2009年09月30日
前戦で日本人ランカーに破れるという厳しい現実に直面している榎(洋之)が再起戦に向けて猛練習に励んでいる。次戦は10月10日、しかも東洋太平洋フェザー級チャンピオンの細野悟(大橋)とベルトをかけたタイトルマッチ。7月の李冽理(横浜光)戦で負け、世界再挑戦に向けて大きく後退した榎にとっては、これが最後のチャンスと言える大事な大事な一戦だ。
細野君は、榎が世界戦への準備に入るため返に上した東洋王座を引き継いだ男であり、試合は前王者と現王者の直接対決というタレントの多い日本フェザー級屈指の好カードとなるため、注目度も高い。細野君は現在15連勝中でキャリア無敗を誇り、KO率が高くバズーカの異名を取るハードパンチャーだ。榎との一戦が3度目の防衛戦となるが、今年1月の初防衛戦で澤永真佐樹(赤城)との壮絶な打ち合いからKO勝利を奪ったのはいまだ記憶に残ってるし、ハートも強く好戦的で、この階級の日本人のトップファイターであるのに間違いない。
一方の榎はキャリアを懸けてこの試合に挑むはず。榎自身もその辺りは覚悟を決めてると思う。相当気合いを入れて練習してるよ。オレはだからこそ今回は強い榎が見られるんじゃないかなと期待してるんだよ。
前戦では攻撃のバリエーションを増やそうとしてなかなか手が出なかったが、オレはやはり榎はジャブこそが生命線だと思ってる。榎のジャブはストレート並の破壊力を持ってるし、この大一番ではジャブを軸とした榎の原点とも言える戦いを見せてほしいと思ってる。強烈なジャブとプレッシャー、重戦車のような馬力こそが榎本来の持ち味だからね。
もちろん王者の細野君は素晴らしいチャンピオンで相手にとって不足はない。榎にはチャレンジャースピリットを持って前王者の意地とプライドを見せて、王座に返り咲いてほしいところだ。
しかしファンにとってもこの2人のマッチアップは見たかったところじゃないかな。お互いハートの強いファイターだからかなり熱のこもった、これぞボクシング!というような試合になるような気がしてる。打ち合い必至の日本ボクシング界が誇る好カードなので、皆さんには是非会場で生観戦することをオススメしておこう。
posted by 田中 栄民 |14:36 |
田中栄民の徒然なるまま日々のこと |
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2009年09月27日
日本ライト級1位の加藤善孝が12月19日、同級チャンピオンの近藤明広(日東)に挑む。キャリア6年目で初のタイトル挑戦に意気込む加藤に話を聞いた。
――元々は来年のチャンピオンカーニバルに出場してタイトル挑戦という予定でしたが、早まりましたね
「そうですね。予定より少し早くなりましたが、早くやれるにこしたことはないです。試合までまだ3カ月あるんで、じっくり準備したいと思ってます」
――タイトルが早まったのはライト級でのチャンピオン交代劇も影響してると思いますが、新王者の近藤選手は8月に前王者の三垣龍次選手(M.T)を初回でノックアウトする衝撃的な勝利で王座を奪取しましたね
「45秒で倒しちゃいましたからね。三垣選手にしてみたら交通事故みたいな部分もあるのかもしれないし、勢いなのか実力なのか試合が短すぎて評価が難しいところですよね。試合も見ましたけど、三垣選手はまず様子を見ながら試合に入ろうとしてた印象を受けました。そこを近藤選手が一気に突いたのかもしれませんね。周りは『三垣より獲りやすい』っていう人が多いんですけど、僕自身はやっぱりチャンピオンになるんだから何かを持ってる選手だと思って、逆に警戒してます。タイトルマッチで化ける選手もいますからね。まあ、いずれにしてもラッキーだけでチャンピオンになれるほど甘くない世界だし、僕はあくまで挑戦者として気を抜かないようにしたいと思ってます」
――試合まではまだ3カ月ありますが、練習はもう始めてるんですか?
「はい。朝走ってジムに行って、スパーも結構やってます。こないだはワタナベジムで内山選手とやってきたんですよ。コテンパンにされましたけど(笑)」
――東洋太平洋スーパーフェザー級チャンピオンの内山高志選手とですか? スパーリングの相手としてはこの上ないですね
「内山さんとは1年半ぐらい前からスパーリングをやらせてもらってて、かれこれもう70ラウンド近くはやってますかね。強すぎて相手がなかなか見つからないみたいで、いつも3階級上とかの相手とやったりしてるそうです(笑)。良い勉強をさせてもらってます」
――相手が見つからないぐらい強い選手とスパーリングをする恐怖は加藤選手にはないんですか?
「僕は小堀(佑介・前WBA世界ライト級チャンピオン)さんと何百ラウンドってやってきてますから。ほかにも前田(宏行・元日本3階級チャンピオン)さんや榎(洋之・前東洋太平洋フェザー級チャンピオン)さん、角海老の強いチャンピオンたちとやってきた自負があります。だから内山さんとやることに恐怖は感じないし、毎回やられてますけどこないだ内山さんにも強くなったって言ってもらえて。嬉しかったですね。強い人たちと練習できる環境でずっとやってきたことは大きな自信だし、そういう人たちに報いるためにも絶対チャンピオンになりたいですね」
――初めてのタイトル挑戦という部分で気持ち的になにか変化はありますか?
「やっぱりタイトルマッチが決まってスイッチが入ったというか、高い意識を持ってやれてると思います。ただ特に気負ったりっていうことはないですね、いまは。やっぱりチャンピオンたちの練習風景もずっと横目で見てきたんで、自分はまだまだだって思うことばかりです」
――確かに小堀さんや榎さん、世界戦を経験したボクサーたちの練習は鬼気迫るものがありますよね
「そうですね。特に小堀さんの世界戦の時は、ああいう風に普段がちょっと天然だからか余計にそういうのが伝わってきましたね。命がけっていうかすごいところまで自分を追い込んでやってましたから。だから自分もこれからの3カ月間でどれだけ自分を追い込めるか、いじめることができるのかっていうことが大事なんだと思ってます」
――厳しい3カ月間になりそうですね。試合のイメージみたいなものはありますか?
「まず自分から前に出て、っていうことですね。前回の試合の反省点でもあったんですけど、ガードを固めて見ちゃう癖があるので。挑戦者らしく自分から攻めることがテーマです」
――予想外のチャンピオン交代劇による大きなチャンスです。チャンピオンといっても実力差のない互角の相手。タイトルマッチというよりは、ランキング1位の加藤選手との真の王座決定戦という意味合いの方が強い試合だと思います。十分勝機はあると思いますが、意気込みのほどを
「僕の夢は世界チャンピオンになることですから、日本タイトルは通過点であり是が非でも獲っておきたいです。それと近藤選手は世界ランク12位に入ってるんですよ。だから勝てばタイトルと同時に世界ランキングも手に入る、つまり世界タイトルに挑戦できる資格も付いてくるんです。だから覚悟を決めて絶対勝つ。しっかりやれば絶対勝てると思うんで、チャンピオンになって良い年越しを迎えたいと思います。応援、宜しくお願いします」
posted by 野口 弘宜 |18:59 |
対談・インタヴュー |
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2009年09月25日
10月10日に東洋太平洋フェザー級チャンピオンの細野悟(大橋)とのタイトルマッチに挑む同級前チャンピオンの榎洋之。7月に日本4位の李冽理(横浜光)戦でまさかの判定負けを喫し、世界再挑戦という大きな夢へもう後がない状況だけに榎は不退転の決意を表明。強豪ひしめく日本フェザー級屈指の実力派同士であり、新旧チャンピオンの2人が激突する好カードだが、15戦無敗の王者・細野はバズーカの異名を持つKOファイター。試合前から「KOで勝ちたい」と挑発とも取れる発言をするなど、試合に向けて俄然ヒートアップしているが、榎の心境はいかに――。
――練習のまっただ中だと思いますが、調子の方はいかがですか?
「(10月10日の試合に)しっかり向かって行ってると思います。調子もどんどん上がってきてます」
――前戦から3カ月という短い間隔で試合を迎えるわけですが、調整は順調ですか?
「そうですね、これほど短い試合間隔は久しぶりですけど、前の試合が終わってからほぼそのまま練習に入ってやってます。体に関してはここ4、5年の間で色々やってきてその成果が出てきてるので、特に問題はないですね」
――その前回の李冽理戦はまさかの判定負けとなりましたが、試合を振り返ってみていかがですか?
「そうですね… いま考えてみると自分が進化しようと思って、そして進化していく中で大切なものを失ってたっていうか。自分の本来の良さだったり持ち味だったり… … 」
――李戦ではいつもより攻撃にバラエティーがあった分、榎選手の最大の長所とも言うべきジャブが少なかったような気がしました。
「そういうこともそうだし、ジャブはいつでも打てると思ってたから。あの時は体の調子もスパーも良かったから余裕だなって。それに前回は(トレーナーの)木内さんの言うことをまったく聞かなくて、自分一人で考えて練習をやって、いま思うとバカだったなって。ここまでやってこれたのは木内さんのおかげだし、2人でやってここまで来れたのにそういう大切なことを失ってた。それで試合が終わってすぐに木内さんに謝って、そうしたら木内さんが『お前は体でやってきたわけでもパンチでやってきたわけでもない、コツコツやってきたんだろ。だったら次やれば良い』って言ってくれて、また昔みたいに木内さんと良い関係で2人で練習できてることが一番かな。オレはバカだから自分で一度失敗してみないと分からないんですよ。一つの方向に極端に行きすぎるところがあって、やっぱり木内さんみたいにオレのことを良く知ってて、冷静に見てくれる人がいないとダメなんだなって。でも前回負けたことでそういう自分の弱さにも気づくことができて、だから次の試合はいままでで一番強い状態に仕上げたいと思ってます」
――チャンピオンの細野選手はいまだ無敗のチャンピオン。同じ階級で同じく世界を狙うボクサーとしてどういう印象を持っていますか?
「いつかはやるだろうと思ってた相手です。パンチもあってスピードもあってテクニックもある強い選手だけど、チャンスを貰えてありがたいです。(現WBAフェザー級チャンピオンの)クリス・ジョンに負けた後、もう一度世界に行くためには絶対避けては通れない相手だとずっと思ってました」
――試合は群雄割拠のフェザー級日本人の中でも注目度の高いカードです。ある意味で世界を狙う強豪同士のつぶし合いという側面もあると思いますが
「僕にとってはこれが最後のチャンス。勝つために色々やるし、一生懸命やるだけです」
――さきほど少し話が出ましたが、肉体改造にもずっと取り組んでいるんですよね?
「はい。4、5年前に足をケガしてそれがきっかけです。一時は本当に動けなかったんですが、それから体に関して新しいトレーニング方法を取り入れて、ようやく成果が出てきてるところです。筋力アップというよりは体幹だったりインナーだったり、いかに効率よく体を使うかということをテーマにずっとやってきて、いまは本当に動ける体になって、減量も現時点で3~4キロオーバーで、良い感じに仕上がってきてると思います」
――最後に試合への意気込みを聞かせてもらえますか?
「イメージは木内さんが作ってくれてます。自分はそれにしっかり応えられるように一生懸命練習して、自信を深めてリングに上がるだけです。とにかく絶対に勝つ。もう勝つだけです」
posted by 野口 弘宜 |14:16 |
対談・インタヴュー |
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2009年09月20日
ルーキーの登竜門、新人王もそろそろ大詰め。うちのジムからもフライ級で決勝に進んだ塩澤(直紀)のほか、緒方(勇希・フェザー)、鈴木(翔・ミニマム)、鳥本(大志・バンタム)、前田(健太・ライトフライ)の4人の選手が準決勝に残り、今年は何人か新人王を獲ってくれそうな雰囲気だ。まあ最低2人は獲りたいところだな。
ジムとしては次の世代を担うボクサーの育成は常にやらなくてはいけないことなんだが、なにしろ最近はボクシングの世界に入ってくる若者が減ってきているのが現状。そんな中で今回の新人王トーナメントはなかなかの「豊作」なんじゃないかな。
ボクサーっていうのはある種の狂気のようなものを内に秘めてるタイプじゃないとダメで、最近の若いのはマジメなヤツが多いのか、練習やロードワークは一生懸命やるんだけど、なかなか吹っ切れないんだよな。つまり怖くなったり、ためらったり、そういう感情がいざという時に出てしまう。狂気と言ったけど、ボクサーは相手を殴り倒すのが商売。躊躇したり、思い切り行けないヤツはまずボクサーに向いてない。
オレはこれを精神的才能と言ってるけど、殴ること、殴られることをいとわない強いハートを持ってないとダメだということ。そしてもちろん肉体的才能を持っていること。体はトレーニングで鍛えられるのだが、持って生まれた身体能力の高さはあるにこしたことはない。例えば子どもの頃から足が速かったとか、運動神経は良かったとか、そういう部分だな。やはりプロのスポーツ選手になるなら身体能力は人並み以上であって然るべきだろう。
では精神的才能、肉体的才能があればいいかというとそれだけじゃない。後は頭の良さだ。ハートと体がタフであってもボクシングの世界でバカは絶対チャンピオンになれない。実はこれが一番忘れがちなところかもしれないが、頭の良さはボクサーにとって大切な要素だ。最長で3分12ラウンドを戦うボクシングは戦略性の高いスポーツで、相手を分析して勝利を導くための最適な方法を試合の中で探していかないといけない。別に学校の勉強ができたとかそういうことじゃなく、自分の頭で考えて戦えるボクサー的な脳を持っているかどうか。ライト級で世界を獲った小堀(祐介)なんかは一見天然ボケのように見えるが、非常に頭の良い、賢いボクサーだったよ。
ちょっと話がそれてしまったが、新人王というのはまずはそうしたボクサーとして必要な才能を持っているかを判断するには良い機会だから、ジムとしてもチャンピオンの原石をしっかり見極めたいと思ってる。東日本新人王の準決勝は9月、決勝は11月に行われるので、ぜひ角海老勢の勝ち上がりを応援してほしい。
posted by 田中 栄民 |15:49 |
田中栄民の徒然なるまま日々のこと |
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