2007年10月31日

「有力ジム比較」 村木田 一歩


約2,500名のプロボクサーのうち、8回戦以上を戦う資格のあるA級ボクサーの数は、約500名。全体の2割になるが、このA級ボクサーを何人保有しているかこそが、そのジムの現在の実力に対する一つの評価なのではないかと考えている。

現在、A級ボクサーを20名以上保有しているジムは、「角海老宝石ジム」と「ワタナベジム」の2つだけだ。そして10名以上のA級ボクサーが在籍しているのは7つあり、数字の順に「グリーンツダ」「帝拳」「ヨネクラ」「協栄」「横浜光」「大阪帝拳」「大橋」となっている。9つのジムで約150名、全体の3割を占める。
また、「グリーンツダ」「大阪帝拳」を除くと、残りのすべてが東京圏ということになる。都市型・大手寡占状況が如実に現れている。

ボクシングの実力を最終的に比較するに際しては、A級ボクサーの保有数と共に、ジムに世界、東洋及び、日本チャンピオンがいるかとか、それぞれのランカーが何人いるかなどの諸点を裁量して総合的に判断されなければならない。

そこで、今回は7つの項目ごとに自分なりのポイントを設定して、ある意味無謀で一人よがりの順位付けをしてみた。2007.5.24現在

2007103101



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posted by 村木田一歩 |13:40 | コラム-リングサイド | トラックバック(0)
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2007年10月25日

9/19東京・後楽園ホール「ゴールデン・チャイルド・ボクシングvol.84/トクホンVダッシュ第70弾」

☆第6試合 バンタム級8R
×平野 博規(角海老宝石)[TKO6R2:59] 大村 彰二(トクホン真闘)

「California Love」(2Pac&Dr.Dre) を背に入場してきた平野はおよそ9ヵ月半ぶりの試合。一方、03年度全日本新人王の大村も、05年8月の山口伸一(F・I)戦以来、実に2年ぶりのリングである。ブランクの影響からか、両者は踏み込みのタイミングが掴めずに手数を出し控える、静かな幕開けを切った。

山が動き出したのは2R。能動的展開を作り出そうと切り込んで行った平野は、出会い頭にショートのカウンター、ワンツーをヒット。だがここで波に乗ったのは大村だった。平野の右に左フックを被せていくと、次第にパンチのタイミングが合い始め、明らかに調子付いてきたのが見て取れた。

3R、距離感がアジャストせず、左ストレートが敵の顔面に着弾しない平野は、フェイントで誘いをかけていると、大村がスイング気味に振り抜いた右ロングフックがジャストミート。腰から崩れ落ちるダウンを喫する。結論からすると、大きな弧が描かれたこの一撃で試合の趨勢は決まってしまった。終了間際にも大村の左フックが命中する。

4R。時折左アッパーも交えた大村の変則にして大胆なスタイルと勢いに平野は困惑を隠せず、後手に回ってしまう。5Rも鋭い踏み込みを伴って放たれる大村の左フック、右ストレート、右オーバーハンドに仰け反る。本来は防御勘に長けている平野のパンチに対するリアクションは、この日に関しては鈍い。反対に大村は先手を押さえたかと思えば、打ち終わりにも狙いを定めるなど、したたかな戦略も光る。

6R。直進していったところに右オーバーハンドを被弾した平野は、身体を左側に流しながら、真っ直ぐ振り出す大村のコンパクトな右を立て続けに喰らってしまう。ラウンド終了間際、いよいよ袋小路に追い詰められた平野は苦し紛れに飛び込んでいく。しかし、そこで待ち受けていたのは大村の右フック2連発。平野の身体はスローモーションのようにゆっくりと沈んだ。

本来の動きができなかったのを見ると、平野の主たる敗因はブランクの影響と、コンディショニングにあったのかもしれない。しばらく身体を休め、メンタル面を含めて万全の状態を取り戻して、再びリングに帰ってきて欲しい。

☆第3試合 S・バンタム級4R
鳥本 大志(角海老宝石) [判定4R 3-0] 高田 小次郎(金子)×

6月に初勝利を挙げたものの、その試合内容は決して芳しいとは言い難かった鳥本だが、ひとつの白星がもたらした自信は大きかったのだろう。ジャブから右に繋げる基本スタイルを保ちつつも、その姿勢はいつになくアクティブ。ブロックの上からも構わずコンビネーションをまとめ、意欲的に先手をとっていく。初回は手数・有効打とも鳥本が明確に上回った。

2Rもクリーンヒットこそ少ないが、離れた距離ではジャブにワンツー、くっついてフック・アッパーを繰り出す鳥本の積極性が目につく。高田が反攻を試みた3Rもやはり鳥本の有効打数が若干勝った。最終4Rも鳥本は終始前進。危なげなく試合終了のゴングを聞いた。

40-37、39-38が2人の3-0の判定をモノにし、勝ち星を先行させた鳥本はまだまだ技術的にも発展途上の段階にあるが、先手を制すれば、展開を自分にとって有利に運べるという勝負の鉄則を学んだはず。経験値を上げたという意味において、意義のある試合になったのではないだろうか。

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posted by kadoebi1 |20:11 | 試合レポート | トラックバック(2)
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2007年10月24日

9/17東京・後楽園ホール「第343回ガッツファイティング」

☆第3試合 フェザー級4R
青山 慶洋(角海老宝石) [判定4R 3-0] 武藤 直樹(協栄)×

昨年9月に初回KOで初陣を飾った青山は1年ぶりの実戦。対して赤コーナーに陣取る武藤はデビュー戦。たかが1ラウンド、されど1ラウンド。プロでの舞台経験を持つ青山は、一日の長を示したいところだ。

初回、青山は前進してくる武藤の動きを冷静に見極め、右ストレート、左ボディフックを的確にヒット。前に出て、攻勢をとっているのは武藤の方だが、左ジャブで自分の距離をキープする青山は断続的にヒットを奪っており、その落ち着き払った様子からも押されているという印象は全く受けさせない。手数は少なくても、青山はリングジェネラルシップで勝った。

2R、プレスを強める武藤と青山の頭が度々衝突。互いに苦痛の表情を浮かべた2度目の接触の際、青山は額の右上部に裂傷を負ってしまう。全般的には互角の展開と見受けられたが、もし採点を振り分けるのであれば、このラウンドは左ジャブをタイムリーに的中させ、浅いながらも右も当てた武藤のやや優勢との判断が妥当だったろう。

以上6分間の攻防で、青山は相手のおおよその戦力値と傾向を推し量ったに違いない。3Rに入ると、アグッレシブさが増す。武藤の放つパンチに合わせて、右ストレートをヒット。ジャブからフック、アッパーに繋ぐ左リードの使い方に非凡さを窺わせる。

4R、偶然のバッティングが再度起こり、青山はダメージを被ったが、左ジャブからシャープな右ストレートを突き刺し、ペースを明け渡しはしない。武藤の接近には的確なフック・アッパーで対処してみせた。

採点は40-37×2、39-37の3-0で青山の勝利。KOチャンスを演出することはできなかったが、その安定した試合運びは今後の成長を予感させるものだった。

☆第5試合 ライト級6R
×高橋 尚貴(角海老宝石) [TKO3R終了] 長崎 大之(F・I)

左を差し合って、主導権争いを繰り広げていた高橋は、ややバランスを崩した体勢から無理に左を伸ばして行った。すると右ガードが下がって無防備となった横っ面に左ショートフックを叩き込まれ、ヒザをバタつかせてしまった。ラウンド中盤、長崎をロープに詰めて右フックで顔面を跳ね上げ、形勢を振り出しに戻した高橋だったが、この到来したチャンスに左右フックで攻め込んで行くも、その攻撃は少々ラフ。フォローの鋭さとパンチも正確性に欠け、終盤には長崎に逆襲を許してしまう。

2Rも左右フック、右ストレートを浴びた高橋は守勢一方。3Rも左フック、右ストレートを食って、力なく後退する時間が多く、後半には長崎の細かい連打攻撃に晒され、防戦に終始せざるをない展開となる。そしてこの回終了後、青コーナーに戻ってきた高橋はセコンドに眼の異状を訴え、棄権を申し入れるという苦渋の決断を下した。

物静かで生真面目な性格が災いしているのか、試合で本領を発揮できず、ここ6戦で1勝と、生みの苦しみの中でもがき苦しんでいる高橋。現段階では決定していないが、次戦では目先の勝利を渇望し、勝負への執着心や感情を剥き出しにした高橋のファイトが個人的には見てみたい。そうすれば自ずと殻を破れるのではないか。

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posted by kadoebi1 |19:55 | 試合レポート | トラックバック(0)
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2007年10月23日

9/16新宿フェイス「ルーキーズマッチKIGENカップ決勝」

☆第7試合 フェザー級4回戦
×ディエゴ瀬良垣(角海老宝石) [判定4R 2-1] 本間 幸樹(つるおか藤)

今やトレードマークとなりつつ麦わら帽子を被って入場したディエゴは開始早々、サウスポーの本間が放った左ストレートを直撃され、いきなりグラつかされる。この不穏な立ち上がりに「中間距離は危険!」と察したのであろう。ディエゴは、本間の間合いを潰そうとロープに詰め、徹底して密着。相手のアゴ下に頭を持っていき、潜るような姿勢から左右ショートフックをボディに集めていく。パワーに劣るディエゴは回転力を活かしていこうという算段だが、本間も数で対抗。試合は初っ端から火花弾け飛ぶ、熾烈な打撃戦に突入した。

2R、右から左フックのコンビに、右フックを快打したディエゴはこの回も精力的に手数を出していく。しかし本間も負けじとパンチを小刻みに返す。後半に入ると、ノーガードの攻防を展開。際どいタイミングでパンチの交錯するスリリングなやり取りを、観客は固唾を飲みながら凝視する。  

3Rもパンチの応酬は続く。ディエゴが左フックをカウンターして先制すれば、中盤には本間が左フックと左アッパーでディエゴのヒザを揺すり、後半にはディエゴが右フックをお返しすると、今度は本間が左ストレートでディエゴの動きを止める。まさにシーソーゲームとなった。

汗のしぶきが飛び散る白熱の打ち合いは、4Rもゴングと同時に始まった。必死の形相で左右フックのラリーを繰り広げる両者。本間を一瞬棒立ちにしたディエゴだが、強烈な右フックの逆襲を受け、合間にボディアッパーを突き上げられる。こうして甲乙付け難い、死力を尽した賞味12分間の激闘は、場内が興奮の坩堝と化したところで幕を閉じた。

採点はジャッジ三者ともに39-38。その中で過半数の支持を受けたのは本間だった。勝敗を分けたポイントは体格差。フレームの違いから、ディエゴはショートレンジでの戦いを選択したが、体力で劣るため、フィジカルコンタクトの時間が増えれば、消耗を余儀なくされてしまう。そしてパワー差によって、ディエゴのコンビネーションが、本間の1発に相殺された印象をジャッジに与えた面もあった。でもこの一戦に敗因は存在しないと思う。ディエゴの戦法を真正面から受け止め、手数でも互角に渡り合った本間の勝因を強調すべき試合だった。

「年間最高4回戦」候補と評したくなるほどの壮絶な打撃戦を制した本間は、見事に同大会のMVPを獲得。紙一重で涙を飲んだディエゴも健闘が評価され、特別賞が授与された。

☆第9試合 フライ級4回戦
青野 弘志(角海老宝石) [判定4R 3-0] 田中 隆三郎(帝拳)×

小気味の良い攻撃を繰り出して、暖気運転を終えた青野のピッチが上がったのは2R。右フック、左ストレート、アッパーを決めて、流れに乗った青野は、以降もコンビネーションをスムーズに出し続けて、田中を守勢に追いやる。ボディを狙った田中が接近してくれば、上下へのアッパーで迎撃。そこにフックも交える青野の攻撃は、バリエーションが富んでいる印象だ。

3Rも青野は力みの抜けたパンチを間断なくリズミカルに繰り出し、ヒットを次々に生み出して行く。特に左のボディアッパーが面白いように決まり、試合はワンサイドの様相を呈してきた。

4R、青野が降らせるパンチの嵐に、グロッキー状態に陥った田中。しかし、ここでKOに対する色気が出すぎたか、青野はややヘッドハンターと化す傾向が強まり、ダウンシーンまでは演出できなかった。

集計されたジャッジペーパーは40-37、40-36×2の3-0。初代ルーキーズマッチ覇者に輝き、試合後の表彰式でトロフィーと目録を受け取った青野は来年の新人王戦にエントリーする予定だが、フライ級では体格面で多少見劣りする部分もあるだけに、階級をL・フライ級に下げた方が、秘めたるポテンシャルを開花できる可能性がより膨れ上がるのではないかと感じる。

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posted by kadoebi1 |15:48 | 試合レポート | トラックバック(0)
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2007年10月22日

9/2田口雄平、9/22久永志則

☆07/9/2東京・後楽園ホール「The Boxing Renaissance Part5」
第3試合S・フェザー級6回戦
田口 雄平(角海老宝石) [判定6R3-0] 本橋 正行(五代)×

田口を軸に左へと旋回する本橋に対し、田口は偵察を終えたラウンド中盤辺りから、左ストレートを断続的に痛打し始める。2R、ショートパンチを交換する中、田口は右フックで本橋の上半身を泳がせ、左ストレートで仰け反らせる。3Rも右ジャブ、左ストレート、右フックでコンスタントに顔面を弾き、4Rも軽快なパンチでヒットを量産。局面の打開を図りたい本橋は、ボディストレートを出して、活路を見出そうとした。

田口がポイントを失ったとすれば、5ラウンドか。この回も田口は軽打を積み重ねたが、左フックを2発被弾。右ストレートも痛打され、終始本橋に先手を奪われた。だが本橋の反撃もそこまで。脚を止めて打ち合った6Rは、疲れから田口の上体が流れるシーンも増えたものの、的確性でポイントをしっかりと奪回した。  

判定は文句なしの3-0で田口の勝利(59-56×2、59-55)。但し、制球を重視し、ボールを置きに行った結果、腕の振りが鈍って、球威を落とすスパイラルに陥る野球の投手同様、パンチの的確性に重きを置いているために打ち抜きが若干甘く、ダメージングブローを与えられないところがあったように感じた。強弱のメリハリをつけた攻撃ができるようになれば、更にボクシングの幅が広がっていくのではないかと思う。次戦は12月11日、後楽園ホールで吉田尚司(フラッシュ赤羽)とサウスポー対決を行う予定だ。

☆07/9/22茨城・つくばカピオ「ダイナミックヤングファイトボクシング」
54.5kg契約8回戦
久永 志則(角海老宝石) [KO3R2:59] 安達 リョウ(渡嘉敷)×

今回久永がグローブを交える安達は、今年1月に引き分けた宿敵。久永にとってはダイレクトリマッチになる。秋葉原からつくばエキスプレスに揺られること1時間強。終点つくばの地に降り立った久永は「遠足のような気分ですね」と話し、地方遠征を楽しんでいる面持ちで決着戦に臨んだ。

出だしからソリッドなパンチ、動きを見せる久永は試合開始30秒、安達の八の字ガードの間隙を縫い、ワンツーストレートをクリーンヒット。その閃光の一撃に腰砕けとなった安達は、何とか踏ん張ってみせたが、20秒後にも久永の右クロスが炸裂。再びヒザを大きく折り曲げた安達はここでも足腰の粘り強さを発揮し、頑なにダウンを拒む。早速、主導権を掴み取った久永も、攻めに逸ることなく、安達の動きを見極めながら、右ストレート、左フック、左アッパーのヒットを堅実に積み上げていく。

2Rも久永は左リードで射程距離を測定しつつ、ジワリジワリと安達ににじり寄る。そして安達が打って出てきた刹那、右フックのカウンター。安達は前のめりに倒れた。再開後も久永は左アッパーから右ストレートのコンビネーションを鮮やかに決めたかと思えば(このパンチで安達は左目上をカット)、前進してくる安達に対して下がりながら左ロングフックを合わせてみたり、相手が打ってこないと見るや、ロングレンジから左フックをボディに振って飛び込んでみたりと、意のままに安達を操る。

3Rも久永は上に目配せしながらのボディへの左ストレート、フェイントを誘って左アッパーを突き上げるなど、巧妙なる駆け引きを駆使。中盤、安達の反撃に遭ったものの、無難にやり過ごしす。迎えた終了間際、久永の放った右から返した左フックが火を噴き、ダメージに蝕まれた安達はもんどりうって崩れ落ちた。キャンバスに軽く頭を打ちつけながらも、本能で立ち上がってみせた安達。しかし意識は朦朧としており、試合再開の意思表示を示すことができなかった。

冷静な試合運びに攻撃的なボクシング。久永にとってはキャリアにおいても、屈指のパフォーマンスを演じられたのではないか。今回の試合内容を受け、牧島洋介(国際)との対戦が早くもセットされた(11月12日に後楽園ホールで行なわれる「三迫ジム一門会」興行のメインに登場)。

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posted by kadoebi1 |16:02 | 試合レポート | トラックバック(0)
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