言えば月に一度くらいのペースで試合をしてもいいぐらいのタイプなので、正直最初はすごくイライラもしたし、ボクシングができないストレスも感じました。でも、時間が経つにつれて悔やんだり落ち込んでもしょうがないって割り切るようになりましたね。今は逆に良い休養ぐらいに思ってます」 ――デビューしてからの2年間、11戦11KOと注目のルーキーとして高いテンションで走ってきたと思います。ここで一息つける時間が作れたのはかえって良かったかもしれない? 「そうですね。考える時間も大切だなって。それと体を動かしてても、追い込んでガンガンやってる時には気づかないことが見えてくるんですよね。僕は『ボクササイズ』(笑)って言ってるんですが、軽く体を動かすことも大事だなって。自分を少し引いた目で、客観的に見てるっていうか。あと最近は体幹を鍛えたり、体の感覚、体の使い方を覚えるフィジカルトレーニングもやってて、そういうことも追い込んだ練習をやってるとなかなかできないですからね」 ――なるほど。逆に今しかできないことをやってると。まさにブログのタイトル同様「ポジティブで行こう」のスタイルで。 「ですね(笑)。今しかできないことと言えば、運転免許を取るべく教習所に通ってるんですが、仮免に2度落ちて、ちょうど今日3度目も落ちてきました… 」 ――もしかして怪我よりも落ち込んでる? 「正直… はい 。いや、でも普通仮免に落ちると『えー、なんで仮免落ちるの?』とかそういう絡みが一通りあるじゃないですか。でもそれももう3度目なんで慣れてきました(苦笑)。ぶっちゃけ最初に落ちた時は結構ショックでした… 」 ――仮免ってそんなに落ちるものなんですか? 「話を聞いてるとそんなことはないと思うんですが… 。ただ教習所にも最近は金額別にランクみたいなのがあって、自分が通ってるところは結構安いところなんで、もしかしたらそれが原因なのかも。安いだけに何度か落ちるっていう」 ――ありそうですね。確かにそれで一発で受かったら高いところの存在価値みもないですもんね。やっぱり世の中そう美味しい話はない的な… 「あ、たぶんそうですね。結局最終的に払う金額は一緒っていう。なんかショックっすね」 ――いや、次は頑張りましょう。持ち前のポジティブ思考で(笑)。では話をボクシングに戻しましょう。実際にこういう怪我を経験したことが自分のボクシングにも影響を与えることは? 「ありますね。やっぱり怪我をしない打ち方を心がけるようになるし、もちろん相手にも打たれないように、効率の良いボクシングがしたいなと考えてます。ペース配分や心理戦、そういうことも含めて無駄のないボクシング、良い意味で楽をして勝つことが目標です。体は10ラウンド問題なく動くことは分かったんで、後はもっと頭を使って巧い試合運びができればと」 ―なるほど。それでは次戦の予定は? 「まだ相手は決まっていないんですが、来年3月の角海老の興行ですね」 ――3月のリングで完全復活となるわけですね 「そうですね」 ――怪我を乗り越えて、一回り大きくなってリングに帰ってくるのを期待してます。最後に今年を振り返ってみて、来年への抱負などを 「怪我もありましたけど、今年は負けなかったから良しとします。来年こそは『飛躍』の年にしたいです。年が明けたら一気にギアチェンジしてやってきますよ。来年はとにかく強い相手とやりたいですね。格上のランカーと勝負して、タイトルマッチまで視野に入れられたらいいと思います」


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2011年12月30日

高山樹延インタビュー

高山樹延
9月にSウェルター級ランカーの十二村喜久がタイトルマッチに挑むも失敗、そして12月に入ってからはウェルター級2位の下川原雄大がノーランカーに敗れるという予想外の展開に、角海老中量級勢がぐらついてる。そんな状況の中で、「こうなったらオレが行く」とばかりに目をギラつかす男がいる。ウェルター級3位の高山樹延だ。 ——調子の方はいかかですか? 「下川原さんが先日負けてしまって… 。まさか負けるとは思わなかったんでショックだったんですけど、こうなったらオレが、という気持ちで急にスイッチが入りましたね。これからは練習の鬼になりますよ」 ——下川原君が先日破れた相手の尹文鉉選手とは個人的な付き合いもあると聞いてます 「学校の先輩です。アマチュア時代から強かった選手で、ランカーの実力は十分あると思います。角海老勢が3人負けてるので、もし試合が組まれるようなことがあればやりますけど、仲の良い先輩なのであまりやりたくはないというのが正直な気持ちです」 ――なるほど。下川原君も当然まだまだこのままで終わる気はないだろうけど、これでランキングの変動があると、樹延君が2位に浮上する可能性もあります 「そうなると、(タイトルマッチが)一気に現実味を帯びてきますね。スイッチはもう入ってますから。あとはひたすら練習するだけです」 ――練習の鬼になると… 「はい。正直自分はまだまだだと思ってるんで。そこまでのキャリアもないし、ここから一つ上のボクシングをやるためには質の高い練習をやらないといけないと思ってて。で、質の高い練習をするためにはまずは量が必要なんじゃないかなって。最近は遊びたいと思うこともないんで、最近はボクシングのことばかり考えてます。とにかくボクシングに集中して、ジムで一番練習してるって言われるぐらいやらないとダメですね」 ――充実した練習ができてそうですね 「そうですね。体幹を鍛えたり、フィジカルもジムにお願いしてトレーナーを付けてやらせてもらってます。あと今はとにかくサンドバッグを打ってますね。バッグを打たない人も多いけど、意識しながら続けていくことで見えてくるものもあって。バッグは自分も昔は退屈だと思ってやってたんですけど、いまは意識が違うから退屈しないんですよ。しっかり基礎と土台を作ってからだと思ってます」 ――樹延君の理想のボクシングは? 「スピーディーに綺麗なボクシングをやるタイプというよりは喧嘩ファイト、重たい黒人の "ザ・ボクサー" みたいなタイプを目指してます。選手で言うと海外なら(フェルナンド・)バルガスや(リカルド・)マヨルガ、日本だと内山(高志)さんのようなボクシングは理想ですね」 ――なるほど。今年は初の黒星も経験しましたが、振り返ってみてどうですか? 「負けたことも良い経験だったし、充実してたと思います。勝負は来年ですね。絶対にチャンピオンになりますよ」 ――現ウェルター級のチャンピオンは渡部あきのり選手(協栄)について 「2度スパーをしたことがあります。もちろん試合とスパーは全然違いますが、意外と噛み合ったなって印象です」 ――来年が楽しみです。最後に来年への抱負と意気込みをお願いします 「とりあえず3月に試合が決まってるんでまずそこをクリアして、それからもっともっと練習して来年はチャンピオンになります。絶対に。期待していてください


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2011年12月28日

田中栄民の徒然なるまま日々のこと 「2011年を振り返って」

 さて、残りわずかとなった2011年を少し振り返ってみたい。今年は東日本大震災があり、日本という国が大きく揺れた年だったこともあって、ジムとしても実りある1年とは言えないまでも、まあそんなに悪い年ではなかったように思う。

 まず今年一番の嬉しいニュースはなんといっても加藤喜孝がライト級の日本チャンピオンになり、ようやくベルトが1本ジムに戻ってきたこと。加藤は大きな結果を出してくれた。しかし、これからが正念場、チャンピオンとしての真価が問われることになる。安定王者としてタイトルを防衛していくのは厳しい道のりだろうし、加藤にとって毎戦がタイトルマッチとなる来年が本当の意味での勝負の年になるはずだ。

 一方、ジムの中でも最も高いポテンシャルを秘めているライト級7位の土屋修平は、不運なことに試合中に左拳を骨折して後半になって戦線離脱してしまったことは少し誤算だった。しかしその分、来年ははじけてもらうぞ。ランキングを上げて日本でも東洋でも、確実にタイトルが狙える位置までには行きたいと思ってる。

 そのほか、ランカー勢は十二村喜久がSウェルター級のタイトルマッチに挑戦し、善戦したものの判定負け。ウェルター級2位の下川原雄大が今年最後の12月2日の試合でノーランカーに破れてしまうという予想外の展開もあったが、自主興行を2カ月に1度くらいのペースで行い、できるだけ実戦の機会を設けた結果、総じて皆それぞれ実力の底上げを図ることができたと思う。

 またルーキーの登竜門である今年の新人王戦は1人も獲れず。去年は土屋、フェザー級の関豪介、Sバンタム級のコーチ義人の3人が全日本を獲ったこともあり、立て続けに新人王を育成するのはなかなか難しいし、これは仕方のないことだ。

 それと巷でも話題だが、元ヘビー級のK-1チャンピオンの藤本京太郎がボクシングに転向してうちのジムに移籍してきた。プロテストに合格し、大晦日に井岡一翔(井岡)の世界戦興行のアンダーカードでデビュー戦を行うので、年越しは是非京太郎を応援してほしい。

 さて、来年はいよいよ飛躍の年と言えるように、タイトルマッチをできるだけ多くやって2、3人はチャンピオンを作りたいと思ってる。今年、角海老宝石ジムを応援して下さったすべての方々にこの場を借りて感謝したい。そして引き続き来年もご贔屓のほど、何卒宜しくお願い致します!

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2011年12月26日

田中栄民の徒然なるまま日々のこと 「大晦日は京太郎のデビュー戦!」

京太郎
 今年最後の角海老選手の試合は、元K-1ヘビー級チャンピオンでボクシングに転向した藤本京太郎のデビュー戦だ。時は大晦日、大阪府立体育館で行われるWBCミニマム級王者・井岡一翔(井岡)の世界戦興行のアンダーカードで登場する。    京太郎は昨年の大晦日の格闘技興行に出場して負けているので、その鬱憤もずいぶん溜まってるようだし、加えて地元・大阪ということで相当気合いが入ってるよ。    対戦相手についても明らかになった。オーストラリア出身のマイケル・オドネルという31歳の選手で、戦績は20戦6勝14敗。負けは多いがKO負けは2つしかないらしく、かなり頑丈なタイプだと予想してる。身長も190センチ近いみたいだが、京太郎はK-1時代に大きな選手との試合は経験しているし、まあ体格の差は問題ないだろう。    京太郎もだんだんボクシング仕様になってきてる。体のスピードも速いし、運動神経も良い。素質としてはすごく良いものを持ってるし、加えてガムシャラに行くのではなく、じっくり見て仕掛けていくタイプだからすごく教えやすいよ。    パンチは破壊力というよりはキレがある。相手を倒すことを考えると回転力とタイミングが大事になってくるが、京太郎は連打も繰り出せるし、非常に勘が良いのでその部分でも勝負できるはずだ。ただ、まだキックとボクシングの距離感の違いに馴れていないところがあるんだが、こればかりは実戦経験を積んで体で覚えていくしかない。    とにかくせっかくの大舞台でのデビュー戦だ。良い形で勝てるようにしっかり準備したい。地上波でも放映されるはずなので、皆さんもぜひ京太郎を応援してやってほしい。そして日本ではあまり見ることができないヘビー級のボクシングの迫力を堪能してもらいたい、京太郎とともに井岡選手にもスカっと勝ってもらって気持ち良く年を越せたら良いと思う。


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2011年12月21日

コット×マルガリート2に興奮

 12月3日に行われたWBCスーパーウェルター級タイトルマッチが凄かった。WOWWOWなどでご覧になった方も多いと思うが、3階級制覇の同級スーパー王者・ミゲール・コット(プエルトリコ)と挑戦者・アントニオ・マルガリート(メキシコ)の一戦だ。

 ご存じの通りこの2人は2008年7月にWBA世界ウェルター級のタイトルマッチで対戦し、チャンピオンのコットの猛攻を浴びつつも驚異的なタフネスを見せたマルガリートが11RTKO勝利で王座を奪取。当時ウェルター最強の呼び声が高かったコットは初黒星を喫したが、この試合は有数の名勝負として記憶に残っているはずだ。

 この一戦以降、コットはマニー・パッキャオに破れはしたものの、WBAスーパーウェルター級のタイトルを獲って3階級制覇を達成。一方のマルガリートはシェーン・モズリー、コット同様にパッキャオと、大物相手に2連敗を喫した。

 対照的な2人だが、果たしてコットが初黒星の相手にリベンジできるのか、もしくは後がないマルガリートが1年ぶりとなるリングで華々しく再起できるか。いずれにしても約3年半ぶりに両雄が拳を交える因縁の「コット×マルガリート2」は、パッキャオやフロイド・メイウェザーらスーパースターたちがひしめく中量級戦線での生き残りをかけた一戦だ。

 時の流れは両者の刺青の数に現れていたが、試合はお互いの実力が真っ向からぶつかり合う、戦前の期待を裏切らないほどの「再」名勝負となった。スピード、回転、フットワーク、ディフェンスと総合力で勝負するコットに対して、相変わらずの打たれ強さと馬力で距離を詰め、インファイトを仕掛けるマルガリート。

 初戦と似たような展開となったが、とにかく息が詰まるほどの攻防で両者のパンチが途切れることはない。これに会場も大歓声で応え、2人の戦いは世界最高峰のエンターテインメントシティー、ラスベガスを大いに沸かした。

 しかし今回は王者コットが素晴らしい。ワンツースリーからフォー、ファイブまで行けるほどの高速の連打、前戦のようにロープに詰められた時の対策もしっかりしており、インファイト、アウトボックスを自在に操縦してマルガリートを追い詰めていく。マルガリートももちろん素晴らしいファイターで、特にロープ際のボディなどは凄まじいのだが、リスクを取りながら前に出る戦法はやはり被弾することが多く、中盤までに試合を決められればマルガリート、終盤までもつれればコットといった試合展開。

 コットは中盤以降は極力中間距離で戦いながら、マルガリートの突進を巧くさばいていく。そして3Rにコットの左フックで切れたマルガリートの右目が大きく腫れ上がり、9Rには壮絶な打ち合いの末にその目はほぼふさがった。10R開始直前にレフリーが試合を止めてコットの勝利が確定し、王座防衛とマルガリートへのリベンジを果たした。

 試合続行をアピールするマルガリートの残念そうな顔が印象的だったが、2人のラティーノのプライドがぶつかり合った、まさにボクシングの醍醐味が凝縮されたと言っていい見応えのある試合だった。コットの次の標的が気になるところだが、弱冠21歳で同じくメキシコのヤングスター、WBCスーパーウェルター級王者のサウル・アルバレスとの統一戦は是非実現してほしいところ。パッキャオ対メイウェザーの世紀の一戦とともに、中量級の世界戦線からは当分目が離せそうにない。

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