2009年01月30日
1月3日のWBA世界ライト級タイトルマッチで、ナミビアのパウルス・モーゼスに破れ、初防衛に失敗した小堀祐介。中盤から出入りの激しいヒットアンドアウェイ戦法に切り替えてきたモーゼスのボクシングを打ち崩すことはできなかった。
現役時代は日本屈指のテクニックを持つアウトボクサーといわれ、元スーパーフェザー級の日本、東洋チャンピオンで、あのエドウィン・バレロ(帝拳)と世界タイトルマッチを争った現角海老宝石ジムトレーナーの本望信人に、試合の感想を聞いた。
第1ラウンドを見て「あれ?」と思いました。小堀が世界タイトルを獲った有明の時に見たモーゼスの印象とは全然違ったんで。僕がイメージしていたモーゼスはもっと打ち合う選手だったし、あんなに綺麗にジャブを打てることも知らなかったので、ちょっとびっくりしましたね。
序盤は小堀がペースをつかんで良いパンチも当ててましたけど、モーゼスが中盤6ラウンドぐらいから足を使い始めて流れががらりと変わってしまって。モーゼスも小堀と打ち合うリスクは大きすぎると判断したんでしょうが、小堀の攻撃力を出入りだけで巧くさばけるっていうのはかなりの技術レベルだったと思います。
特に長いリーチをうまく活かして、ジャブの打ち方が本当に巧かった。ジャブでペースを掴みながら中に入って連打をまとめて、また距離を取るっていう戦法だったんですけど、小堀のカウンターを取りに行くタイミングと技術も半端じゃないですからね。うかつに中に入ったらカウンターを貰うリスクはかなり高いし、そういう意味ではモーゼスは度胸もあったし上手だった。さすがアマ・プロ無敗の経験はダテじゃなかったと思います。
アウトボクサーや足を使う選手というのは、相手の攻撃を読む力を非常に要求されるんです。こうしたらこう来るからこうすればいい、みたいに考えるんですね。だから一番嫌なのは何をするか分からない、攻撃のパターンが読めない選手。その点で小堀は一発狙いに終始してしまって、パターンを読まれてしまっていたので、打ち合いに行く時にもっと攻撃のバラエティーがあったら切り崩せた気がします。
今回の敗戦は小堀にとって本当に悔しいことだと思います。ただ、現役続行が決まったことは本当に嬉しいし、まだまだ上を目指せる選手だと思うので、是非もう一度世界のベルトをジムに持ち帰ってきて欲しいと思ってます。
posted by 本望信人 |12:12 |
対談・インタヴュー |
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2009年01月27日
前WBA世界ライト級チャンピオンの小堀(佑介)が現役続行を表明した。1月3日にナミビアのパウルス・モーゼスとの初防衛戦に敗れた小堀だが、試合内容はモーゼスに持ち味を消されてしまい、完全燃焼とはほど遠かった。
小堀のボクシングの魅力はご存じの通り迫力のある殴り合い。たとえモーゼスに負けたとしても、もし最高の殴り合いができたなら小堀は引退を決めていただろうが、あの試合ではそれができなかった。だから余計に悔しいし、あいつもこのままじゃ終われないという思いが強いのだと思う。
トレーナーとしても小堀の現役続行の判断を100%支持するし、俺自身もう一度あいつと世界戦に挑戦したいと思ってる。小堀は28才と年齢的にもまだまだ、むしろこれからピークを迎える選手だ。これまでの世界チャンピオンまで登り詰めた経験、そして今回の大きな敗戦は、小堀をさらに強くさせると思う。
モーゼス戦での敗戦から、これまで以上に基礎体力の強化、コンディショニングを徹底させる必要があるのは言うまでもないが、アウトボクサーが苦手だからと言って小堀にポイント狙いのボクシングをさせるつもりもない。それは小堀でないし、もっともっと攻撃のバラエティーを広げ、小堀には今よりもさらに攻撃的なファイターになってもらいたい。
そしてこれから選手としてのピークに持っていくためにも、しっかりと噛み合う相手とのマッチメイクを希望したい。小堀は世界タイトルを獲った昨年5月のホセ・アルファロとの一戦が2008年の年間最高試合に選ばれた「日本で一番面白いボクシングをする男」。ボクシングを最上のエンターテインメントとして小堀と最高の殴り合いができる相手との試合、これからの小堀はそこを目指していきたい。そしてその先に世界再挑戦の道が見えてくると信じてる。
まだまだ諦めたわけじゃない。追われる方より追う方が強いからね。モーゼスに負けて小堀はもう崖っぷち、失う物は何もない。これであいつも燃え尽きる覚悟でボクシングに死ぬ気で取り組むだろう。
小堀がこれからどこまで強くなれるのか、どんな物語を見せてくれるのか。そしてこのモーゼス戦の敗戦さえも、大きな流れの中の一つの通過点だったと振り返れるように、世界再挑戦、そして世界チャンピオンへの返り咲きをなんとしても実現させたい。ファンの方々もこれに懲りずに引き続き小堀への応援を宜しくお願いします!
posted by 田中栄民 |14:44 |
田中栄民の徒然なるまま日々のこと |
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2009年01月21日
1月3日に行われたWBA世界ライト級王座の初防衛戦で小堀(佑介)は残念ながらナミビアのパウルス・モーゼスに判定で敗れ、大事な世界タイトルを失ってしまった。ファンの方たちや多くのサポーターの期待を裏切ってしまって、大変申し訳なく思ってる。
試合は小堀が7回に足がつってしまい、その後まったく足が効かなかった。モーゼスがアウトボクシングで来ることを予想していなかったわけではなかったが、正直もっと打ち合ってくると思ったのが誤算だった。
小堀が王者ホセ・アルファロからタイトルを奪った昨年5月のディファ有明で見たモーゼスはもっと打ち合う選手だったし、いま振り返ってみれば、モーゼスはきっとあの頃から小堀とのタイトルマッチを見据えていたのだと思う。だから試合前の公開練習でもモーゼスはそうした手の内を決して明かさなかったし、そういう意味で我々は見事にモーゼス陣営の作戦にはまってしまったのかもしれない。
プロアマ無敗でここまで来たモーゼスにとっては念願の世界初挑戦とあって、完璧に準備して最高のコンディションでリングに上がったはずだ。その点、小堀は試合ができずにクサって酒浸りの時期もあったりして、南アから世界ランカー2人を呼んでスパーリングは相当やったんだが、試合にかける意気込み、勝利に対するハングリーさという部分でモーゼスが勝っていたのかもしれない。
7回で足がつったことや終盤の失速も、コンディショニングがしっかりできていなかったことが原因であり、トレーナーとして小堀をしっかり管理して、もっともっと追い込むべきだったと反省してる。
タイトルを失ったことは本当に悔しくてしょうがないが、いつまでも悔やんでいても仕方がないのもまた事実。期待していてくれた方たちには本当に申し訳ないが、この大きな敗戦を糧にして前に進んでいくしかない。と言うのも小堀が現役続行を表明したのだが、そのことについてはまた次回。
posted by 田中栄民 |14:22 |
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2009年01月13日
小堀(祐介)や榎(洋之)の陰に隠れてしまったが、来年は若手のランカー勢の活躍にも期待したいところだ。
注目の選手を少し挙げてみると、ライト級5位のデーブこと加藤善孝、バンタム級4位の久永志則、Lフライ級3位の斉藤直人、ミニマム級6位の松本博志らはそろそろタイトル戦線にも絡んでくるはずだ。それにSウェルター級6位の下川原雄大もタイトルマッチに向けて着実にステップアップしている。
そのほか、Sライト級でランキング入りした坂本大輔、小堀との日本タイトルマッチも経験して今年角海老に移籍したSフェザー級の小林生人もさらなる高みを目指して頑張ってもらいたい。
個人的にオレが見てる中では、Sフェザー級の杉崎由夜は素質は十分。ハートがもっと強くなれば大きく化ける可能性があるし、まだまだ伸びしろのある選手だ。フライ級の奈須勇樹もね、良いものを持っているんだが、移籍してからマッチメイクが合ってなかった部分もあって、なかなか結果は出てないが来年あたりは勝負の年になってくるんじゃないかな。
とにかくこの辺りから来年はなんとしてでも小堀、榎に続く日本チャンピオンを出さないといけないと思ってる。小堀にしてもそうだったが、ボクサーはやっぱりタイトルを獲ってからぐんと成長するんだ。タイトルマッチという大きな試合にかけるモチベーションは大きいし、試合でも予想以上の力を発揮できるものだ。
そういう意味では1月27日の「角海老ボクシング」は面白いよ。加藤がメイン、そのほか下川原、杉崎、小林をはじめ活きの良い選手が勢揃いするから、角海老ファンならば要チェックのイベントだ。内容も濃い純ボクシングになるはず。是非とも会場に足を運んで、贔屓の選手を探してほしい。
posted by 田中栄民 |16:42 |
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2009年01月10日
ナミビアのパウルス・モーゼスに破れ、WBA世界ライト級タイトルの初防衛に失敗した小堀祐介。試合後、小堀陣営の控え室には多くの記者、メディア関係者が集まり、苦痛の表情でリングから戻ってきたばかりの前チャンピオンを取り囲んだ。
2008年の1年間を振り返ってみても小堀の世界ライト級タイトル獲得は、中量級での日本人世界チャンピオン誕生という、日本のボクシング界にとっても近年まれに見るビッグニュースだったはずだ。モーゼスとの初防衛戦をクリアすれば、本場ラスベガスでメキシコのスーパースター、マルコ・アントニオ・バレラを挑戦者に迎えたタイトルマッチの青写真まで描かれていた。
昨年11月ぐらいから日本サイドには、バレラ自身が小堀との対戦に強いやる気を見せていると伝えられていた。
今から2年前、当時日本チャンピオンだった小堀は、同じくメキシコのスーパーチャンピオンであるファン・マヌエル・マルケスとのタイトルマッチを控えたバレラのスパーリングパートナーとして招聘され、アメリカ国内でのキャンプに同行したことがある。
1カ月に及んだこの「米国修行」で小堀はバレラと拳を合わせ、初めて世界を肌で知ったのだ。世界随一のエンターテインメントシティー、ラスベガスのメインイベントとして行われたマルケスとの壮絶なタイトルマッチをリングサイドで観戦し、「ボクシングを見て初めて感動した。同じ舞台に立つことなんて考えられない」と話していた。
そんなかつての弟分「KOBORI」が世界チャンピオンになったことに対して、バレラが特別な感情を頂いていても不思議ではないし、実際にバレラは小堀戦を視野に入れて小堀の興行権を持つドン・キング・プロモーションと契約したといわれていた。
モーゼス戦の先にぼんやり見えていたバレラとのビッグマッチは「日本人がベガスのメインを張る」という、日本ボクシング界にとっても史上初めての出来事。小堀の言葉を借りれば、まさに「考えられないこと」だった。
日本タイトルを獲得した真鍋圭太戦での衝撃の2ラウンドKO劇から始まった小堀のチャンピオンロードをつぶさに観てきたボクシング記者たちにとっても、小堀の奥に潜む不思議な「大物感」にきっと大きな期待を寄せていたはずだ。それだけに控え室の雰囲気も重かった。その場にいた記者たちもこの先、小堀の目の前に広がってくる風景をもう少し見てみたかったというのが本音だったのではないか。
いくつかの質問に対して、口べたな小堀が言葉を振り絞り、「相手の方が強かっただけです…」「(モーゼスは)遠かったです…」と繰り返した。
どういう気持ちで戦っていたのかという質問に、「10発貰っても、1発良いのを返せれば」と答えたのは、良くも悪くも小堀らしいコメントだったと思う。最後に進退について聞かれ、「少し考えます」とだけ言ってうつむいた。
同席した角海老宝石ジムの田中栄民チーフトレーナーは、デビュー以来小堀を見続け、二人三脚でチャンピオンロードを歩んできた。小堀の強さをもっとも良く知り、勝利をもっとも確信していた一人だったはず。「しっかり研究されていた。打ち合ってくれなかった…」と悔しがった。(フリーライター・野口弘宜)
posted by 野口弘宜 |14:20 |
コラム-KNUCKLE IS THE SOUL |
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