2010年03月22日
5月17日にスーパーフライ級6位の殿村雅史が、同級OPBFチャンピオンの河野公平(ワタナベ)に挑戦することが決まった。殿村は最近頭角を現してきたボクサーで、今回のタイトルマッチはこれからどういうキャリアを積んでいくか、ということが問われ始めた矢先に急遽決定。本人もスイッチが入ってここで一気に弾けてもらいたいところだ。
相手の河野君は08年9月に名城(信男)が持つWBA世界スーパーフライ級に挑戦して敗れたが、スプリット判定まで持ち込み、この階級では名城君とともに日本を代表する選手の1人だろう。
殿村にしてみれば当然格上、ネームバリューのある大物相手との初のタイトルマッチ。しかも場所は埼玉スーパーアリーナで、WBA世界スーパーフェザー級チャンピオン・内山高志の初防衛戦のアンダーカードで行われる。非常に注目度も高く、殿村にとってはキャリア最大の大舞台となる。
下馬評はもちろん河野の圧倒的有利は揺るがず。チャンピオン陣営としても殿村をリスクの低い「ちょうど良い相手」として見てるはずだ。しかし勝負の世界は何が起こるか分からない。先日2月23日には角海老のノーランカー、荒井(遼晴)が3階級も上の、しかも3位のランカー相手に見事な金星を上げた。荒井のような番狂わせがこの試合に限って起きないとは誰にも言えないのだから、殿村の奮起に期待したい。これぞアップセットと言われるような勝利を掴めば、一夜にしてニューヒーローの誕生となるぞ。
それでは殿村に勝機はあるか。俺は十分にあると思うよ。まず殿村はサウスポーのボクサーファイターで、河野君はインファイトが得意なオーソドックスのファイターだ。殿村がサウスポーの利点を活かしてうまく距離を取って、得意の中間距離でカウンターを狙っていけば勝機は見えてくる。河野君は手数が多いタイプだが、一発のパンチがあるわけじゃないので、殿村はサウスポーの利点、自分の距離でいかに戦うかを練習でしっかり消化してほしい。
まあだいたいタイトルマッチなんて準備してできるものじゃないんだよ。突然決まってそれをモノにできる奴がチャンピオンになるんだ。今回の殿村にはまだ2カ月以上もあるし、最高の状態に仕上げることがまずは先決。うちのジムの存在感を示す意味でも、殿村の下克上に期待しようじゃないか。
posted by 田中栄民 |13:44 |
田中栄民の徒然なるまま日々のこと |
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2010年03月19日
最近の角海老宝石ジムを見ていると、いよいよ本格的に若手の育成が進んできているような気がする。ここに来て、5月17日にスーパーフライ級6位の殿村雅史が同級OPBFタイトルマッチに挑戦することが決定。階級屈指の強豪チャンピオン、河野公平(ワタナベ)が持つベルトに挑む。厳しい試合になることが予想されるが、ジム関係者の間でも一皮剥けたと評判の殿村。善戦とは言わず、是非とも下馬評を覆えし、ベルトを奪ってきてほしい。
そして東日本新人王に出場する11選手が発表された。個人的な注目はスーパーバンタム級のコーチ義人とライト級の土屋修平。
コーチは昨年7月にデビューした、現在3戦3勝の19歳。中学卒業後、16才で角海老ジムに入門し、最年少の練習生としてこれまで学校が終わると制服のままジムに来て、プロに混じってスパーリングなど厳しいトレーニングを積んできたいわば角海老の「秘蔵っ子」。自ら「チーム田中」を名乗り、ボクシングだけでなく「人生の師匠」と仰ぐ田中栄民チーフトレーナーの下で、小堀佑介(元WBA世界ライト級チャンピオン)が完成させた、スピードと回転力を活かす田中流の攻撃型ボクサーとして成長著しいルーキーだ。
一方、土屋は元キックボクサーという経歴を持ち、キック時代には日本ウェルター級4位にランクされた実績を持つ23歳。土屋もコーチ同様に「田中門下生」で、デビューからまだ2戦だが、両試合ともに1回KO勝利を収め、キックボクサーとして鍛えたパンチ力とボクシングセンスはすでに関係者の間でも高く評価されている。
また、昨年の全日本新人王であるフェザー級の緒方勇希、スーパーバンタム級の鳥本大志がすでに日本ランキング入りし、この2人の今後にも注目したいところ。
すでに10人以上の日本ランカーを抱える角海老ジムだが、この中からも確実に何人かは今年中にタイトルマッチに挑戦するだろう。かつては常にチャンピオンが在籍し、ベルトが絶えなかった時代もあったが、それもすでに過去の話。現在のチャンピオン不在の状態をそう長くは続けられないという名門ジムとしての意地もあり、選手やトレーナーの間にも危機感、緊張感を感じられるのはむしろ良いことだろう。
また唯一のチャンピオンクラスである元OPBF・日本フェザー級チャンピオンの榎洋之も一人修行僧のような面持ちでさらにそのストイックさを先鋭化させ、最後のチャンスと4月23日に世界ランカーのフランシスコ・コルデロ(コロンビア)に挑む。榎の復活は、ジムにとっても大きな意味を持ち、是非とも世界再挑戦に向けて榎にはなんとしてでもコルデロに勝利してほしい。
posted by 野口 弘宜 |15:10 |
コラム-KNUCKLE IS THE SOUL |
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2010年03月13日
4月23日には元フェザー級日本・OPBFチャンピオンの榎洋之が、世界再挑戦に向けて崖っぷちの挑戦に挑む。対戦相手はWBA世界同級10位フランシスコ・コルデロ(コロンビア)で22連勝中の23才、若さと勢いでガンガン来るタイプだろう。
一方の榎もかつてはコルデロ同様無敗を誇り、日本タイトルを獲るぐらいまでは、この世に怖いものはないとばかりに、ライバルたちをぶっ倒してきたわけだ。しかしその後は世界挑戦に失敗し、復帰後も日本ランカーの李冽理(横浜光)、OPBFチャンピオンの細野悟(大橋)に連敗し、榎のキャリアを考えると正直言ってこれがラストチャンスになるかもしれない。
コルデロという、過去の自分を見るような若くて活きの良い世界ランカーに対して、経験とキャリアを積んで円熟期に入った榎がどう向き合うのか。それがこの試合のテーマなんじゃないかと思う。コルデロは詳しいことは分からないが、この年齢でこの戦績ならば相当強引なボクシングをしてくるんじゃないかな。
しかし榎にとっては足を使って距離を取ってくる相手より、積極的に打ち合ってくれる相手の方がかみ合うからね。意外と榎の左フックが当たるんじゃないかなと思ってるよ。榎には試合の流れを作れるだけの一発がある。
世界挑戦に失敗後、2連敗した榎に残された時間は少ないし、本人もその辺りは当然理解してるはずだ。本当の意味で後がない、普通のボクサーだったら押し潰されてしまうぐらいの重圧と榎は毎日戦ってると思う。そういう意味で榎の精神力、気力はもしかしたら恐ろしく高いレベルに到達してるかもしれない。見ていても練習に対する探求心、強くなろうと思う貪欲な気持ちは今までよりもさらに強くなってるんじゃないか。
臨時でトレーナーをやってる小堀(佑介・元WBA世界ライト級チャンピオン)にも練習を見てもらってるんだよ。後輩の小堀に練習を見てもらってでも強くなりたい、そういう姿勢からも榎の気迫を感じるよね。もちろん大きな強打に頼りがちの榎にが、小堀が持つコンパクトな打ち方、回転を活かした連打のテクニックから学ぶことは十分あるはずだし、小堀の左フックは文字通り世界を獲った。榎の左フックを強化するために小堀ほど最適なパートナーはいないだろう。
キャリア初の2連敗というどん底の逆境に立った榎がどういうボクシングを見せてくれるのか。下から這い上がってくる男は強いよ。とにかく榎の集大成と言うべきボクシングを見せてもらいたい。相手にとって不足はないだろうし、この試合に勝てば世界再挑戦に向けてもう一度榎が名乗りを上げられる最後のチャンスだ。榎は周囲の期待を力に変える男だから、榎ファンは是非とも会場へ足を運んで応援してやってほしい。
posted by 田中栄民 |13:20 |
田中栄民の徒然なるまま日々のこと |
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2010年03月02日
トレーナーを始めてまだ数カ月ですが、だんだんこの仕事の面白さも分かってきました。初めはどうなることかと思いましたが、指導するっていうのは選手と違った目線でボクシングの面白さが見えてくるし、たぶんゼロから選手を育てることができたらきっと面白いんでしょうね。
トレーナーのカラーっていうのは必ず選手に出るんですよ。僕で言えばやっぱり田中先生のカラーが出てたと思うんです。回転を活かしてスピーディーに連打を叩き込んでカウンターで倒すっていう僕の現役時代のスタイルは、田中先生が理想とするボクシングでもあったと思うし、やはりボクシングというのはトレーナーと二人三脚で作っていくものなんだなと実感してます。
とは言っても最近は田中さんも復帰し始めて、自分の出番があまりなくてですね… ちょっと居場所がなくて困ってます(苦笑)。でも最近の選手を見ていて、みんなですごく真面目で健全なんですよね。僕のように練習もサボらず、こんな厳しいと言われてる時代に、減量して苦しい割に稼げないボクサーという職業を選ぶ時点ですごく真面目なんでしょうけど、僕はもう少しぶっ飛んでる奴がいてもいいと思うんですね。
やっぱりチャンピオンになるような人間は、どこか変わった人が多いんですよ。僕が見てきたチャンピオンはみんなそうでした。良く言えば個性的、悪く言えば非常識っていうか、どこか規格外でぶっ飛んでる。そういう若い選手が出てこないかなと思ってます。真面目に健全にっ、ていうだけのタイプはどうしても小さくまとまっちゃうような気がするんですよね。もう少しハチャメチャなぐらいでちょうど良いんですよ、ボクサーは。と、まああまり変わった人ばかりでも困ってしまうんで、これはまあくまで僕の個人的な意見ですが(笑)。
4回戦の選手の中にも土屋(修平・ライト級)やコーチ(義人・バンタム級)をはじめ、見所がある選手もいるんですが、あまり褒めると若い連中が調子に乗るので今回は割愛しておきます(笑)。それでは。
posted by 小堀佑介 |16:41 |
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